パルプ・フィクション（映画）のネタバレ解説・考察まとめ
『パルプ・フィクション』とは、クエンティン・タランティーノ監督による1994年公開のクライム映画である。主演はジョン・トラボルタ、共演はサミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン等。アカデミー賞脚本賞とカンヌ映画祭パルムドール賞を受賞した。ギャングであるヴィンセントと相棒ジュールズは、ボスからの命令でスーツケースを取り返すべく、アパートに潜入する。3つの異なる犯罪エピソードから構成されており、ストーリーの時系列と映画の時系列が異なる構成が話題を呼んだ。バイオレンスと乾いた笑いに満ちた傑作群像劇。
画面中央で倒れている女性がミア。
心肺停止になったミアの胸に直接アドレナリン注射をぶっ刺すショッキング・シーン。危険を回避するために、まず注射を刺した状態から撮影をスタート。逆回しで編集というトリックを使っている。
ダンスコンテストのトロフィーは盗品
ミア（左）とヴィンセント（右）のダンスシーン。
ヴィンセントとミアのダンスシーン後。ミアの家にトロフィーがあったので、コンテストで優勝したように思うが、実はこれはコンテスト会場から盗んだもの。ブッチの帰宅途中に流れていたラジオで「ダンスコンテストの優勝トロフィーが盗まれた」というニュースが流れていた。
拷問シーンでのBGM
マーセルスとブッチが、質屋の地下室で拷問されるシーン。使用された楽曲はレヴェルズというエレキインスト・バンドの「コマンチ」というユーモラスな曲。元のアイデアでは、最大の一発屋として有名なザ・ナックの「マイ・シャローナ」が予定されていたそう。同年制作の映画『リアリティ・バイツ』で先に使用されていたため、本作の使用は見送りとなった。
話題となった“F”ワードの回数
公開当時は“F”ワードが265回も登場すると問題になった。成人映画を除けば、レオナルド・ディカプリオ主演の『ウルフ・オブ・ウォールストリート』で569回“F”ワードを使用し、世界記録をマークした。
『パルプ・フィクション』の主題歌・挿入歌
タランティーノ監督は、自身の映画用にサウンドトラックを製作するようなことはせず、世の中にある既存の曲を上手く自分の映画に使う事でよく知られている。このパルプ・フィクションも例外ではなく、本作のサウンドトラックは1950年代から1990年代までのアメリカンミュージックが散りばめられている。
主題歌：Dick Dale & His Del-Tones「Misirlou」
パルプ・フィクションを知らない人でも、だれもが口ずさめるほど有名なこのテーマ曲は、Dick Dale & His Del-Tonesによる「Misirlou」という曲である。この曲はパルプフィクションのために作られたと思っている人も多い程、この映画を象徴する特徴的なトラックとなっている。この曲を作った、ディック・デイルは、1960年代に活躍した、アメリカのロックギタリストである。あのジミ・ヘンドリクスも彼からの影響を公言しており、ディック・デイルがガレージロックやパンクロックに与えた影響は大きい。また、「Misirlou」は本作、パルプフィクションや同年の映画「TAXi」シリーズでも使用され、彼の再評価に繋がった。
挿入歌：Kool & The Gang「Jungle Boogie」
オープニングのスタッフクレジットで流れる印象的な曲はKool & The Gang による「Jungle Boogie」だ。クール＆ザ・ギャングは、1970年代に活躍したアメリカを代表するソウル、ディスコグループ。「Jungle Boogie」は、1973年に発売されたアルバム、「Wild and Peaceful」に収録された一曲で、1974年のビルボードチャートでは12位を獲得した。映画冒頭を飾るにふさわしいファンクで、思わず踊りだしたくなる一曲である。
挿入歌：Chuck Berry「You Never Can Tell」
ヴィンセントとミアがダンスを踊るシーンで使われている曲は、Chuck Berryの「You Never Can Tell」だ。チャック・ベリーはアメリカを代表するギタリストで、ロック界の伝説と呼ばれている。『ロックの殿堂』では記念すべき第一号アーティストに選ばれている。「You Never Can Tell」は1964年発表のシングルで、同年発売のアルバム「St. Louis to Liverpool」に収録されている。この楽曲は同年のビルボードチャートで14位を記録した。
挿入歌：Al Green「Let’s Stay Together」
スウィート・ソウルの貴公子、アル・グリーンの最大のヒット曲（1971年発表 全米シングル・チャート第1位）。映画ではブッチが八百長試合を持ちかけられるシーンで使用。
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目次 - Contents
- 『パルプ・フィクション』の概要
- 『パルプ・フィクション』のあらすじ・ストーリー
- プロローグ
- ミアとのデート
- ブッチの時計
- ジミーとザ・ウルフ
- エピローグ
- 『パルプ・フィクション』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- ヴィンセント・ベガ（演：ジョン・トラボルタ）
- ジュールズ・ウィンフィールド（演：サミュエル・L・ジャクソン）
- ブッチ・クーリッジ（演：ブルース・ウィリス）
- ウォレス一家
- ミア・ウォレス（演：ユマ・サーマン）
- マーセルス・ウォレス（演：ヴィング・レイムス）
- その他
- ファビアン（演：マリア・デ・メディロス）
- パンプキン（演：ティム・ロス）
- ハニー・バニー（演：アマンダ・プラマー）
- ランス（演：エリック・ストルツ）
- ジョディ（演：ロザンナ・アークエット）
- ジミー（演：クエンティン・タランティーノ）
- ザ・ウルフ（演：ハーヴェイ・カイテル）
- クーン大尉（演：クリストファー・ウォーケン）
- バディ・ホリー（演：スティーヴ・ブシェミ）
- マーヴィン（演：フィル・ラマール）
- ブレット（演:フランク・ホエーリー）
- ロジャー（演：バー・スティアーズ）
- 4番目の男（演：アレクシス・アークエット）
- 『パルプ・フィクション』の用語
- パルプ・フィクション
- ジャック・ラビット・スリム
- 『パルプ・フィクション』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- パンプキンとハニー・バニー
- ツイストコンテスト
- ヴィンセントを撃ち殺すブッチ
- 人質を誤って殺してしまうヴィンセント
- 『パルプ・フィクション』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 時系列と異なる編集
- ジミーを演じているのは監督自身
- ポップカルチャーへの愛
- 制作背景
- 出演俳優のその後
- 仮タイトルは「ゴッサム・シティ」だった
- 『ボディーガード牙』へのオマージュシーン
- ミア蘇生シーンの撮影
- ダンスコンテストのトロフィーは盗品
- 拷問シーンでのBGM
- 話題となった“F”ワードの回数
- 『パルプ・フィクション』の主題歌・挿入歌
- 主題歌：Dick Dale & His Del-Tones「Misirlou」
- 挿入歌：Kool & The Gang「Jungle Boogie」
- 挿入歌：Chuck Berry「You Never Can Tell」
- 挿入歌：Al Green「Let’s Stay Together」