龍が如く5 夢、叶えし者(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『龍が如く5 夢、叶えし者』とは、セガゲームスが発売するアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズの第5作目に相当する作品である。キャッチコピーは「その生き様に 男たちの血が騒ぐ」。本作は前作『龍が如く4』で桐生一馬と仲間たちが東城会と上野誠和会の抗争事件を解決した後、日本各地を舞台に起きる極道たちの動乱の物語を描いており、新たな主人公に品田辰雄と澤村遥、さらに物語の舞台に大阪、福岡、名古屋、北海道が追加されているのが特徴となっている。

CV:大東俊介

冴島が網走刑務所で出会った囚人で、同房となった彼を「兄貴」と呼んで慕う青年。冴島が入った房の囚人たちの中でも最年少である。
もとは北方組の構成員だったが、兄弟分の関係にあった組員のために殺しをやったことで服役することになり、それからは北方組からの迎えを待ち続けていたが見捨てられたことを知る。その後は宛てもなくなったことに失意になって仮出所を辞退し、10年もの間刑務所の中に篭り続けていた。

そんな中、冴島と出会い、彼に極道として人間として生きることの大切さを教えてもらったことで、今一度人生をやり直すことを決意し、仮出所へと前向きな姿勢になる。しかし、冴島を付け狙う釘原の罠にはまって、刑務所内の傷害事件の犯人にされて仮出所取り消しという処分を下されてしまう。
実はこの傷害事件と、北方組にいたという経歴は全て自作自演であり、その正体は黒澤の傘下のひとりで、黒澤の障害となる冴島の行動の抑制を任務として与えられていた。しかし、冴島と行動を共にするうちに彼の人柄に惚れたことで黒澤の傘下として行動することに躊躇し、後に黒澤の指示に従いながらも密かに冴島や桐生たちの手助けをしていくようになる。

朴美麗(ぱく みれい)

CV:朴璐美

大阪の蒼天堀にある芸能事務所・ダイナチェアの女社長を務める韓国籍の女性。
芸能事務所の社長として荻田や山浦などの同業者に厳しく、さらに時間などの余裕がない仕事を推し進めるなどワンマンが目立つが、遥のように売れる人材を確実に見抜く眼力を持っており、関西の芸能業界でも一目置かれている。そして遥に対しても厳しく接することもあるが、時に彼女に優しく接して支える包容力もあり、彼女から慕われている。

かつては幼い頃に実の両親に虐待を受けていたという悲しい過去があり、里親に引き取られて新しい日々を送る中、テレビで見たアイドルの姿に憧れを抱いて自らもアイドルとして活動した頃があった。その後に真島と出会って彼と結婚するが、アイドルを続けるために独断で子供を中絶したことが原因で離婚となり、さらに極道である真島との既婚事実が明らかになったことでアイドルを断念せざるを得なくなる。
それ以来、途中で断念してしまった自らの夢を託せる逸材を探して後進のアイドルたちの育成に尽力していたが、ある時、沖縄で遥と出会い、彼女がその逸材だと確信する。その後に桐生と出会い、アサガオの経済的援助と引き換えに遥とアサガオの経営権を譲渡するという取引を持ちかけ、桐生をアサガオから離れさせた。そして高校進学と共に事務所のある大阪へと渡ってきた遥を、半年でメジャーデビューさせるという夢を思い描き、彼女を厳しく指導していくが、その最中に突如謎の死を遂げる。

渡瀬勝(わたせ まさる)

CV:西凜太朗

七代目近江連合若頭・直参渡瀬組組長。
かつて桐生と死闘を演じた宿敵にして「関西の龍」の異名を持つ関西の覇者・郷田龍司率いる二代目郷龍会無き後の近江連合において、最強の名を欲しいがままにしている猛者として知られている。
「強い奴と喧嘩しとうてヤクザになった」と自称する生粋の武闘派で、強い相手と拳で勝負することを至上の喜びとしている。そして、勝負のことも含めて細かいことは気にしない豪放磊落な性格だが、人間関係には律儀であり、義理人情を重んじる一面もあるところから人望も多く集めている。

次期近江連合八代目会長候補として注目されており、自分が八代目を襲名した暁には東城会に全面戦争を挑むことを豪語しており、その中で東城会のキーマンである桐生のことも自分が追い求める宿命の好敵手だと確信している。
そして、八代目として後を継いだことも視野に入れており、その宿命の好敵手である桐生がいない東城会を相手として大いに役不足だと感じていて、半年前から忽然と沖縄から姿を消した彼の行方を追い続けている。

勝矢直樹(かつや なおき)

CV:吹越満

七代目近江連合本部長・直参逢坂興業会長。
その一方で、関西最大手の芸能プロダクションで、遥のライバルであるアイドルユニット「T-SET」が所属する大阪芸能を経営する実業家というもうひとつの顔を持っている。そして渡瀬とは兄弟分の関係にあたり、彼からは「勝っちゃん」という愛称で呼ばれている。

普段は冷静沈着で誠実な性格であり、過去にアクション俳優として活躍していた頃の経験を生かす形で、相手に真意をそう簡単に悟らせないほどの高い演技や話術も得意としている。しかし、作中に独断で動いたことへのケジメとして金井の顔にタバコの火を押し付けるなどの極道らしい一面も持ち合わせている。
そして本作で起きた一連の事件の黒幕が黒澤であることに薄々感づいており、プリンセスリーグの決勝戦の直前に起きた朴の不審死の事件を皮切りに、黒澤の動きを密かに追い始める。

金井嘉門(かない かもん)

CV:石川英郎

七代目近江連合直参逢坂興業若頭。
大阪芸能の社長としての表の顔も持つ勝矢に代わって逢坂興業を取り仕切っており、自身も専務という表向きの顔として産廃処理などの仕事を引き受けてのシノギも行っている。
かなりの強面と2m近くある巨体が特徴的で、その巨体を活かしたパワフルな格闘戦を得意とするはもちろん、秋山の蹴りを数十発受けても微動だにしないというかなりのタフネスさを誇る。

そして実は黒澤の傘下のひとりであり、彼の命令を受け、行方不明となっている東城会の重要人物である真島を探すための手がかりとなる朴の手紙を探している。しかしそれは黒澤の命令に従っているだけではなく、逢坂興業のNo.2として自身の親である勝矢を次期会長としたいという自身の考えからも来る行動ともなっている。

芹沢和彦(せりざわ かずひこ) / 黒澤翼(くろさわ つばさ)

CV:奥田瑛二

大阪府警組織犯罪対策本部所属の刑事。
近江連合に関する事件を追っており、いずれ起こる東城会と近江連合による全面戦争を阻止するという目的のために各地を奔走しているらしく、行く先々で会った桐生や冴島たちに意味ありげな言動でヒントを与えては去っていく。

その正体は近江連合七代目会長で、本名は「黒澤翼」。森永、青山、馬場、金井を始めとした、自身の息のかかった人間たちで構成された一派を率いて、本作の事件を引き起こした黒幕にして桐生たちの最大の敵である。
かつては近江連合の中でも弱小組織の部類に入る神戸黒羽組に所属しており、極道として苦難続きの人生を歩んでいた。その後は「他人の糞を食ったことがある」と自分で言い捨てた通り、自分が伸し上がっていくために進んで濡れ衣を被ったり巻き添いを受けたりしながら、伸し上がるのに邪魔となる自分の兄貴分や親を殺して、近江連合七代目会長となった。

しかし、結果として手に入れたのは七代目会長という地位が持つ権力だけであったことに深い空虚と失望を感じるようになり、同時に桐生や渡瀬といった人を惹きつける強いカリスマ性を持った人間に対して嫉妬と憎悪を抱くようになる。
そして半年前に末期の肺癌を宣告されたことに絶望と焦りを感じ、桐生、冴島、渡瀬、勝矢という東城会と近江連合の象徴とも言える4人の男を葬り、東城会と近江連合の全てを手に入れて息子の相沢に引き継がせる計画を企てる。

renote.net

福岡の人々

まゆみ

CV:片瀬那奈

永洲街でも人気のクラブ「オリビエ」で働く女性。
クラブの中でもNo.1のキャバ嬢としても有名であり、桐生が住む永洲街の片隅のアパートへ毎日のように強引に押しかけては日々甲斐甲斐しく世話を焼いている。桐生も最初はまゆみの存在を渋っていたが、遥やアサガオの子供たちと別れたことへの後悔と孤独を忘れさせるほどの安らぎを得るようになったことから、次第に彼女を受け入れるようになった。

実は山笠組の組長・斑目の実の娘であり、斑目との会談の後、桐生が福岡でタクシー運転手をしていることを知った大吾に「桐生さんを見守ってやってくれ」と頼まれた。アパートに押しかけていたのはそのためで、桐生の世話を焼いていてはその近況を父と大吾に度々報告していた。

中嶋洋太郎(なかじま ようたろう)

CV:楠見尚己

永洲街のタクシー会社「永洲タクシー」の社長。
曲者揃いのドライバーが多いことで知られる会社の社長として知られているが、客の安全を第一に掲げて運営をして日々仕事に励んでいることから評判はとても良い。
酒好きで大らかで、さらに仁義に篤い性格をしており、半年前に福岡に流れ着いた桐生と出会い、彼の男気を見込んで社員として雇い入れた。それ以降、理由や過去は何も聞かずに温かい目で見守り、支え続けていることから、桐生からも恩人として慕われている。

かつては「三銃士」と呼ばれる、走り屋たちの中でも伝説と言っていいほどの腕前を持つ3人の男のうちのひとりであった。他人を巻き込まないようにして走り屋の腕前を高めることを理念に掲げて「永洲デビルキラー」を創ったが、レース中に相手チームの走り屋と衝突事故を起こしてしまう。
そして、その事故に巻き込まれた妻が植物状態になるという悲劇に見舞われ、走り屋から足を洗ってタクシー運転手となって治療費を懸命に稼ぎ続けた。しかしその頑張りも虚しく妻に死別されてしまい、事故を起こした相手チームの走り屋を責めることはできず、さらにデビルキラーを創ったことに今でも負い目を感じ続けている。

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