ディープ・ブルー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ディープ・ブルー』(原題:Deep Blue Sea)とは、1999年にアメリカで公開されたパニックアクション映画。監督はアクション映画を得意とすることで有名なレニー・ハーリン。興行収入は1.6億ドル。物語の主人公スーザンは、アオザメの脳を素材とするアルツハイマー病治療薬の開発を海洋上の研究施設アクアティカで行っていた。遺伝子操作を行った影響で脳が発達し賢くなった巨大ザメは、自らの考えを持つようになり、外界へ出て自由になるという目的のため、研究者や関係者たちを次々に襲撃する。

『ディープ・ブルー』の概要

『ディープ・ブルー』(原題:Deep Blue Sea)とは、1999年にアメリカで公開されたパニックアクション映画。監督は『ダイ・ハード2』や『クリフハンガー』などを手がけ、アクション映画を得意とすることで有名なレニー・ハーリン。興行収入は1.6億ドル。サメ映画の金字塔である『ジョーズ』以降、様々なサメ映画が作成されたが評価が得られない状況が続いた。そのような中、当作は本物のサメや当時最新鋭のCG技術を用いてリアルさを追求した作品に仕上がり、『ディープ・ブルー2』、『ディープ・ブルー3』と続編が出るほどの長期人気シリーズとなった。

物語の主人公スーザン・マカリスターは、アオザメの脳を素材とするアルツハイマー病治療薬の開発を海洋上の研究施設アクアティカで行っていた。ある日、施設で飼育するサメが逃げ出し、民間人を襲う事件が発生する。アクアティカでサメの監視役として働くカーター・ブレイクの活躍により死傷者は出なかったが、スーザンはこの責任を問われ、研究に出資しているキマイラ製薬の本社に呼び出しを受ける。スーザンは、事件を重く受けとめた社長であるラッセル・フランクリンから研究中止を宣告されるが、彼女は実験の成果をラッセルに見せることで研究継続を目論み、彼をアクアティカへ招待する。カーター・ブレイクなどの一部職員が見守る中、実験がお披露目されるが、遺伝子操作を行った影響で脳が発達し賢くなった巨大ザメは、自らの考えを持つようになり、外界へ出て自由になるという目的のため、研究者や関係者たちを次々に襲撃してしまう。

『ディープ・ブルー』のあらすじ・ストーリー

アルツハイマー病の研究とサメの異常な行動

太平洋上に浮かぶ海洋研究施設であるアクアティカ。この研究施設で医学博士として働くスーザン・マカリスターは、施設で飼育しているサメを用いて医療実験を行っていた。サメの脳は人間と比較して衰えるスピードが遅く、この特徴を利用して人間のアルツハイマー治療に役立てようとしていた。

ある日、施設で飼育するサメが逃げ出し、民間人を襲う事件が発生。アクアティカでサメの監視役として働くカーター・ブレイクの活躍により死傷者は出なかったが、スーザンはこの責任を問われ、研究に出資しているキマイラ製薬の本社に呼び出しを受ける。スーザンは、事件を重く受けとめた社長であるラッセル・フランクリンから研究中止を宣告される。しかしスーザンは、研究の続行を強く主張し、2日で結果を出すとラッセルに宣言。ラッセルは研究の成果を確認するため、スーザンと共にアクアティカへ向かうことが決まった。

初めて研究所を訪れたラッセルを、海洋生物学者のジャニス・ヒンギンスが案内。週末を迎え多くのスタッフが帰路につく中、スーザンら一部のメンバーで新たな実験に臨むことになった。スーザンは迅速に結果を出すため、検証を行わずにいきなり実験を行うことを決める。この日はスーザンの誕生日でもあり、アクアティカではサプライズパーティーが開かれる中、カーターはスーザンに対し、実験を危惧していることを伝える。事件の際、サメが脱走したのは柵を閉め忘れたのではなく自力で逃げ出した可能性が高いこと、共同で狩りをしていることなど、アクアティカのサメが異常な行動をとっているためだった。しかしスーザンは、過去にカーターが密輸で逮捕され仮釈放されたばかりであり、研究が中止に追い込まれたら次の仕事を見つけるのは困難であると脅迫し、実験の強行を認めさせる。翌日、アクアティカの実験室でラッセルも見守る中、実験が開始される。

サメの暴走

スーザンらはアクアティカで飼育するサメに麻酔をかけ、大人しくなったサメの脳から、サンプルとなるタンパク質を抽出した。サンプルはアルツハイマーに侵された細胞に変化をもたらし実験は成功した。一同が歓喜の和にある中、医療学者のジム・ウィットロックが実験体のサメに近寄った。するとサメが突然動き出し、ジムの片腕を嚙み千切った。即座にカーターがサメを銃で撃とうとするが、スーザンは実験に成功をもたらしたサメを守ろうと、海中に戻すボタンを押し、逃がしてしまう。

この行動により、スーザンは一斉に非難される。険悪なムードの中、ジムの命を救うため、彼を担架に乗せて病院に運ぼうと屋外へ出た。運が悪いことに、アクアティカ付近に嵐が接近していた。強烈な雨や風が吹きつける中、ヘリコプターが到着。カーター達はやっとの思いでヘリから降ろされたワイヤーにジムの担架を括りつけることに成功する。しかし、ヘリがジムを引上げている最中、海中からサメが担架に飛びついて食らいついた。担架を牽引していたワイヤーに引っ張られる形でヘリはコントロールを失い、アクアティカの管制塔へ衝突する。これにより、アクアティカは外部との連絡をとる手段を失ってしまう。

一同が実験室に逃げ込み茫然自失とする中、海中を覗く大きな窓にジムが乗ったままの担架を咥えたサメが現れる。サメが担架を窓へ投げつけると、窓は水圧に耐えきれず崩壊する。これにより実験室には大量の海水が流れ込み、一同は脱出を余儀なくされる。海水が押し寄せる扉を数人がかりでなんとか閉めたが、彼らは海中の実験室に閉じ込められてしまう。

逃げるアクアティカ職員

サメが明確にスーザン達の命を狙っていたことに違和感を覚えたラッセルが問い詰めると、スーザンは独断でサメの脳に遺伝子操作を行っており、これにより知能が向上したサメがクアティカ職員を襲撃していたことが発覚する。カーター達は施設から脱出するために潜水艇のある場所へ向かうが、潜水艇は既にサメに破壊されていた。潜水艇が破壊されたことで、スーザンやジャニスが口論に発展すると、雪山での遭難経験を持つラッセルが一致団結する重要性を説く。しかし、サメは無情にも潜水艇の出口から飛びかかり、ラッセルを食い殺してしまう。

ラッセルの力説もあり一同は非常用ハシゴを登って脱出することを決意する。ハシゴを掛けた場所にも海水が流れ込む中必死に逃げるスーザン達だったが、海面からジャンプしてきたサメにジャニスが食べられてしまう。次々と仲間を失い危機感の募る一同に、アクアティカの建築構造に詳しいスコギンズが「ハシゴで1階上に上がり、そこから階段で海上へ脱出しよう」と提案する。その頃、コックのシャーマン・ダドリーが厨房に取り残され、別のサメの襲撃を受けていた。そこでダドリーはオーブンに使うガスの元栓を開け、爆発を起こしてサメを撃退することに成功した。ハシゴを登ったカーター達はダドリーと合流するが、海上へ通じる階段も浸水して使えないことがダドリーから伝えられる。カーターとスコギンズは発電機を動かして排水させる別案を考え、泳いで発電機に向かうが、そこでサメに見つかりスコギンズは食い殺され、発電機も破壊されてしまった。

生き残った3人vsサメ

一方スーザンは研究データを回収に自室へ向かうが、サメの襲撃にあう。スーザンはブレーカーの電線を抜いて海中に投げ入れ、サメを撃退することに成功したが、研究データも黒焦げになってしまう。

生き残ったカーター、スーザン、ダドリーの3人は、一度海中に出て海上へ上がるという手段をとることに決める。カーターとスーザンはなんとか海上へ上がったが、ダドリーは下半身をサメに食いつかれてしまう。ダドリーは首から下げていた十字架でサメの目を突き、サメの口から脱出することに成功。喜ぶ3人を他所に、アクアティカの柵にサメが何度も激突する音が響いてきた。知能の発達した危険なサメの逃亡を阻止するため、カーターは水中銃で撃退を試みる。スーザンも囮となるため海に飛び込むと、サメはアクアティカからの脱出を中止しスーザンを食い殺す。スーザンの犠牲に報いるためダドリーが銃でサメの背ビレを射抜くと、サメは木端微塵となり脅威はようやく終わりを迎えた。

『ディープ・ブルー』の登場人物・キャラクター

主要人物

スーザン・マカリスター(演:サフロン・バロウズ)

本作の主人公の1人であり医学研究施設アクアティカの研究部長。容姿は端麗だが研究には人一倍厳しい女性。研究熱心な姿勢から、アクアティカ職員は彼女に対し尊敬の念を抱いており、業務時間外にも関わらずバースデーパーティーが開かれることもあった。アルツハイマー病で父を亡くした過去を持ち、以後アルツハイマー治療薬の研究に没頭している。アオザメの脳細胞を利用した治療薬が有望であると信じ、アクアティカで飼育するアオザメで実験を繰り返すが、これが原因で脳が異常発達した巨大アオザメが誕生してしまう。

カーター・ブレイク(演:トーマス・ジェーン)

本作の主人公の1人。過去に密輸の罪で懲役判決を受けている。仮釈放後は、医学研究施設アクアティカで水中におけるサメの監視や脱走した際の捕獲などを行っている。早くから実験対象となっているサメの異常を察知し、研究員に知らせるなど危機意識が高い。クールで無愛想だが、アクアティカ職員からの信頼は厚い。水泳が得意でウェットスーツなしでサメの捕獲を行う肉体派。

アクアティカの研究者

ジャニス・ヒンギンス(演:ジャクリーン・マッケンジー)

アクアティカで働く女性の海洋生物学者。医療学者のジムと恋仲。アクティカを訪れたラッセルの案内役を務める。サメの脳細胞を抽出する実験では心拍数の計測を担当した。

ジム・ウィットロック(演:ステラン・スカルスガルド)

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