龍が如く5 夢、叶えし者(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く5 夢、叶えし者』とは、セガゲームスが発売するアクションアドベンチャーゲーム『龍が如く』シリーズの第5作目に相当する作品である。キャッチコピーは「その生き様に 男たちの血が騒ぐ」。本作は前作『龍が如く4』で桐生一馬と仲間たちが東城会と上野誠和会の抗争事件を解決した後、日本各地を舞台に起きる極道たちの動乱の物語を描いており、新たな主人公に品田辰雄と澤村遥、さらに物語の舞台に大阪、福岡、名古屋、北海道が追加されているのが特徴となっている。

次々と起こるトラブル

同じ頃、名古屋での冨士田の死亡現場で他の刑事や鑑識員たちと共に調査に当たっていた、桐生の戦友にして協力者のひとりである捜査一課の刑事・伊達真は、現場に落ちていた近江連合のバッジを見つけた。そんな中、ひとりの刑事がその場に駆け込んできて、冨士田が手に握らされていた一丁の拳銃から、冨士田のものとは別の指紋が見つかったことを伊達に報告する。そしてその指紋は、昨夜芝浦埠頭で刺殺体で発見された森永の現場に残されていたものと一致したらしく、しかもその指紋の持ち主があの勝矢であるらしいというのだ。
一方、渡瀬組の本部で渡瀬が、部下から福岡と札幌と名古屋で同時に起きた騒動の裏に勝矢が関わっているという報告を聞かされ、険しい表情をしていた。そして勝矢と金井ら逢坂興業の主力が、東城会との何らかの取り引きをしたことで無血開城という形で神室町入りを果たし、さらに蒼天堀の本部も含めた逢坂興業の拠点ももぬけの殻だという報告に渡瀬は憤怒する。
「蒼天堀くらい欲しけりゃくれてやる……っちゅうことか? 跡目に興味なさそうなフリしときながらやってくれるやないか……!」と、憤怒の形相で渡瀬は唸った後、部下たちにすぐに出立の準備を整えろと命じる。それに戸惑った部下たちがどうするのかと尋ねると、「戦争にきまっとるやろが!! ワシらも東京に乗り込む!! 勝矢の好きにさせてたまるかいっ!!!」と、憤怒の形相で吠えた後、渡瀬はその場を後にした。

さらに一方、勝矢は新神室ヒルズホテルの一室で秋山と再び会っており、朴が秋山から借りた3億に加え、金井の不祥事の詫びとして2億円という、合計5億の迷惑料を秋山に提示し、明後日に予定されている日本ドームでの遥のコンサートを取りやめてほしいと要求してきた。しかし秋山はその要求に首を縦に振らず、険しい表情で「あんた……遥ちゃんを引退でもさせる気なのか? そこまでしてあの子の夢を打ち砕きたいのか」と、問うた。勝矢はそんなことはないと否定した後、日本ドームで遥にコンサートをされると困ると言った。そして遥がもし日本ドームでの舞台に立つようなことがあると、最悪の展開があると勝矢は口にしかけたが、「全部ビジネス上の話です。これ以上、ウチのT-SETと澤村遥の差を広げられたくないんでね」と、はぐらかした。
それに秋山は急に席を立ち上がって、「俺はつくづくアンタのことが読めなくなってきましたよ」と、勝矢に言った。そして秋山は大阪芸能本社で会った時、自分は勝矢を相当な演技派だと指摘したが、勝矢が根っからの悪人だとは思えないと言った。それに勝矢は、くだらない話はいいから返事を聞かせろと迫るが、秋山は断ると毅然とした態度で言い放った。それに勝矢が「大阪芸能、いや……逢坂興業を敵に回してもよいと?」と、恫喝するように言うと、「ええ、もちろん。それじゃ、また」と、秋山は毅然とした態度で返して、その場を後にした。そして秋山がスカイファイナンスに戻ると、品田が客として待っていた。品田は秋山に、遥のコンサートを中止するための違約金として3億2000万を自分に融資してほしいといきなり頭を下げて頼んできた。

実は品田は澤田から、神戸黒羽組が遥のコンサートで何か良からぬ企みを目論んでいることを聞かされ、このままでは遥だけでなく大勢の観衆の命まで危ないかもしれないと言った。だからこそ3億2000万を自分に貸してほしいと品田は秋山に懇願したが、秋山は首を縦に振らなかった。そして、朴の夢のためにもどんなことがあっても遥と共にコンサートをやりたいと思っていると品田に打ち明けた秋山は、彼に協力を求め、まずは勝矢が遥のコンサートの中止を打診したイベンターがいる「魔王INC」と呼ばれる会社へと向かった。そして魔王INCのビルに着くと共に、イベンターに雇われたと思しき極道たちの襲撃を受けるが、秋山と品田はこれをまとめて返り討ちにする。
そこでビルに踏み込んで、イベンターにして魔王INCの社長である魔王社長を追いつめる秋山と品田だが、魔王社長は「お、俺は何も知らない! 勝っちゃんに頼まれただけなんだ! ここに金貸しの社長が来たら軽く追い払ってくれって!」と白状する。魔王社長は、勝矢は朴と20年間ずっと互いに支えあってやってきた仲だからこそ、彼女を裏切るような真似をするはずがないと主張した。その言葉に秋山と品田が耳を疑うと、魔王社長はこのようなことを話した。勝矢はかつてアクション俳優として活動していた過去があり、魔王社長はその頃の勝矢のマネージャーを務めていた。そして勝矢は朴と神室町で会って、スターを目指してこの街で共に切磋琢磨していたことがあり、親友と言っても過言ではない間柄だったという。

それから魔王社長は秋山と品田に、20年前に撮った朴と勝矢と真島が写った写真を見せて、写真を撮った後のスタント撮影中に大怪我をし、俳優生命を絶たれた勝矢を朴と共に救ったのが真島だと言った。その事実に秋山と品田が驚くと魔王社長は、真島は知り合いの大阪の極道たちと話し合い、大阪芸能の社長という新たな人生を勝矢に歩ませる手伝いを朴と共にしたのがあの真島だと言った。その後、真島と別れてダイナチェアという芸能事務所の社長となった朴は、表向きはライバル関係を装いながら、勝矢と大阪芸能と密かに手を取り合って芸能界を生き抜くことを誓った。
そしてT-SETの移籍についても実は朴が勝矢に頼んだことであり、強烈なライバルがいないとアイドルとして大成しないことを踏んだ朴が、自分がダイナチェアで育てた遥と対決させて育てるためにT-SETを大阪芸能に預けたのだ。さらに真島も朴と別れた後、今でも勝矢と頻繁に連絡を取り合っており、勝矢も東京に来るたびに真島のところを親友として訪ねているというのだ。そんな魔王社長が語った、朴と勝矢と真島の意外な繋がりに驚かされた後、秋山と品田は勝矢がコンサートを中止させたがるのは何か他に理由があると踏む。
魔王社長は、勝矢がコンサートを中止させようとしていると秋山と品田から聞かされて驚き、延期の間違いじゃないのかとふたりに言った。秋山と品田がそれに引っかかると、「俺は勝っちゃんに明後日のコンサートを1日後ろにズラしてほしいとしか言われてない」と言った。その魔王社長の言葉に、秋山と品田は勝矢が何を考えているのかますますわからなくなり、揃って怪訝な表情を浮かべるばかりだった。

事件の黒幕登場

その後、勝矢はテレビのニュースを通して、当初日本ドームで予定されていた澤村遥のコンサートを、T-SETのコンサートに急遽変更したことを宣言した。これを見た桐生と冴島は、このニュースは勝矢が自分たちを呼んでいるサインだと判断し、すぐさま勝矢の待つ神室町ヒルズへと向かう。そこで待ち受けていた大勢の逢坂興業の構成員達を蹴散らして、桐生と冴島はついに勝矢と対峙する。
「お待ちしていましたよ」と、ワイングラスを片手に出迎えてくる勝矢に、桐生と冴島はなぜ自分たちをここへ誘き出すような真似をしたのかと問おうとした時、「こりゃあどういうことなんやぁ!? 勝矢ぁ!! このボケがぁー!!!」という怒声と共に、渡瀬が踏み込んできた。そして、勝矢だけでなく桐生と冴島もいることに渡瀬が目を見張ったところで、「これで役者が揃いました……ここでは少し手狭です。場所を移しませんか?」と、勝矢は言って、桐生たちを連れてヒルズの屋上へと向かった。

そこで勝矢は、渡瀬から福岡と札幌と名古屋での騒動の黒幕かと訊ねられると、「やはりそういうことになってるんですね」と、意味ありげな一言を発した後、違うと首を横に振った。それに桐生が改めてなぜ自分たちをおびき出す真似をしたのかと問うと、勝矢はこうでもしないと本当の黒幕の正体を知ることができないからだと答えた。そして勝矢曰く、福岡と札幌と名古屋での騒動は、東城会と近江連合を潰すために本当の黒幕が仕組んだ計画であり、さらにその黒幕の本当の目的は、東城会の象徴である桐生と冴島、近江連合の最大勢力である渡瀬組と逢坂興業をそれぞれ率いる渡瀬と勝矢の死であるというのだ。
だからこそ、その黒幕の正体を掴むために、勝矢はあえてその黒幕の計画に乗っかって、この場所に桐生と冴島、渡瀬を誘き寄せ、そして直接の殺し合いを演じることを思いついたのだった。そうして思惑を語り終えた勝矢は、「今俺たちに出来ることは闘うことだけです……全ての答えを見ることができるのは、戦い終わって生き残った人間だけ」と言い放ち、上着を脱ぎ捨てた。それに桐生と冴島、渡瀬も黒幕の正体を掴むためには勝矢の思惑に乗るしかないと踏んで、それぞれ上着を脱ぎ捨て、文字通りのバトルロイヤルへと踏み切ったのだった。激しいバトルロイヤルの末、最後に場に立っているのは桐生と冴島のみとなり、ふたりはそのまま死力を尽くしての一騎討ちを繰り広げる。

しかしその最中銃声が響き渡り、向かいにあるもうひとつの屋上から飛んできた銃弾が桐生の右脇腹と冴島の左肩を貫き、さらに渡瀬と勝矢の足を貫いた。突然の横槍に驚きを隠せず、桐生たちがそちらを向くと、向かいの屋上に銃を構えた芹沢が立っていた。「やっぱり東京に来てくれたんだな……桐生」と、ふてぶてしい笑いを浮かべる芹沢。なぜ府警の刑事である彼がこんなところにいると桐生と冴島は訝しげになると、「違う……アイツは、刑事なんかやない。アレは……ウチの親父……!」と、渡瀬が呻いた。その渡瀬の言葉に驚く桐生と冴島。芹沢の正体は近江連合七代目会長で、その本名は「黒澤翼」であり、勝矢は彼こそが本当の黒幕だと言った。
これはどういうことだと叫ぶ渡瀬に、彼が自分が黒幕だと全く気付いてなかったことから、組織のNo.2である若頭が渡瀬みたいなバカならその下の構成員たちも騙すのは簡単だと黒澤はふてぶてしく言い放つ。「なんなんだ……お前の目的は? 俺ら東城会側の人間を殺す理由はわかる……だが、渡瀬や勝矢はお前の子分だろ!? なのになぜ……!」と、桐生が問うと、黒澤はさらにふてぶてしく笑って「生憎俺は、もっとドライでね。コイツらはハナっから手駒……今夜ココでお前らと一緒に死んでもらうために利用しただけだ」と一蹴する。さらに黒澤は、自分が七代目会長になった時からずっと、渡瀬や勝矢を子分だと思ったことなど一度もないと言い捨てた。それに桐生と冴島が愕然となる中、渡瀬が苦悶と憤りの雄叫びをあげて立ち上がった。

「親父ぃ……教えてくれ……! アンタ、いったい何がしたかったんや……!? 俺は……今、めっちゃ寂しいねん……!」そう悲痛に訴えた渡瀬は、自分は黒澤を担いで日本一の子分になることが夢だったからこそ、黒澤のどんな命令にも従ってきたと言った。それなのに、こんなことをするくらいならどうして自分たちに何の一言も相談してくれなかったのかと渡瀬がさらに訴えた時、黒澤は「それだよ……お前の魅力が邪魔だったんだ」と、吐き捨てた。その言葉に愕然となる渡瀬に、黒澤はこう語った。渡瀬は媚びも売らず計算もしなく、ただ自分の好きなように動いて暴れる男だが、それでも彼の魅力に惹きつけられて多くの人間が集まっていく。そして勝矢にしてもそうであり、芸能事務所の社長というシノギからして着飾ってはいるが、極道としてのやり方は基本的に渡瀬と同じで、自分の魅力、すなわちカリスマだけで組織が動くものだと思っている、と。
「俺はな……お前らみてえに泥を呑むこともなく、テメェのカリスマだけで綺麗に極道やってるヤツが大っ嫌いなんだよ」と、黒澤は渡瀬と勝矢、そして桐生と冴島に向かってさらに吐き捨てた後、こうも語った。極道というのは所詮バカの集まりでしかなく、組長とはそのバカな極道たちを操ってこそ成り立つもの。いくら渡瀬や桐生たちのようなカリスマを持ってたとしても、そのカリスマに群がってくるのは知恵のない愚かな人間でしかない。そして渡瀬や桐生たちのようなカリスマを持つ人間が活躍するたびに、彼らのカリスマに夢や希望を見て、結果を満足に残せない愚かな人間たちが集まってくる。そうしていずれは極道社会そのものがその愚かな人間たちでできたゴミ溜めのような世界になる、と締めくくった後、黒澤は「これ以上……お前らがいるとな、目障りなんだよ」と、三たび渡瀬と桐生たちに向かって吐き捨てた後、渡瀬に向かって銃口を向け、引き金を引いた。

しかしその時、勝矢が渡瀬をかばい、背中に黒澤の銃弾を受けて崩れ落ちた。「勝っちゃん……!? おい、勝っちゃん!! しっかりせえやおい!! なんで俺のこと守ったんやおい!!!」と、絶叫しながら縋り付いてくる渡瀬に、「だって……兄貴が、いなかったら、近江は……。八代目……継いで、ください……絶対に……」と言い残して、勝矢は気を失った。「勝っちゃんっ!!! わかった、わかったから死ぬなおい!!! 勝っちゃぁぁんっ!!!」と、勝矢にさらに縋り付き、涙を浮かべて絶叫し続ける渡瀬。
その痛々しい渡瀬と勝矢の一幕を見て、カリスマを持つ人間への自分勝手な憎悪だけで自分の部下までもを平気で手にかける黒澤に対し、桐生と冴島は自分の中で怒りが煮え滾るのを感じた。「許さねぇ……! お前だけは……絶対に……!!!」と、桐生が唸り、「今からそっち行って決着つけたるわい!!!」と、冴島が吠えたが、黒澤は彼らの怒りを鼻で笑い飛ばし、次の狙いを彼らに定めようとした。すると黒澤の背中に、「一ヶ月ぶりですかね、黒澤会長」という男の声がかけられる。そこに拳銃を手にして新たに現れたのは、大吾だった。

大吾は福岡で青山の裏切りに気づいた時から、一連の騒動の黒幕が黒澤であることを察し、自分は黒澤の後を追っていたと口上を述べた。その根拠として大吾は、自分たち東城会の地方組織との盃交渉と、それを阻止しようとする近江連合という敵対構図の中で、名古屋で安住と高知が死に、同時にこれまで実態がなかった名古屋組が急に動き出したことを挙げる。そして品田を使って野球賭博事件を通して名古屋組について調べさせたのもその為であり、名古屋組を背後で動かしている神戸黒羽組が黒澤の出身団体であることを掴めたことから、黒澤が黒幕だという事実に辿り着けたと大吾は語った。
その大吾の推理に黒澤は少し感心しながら「どこで俺が怪しいと感づいた?」と問うと、大吾は「あなたに病気のことを聞かされた時です」と、答えた。大吾は五分の盃の交渉をしに黒澤の元を訪れた際、黒澤は顔色が悪く体を壊しているように見えたが、目だけはまるで何か大きな仕事をする前の人間のようだったと言った。そして黒澤が怪しいと睨みながら地方へ盃交渉に行った理由については、森永や青山のような東城会に入り込んだ裏切り者を一掃するのにいい機会だと大吾は判断し、真島と相談してあえて黒澤の描いた絵に乗ることにしたのだ。
「俺はもっと遠い未来の東城会のあり方を考えてるつもりなんでね……その為には一度どこかで、全国の極道組織の長とツラを突き合わせなきゃならない。良い勉強をさせてもらいましたよ」と大吾は締めくくった後、黒澤に拳銃の銃口を向けた。そして、お互い3万人の組織の頂点に立つ人間として相応しい引き際にしようという大吾の挑発に、黒澤も無言で銃を構える形で応えた。

桐生が制止を叫ぶ間もなく響き渡る1発の銃声。その銃声の後に、黒澤が拳銃を取り落として片膝をつく。どうやら大吾にさっきの1発で拳銃を手から弾き飛ばされたらしい。なぜ急所を狙わないと尋ねる黒澤に、大吾は「選んでください。せめて極道らしく、自分自身でケジメをつけるのか。それとも……こういう形でしかケジメを取れないのか」と、問うてから、再び拳銃を構えた。だがその直後、再び銃声が響き、今度は大吾が倒れた。その大吾の背後に銃を手にして立っていたのは、なんと金井だった。「アイツ……逢坂興業の……!? なんでお前がそこにおるんじゃ、金井ぃぃっ!!!」と、渡瀬が吠え、桐生が大吾の名を叫びながらフェンスを乗り越えようとする。
桐生を冴島が背後から抱きとめる中、金井は渡瀬の遠吠えに答えることなく黒澤に手を貸し、静かにその場から立ち去っていく。どこへ行く気だ、殺してやると激昂して吠え立てる桐生に向けてふてぶてしい笑いを浮かべた後、黒澤は「いくらお前が叫んだところで、コイツは助からない。それより、今後の心配をしたらどうだ……? 例の、可愛いお嬢ちゃんのこととかなぁ」と、言い放った。その黒澤の言葉から、遥のことを言っていると理解した桐生は、さらに激昂して「お前……遥に何しようってんだ……!? 答えろ、おい!! 黒澤っ!!! 黒澤ぁぁぁっ!!!」と吠え立てるが、黒澤は相手にすることなく、金井と共に去っていった。

遂に始まった最終決戦

次の日、日本ドームでのコンサートに向けて山浦とクリスティーナと共に東京へやってきていた遥は、とある小さな貸しスタジオでレッスンに明け暮れていた。その最中、勝矢によってコンサートがキャンセルされたことによって、衣装の業者から違約金の支払いを求められるなどの問題にさらされ続け、雲行きが怪しくなっていた。しかし、朴の夢のためにもコンサートはやめる訳にはいかないという強い決意を胸に秘めた遥は、コンサートを必ずやろうと山浦とクリスティーナを激励する。その激励に心を動かされた山浦とクリスティーナも、コンサートへの思いを強くするのだった。
その時、「うわ〜、なにこのスタジオぉ? ちっさ」という一言と共にまいとあずさが現れ、さらに中井までもが現れた。遥とクリスティーナが驚き、山浦が激しい敵意と怒りを露わにして食ってかかると、中井はおどけながらも「そない怒らんでもええやんか〜。社長が命がけで仕掛けたプランを伝えに来たんや」と、意味ありげな一言を投げかけた。それに山浦、遥とクリスティーナが耳を疑うと、中井はこう言った。「明日予定しとった、T-SETの日本ドームでのイベントは中止にする。そん代わり、明後日一日延期しての別のイベントをドームで開催する。T-SETと澤村遥による特別ユニット『DREAM-LINE』のデビューイベントや」その中井の言葉に、遥たちは心底驚いた。

中井によると、このイベントは勝矢がプリンセスリーグの開催前から朴と秘密裏に打ち合わせして考えて決めたものらしく、中井やT-SETも一昨日の夜に勝矢から聞かされるまでは知らなかったというのだ。朴も死んで、さらに勝矢も神室町ヒルズでの一件によって意識不明の重体になって東都大医学部に担ぎ込まれた今、もう確かめる術もない。だが中井たちは、このイベントに朴と勝矢も本気で取り組んでいたことだけはわかったからこそ、遥たちに話を持ちかけにわざわざ東京までやってきたというのだ。その言葉に山浦は、中井たちが嘘を言っている訳ではないことを理解し、イベントの進行を中井と大阪芸能に任せ、自分とクリスティーナが遥とまいとあずさのレッスンを引き受けるという条件を取り付け、DREAM-LINEのデビューイベントに同意する。そして遥とまいとあずさはデビューイベントに意欲を燃やし、早速レッスンへと励むのだった。
その一方、ニューセレナへと撤退し、なんとか傷の手当てを済ませた桐生と冴島だったが、神室町ヒルズでの惨劇を前にして意気消沈となっていた。そこへ知らせを受けて、勝矢と共に東都大医学部に運び込まれた大吾の様子を見に行っていた伊達が戻ってくる。伊達によると大吾のほうも心臓を無理矢理動かしてると言えるほど深刻な状況らしく、今日明日が峠ということだった。

そこへ合流してきた秋山が、日本ドームで遥とT-SETが特別ユニットを組んで行おうとしているコンサートが危ないものとなっていることを桐生たちに伝えてきた。その根拠は何だと冴島と伊達が聞くと、秋山は遥が黒澤に狙われていることを挙げ、黒澤は桐生を殺し損ねた際、遥が彼への脅迫材料にするには持ってこいの存在だと考えているからだと言った。そして勝矢も朴の友人として、朴の秘蔵っ子である遥のコンサートに自分も夢を見ていたと秋山は言い、勝矢が遥のコンサートを中止ではなく延期にしようとしていたのも、開催日を変更して遥の安全を確保し、改めてステージに立たせようとしていたのだろうとも述べた。しかし神室町ヒルズの一件でその勝矢の予定が狂い、さらに意識不明の重体となったことからコンサートの中止も延期もできなくなってしまった。
そうしたことから、事態は悪い方向に進んでしまっていると秋山は重い表情で唸った後、コンサート当日に会場へ黒澤とその一味が侵入するのを防ぐか、もしくはコンサートを中止にするかのどちらしかないと冴島と伊達に言った。そして、ドームへの黒澤の侵入は防げても一味全員の侵入を防ぐのは事実上不可能という結論に至り、中止しか妥当な選択しかないと冴島と伊達は考え、秋山もそれを受け入れかけた時、「……ダメだ」と桐生が割って入った。
どんな事情があっても遥のコンサートの中止は認めないと言う桐生に、伊達は黒澤が神室町にいる以上、遥がコンサートをするのは危険だと説こうとする。それに桐生は「遥が今の話を知ったところで、結局は舞台に立つ道を選ぶからだ……お前もそれを分かってて、俺たちに相談しに来たんじゃないのか?」と言いながら、秋山のほうを見る。秋山はその言葉に頷き、遥なら桐生の説得を受け入れてくれると考えていると述べ、危険だとわかっていても遥を舞台に立たせる勇気はあるのかと桐生に問うた。しかし桐生は答えることなく、ニューセレナを出て行ってしまった。

冴島がその後を追うと、桐生はニューセレナのビルの屋上にいた。迷っているのかと冴島が聞くと、桐生は頷いて「答えは心の中で決まってるのに……どうしても怖いんだ。あの黒澤って男に、遥のことを言われた瞬間から……そのことが頭から離れない」と、背を向けたまま冴島に言った。そして桐生は、遥やアサガオの子供たちと離れて福岡で1年暮らして、本当の孤独というものを味わったと語り、側にまゆみがいても、永洲タクシーの社員という新たな仲間ができても、心は寂しかったとも言った。そして、17年前に刑務所に入った時もこんな寂しい気持ちは味わったことはなかったという桐生に冴島は「それが家族なんや」と指摘した後、桐生にこう言った。その17年前、桐生には錦山彰、澤村由美、風間新太郎という家族がいて、彼らが娑婆で待ってくれていると信じれたからこそ、桐生は10年も刑務所に入っていても寂しいと思ったことはなかった、と。そして冴島も25年刑務所に入っていても、外に妹の靖子と真島が帰りを待ってくれる家族だと信じられたから寂しいと思うことはなかったと語った。
しかし今は、その靖子が死んで、真島も生死不明となってしまったが、冴島はそれでも寂しいとは思わなかったという。その理由を冴島は「二人とも……自分の決めた道を選んだ末、逝ったからや。自分の力で生きて、自分の足で歩いて、力尽きた」と言い、残った自分はふたりの分まで思い切り生きようと思えたと語った。そして、遥のコンサートならどうするかは自分で決めろと冴島は桐生に言い、桐生が遥に夢を叶えさせたいと思うなら自分はいくらでも協力すると後押しの一言を投げかけ、ニューセレナへと戻っていった。桐生はこの冴島の言葉で決意を固め、ニューセレナへと戻り、遥の夢を守るために戦うことを秋山と冴島、そして後からやってきた品田に宣言し、黒澤との決戦へと臨むのだった。

そしてコンサート当日の夕方、桐生たちが早速動こうとした矢先、テレビのニュースでミレニアムタワーが何者かに占拠されたという急報がもたらされる。さらにその犯人は、真島を人質に取っており、ミレニアムタワーの最上階に立て籠もっているということだった。突然の事態の急変に驚きながら桐生たちがミレニアムタワー前へ急ぐと、タワーの周りにいた野次馬たちを撥ね飛ばしながら2台の車が突っ込んでくる。さらに、その2台の車から降りてきた極道と思しき黒服の男たちが一斉に機関銃を乱射し始めた。大パニックとなる場の中、一瞬の隙をついて桐生たちは男たちを殴り倒す。そして、男たちのスーツの胸元にあるものを見て、冴島が表情を変えた。男たちのスーツの胸元には、真島組のバッジがあったのだ。
これを見て秋山は、黒澤の目的は桐生と冴島の命だけでなく、神室町から真島組と東城会を追い出すことにあると言った。そのために黒澤は、真島を人質に取り、真島組のバッジをつけた部下たちをこうして大暴れさせることで、真島を犯人から救おうとした組員たちの暴動に見せかける演出を取ったのだという。その直後、金井率いる黒澤の部下たちが現れ、桐生たちを一斉に取り囲んできた。このままでは遥も真島も危ないと悟った一行は、桐生と秋山をこの場で金井たちの足止めをし、その間に冴島と品田が真島と遥の救出へ向かうことになった。襲いかかってくる金井と部下たちを桐生と秋山が迎え撃つ中、冴島と品田は近くにある地下道への入り口を使って、待ち受ける大勢の黒澤の部下たちを蹴散らしながら、ミレニアムタワーと日本ドームへとそれぞれ向かったのだった。

ミレニアムタワーの屋上へと辿り着いた冴島を、黒澤が待ち受けていた。「やっぱりお前が来たか。つくづくお前らは期待を裏切らない……感動するぜ」と、ふてぶてしい笑いを浮かべる黒澤のそばには、銃を手にした黒澤の護衛たちと、そして真島の姿があった。真島は大吾と共に黒澤の計画に気づき、大吾、さらに長年の友人である勝矢の協力を得て黒澤の計画を阻止するべく動いていたが、逆に隙を突かれて黒澤に捕らえられてしまっていたのだ。
「堪忍や、兄弟……こないなことに、なってしもて。俺らは、殺し合いをせなあかんらしい。俺にはなぁ……桐生ちゃんの命より大切なモン、見捨てることはできんかったんや……」そう言いながら、真島は黒澤が投げてよこした短刀を受け取り、上着を脱ぎ捨てた。どういうことだと問いただす冴島に、黒澤は日本ドームでコンサートを始めた遥たちのイベントの動画を見せ、自分が合図を出せば日本ドームにいる部下が遥を殺す手筈となっていると言った。そして、遥を助けたければここで真島と戦って殺せとふてぶてしく言い放つ黒澤に、冴島は怒りを燃やしながらも、真島に本当に自分と戦うつもりかと問うた。戦わなかったら5万人の前で遥が死ぬだけだと姿勢を変えない真島に、「お前、そんな体で俺とホンマに俺とやり合うつもりなんか……? 言うとったはずや、昔とはちゃう……俺の相手はもうでけへんって」と冴島はさらに問うと、真島はこう答えた。
「確かに2年前、俺はお前の相手が出来んかった……それはなぁ、あの時のお前が弱すぎたからや!!」その真島の言葉に驚く冴島。2年前のバッティングセンターで、冴島の力試しをした際に真島は自分は年を取ってしまったと言っていたが、実はあれは真島がついた嘘だった。真島は冴島の戦いを見て、彼が刑務所を出て娑婆に戻り、東城会に戻って自分を鍛えることをやめたから強さが前より落ちていることを理解した。そしてその頃には真島は黒澤の計画が動き出していることに気づいており、口では言わなかったが冴島に極道からの引退を勧めることを決意したのだ。それがあの網走刑務所に送られた破門状だと真島は言い、あれは北方組への盃交渉として札幌に行く前に自分が出したものだと告白した。
その告白に冴島が言葉を失うと、真島は冴島を死なせたくないから自分にはこうするしかなかったと打ち明けたが、「18人殺し」の冴島の二つ名にして伝説が黒澤に目をつけられることになったからこそできなかったと自嘲した。「さあ、脱げや……ちゃんと目の前で証明してくれや!! 俺の親友は……光る牙、取り戻したっちゅうことをな……!」と、真島は覚悟を決めて短刀を構える。その真島の覚悟と思いを理解した冴島も上着を脱ぎ捨て、「ほな、行くで……兄弟。俺らの最後の喧嘩の花、きっちり咲かせたろやないかいっ!!!」と、吠えてから、真島へと向かっていった。

そして壮絶な一騎討ちの末、冴島は真島を下した。2年前とは別物になった冴島の強さに「嬉しいで、兄弟……!! 前より若なっとるやないか……!!」と、真島が心を踊らせ、冴島も真島の強さに満足げになる。そんな中、最後まで冴島と真島が殺し合いを続けないことに黒澤の顔からふてぶてしい笑いが消えて、代わりに焦りが滲み出した。「どうした……!? もう終わりかっ!? もっと戦え! お前らが殺り合わないんだったら、澤村遥を殺すだけだぞっ!」と、叫んでくる黒澤。
それに冴島と真島が睨みで答えると、その気迫に震え、さらに焦りながらも黒澤は遥の射殺を命令するべく携帯に電話をかける。だが、電話に出る気配がないことに黒澤がさらに焦ると、冴島が黒澤に携帯を投げて寄越した。そして、その携帯に写っていた動画を見て、黒澤は言葉を失った。

冴島と真島が決闘を始めるのと同じ頃、日本ドームの人気のない観客席のひとつに馬場がいた。そのそばには手付かずの狙撃銃と、黒澤に遥の状況を知らせるためのビデオカメラもある。馬場は黒澤に遥の狙撃による暗殺を命令されていたが、良心の呵責に苦しんだ挙句に黒澤を裏切る決心を固め、その命令を無視した。それから遥たちのコンサートをぼんやりと眺めていた後、狙撃銃を抱えてその場から立ち去ろうとする馬場だったが、そこへ品田が現れる。「馬場さんだね? その様子じゃ、遥ちゃんの狙撃はやめてくれたようだね」と、呼びかける品田。実は品田は冴島から馬場のことを教えられ、彼がまだ黒澤の部下として動くつもりなら止めてやってほしいと頼まれていたのだ。「……何のことだ」と、吐き捨てて立ち去ろうとする馬場。
するとその手を、品田が掴んで止めた。馬場が驚いて振り返ると、品田は急に表情を険しくして「カメラ、置いていってんじゃねえよ……ちゃんと持って帰れっつってんだよ!!」と、怒鳴ると、いきなり馬場を殴り飛ばした。品田は馬場が良心に従って遥の狙撃をやめたことは認めたが、証拠になるカメラを現場に置いていくという姿勢から彼が裏方としての仕事に徹しきれてない中途半端さに憤ったのだ。「俺はそういうプロ意識の低いヤツが大嫌いなんだ……今この場から逃げるのは正義でもなんでもねぇ。裏方なら裏方らしく、最後までテメェのやったことに責任持て」と、言い放つ品田。その言葉が理解できず訝しげになる馬場に品田は、「アンタにはこれまでやってきたことの責任をしっかり取ってもらう。そうしねぇと、アンタを信じて待ってる人間が悲しむだけだからな」とさらに言い放つ。それに馬場が「誰なんだそいつは……?」と、さらに訝しむと、「殴った後に教えてやる……お前みてぇなガキには、言葉で説明しても伝わらねぇだろうからな」と、品田はゆっくりと拳を構えた。その言葉に触発された馬場も拳を構え、彼と品田の一騎討ちが始まった。

そして激しい一騎討ちの末、品田は馬場を叩き伏せることに成功するが、馬場は狙撃銃を自分の顎へと押し当てる。「なんでもっと早く……もっと早くに、冴島さんに会えなかったんだろう……」と、泣きながら狙撃銃の引き金に手をかける馬場。それを見て驚く品田に馬場は、冴島に「戻れなくてすみません」という伝言を伝えてくれと言い残し、引き金を引こうとした。しかし次の瞬間、どこかから飛んできた銃弾が馬場の手から狙撃銃を弾き飛ばした。品田と馬場が振り返ると、そこには拳銃を手にした日村、そして大島と高坂が立っていた。
「馬場ちゃん」と、日村が優しく馬場に呼びかけた後、大島が馬場に歩み寄って、「何やってんだ馬場……!! 自分から命捨てるバカがあるかっ!!」という一喝と共に平手打ちを浴びせた。呆然となる馬場を見ながら、日村は高坂に「超法規的措置使ってまで東京に来た甲斐がありましたね」と言うと、高坂は「ああ」と、ゆっくりと頷いた。実は網走刑務所で釘原が起こした暴動からしばらくして、馬場が冴島と共に月見野にいる時、日村たちの元に冴島から高坂に「馬場を救い出してやってほしい」という連絡があったのだ。さらに冴島は、馬場が誰かの指示で動いている人間だと彼自身の口から明かされる以前に気づいていたらしく、馬場をこれ以上間違った道を進ませないためにも高坂に協力を求めた。そして大島の手当てで一命を取り留めた高坂は、超法規的措置を使って大島と日村を刑務所から連れ出して、この神室町まではるばる駆けつけてきたのだ。「冴島さんからの伝言だ……『網走で待つ。兄弟一緒に、同じ罪を償おう』ってな。お前には、待っている人間がいるんだ」と、高坂に優しく諭された馬場は、その場に膝をついて男泣きしたのだった。

そんな馬場たちの様子を見て、「アイツ、いいなぁ……戻れる場所があって。俺は、帰れる場所……どこかあったっけな……」と、品田が羨ましがっていると、彼のポケットの中の携帯が突然鳴り出す。品田が電話に出ると、「東京旅行はどうだ、品田ぁ? 急にいなくなるからよぉ、心配したぜ」と、高杉の声が聞こえる。その高杉の声に慌てた品田は、借金ならあの大吾からの報酬である2000万を返済として置いていったからそれで済んだはずだと言った。それに高杉は「そうじゃねえよ……金じゃなくて、お前の心配してやってんだよ」と、呆れながらも品田に、釈放されたみるくが品田に会いたいらしく、3000円のゴムなしのベッド90分でいいからふと桃Clubに来いと言っていたことを伝えた。
それに品田が言葉を失うと、高杉はみるくだけじゃなく、牛島ら錦栄町の住民たちが品田の帰りを待ってくれていると高杉は伝えた。「みーんな、お前の顔拝みたいってよ……帰って来い、品田。それにお前が帰ってこないと、俺も完済証明出せねぇで困ってんだ」という高杉の言葉を聞いた後、品田も堪えきれずにその場で男泣きしだしたのだった。

物語の終幕

その頃、冴島が投げた携帯に、日本ドームの観客席にて品田が傷だらけの顔でVサインを決めている動画を見て、黒澤は品田が馬場の狙撃を阻止したことを悟った。こうして自分の目論見が崩れたことにさらに焦った黒澤は、自らも拳銃を引き、護衛たちと共に冴島と真島を始末しようとした。しかし次の瞬間、黒澤は横からの銃撃で拳銃を弾き飛ばされる。そして続いて、護衛たちもその横からの銃撃で次々と倒れた。振り返るとそこに、一命を取り留めてここまで駆けつけてきた大吾と勝矢の姿があった。「もう、終わりだ……黒澤」「親父……あなたの負けです。こうなった以上、潔く負けを……!」と、それぞれ降伏を迫る大吾と勝矢。
すると黒澤はまたもふてぶてしく笑い出し、「お前らの、負けだ……堂島。時間切れなんだよ……もう」と、吐き捨てた。負け惜しみのつもりかと大吾と冴島たちが言おうとした時、黒澤が突然血を吐いた。それを見て驚く大吾と冴島たちに、黒澤は自分は本当に末期の癌で長くは生きられないことを明かした。「親父……そんな体で、どうしてこんなことを……!?」と勝矢が問うと、黒澤は宙に手をかざし、勝ち誇ったように「どうしても……この目で見たかったんだ。俺が築き上げた、力の全てを……アイツが、引き継ぐ瞬間をな……!!」と言った。

同じ頃、ミレニアムタワーの広場で、金井と、倒しても倒しても次々と押し寄せてくる黒澤の部下たちに、桐生と秋山は劣勢に立たされていた。その時、桐生の携帯に大吾から電話がかかり、「黒澤の本当の狙いがわかった」という驚きの報せがもたらされる。大吾によると、黒澤の本当の狙いは桐生たちの命でも神室町でもなく、東城会と近江連合を一人のある男にそっくりそのまま受け渡すことだという。それに驚いた桐生がそのある男とは誰だと問うと、「とにかく今は時間がない……! お願いします、今すぐ東城会本部に向かってください! 行けば全てが分かるはずです!」と、大吾は必死に訴えてくる。
その訴えに思わず頷いてから桐生が電話を切ると、秋山がここは自分に任せて先へ行けと勧めてきた。それに桐生が不安がると、自分は金井と決着をつける必要があり、この神室町の住人だからこそ、神室町を壊そうとする金井と黒澤たちを許すわけにはいかないと秋山は覚悟と共に語気を強くした。その覚悟を受け取った桐生は、「……頼んだ」という一言と共に東城会本部へと向かう。その桐生の後ろ姿を見送ってから秋山は「さあ……これで、俺もこの街の伝説になれるかな? 行くぞっ、金井ぃぃぃ!!!」と、金井に最後の決戦を挑んだ。

そして大激闘の末、秋山は黒澤の部下たちを全員倒し、さらに金井に痛手を負わせて膝をつかせることに成功する。しかし、それでもまだ立ち上がれる体力がある金井を前に、「ホント、しぶといね……」と、秋山は脱帽する。金井は苦悶に表情を歪めながら、「まだや……あと少しで、次の部隊が到着する……! もう、この街は終わりなんや……!!」と、言い放つ。それに秋山が驚いた瞬間、その場に新たな極道たちが続々と集まってくる。しかしそれは黒澤の部下たちではなく、班目と八幡が率いる山笠組、月見野で馬場に狙撃されるも一命を取り留めた北方が率いる北方組、そして渡瀬率いる渡瀬組の極道たちだった。
渡瀬は黒澤の息のかかった人間なら全員こちらで始末したと宣言し、さらに自分が山笠組と北方組に黒澤の計画を阻止するよう協力を求めたとも言い放つ。その言葉に金井が愕然となると、「山笠組に北方組。東城会に近江連合。皆、堂島と真島、それに桐生はんと戦うことで、互いに繋がれた絆なんや。もう、おどれらの好きにはさせん……おどれらの敵は、この国の極道全員じゃあ!!!」と、渡瀬は吠える。それに金井は戦意を完全に喪失し、再びその場に膝をついた。その後渡瀬、班目、八幡、北方たちから神室町と全国の極道組織を救った立役者のひとりとして一斉に頭を下げられた秋山は「あんまりいいもんじゃないね……」と、恐縮した。

その頃、桐生が東城会本部へ向かうと、そこには何者かによって東城会直系の組長と組員たちが倒されている光景を目撃した。その光景に驚きながら桐生が本部の奥にある会長室へと向かうと、「待ってましたよ……四代目」と、出迎えたひとりの男がいた。その男はなんと、相沢だった。なぜここにいると訊ねてくる桐生に、それが自分でもよくわからないと相沢はとぼける。そして、相沢が居座っている席が大吾の場所で、相沢が座っていい場所じゃないと桐生が言うと、「本当にそうでしょうか? 俺にその資格がないと言うんなら……堂島会長だって同じようなもんでしょう」と、相沢は一蹴する。
どういう意味だと桐生が聞き返すと、相沢は大吾が6代目会長の座になったのは、実父で東城会の大幹部のひとりであった堂島宗兵の威光と、桐生の口添えによるところが大きいと指摘する。そして、5代目会長の寺田行雄が、韓国系マフィア・真拳派の生き残りとしてクーデターを起こして東城会が空中分解しかけたことも相沢は挙げ、その寺田のクーデターがなければ大吾は絶対に6代目にはなれなかったと語った。その相沢の語りに息を呑んだ後、桐生は黒澤とはどういう関係だと相沢に訊ねると、相沢は一呼吸置いてこう言った。「俺は黒澤会長の……実の息子なんですよ」

その頃、ミレニアムタワーの屋上にいる大吾たちも、黒澤から相沢が自分の息子だという話を聞かされて、驚いていた。そして黒澤は、自分はかつて弱小組織の神戸黒羽組にいたことを打ち明け、その時から自分の極道人生は躓きっぱなしだったと言った。黒澤はただ自分が偉くなるために、他人からの濡れ衣や巻き添えを進んで食らったり、さらに自分の兄貴分や親を殺してきた。そして脇目も振らずにその血塗られた道を進み続けた黒澤は、近江連合七代目会長の座についたが、手に入れたものは権力だけであることに途方もない虚しさを覚え、その時から桐生や渡瀬といったカリスマを持つ人間に対しての嫉妬と憎悪も芽生えるようになった。
さらに追い打ちをかけるように半年前、自分が末期の癌を宣告された時、黒澤は自分の周りには、金や力など自分が苦労して手に入れたものを信じて託せられる人間が誰もいないことを思い出し、絶望した。しかしそんな中黒澤は、実の息子である相沢の存在を思い出し、どんな手を使ってでも彼に自分の極道としての全てを託す決意を固め、今回の計画を思いついたのだという。

そして一方、東城会本部で黒澤の本当の目的を桐生に教えた相沢は、「ホント、死ぬ前の人間は考えることが理解できません」と、黒澤を笑うような一言を口にした。さらに相沢は、森永を殺したのは自分だと桐生に告白した。森永は青山と同じく大吾が仕切る現在の東城会の在り方に疑問を抱いており、相沢を次期会長とするべく黒澤の計画に進んで協力していたが、ある時突然相沢に黒澤の計画から降りろと迫ってきたというのだ。その時森永は相沢に「お前には、桐生一馬を超えることなどできない」とはっきりと言ったらしく、その言葉に反発した相沢は彼を刺し殺したのだという。そして相沢は福岡で桐生と接触したのは間違いだったと自嘲し、その理由として桐生のそばにいる人間は、皆桐生のカリスマに惹きつけられていくことを挙げた。
そうした意味で桐生は危険すぎると言い捨てた後、「それが生まれ持ったカリスマだっていうなら……そんなんだったら、あんたがずっと東城会のトップやってりゃよかったんだ!」と、相沢は叫んだ。それに返す言葉がないのか、桐生が黙り込んでいると、相沢は最後に自分の胸中をこう語った。力こそが全ての極道の世界において、家柄や才能など生まれ持ったものが勝負を決めるなどおこがましい。だから自分は桐生のような強大なカリスマ性と人望を持つ極道たちの裏で、ひとりで己を鍛え続けた。自分がいつか、そのカリスマと人望を持つ極道たちを力で超えて、極道の世界の頂点に立つために、と。
「俺は今……初めて自分の力で頂点の人間と戦うことができる。アンタに勝てば、この世界の天辺に立つことができるのか……それを試したいんですよ」と言い放ち、ゆっくりと自分に進んでくる相沢に桐生はこう言った。「才のある人間の中に、自分の才能だけで強くなったヤツは一人もいない。人ってのは、乗り越えることでしか成長できねぇんだ。俺も越え続けてきたということを、その身体に教えてやる」その言葉の後に、桐生は上着を脱ぎ捨てた。それに触発された相沢は「それじゃ俺はアンタを倒し……名実ともに極道の頂点に立ってみせます」と言い放ち、上着を脱ぎ捨てた。そして、「行くぞ桐生ぅぅぅ!!!」と相沢が吠え、桐生も雄叫びに応えた後、両者は互いに拳を繰り出し合う。こうして、桐生と相沢による最後の死闘の火蓋が切って落とされた。

同じ頃、遥はまいやあずさと共に全ての曲を歌い終えて、コンサートを大成功へと導いた。しかしその直後遥はマイクを手に取り、芸能界を引退することを表明する。それにまいやあずさ、さらに会場のファンたちが驚く中、遥は本当の親の顔と家族というものを知らないでいた自分が、アサガオの子供たちという家族と呼べる存在と出会い、アイドルとしてデビューするために彼らと離れてしまったことを後悔していると言った。
その上で遥は、自分の夢はアイドルになることだがもうひとつだけ夢があると伝え、そのもうひとつの夢が、大好きな人たちである家族と一緒に暮らすことだと言った後、はっきりとした表情と声でこう宣言した。「今日、この舞台に立って……私にとって何が一番大事なのか、やっとわかりました。だからもうこれ以上、歌うことはできません。私は、桐生一馬の家族です」その宣言の後に会場が騒然となる中、遥はどこかへと走り去っていった。

そして一方、死闘の末に相沢に打ち勝った桐生だが、神室町ヒルズで黒澤に撃たれた傷が開いてしまい、体が限界に達しようとしていた。そんな中桐生は、必死に起き上がろうとしている相沢を見て「這い上がれ、相沢……何年経っても構わない。這い上がって……また俺に向かってこい。その時まで、待っててやるぜ……」と、言った。その言葉を聞いて、相沢は糸が切れたように気を失った。その後桐生は、遥の元へと向かうべく、傷を押しながら粉雪が降りしきる夜の神室町を懸命に歩き続けていたが、やがて力尽きて倒れ込んでしまう。
意識を失いかけたところ、遥の呼ぶ声を耳にして桐生は目を覚ました。そして桐生が目を開けると、泣き顔で自分に縋り付いてくる遥の姿があり、「遥……? 夢……夢じゃないのか……?」と、桐生が遥の手を手に取ると、遥は泣き顔になりながらも桐生に笑いかけ、「違うよ……? 私は、ここにいるよ……」と、優しく呼びかけたのだった。

『龍が如く5 夢、叶えし者』のゲームシステム

グラフィックと共に生まれ変わった「ケンカアクション」

本作では主人公も含めたキャラクターのグラフィックが一から新しく描かれており、これに伴って主人公たちのアクションも一から作り直されている。また、相手を逆側に掴み直したり、壁に張り付け状態にするなど新たなアクションも増え、他にも特定の条件で繰り出せる大技「絶技」が追加された。

桐生一馬:怒りの無敵技を持つオールラウンダー

本作も拳技、蹴り技、投げ技、固め技といった多彩なアクションは健在で、さらに多くの武器を扱うこともでき、あらゆる状況に対応できるオールラウンダーとしての活躍が期待できる。絶技は一定時間無敵状態になる「怒龍の気位」で、敵の攻撃をものともせずに突っ込み、その名の通り怒りをぶつけるかのごとく手加減なしの荒々しい攻撃で畳み掛ける事ができる。

冴島大河:進化した怪力のパワーファイター

前作「龍が如く4」と同じくパワーを活かした戦闘スタイルがメインで、△ボタンを長押ししての強力な溜め攻撃と、パワフルな突進技や投げ技も健在であり、大勢の敵に囲まれても蹴散らしまくる豪快な戦いを繰り広げることができる。絶技は「猛虎の心得」で、街角に設置してある道路標識や建物の配電盤などの巨大な装置を引き剥がして武器にして戦うことができる。さらに、目の前で戦っている敵の手足を掴み、振り回すことで他の敵を巻き込み、まとめてねじ伏せることもできる。

秋山駿:変幻自在のスピードスター

前作「龍が如く4」と同じく素早い動きと小回りのきく器用な足技が特徴的なスピードタイプのキャラクターで、攻撃速度と手数の多さで敵に反撃の隙すら与えずラッシュをかけることができる。さらに立ち状態や走りからの連打での複数攻撃、独特で挑発をかけてからの奇襲攻撃などアクションもバリエーション豊かで、様々な戦術を組み立てることができる。絶技は「エアストライク」で、敵を強烈なキックで空中に押し上げ、身動きが取れなくなったところで鋭くも華麗なキックによる追撃を叩き込む。そして、落ちてきたところへ再び宙に浮かせるキックでとどめを刺すという、文字通りの手玉に取る攻撃を繰り出すことができる。

品田辰雄:豊富な技を持つ我流のスペシャリスト

品田は素手と武器の両方でもバリエーション豊かな技を持ち合わせており、「泥臭くても、しがみついてでも、なんとかして勝つ」と、作中で語った自分の信念を体現したかのようなスタイルが特徴的なキャラクターとなっている。素手での戦いの場合、敵を掴んだら決して離さず、壁に叩きつけてダウンさせ、無理矢理引き起こして再び壁に叩きつけてダウンさせるといったコンボになりやすい連続攻撃を繰り出すことができる。その他にも踏み込んでからのパンチや、足払いを狙ってのスライディングなどさまざまな技を持っている。

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龍が如く8(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

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『龍が如く8』とは、株式会社セガが販売するドラマティックRPGで『龍が如く』シリーズのナンバリング8作目。2020年に発売された『龍が如く7 光と闇の行方』以来、4年ぶりのタイトルである。キャッチコピーは「世界一、運が悪くて世界一ハッピーなヤツらの物語」。 どん底から再び這い上がる男「春日一番」と人生最後の戦いに挑む伝説の極道「桐生一馬」の2人の主人公を軸にシリーズ最高のドラマが繰り広げられる。2人の主人公が織りなすストーリーの濃密さと、サブストーリーの豊富さが魅力の作品。

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龍が如く7外伝 名を消した男(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

龍が如く7外伝 名を消した男(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『龍が如く7外伝 名を消した男』とは、セガより2023年11月に発売されたアクションアドベンチャーゲーム。 2020年に発売された『龍が如く7 光と闇の行方』の外伝作品である。 愛する人を守るため、自らの死を偽装した、主人公・桐生一馬。しかし、謎の覆面集団に襲われたことがきっかけで、再び極道の抗争に巻き込まれることになる。 本作は、『龍が如く7』での桐生一馬の「空白の時間」を埋める作品であり、「桐生一馬」という人間の魅力を前面に押し出している作品となっている。

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龍が如く1(初代・極)の必殺技・ヒートアクションまとめ

龍が如く1(初代・極)の必殺技・ヒートアクションまとめ

『龍が如く』とはSEGAから発売された裏社会を舞台とするアドベンチャーゲームである。主人公の桐生一馬は、堂島の龍と呼ばれた伝説の極道であり、極道組織東城会に所属している。100億円をめぐる事件を彼なりの方法で解決していく。 『龍が如く』のヒートアクションとは、『龍が如く』で敵と戦う時に使用可能な攻撃の種類のことである。ヒートゲージが溜まった状態で、コマンド△を押すと発動可能。通常攻撃では見ることのできないムービーが流れるのが特徴で、中にはムービー中にコマンドを選択するアクションもある。

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サクラ大戦シリーズ(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サクラ大戦シリーズ(ゲーム・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サクラ大戦とは1996年9月27日にセガゲームスより発売されたアドベンチャーゲーム。 蒸気機関が普及する「太正」時代を舞台に、主人公(プレイヤー)が特殊部隊「帝国華撃団・花組」を率いて都市に巣食う闇の勢力と対決する。 テレビアニメのほか、OVA、ドラマCD、小説、舞台、マンガ、パチンコ・パチスロなど幅広く展開されている。

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JUDGE EYES:死神の遺言(ジャッジアイズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

JUDGE EYES:死神の遺言(ジャッジアイズ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『JUDGE EYES:死神の遺言』とは、2018年に発売されたリーガルサスペンス巨編のコンシューマーゲームである。本ゲームは、極道モノのアクションアドベンチャーゲームとして地位を築いている『龍が如く』シリーズ初の派生作品でもある。 主役は木村拓哉が務める。舞台は『龍が如く』でお馴染みの「神室町」で、関東一帯を束ねるヤクザ「東城会」の人間も登場する。猟奇殺人や、現代の日本の課題である「認知症」がテーマとなり、ストーリーを展開していく。

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LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

LOST JUDGMENT 裁かれざる記憶(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『LOST JUDGMENT:裁かれざる記憶』は、2021年にセガから発売されたリーガルサスペンスアクションゲーム。『龍が如く』シリーズの派生作品で、2018年に発売された『JUDGE EYES:死神の遺言』の続編となっており、主演は引き続き木村拓哉が務める。 前作から3年。「神室町」の探偵である八神隆之は、「横浜・伊勢崎異人町」に潜む「闇」に直面する。「法とは何か」「正義とは何か」時代を問わず、どこにでもあり得る「イジメ問題」をテーマにサスペンスフルなストーリが繰り広げられていく。

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プロジェクトセカイ(プロセカ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

プロジェクトセカイ(プロセカ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『プロジェクトセカイ』(プロセカ)とは、音声合成ソフトの「ボーカロイド」が題材のスマホ向けリズム&アドベンチャーゲームである。人気のボーカロイド楽曲(通称:ボカロ曲)で遊べるほか、『プロセカ』オリジナルキャラクター達が展開するストーリーを読む事ができる。全5ユニットでわけられているストーリーでは、さまざまな悩みや葛藤を抱える少年少女達が、仲間や初音ミク達バーチャル・シンガーとの交流にくわえ、音楽そのものを通して成長・変化していく様が描かれている。

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サクラ大戦TV(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サクラ大戦TV(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サクラ大戦TV』とは、セガサターン用アドベンチャーゲーム『サクラ大戦』及び、ゲームのストーリーを元に新たなストーリーや構成を加えたテレビアニメ作品である。ゲーム版の世界における日本の年号である太正12年、真宮寺さくらの帝国華撃団加入から、葵叉丹率いる黒之巣会との戦いまでを描いている。ゲーム版が帝国華撃団隊長の大神一郎を主人公とした恋愛シミュレーションであるのに対し、本作は華撃団隊員の真宮寺さくらを主人公としたメンバーの結束をメインテーマとして描いており、シリアスなストーリー展開が特徴である。

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ソニックアドベンチャー2(Sonic Adventure 2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ソニックアドベンチャー2(Sonic Adventure 2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ソニックアドベンチャー2(Sonic Adventure 2)』とは株式会社セガより2001年6月に発売されたアクションゲームである。2001年6月にドリームキャスト用として発売された後、同年12月にはゲームキューブ用に『ソニックアドベンチャー2 バトル』が発売された。また2012年10月にPlayStation 3用、Xbox 360用がダウンロード版として販売された。前作『ソニックアドベンチャー』の続編ではあるが、ストーリー的繋がりは無く本作からでも楽しめるゲームである。

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わくぷよダンジョン決定盤(わくわくぷよぷよダンジョン)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

わくぷよダンジョン決定盤(わくわくぷよぷよダンジョン)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『わくぷよダンジョン決定盤』とは、1999年にコンパイルから発売されたPlayStation用ローグライクゲーム。落ちものパズルゲームの代表作『ぷよぷよ』の名前がタイトルに付けられているが、パズルゲームではない。3人のキャラから主人公を選んで、ダンジョンの攻略を目指すRPGとなっている。 「すっごい魔法のアイテム」がどこかにあるというテーマパークに足を踏み入れた3人の主人公・アルル、ルルー、シェゾ。それぞれは期待を胸に、不思議なダンジョンが建ち並ぶテーマパークで大冒険をする。

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ぷよぷよテトリス2(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ぷよぷよテトリス2(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ぷよぷよテトリス2』とは、『ぷよぷよ』と『テトリス』という2つの落ち物パズルゲームによるコラボレーション作品で、2014年発売のゲーム『ぷよぷよテトリス』の続編である。2020年にセガから発売されたアクションパズルゲームだ。 前作同様『ぷよぷよ』同士・『テトリス』同士・『ぷよぷよ』対『テトリス』の対戦などが行える他、演出が強化され、「スキルバトル」という全く新しい対戦形式が実装されている。ルールが簡単な対戦ゲームとして、配信者の間でも人気となった。ストーリーは前作の続きとなっている。

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サクラ大戦3(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サクラ大戦3(ゲーム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サクラ大戦3 〜巴里は燃えているか〜』とは、2001年にセガから発売されたドラマチックアドベンチャーゲーム。『サクラ大戦』シリーズの3作目であり、タイトルにもある通り物語の舞台をパリへと変更し、登場キャラクターも一新。極めて美麗なOPアニメーションが話題となった。 日本で帝国華撃団が悪党を退けた頃、フランスの都パリでも謎の怪人による事件が続発。事態を打開するため帝国華撃団の隊長である大神一郎がパリに派遣される。新しい仲間たちと協力しながら、大神はパリの市民を脅かす怪事件に挑んでいく。

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