アルマゲドン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『アルマゲドン』は1998年に公開されたアメリカのSFアクション映画である。主演ブルース・ウィリス、監督をマイケル・ベイが勤める感動の大ヒット作だ。小惑星衝突による人類滅亡の危機を、60億人から選ばれたハリーたちは救えるのか。6人の宇宙飛行士と8人の石油採掘プロフェッショナルへ、命懸けの一大プロジェクトがNASAより告げられる。重大な責任を背負い宇宙へと飛び立つハリーたち。彼らの覚悟、そして仲間と家族を想う愛や絆の偉大さが壮大なスケールで描かれている。

『アルマゲドン』の概要

『アルマゲドン』はマイケル・ベイ監督によるSFアクション作品である。公開は1998年、時間は約2時間半ほどだ。また制作には『トップガン』や『パイレーツ・オブ・カリビアン』など数々のヒット作をプロデュースしたジェリー・ブラッカイマーらが名を連ねている。彼がマイケル・ベイとタッグを組むのは計5作(『アルマゲドン』『ザ・ロック』『トランスフォーマー』『バッドボーイズ』『パール・ハーバー』)にも及ぶ。制作会社はウォルト・ディズニー・スタジオによるタッチストーンレーベルであり、日本での興行収入は約135億円にまで到達した。1990年代を代表する映画の1つである。またNASAの関係者も協力し大規模な制作が行われており、スペースシャトルが登場するシーンではなんと実物が映し出されている。他にもスペースシャトルの打ち上げでは、本物のブースターが使用された。

アメリカ、テキサス州と同じくらいの巨大な小惑星が、地球に接近していることをある住民が発見。それは確実に地球へと衝突するルートを辿っており、猶予は18日間と計算されていた。人類の滅亡を回避すべく選ばれた1人目は、世界一の掘削人と言われているハリー・スタンバーである。そこで彼は共に働いてきた仲間たちを招集した。そして掘削のプロ8人と宇宙飛行士のプロ6人の計14人が任務遂行のため宇宙へと飛び立つのであった。宇宙空間には想像を絶する様々な苦難が待ち受けている。家族や男たちの熱い絆が描かれた作品だ。大迫力のアクションが炸裂する中で、ヒューマンドラマはシンプルに描かれている。監督の持ち味が存分に発揮されており、そのシンプルさが心を打つ。60億人の命運を懸けた最大のミッションを選ばれた14人は成し遂げられるのか。涙無しでは観られない結末が待っている。

『アルマゲドン』のあらすじ・ストーリー

小惑星の接近

アメリカ、テキサス州と同じ大きさの巨大アステロイド(小惑星)が時速3万5000キロのスピードで地球に接近していた。衝突すればバクテリアすら残らないほどの破壊力があり、地球は確実に消滅する。猶予は18日間。人類が生き残る方法は1つだけ。その方法は小惑星の表面に穴を開け地下深くで核爆発を起こし衝突する軌道を変えるというものだ。そこでNASA総指揮官のダン・トルーマンは、世界一の腕を持つ掘削人ハリー・スタンバーに協力を仰いだ。

選ばれた石油掘削員たち

NASAから極秘任務の依頼を受けたハリーは娘のグレース・スタンパーと共に宇宙へ向かう人員集めを開始する。こうして集まったメンバーがグレースの恋人であるA.J.フロストをはじめ、チック・チャップル、ロックハウンド、ジャイティス・カーリーン、オスカー・チョイ、マックス・レンナート、フレディ・ヌーナンら6人の石油掘削員である。グレース以外の男性陣は宇宙へ向かうため短期間での猛特訓が始まった。通常数年掛かる訓練を彼らは12日で行わなければならない。また精神面の問題はクリアできていないにも関わらず肉体面の問題の有無だけで判断するよう促し、半ば強行突破のような形で彼らは宇宙へ飛び立つ日を迎えた。

度重なるアクシデント

作戦はメンバーがフリーダム号、インディペンデンス号の2機のシャトルに別れて行われる。しかし宇宙空間へ入った後、予期せぬトラブルが次々と彼らを襲う。フリーダム号に乗るハリーたちと逸れ、インディペンデンス号に乗っていたAJたちのシャトルは墜落。通信も途絶えてしまう。フリーダム号のみが小惑星へ到着したものの人員の半分が不在の状況で予定通りに進むはずがなく、状況は難航していた。そこで更に小惑星が反発しているかのようにして装置の故障が発生。また地球では大統領によりトルーマンも知らされていなかった第2案の作戦として、核爆弾のリモートによる爆破が実行されようとしていた。トルーマンはハリーたちを守るため、なんとか時間を稼ごうとする。宇宙と地球、それぞれの場所で戦いが繰り広げられていた。

帰還

小惑星の地割れにより噴出したガスでフリーダム号に搭載されていたアルマジロを失ったハリーたち。掘削作業を進める手段を失い、彼らは絶体絶命の状況に陥っていた。計画は失敗だと誰もが諦めかけた時、崖の上から救いの光が現れる。その光は小惑星に辿り着いたAJたちの乗るインディペンデンス号搭載のアルマジロによるものであった。合流後すぐに作業を再開し、時間内に目標の地点まで掘削することに成功したハリーたち。しかしここでもまたアクシデントが発生する。遠隔操作が可能な爆破スイッチのリモコンが故障してしまったのだ。その為、誰かが残って手動で爆破させなければならならない。公平にくじで決めることになるが、ハズレを引いたのはAJなのであった。しかしAJと最後の別れの際に、AJの宇宙服を傷つけ、ハリーは無理矢理にAJの役目を引き受けた。AJが船内に戻された後、またトラブルに見舞われながらも、なんとか小惑星を離脱したフリーダム号。AJたちの離脱を確認したハリーは、ひとり起爆スイッチを押したのであった。小惑星は2つに割れ、地球の横をすり抜けていく。作戦は成功したのである。その後、地球へ帰還した彼らは英雄として讃えられるのであった。

『アルマゲドン』の登場人物・キャラクター

吹替はソフト版・フジテレビ版・日本テレビ版/テレビ朝日版の3パターンが存在する。

主要人物

ハリー・スタンパー(演:ブルース・ウィリス)

出典: eiga.com

吹替:諸角憲一/村野武範/内田直哉

『ダイ・ハード』シリーズでトップスターの地位を獲得したブルースが演じる。
石油会社「スタンパー・オイル」の三代目を継ぎ、仲間から信頼されるリーダーのような存在の社長。掘削で鍛え抜かれた肉体をしている。12歳からこの仕事一筋であり、世界一と言われるほどの腕を持つ。一人娘グレースへの愛情は深く、恋人のAJに対し憤慨する場面が多い。激怒した時には石油タンクがあるにもかかわらず、ジョットガンをAJに向けて乱射する破天荒ぶりも映し出されている。彼に対する当たりがかなり強いが、仲間のチックからすれば昔のハリーはAJと似ているのだとか。血の繋がった愛娘グレースとは異なるが、まるで親子のように感じる場面も散見される。ハリーにとってAJはどのような存在であるのか。ストーリーが進むにつれて明らかになっていく。

グレース・スタンパー(演:リブ・タイラー)

出典: mitchy-blg.net

吹替:藤貴子/石塚理恵/小林沙苗

人気ロックバンド「エアロスミス」のボーカル、スティーヴン・タイラーの娘。
ハリーの一人娘でありAJの恋人であるが、ハリーには彼との結婚を反対されている。両親の離婚により小さい頃から母親を知らず掘削員の男たちの中で育ってきたため、強気な性格であり、ハリーのことをお父さんではなく名前で呼ぶ。掘削員の男性は皆、彼女のことを娘のように思っており、愛されて育ってきたことが窺える。彼女は今まさに大人になろうとしているのだ。掘削員への愛情、父への愛、そしてAJへの愛と、様々な想いを抱えて彼女はNASAで皆の帰りを待っていた。

A.J.フロスト(演:ベン・アフレック)

出典: www.cinematoday.jp

吹替:大滝寛/小杉十郎太/楠大典

ハリーの部下であり、グレースの恋人。確かな素質を持っていながら若さからくる自信過剰で突っ走ることがあり、トラブルメーカー的な存在であった。ハリーを激怒させることは日常茶飯事のようだが、内心ではハリーのことを尊敬している。歴の長い掘削員たちにとって、彼は危なっかしく放っておけない息子のような存在でもある。掘削員の中に若い男が彼しかいないからグレースは惹かれたのだと思っていたハリー。しかし決してそれだけではなく、グレースへの深い愛情をハリーは彼女に抱いていたのであった。

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