二ッ星の料理人(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『二ッ星の料理人』は2015年にアメリカで公開されたヒューマンドラマ映画である。料理の世界を舞台に、孤高の天才料理人・アダムの挫折と成長の軌跡をたどる美食エンターテイメント作品だ。酒とドラッグに溺れ転落したアダムは、再起を目指してロンドンでレストランをオープンさせる。完璧な料理を追い求めようとするアダムは周囲とぶつかり合いながら、完璧なだけでは人の心を動かせないことに気付いていく。天才だが横暴なシェフが、出会った仲間との絆や恋を経験し、人として成長していく姿を描いた心温まるヒューマンドラマだ。
『二ッ星の料理人』の概要
『二ッ星の料理人』は2015年にアメリカで公開されたヒューマンドラマ映画である。レヴュー収集サイトでの批評家の点数はさほど高くはないが、3000万ドル以上の興行成績を収める大ヒット映画となった。孤高の天才料理人が織りなす美食のエンターテイメントとしてかなりの注目を集めた作品だ。
主演のアダムを演じたブラッドリー・クーパーは俳優、映画監督、プロデューサーとしてマルチな活躍をしている。最近ではレディー・ガガ主演の『アリー/スター誕生』の監督を務め、第75回ヴェネツィア国際映画祭の上映後は批評家から大絶賛を受けた。エレーヌ役のシエナ・ミラーはイタリア版『ヴォーグ』、プラダなどのモデルをこなし、数々の映画や舞台で活躍している女優だ。監督を務めたジョン・ウェルズはプロデューサーや脚本家としても映画やテレビシリーズを手掛けている。テレビシリーズ『ER緊急救命室 』(1994年 - 2009年)の制作総指揮を務めるなど、大ヒット作品を世に送り出してきた。
酒とドラッグで身を滅ぼした天才料理人アダムは、再起を目指してロンドンにやってくる。パリの修行時代に出会った旧友たちと新しいレストランをオープンさせ、ミシュランの三ツ星レストランを目指す。完璧な料理を追及しようとするが故に起こる周囲との軋轢を通して、アダムは天才である自分に足りないことを学んでいく。果たしてアダムは三ッ星を獲得できるのか。ライバルとの因縁、恋、仲間との絆というストーリーを背景に、天才シェフが作り出す美しい美食の世界が描かれている。
『二ッ星の料理人』のあらすじ・エピソード
天才料理人の転落
アダム・ジョーンズは天才肌の料理人だ。パリの有名な料理人ジャンリュックの店で修業し、料理長にまでのぼりつめ、高い評価を受けた。しかし酒とドラッグに溺れ、アダムはその店を潰してしまう。そしてパリから逃げ出し、ニューオリンズで酒と麻薬を断つ。そして再度修行をし、ロンドンにたどり着く。そこでパリ時代同じ店で修業したトニーを訪ねた。トニーが経営するホテルのレストランで三ツ星を目指す、とアダムは勝手に宣言する。しかしパリ時代の悪行を知り尽くしたトニーは、そんな申し出を受け入れるはずがなかった。次にアダムは知り合いのレストランを訪ねる。そこで師匠のジャンリュックが亡くなったことを知り、アダムは大きなショックを受ける。その店の料理はとてもおいしく、それを作った料理人エレーヌと出会う。その後街を歩いていると、街角でミシェルと出くわす。ミシェルとはジャンリュックの店で兄弟のように仲良く働いていた。しかしジャンリュックの店を辞めて先に独立したミシェルを妬み、アダムは彼のレストランにネズミを放ったのだ。そのため彼のレストランは損害を被った。そんな昔のことは水に流し、2人は仲直りする。
三ツ星獲得に向けて
アダムは三ツ星を取るという自分の夢を叶えるため、協力してくれそうな人々にコンタクトを取る。行く先のないアダムはまずデヴィットのアパートに転がり込む。デヴィットはアダムのことを神と崇める若手の料理人だ。アダムはデヴィットのアパートで、彼と恋人のサラに見事な料理を振舞う。次にエレーヌをハンバーガーショップに呼び出す。アダムは三ツ星を取るためにエレーヌを引き抜こうとしているのだ。しかし高級志向で味の一貫性を追求するエレーヌと、新しい味に挑戦しつづけるアダムは見事意見が対立する。そして今の店に満足していると言うエレーヌに、引き抜きをアッサリと断られる。最後はレストラン評論家のシモーネに会いに行く。そして世間をあっと言わせてやりたい、と協力を求めた。
その後シモーネは突然トニーのホテルのレストランを訪ねる。辛口で有名なシモーネの来訪に焦ったトニーの前に、颯爽とアダムが現れた。仕方なくトニーはアダムが厨房に立つことを許す。アダムの料理を食したシモーネは満足そうな笑みを浮かべた。閉店後、アダムはトニーに改めてパリでの悪行を謝罪し、「三ツ星をとろう」と再度持ち掛けた。そこでトニーはロッシルド医師の元で、定期的に酒とドラックの検査をすることをアダムに提案する。それを条件に、トニーはアダムにレストランの改装費を援助した。診察後、ロッシルド医師はアダムは脅迫神経症であると診断する。ロッシルド医師はグループ治療を提案するが、アダムは全くもって興味を示さなかった。その後、アダムは「リース」というレストランを訪ねる。ロンドンにある有名な三ツ星レストランだ。新しい調理法を追及する料理長リースとアダムはパリ時代からのライバルで、お互いの料理観を巡って2人はバチバチの舌戦を繰で、り広げた。
「アダム・ジョーンズ・ランガム」開店
ミシェルとデヴィット、ムショ帰りのマックスを迎え入れ、アダムは着々と新しい店「アダム・ジョーンズ・ランガム」の開店準備を始めた。最終仕上げとして、エレーヌに3倍の給料を提示して雇い入れる。いよいよ開店当日を迎えたが、なぜかテーブルが埋まらない。新聞に「異端児、復活ならず」という批判記事が出てしまっていたのだ。そこに偵察に来たリースが登場する。焦ったアダムは厨房で料理人たちに当たり散らす。厨房の中はピリピリとした雰囲気が流れ始める。料理の出来に満足できないアダムは皿を叩きつけ、ついに厨房を飛び出していってしまった。しばらくして戻ってきたアダムは、今夜の大惨事の責任は自分にあると従業員に謝罪し、「完璧でなければ捨てろ」と料理人たちに厳しい激を飛ばした。料理人たちは黙って聞いていたが、エレーヌは「メニューバランスの悪さ」や「(客の)受け狙い」のせいだとアダムを非難する。カッとしだアダムはエレーヌをクビにしてしまう。この屈辱から這い上がるために、アダムはテレビ出演を決心する。
再び人気シェフへ
アダムは店の宣伝のためにテレビ番組に出演した。一方でトニーはエレーヌに会い、彼の不幸な生い立ちを話し、給料を3倍の2倍にすると提示する。エレーヌは昔のパリを引きずっているアダムの調理法を批判し、スーヴィード(真空調理器)を提案した。2人はお互いを受け入れ、改めて店がスタートする。アダムの新作を食した客の顔には満足そうな笑みが浮かび、店は常に満席となった。そして『タイムズ』誌の批評家でがやってくる。そして翌朝の新聞には「ランガムの絶品料理」という見出しが載っていた。アダムはこの記事を読んだ後「料理とは何だ?」とエレーヌに質問する。エレーヌは「人間関係や愛情を繋ぐものよ」と答えた。アダムはその答えを否定し、「料理のオーガズムを追及する」と熱く熱意を語る。ライバルの見事な復活にリースは嫉妬し、自分の店で皿やイスを投げつけ大暴れした。
アダムの料理にかける情熱にほだされたエレーヌは、昼夜を問わず彼と共に熱心にメニュー開発に取り組んだ。そして2人の間には信頼関係が芽生える。繁盛レストランとなったランガムには、もうすぐミシュランの調査員がやってくるはずだ。トニーはウェイター達を指導し、アダムは完璧を目指した。そんな折、店にパリ時代の知り合いだというボナシスというフランス人がやってくる。ボナシスは麻薬の売人でアダムは彼に借金をしていたのだ。事情を知っているトニーは借金を肩代わりすることを申し出るが、アダムはこれをアッサリと断わった。
料理で一番大事なこととは
軌道に乗った「ランガム」の厨房は毎日大忙しだった。そんな折、娘リリーの誕生日だけは休みを欲しいとエレーヌは申し出る。しかしその申し出をアダムはすげなく断ってしまう。フラストレーションが溜まったエレーヌは、まるでアダムのように厨房で怒鳴り散らす。その様子を見たミシェルは「(エレーヌは)お前と同じ道をたどるぞ」とアダムに忠告する。しかしミシェルのアドバイスにアダムは全く聞く耳を持たなかった。
ある日、アダムは定期検査のためロッシルド医師を訪ねた。ロッシルド医師はアダムに「彼(トニー)はあなたを愛してる」と伝える。アダムはそのことにとっくに気付いていて、三ツ星を取るためにトニーを利用しているのだ。人を利用してまで完璧を追い求めようとするアダムに、ロッシルド医師は「強いから人に頼れるの。弱いからじゃない」と教え諭した。その言葉に引っ掛かりを覚えながら、厨房に立つとなんだかいつもと様子がおかしいことに気付く。みんなアダムに素っ気ないのだ。そこにトニーがケーキを作れと注文する。トニーが誕生日にリリーを店に招待したのだ。これまでの従業員の素気ない態度は、アダムへの抗議行動だった。お詫びにアダムは可愛らしいピンクのケーキを作り、席にいるリリーに届けた。完璧に仕上げたはずのケーキを一口食べたリリーは、「2番目かな」と素直な感想をもらす。そこでアダムは料理にとって一番大事なことは、人との繋がりなのだということに気付く。
パリ時代の後悔
ある日、リースからアダムにレストラン開店パーティーの招待状が届く。リースは店をメチャクチャにした後、リベンジのために新たにレストランを開店したのだ。そのパーティーにアダムはエレーヌをぎこちなく誘った。パーティーでも相変わらず火花が飛ぶリースとアダムだったが、そこでジャンリュックの娘、アンヌ・マリーに再会する。そして亡くなったジャンリュックがアダムに形見としてナイフを残したことを知る。それを聞いたアダムは急にパーティーを飛び出し、市場に向かった。朝方エレーヌが市場に行くとそこにはアダムの姿があった。アダムはエレーヌに自分のパリ時代の思い出を語った。パリに渡ったアダムは厨房に初めて自分の居場所を見つける。しかしあまりにも早く成功しすぎた彼は、つい調子に乗ってしまった。そしてすべてをダメにして、パリから逃げ出すハメになったと告白する。アダムは心の内をさらけ出した後、市場で魚を買い付け、2人は厨房に向かった。ソースの話をしながら、2人は初めてキスをする。しかしそこにボナシスが現れ、アダムは彼と共に姿を消した。
ミュシュラン調査員来店
エレーヌがアダムを心配しながら待っていると、彼は傷だらけになって戻ってきた。しかもこんな時に限ってミシュランの調査員らしき客がやってくる。彼らは覆面調査員のため、ただの客のふりをして突然店にやってくるのだ。怪我をおしてアダムは厨房で厳しい指示を出し、全身全霊で料理を作った。しかしその客にサーブされた皿は「辛すぎる」とすぐに返されてしまう。戸惑いの空気が流れる中で、ミシェルが「唐辛子を入れた」と告白した。パリの仕返しだと言い放って、復讐を遂げたミシェルは店を去っていった。
絶望したアダムは酔っぱらってリースの店に乱入し、大暴れして自殺を図ろうとする。リースが力づくでアダムを助け、彼はライバルの前で泣き崩れた。翌朝アダムは自殺のことを全く覚えていなかった。リースはアダムにオムレツを振舞うと、アダムはミュシュランの星取りに失敗したと吐露する。リースは「お前は俺を超えてる」「先頭に立って俺たちを高みに引っ張っていけ」と落ち込んだアダムを励まし、敵に塩を送った。その後アダムはロッシルド医師を訪ね、初めて治療を受け入れる。「ランガム」に戻ると、そこにはボナシスとアンヌの姿があった。アンヌが借金を帳消しにしてくれたのだ。アンヌはジャンリュックの形見のナイフを渡し、父が死ぬ前にアダムのためにこれを研いでいたことを伝える。師匠の最期の思いを知ったアダムは「ジャンリュックのようになる」とアンヌに宣言した。
Related Articles関連記事
アメリカン・スナイパー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『アメリカン・スナイパー』とは、2014年公開のアメリカ映画である。イラク戦争に従軍した実在の狙撃兵クリス・カイルの自伝的原作を、巨匠クリント・イーストウッド監督が実写映画化。主演はブラッドリー・クーパーが務める。クリスは海軍史上最強と言われる伝説的スナイパー。だが過酷な任務に心を蝕まれ、彼と家族はその影響に苦しむ。残酷な戦場と虚しい戦争の実像を、過剰な演出を排除した構成で淡々と描く。ミリタリー・アクションとしての鑑賞にも十分堪えるが、極めてメッセージ性の強い反戦映画である。
Read Article
ハリー・ポッターシリーズの料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ
『ハリー・ポッター』シリーズとは、J・K・ローリングによる小説およびそれを原作とした映画、舞台、ゲームなどのメディアミックス作品である。普通の少年ハリー・ポッターはある日自分が魔法使いである事を知らされる。魔法学校で魔法を学び、仲間と友情を育むハリー。そんな中、両親を殺した宿敵ヴォルデモートとの戦いが始まる。舞台はイギリスの魔法界。作中にはイギリス魔法界ならではの料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物が登場する。人間界には無い少し変わったものも登場し、作品に楽しさ・面白さといった彩りを添えている。
Read Article
ハリー・ポッターシリーズの魔法・呪文まとめ
「ハリー・ポッター」とは作家J・Kローリングが描いた小説から始まり、映画化も行われている作品である。 主人公ハリーが悪と戦いを繰り広げ、魔法を用いた世界で、杖や魔法薬を用いることで魔法や呪文を行使できる。 一部の呪文には、効果が対になる呪文が設定されており、これを作中では「反対呪文」と呼ぶ。 このハリー・ポッターの映画や小説で登場した魔法を一覧にまとめた。
Read Article
ハリー・ポッターシリーズの魔法具・アイテムまとめ
『ハリー・ポッター』シリーズとは、J・K・ローリングによる小説およびそれを原作とした映画、舞台、ゲームなどのメディアミックス作品である。 普通の少年ハリー・ポッターはある日自分が魔法使いである事を知らされる。魔法学校で魔法を学び、仲間と友情を育むハリー。そんな中、両親を殺した宿敵ヴォルデモートとの戦いが始まる。 作中には戦いの行方を左右する重要なものや物語の鍵となるものから、魔法使い達の日常で使われるものまで、様々な魔法具やアイテムが登場する。
Read Article
ハリー・ポッターシリーズの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『ハリー・ポッター』とはJ・K・ローリングによる小説及びそれを原作とした映画、舞台、ゲーム作品である。本作は1997年にイギリスで1作目が刊行。その後、全7シリーズが刊行され2007年に完結した。児童書でありながら緻密に設定された世界観に、子供だけではなく大人も引き込まれる物語だ。バラエティ豊かな登場人物たちの言葉には見ている人を勇気づけたり、人生を導くほどの説得力があるものが数多くある。そのため、幅広い世代の人に愛され、共感を持たれる作品となっている。
Read Article
美女と野獣(実写映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『美女と野獣』(原題:Beauty and the Beast)は2017年にアメリカで制作された映画。1991年に制作された、ディズニーアニメーション不朽の名作を完全実写化。魔女の呪いによって醜い野獣の姿に変えられてしまった王子と、孤独を抱えながらも前向きに生きる美しい娘ベルが出会い次第に惹かれあっていく模様を描く。愛すること、信じ抜くことを描くファンタジーロマンス。
Read Article
ベイビー・ドライバー(Baby Driver)のネタバレ解説・考察まとめ
『ベイビー・ドライバー』とは2017年にアメリカ合衆国で公開されたアクション映画である。主人公ベイビーが音楽を聴く事で驚くべきドライビングテクニックを発揮し、逃がし屋として活躍する姿を描いた作品。更にアクションだけではなく、一目惚れした彼女との初々しい恋愛をも描いている。監督はエドガー・ライト、主演はアンセル・エルゴートが務めた。 映像と音楽が完璧にシンクロするという今までになかった爽快アクション映画。
Read Article
ガタカ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ガタカ』とは1997年にアメリカで製作されたSF映画。 遺伝的優劣によって人生が左右される近未来社会の中で、遺伝的問題を抱えた1人の青年が不屈のチャレンジ精神で人生を切り開き、夢を叶えようとする姿を描いている。遺伝子がすべてと言われる世界の中で、当り前である概念を打ち砕き、不可能を可能としようとする姿に周囲が心動かされていくヒューマンストーリーでもある。現実感のある設定と名言の詰まったセリフの数々は、見る者の心に訴えかけ、今もって語り継がれる作品となっている。
Read Article
最強のふたり(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『最強のふたり』とは、2011年にフランスで公開された、実話をもとにコミカルに描くヒューマンヒストリー映画である。パラグライダーの事故で首から下が不自由になってしまった大富豪の男と、その介護人として雇われた、貧困層の黒人青年との交流を描いた物語。共通点のない2人が、それぞれの趣味を共有していく様子をユーモラスに描き、友情を育んでいく。第24回東京国際映画祭で最優秀作品賞と最優秀男優賞をダブル受賞した。監督・脚本は、フランスの2人組監督のエリック・トレダノとオリヴィエ・ナカシュが担当している。
Read Article
ジェイソン・ボーン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ジェイソン・ボーン』とは『ボーンシリーズ』の5作目で、2016年公開のサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンが、CIAの極秘計画を暴いてから9年後。地下格闘技で生計を立てていたボーンの元に、彼の過去に関する新たな事実や極秘作戦を探り当てたかつての協力者ニッキーが現れる。情報の暴露を恐れたCIAに襲われる2人。一方CIAの女性捜査官ヘザーは愛国心のあるボーンを復帰させようとする。スリリングな展開、ラスベガスでのシリーズ屈指の激しいカーチェイスは必見。
Read Article
パルプ・フィクション(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『パルプ・フィクション』とは、クエンティン・タランティーノ監督による1994年公開のクライム映画である。主演はジョン・トラボルタ、共演はサミュエル・L・ジャクソン、ユマ・サーマン等。アカデミー賞脚本賞とカンヌ映画祭パルムドール賞を受賞した。ギャングであるヴィンセントと相棒ジュールズは、ボスからの命令でスーツケースを取り返すべく、アパートに潜入する。3つの異なる犯罪エピソードから構成されており、ストーリーの時系列と映画の時系列が異なる構成が話題を呼んだ。バイオレンスと乾いた笑いに満ちた傑作群像劇。
Read Article
アベンジャーズ/エンドゲーム(MCU)のネタバレ解説・考察まとめ
『アベンジャーズ/エンドゲーム』とは、2019年に公開されたディズニー配給・マーベル製作の『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の続編である。本作は、宇宙最大のパワーを持つ6つの石”インフィニティ・ストーン”を集めたサノスがアベンジャーズのメンバーを含む、全宇宙の生命の半分を消滅させたところから始まる。人類を守るため、”キャプテン・アメリカ”や”アイアンマン”を筆頭に最強ヒーローたちが再び立ち上がり、史上最凶最悪の敵・サノスに逆襲(アベンジ)する。
Read Article
ボーン・アルティメイタム(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ボーン・アルティメイタム』とは『ボーンシリーズ』の3作目で、2007年公開のサスペンス・アクション映画。記憶を失くした元CIAトップ工作員ジェイソン・ボーンは、CIAの極秘計画の暴露記事を書こうとする記者と接触したことで存在が見つかり、またもやCIAに狙われる。その一方、CIA内部の人間と協力し、極秘計画に絡んだ組織の陰謀を暴き、とうとう記憶を取り戻す。その場にいるかのような臨場感溢れる映像やスピーディなストーリー展開、スリリングな逃走劇など息もつかせぬシーンの連続で観る者を引き込む最高傑作。
Read Article
アリー/ スター誕生(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『アリー/ スター誕生』とは、歌手に憧れる女性の成功と苦悩と愛を描いた、2018年公開のアメリカ映画。主演は、本作が初主演となるレディー・ガガ。監督は、俳優で本作でもジャックを演じるブラッドリー・クーパー。1937年の同名映画4度目のリメイク。劇中の音楽も高い評価を受け、サウンドトラックは全米1位を獲得。自信のないシンガーが才能を見出され、スターダムを駆け上がっていく。単なるシンデレラストーリーだけではなく、依存症や家族のあり方を含めた人の苦節や愛情という側面も深く描いた作品。
Read Article
ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』とは、イギリスを舞台に魔法使いの少年・ハリーが闇の魔法使い・ヴォルデモートと立ち向かうファンタジー映画。三年生となったハリ―。魔法界を訪れるとアズカバンに投獄されていたシリウス・ブラックが、脱獄していたことを知る。シリウスが自分を狙っていることを知るハリー。学生時代、父とシリウスが親友だったことを知り、ハリーは父を裏切ったシリウスに対し憎しみを抱き始める。 J・K・ローリングの小説が原作のシリーズ第三弾。
Read Article
イエスタデイ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『イエスタデイ』はイギリスで制作されたスタイリッシュでハートフルなラブコメディ映画である。売れないシンガーソングライター、主人公のジャックはある日バスに跳ねられる。意識不明の状態から回復したものの、目覚めた世界には伝説のバンド「ビートルズ」が存在していなかった。なぜかジャックだけがビートルズを憶えている。記憶を頼りに披露した曲「イエスタデイ」をきっかけに、ジャックの平凡な人生が徐々に変化していく。ファンタジーな要素とリアルを織り交ぜながら友情、恋愛、苦悩をビートルズの名曲と共に楽しめる映画だ。
Read Article
コードネーム U.N.C.L.E.(アンクル)のネタバレ解説・考察まとめ
『コードネーム U.N.C.L.E.(アンクル)』とは、2015年の英米合作で制作されたスパイ・アクション映画。1960年代に、アメリカや日本で放映されたテレビドラマ『0011ナポレオン・ソロ』をリメイクした映画。監督は『シャーロック・ホームズ』シリーズを手掛けたガイ・リッチーが務めた。アメリカの「タイム」誌は、本作を「2015年の映画トップ10」の第9位に挙げている。 東西冷戦下を舞台に、米ソ両国のエージェント同士が手を組み凶悪テロを阻止するというスリリングなストーリー。
Read Article
ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』とは、イギリスを舞台に魔法使いの少年・ハリーが闇の魔法使い・ヴォルデモートと立ち向かうファンタジー映画。復活を遂げたヴォルデモート。しかし魔法省はそれを受け入れずホグワーツに干渉するようになる。そんな中、ダンブルドアは「不死鳥の騎士団」を再び活動させる。五年生となったハリーたちはヴォルデモートに対抗するため、ダンブルドア軍団を結成。そしてヴォルデモートや死喰い人と再び対峙することとなる。 J・K・ローリングの小説が原作のシリーズ第五弾。
Read Article
ジュラシック・ワールド(Jurassic World)のネタバレ解説・考察まとめ
『ジュラシック・ワールド』とは2015年のアメリカ映画で、1993年に製作された『ジュラシック・パーク』シリーズ4作目である。前作に引き続きスティーヴン・スピルバーグが製作総指揮を務めている。イスラ・ヌブラル島で起きた「ジュラシック・パーク」の事件から22年。新たなるテーマパーク「ジュラシック・ワールド」がオープンし、多くの観光客で賑わっていた。しかし、新たな目玉アトラクションとしてパークが用意していた新種恐竜インドミナス・レックスが脱走し、パークは大パニックに陥る。
Read Article
リリーのすべて(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『リリーのすべて』とは、世界で初めて性別適合手術を受けた、リリー・エルベの実話を元に描いたヒューマン・ドラマ。2015年にアメリカ、イギリス、ドイツで製作された合作映画である。風景画家である主人公はある日、肖像画家の妻に頼まれ女性モデルの代役を引き受ける。そのことがきっかけで、自分の中に女性の存在があることに気付き始める。悩み苦しむ夫の変化に困惑しながらも、妻のゲルダは夫の本質を尊重し、理解を深めて行く。概念を超えた夫婦の絆と美しき愛の物語。
Read Article
クルエラ(ディズニー映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『クルエラ』とは、2021年に公開された、アメリカ合衆国の映画である。監督はクレイグ・ギレスピー、主演はエマ・ストーンが務めた。舞台は70年代のロンドン、親を亡くしたエステラ・ミラーはファッションデザイナーになることを決意する。ある日、伝説的なカリスマ・デザイナーのバロネス・フォン・ヘルマンと出会い、自身の才能を磨いていく中で、自分の出生の秘密を知った。ディズニーの映画『101匹わんちゃん』の悪名高きヴィランであるクルエラの、誕生秘話を知ることができる内容となっている。
Read Article
イエスマン “YES”は人生のパスワード(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『イエスマン “YES”は人生のパスワード』とは、2008年にアメリカとイギリスで製作されたコメディ映画。何事に対しても「ノー」が口癖で人生に消極的な男カールが、ある日参加したセミナーで「どんなことに対しても”YES”と答えることで意味のある人生を送れる」と説かれる。「ノー」と答えると災が起こるという暗示をかけられたカールは、どんな場面でも「イエス」と言うようになる。それ以降人生が好転し始めたカールだったが、思わぬ出来事が待ち受けていたのだった。
Read Article
運び屋(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『運び屋』とは、クリント・イーストウッドによる2018年のアメリカ合衆国のクライム映画。 家族を蔑ろにして園芸家としての仕事を続けてきたアール・ストーンは、やがて孤独な90歳の老人になっていた。そんなある時、アールは荷物を乗せて車を走らせるだけで高額報酬が手に入る怪しげな仕事を引き受ける。しかし、その仕事の正体は麻薬の運び屋だった。 家庭を顧みない生き方をしてきた老人の人生を描いており、家族との関係を再構築しようとするアールが見所の作品。
Read Article
キングスマン:ファースト・エージェント(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『キングスマン:ファースト・エージェント』とは2021年公開の米・英合作のスタイリッシュアクションスパイ映画。監督はマシュー・ヴォーン。本作ではレイフ・ファインズ演じるオーランド・オックスフォード公を中心として、第一次世界大戦時代の英国を舞台に「キングスマン」誕生のエピソードを展開する。 平和主義の英国貴族である主人公が大戦の最中、スパイとして世界の平穏を守ろうとする物語。レトロでありながらハイセンスな劇中ファッションや超過激スパイアクションが魅力の一作。
Read Article
【映画紹介】ベルリンの壁崩壊に揺れる人々を描いた映画『グッバイ・レーニン!』の魅力
ベルリンの壁崩壊で歴史に翻弄される人々の日常生活を、可笑しくも切なく描いたドイツ映画『グッバイ・レーニン!』の魅力を紹介します!
Read Article
ハリー・ポッターシリーズの占い学教授トレローニーが思いのほか可愛かった件
『ハリー・ポッター』シリーズの中でもひときわ異彩を放っていた占い学教授のシビル・トレローニー。ハリーたちにとって決して良い先生ではなかったですが、意外と可愛らしい一面もあったりします。この記事では、そんなトレローニー先生の動画をまとめました。彼女の役を演じたエマ・トンプソンの画像も載せていますので、併せてご覧ください。
Read Article
実写版「シンデレラ」公開!主人公役のリリー・ジェームズが可愛すぎてお姫様度MAX!
実写版「シンデレラ」が公開され、主人公のシンデレラを演じるリリー・ジェームズが可愛すぎると話題に。ディズニー屈指の名作の主人公を演じることに、とてつもないプレッシャーを感じていたようだが、演技の評価も高く、上品な顔立ちも相まってネットでも称賛する声が多く寄せられた。
Read Article
映画評論サイト「前田有一の超映画批評」で95点以上の作品まとめ!
ここでは日本の映画批評サイト「前田有一の超映画批評」で100点満点中95点以上を獲得している映画を紹介する。点数の高い作品から順番に掲載している。ちなみに100点満点を獲得したのは『アメリカン・スナイパー』だ。
Read Article
「前田有一の超映画批評」で95点以上を獲得した映画まとめ!『アメリカン・スナイパー』など
ここでは映画批評サイト「前田有一の超映画批評」で95点以上を獲得した映画をまとめた。イラク戦争で160人を撃ったアメリカ人スナイパーを描く『アメリカン・スナイパー』、ディズニー映画『ピーターパン』をもとに妖精の世界を描く『ティンカー・ベル』などを紹介している。
Read Article
【映画紹介】タランティーノの真骨頂!『パルプ・フィクション』の色褪せない名シーン3選
クエンティン・タランティーノといえば、ずばり『パルプ・フィクション』ですよね!1994年に公開され、気付けば21年も経ってしまいましたが、何回観ても、何年経っても色褪せない面白さ&スタイリッシュさ。賛否両論ある作品ではありますが、改めて本作の魅力を名シーンと共に振り返りたいと思います。
Read Article
【MCU】仲良しっぷりが伝わるアベンジャーズキャストの画像まとめ【マーベル・コミックス】
世界中にヒーロー映画旋風を巻き起こしてきた『アベンジャーズ』シリーズ。2019年、遂にヒーローたちの物語の終幕となる『アベンジャーズ/エンドゲーム』が公開されました。ここではロバート・ダウニー・Jr.やスカーレット・ヨハンソンをはじめとする、同作品に出演した超豪華キャストの集合写真などを集めました。撮影の舞台裏や貴重なオフショットを紹介していきます。
Read Article
【クルエラ】ディズニープリンセス&悪役のイケメン男体化パロディ画像まとめ!どれも秀逸【ノートルダムの鐘】
ディズニー映画に登場するプリンセスや悪役(ヴィランズ)たちを男体化してみたらどうなるか、想像してみたことはありますか?これを実際にイラストで描いた人たちがいるようなので、この記事で画像をまとめました。みんなビックリするぐらいのイケメンに大変身!あなたは誰が好みですか?
Read Article
【美女と野獣】ハリー・ポッターシリーズ俳優が共演している作品まとめ!こんなにあった!【マレフィセント】
かつて『ハリー・ポッター』シリーズに出演していた俳優たちは、別の作品でも共演していることが多々あります。この記事では、そんな映画の数々についてまとめました。たとえば、2017年の映画『美女と野獣』。ハリポタでハーマイオニー役を務めたエマ・ワトソンの他、トレローニー先生役だったエマ・トンプソンが出ています。偶然とはいえ、同じエマ繋がりなのか面白いですね!
Read Article
実写版「シンデレラ」の継母役ケイト・ブランシェットが強烈すぎる…ゾクゾクする冷酷さ【ディズニー】
ディズニーの人気映画『シンデレラ』が、2015年に実写化されました。その中で一際存在感を放っていたのが、シンデレラの継母役を演じたケイト・ブランシェットです。継母の冷酷さが見事なまでに表現されていて、あらすじ・ストーリーよりもこのケイトの演技に目を奪われたという人は少なくないんだとか。それだけ彼女の演技が素晴らしいということですね!
Read Article
【クルエラ】ディズニーに「悪」の時代到来?ヴィランズ主役の実写映画が制作されてる件【マレフィセント】
子どもから大人まで広く愛されているディズニー。どうやら、そんなディズニーに「悪」の時代が到来したみたい。というのも、『マレフィセント』や『クルエラ』など、作中に登場するヴィランズたちの名を冠した映画が制作されているのです。まさか悪役が主役を務める日が来るとは…。本編では語られることのなかったヴィランズたちの物語を知ったら、また違った目線で作品を楽しめるかもしれないですね。
Read Article
唐突なダンスシーンが印象的な映画8選!パルプ・フィクションやナポレオン・ダイナマイト(バス男)といった名作ばかり!
ここではミュージカル映画ではないのに突然始まるダンスシーンが印象的な映画をまとめた。クエンティン・タランティーノ監督による『パルプ・フィクション』、『バス男』という日本語題が物議をかもした『ナポレオン・ダイナマイト』など、名作ばかりだ。
Read Article
目次 - Contents
- 『二ッ星の料理人』の概要
- 『二ッ星の料理人』のあらすじ・エピソード
- 天才料理人の転落
- 三ツ星獲得に向けて
- 「アダム・ジョーンズ・ランガム」開店
- 再び人気シェフへ
- 料理で一番大事なこととは
- パリ時代の後悔
- ミュシュラン調査員来店
- 仲間と共に
- 『二ッ星の料理人』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- アダム・ジョーンズ(演:ブラッドリー・クーパー)
- エレーヌ(演:シエナ・ミラー)
- 「アダム・ジョーンズ・ランガム」で働く人々
- トニー(演:ダニエル・ブリュール)
- ミシェル(演:オマール・シー)
- マックス(演:リッカルド・スカマルチョ)
- デヴィッド(演:サム・キーリー)
- その他の人々
- リース(演:マシュー・リス)
- ロッシルド医師(演:エマ・トンプソン)
- アンヌ・マリー(演:アリシア・ヴィキャンデル)
- シモーネ(演:ユマ・サーマン)
- リリー(演:レクシー・ベンボウ・ハート)
- サラ(演:リリー・ジェームズ)
- ボナシス(演:ラファエル・アクローク)
- 『二ッ星の料理人』の用語
- ミシュラン
- アダム・ジョーンズ・ランガム
- スーヴィード
- 『二ッ星の料理人』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 登場する絶品料理の数々
- エレーヌ「人間関係や愛情を繋ぐものよ」
- ロッシルド医師「強いから人に頼れるの。弱いからじゃない」
- リリーと誕生日ケーキ
- 『二ッ星の料理人』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 世界一セクシーな男が演じたシェフ
- 『グランメゾン東京』のパクリ疑惑
- 厨房では料理長は神
- 『二ッ星の料理人』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:バーンズ・コートニー「Fire」
- 挿入歌:ザ・アベナー「It Serves Your Right to Suffer」