キングスマン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
マーク・ミラー原作のコミックを「キック・アス」に続きマシュー・ボーンが監督した、常識破りの超過激ノンストップ・スパイアクション。亡き父の後を継いでスパイ組織「キングスマン」の一員としてスパイとなる道を選んだ青年が、ブリティッシュスーツを華麗に着こなし、最強の敵相手に奮闘する姿を描く。「英国王のスピーチ」でアカデミー賞を受賞したコリン・ファースが激しいアクションに挑戦。2015年公開のイギリス映画。
『キングスマン』の概要
『キングスマン』(Kingsman: The Secret Service)は、原作マーク・ミラー・作画デイヴ・ギボンズによるアメコミ界最強タッグが放つ、新世代スパイアクションコミックを、「キック・アス」「X-NEN:ファースト・ジェネレーション」で世界中のファンを虜にしたマシュー・ヴォーンが監督。007シリーズなど様々なスパイ映画にオマージュを捧げながら、これまでにない斬新なスパイアクションを誕生させた。
マシンガンに早変わりする傘やナイフ仕込みの靴など魅力的なスパイ・ガジェットの数々、一癖も二癖もある規格外のキャラクターたち、そして息もつかせぬスリリングな展開が世界中を熱狂させ、全世界4億ドル越えのメガヒットを記録した。
「英国王のスピーチ」でアカデミー主演男優賞を受賞したコリン・ファースが、ブリティッシュスタイルのスーツに身を包んだ華麗なアクションを披露。超過激なアクションに挑んだ彼は、この作品のために数か月にも及ぶトレーニングを敢行、キレのいい身のこなしを披露して見せた。数十人の敵と戦うアクションシーンはワンテイクで撮影されるなど、ジェームズ・ボンドに匹敵するタフでクールなスパイを見事に演じている。
2014年12月に開催された映画鑑賞マラソンイベント「Butt-Numb-A-Thon」で初上映。2015年公開のイギリス映画。日本公開も2015年。
『キングスマン』のあらすじ・ストーリー
1997年中東。世界最強のスパイ機関「キングスマン」たちは、一人の男を捕えて尋問していたが、その男が隠し持っていた手榴弾に気が付いた「キングスマン」の一人が飛び掛かり、男と共に爆死、自らの命が犠牲になる。
場所はロンドン郊外。「キングスマン」のハリー・ハートは、死んだ仲間の家族に会う。ハリーは悲しみに暮れる妻に「助けが必要な時は、メダルに書かれた電話番号に電話してくれ」と言い、幼い息子のエグジーにそのメダルを大事にするようにと渡すのだった。
さらに17年後、アルゼンチンの雪深い山奥の小屋に、大学講師のアーノルド教授がテロリストらに囚われていた。そこに、キングスマンの一員であるランスロットが救出に現れるが、テロのリーダー・ヴァレンタインと両足が義足の女殺し屋・ガゼルによって殺害されてしまう。
ロンドン郊外の高級洋服店「キングスマン」。その店の奥にスパイ機関「キングスマン」のアジトがある。代表のアーサーは、ハリーにランスロットが殺害されたことを告げ、捕らわれていたアーノルド教授が何故か大学に復帰している事実が判明する。そこで、ハリーはランスロットに代わる交代要員の人選と、アーノルド教授に関する調査を進めることとなる。
父を亡くしたエグジーはロンドンで生活していた。母親は荒れた生活をするようになり、エグジーもまた不良青年となってしまっていたがメダルは身に着けていた。ある日、不良仲間と盗んだクルマで暴走し警察に逮捕される。取り調べを受けていたエグジーは、母親に電話をする代わりにメダルに書かれた電話番号に電話をしてみた。するとそのまま釈放され、警察署の前にはハリーが待っていた。二人はバーに入り父親の過去のことについて話をしていると、そこへ盗まれたクルマの持ち主が怒りに満ちて数人の仲間とやってきたのだ。ハリーはエグジーに見せつけるかのように、そのバーの中で鮮やかに全員を返り討ちにしてしまう。
その後、家に帰っても身の危険を感じて居場所のないエグジーだったが、ハリーから洋服店に来るよう指示がある。エグジーに父親と同じ「キングスマン」としての素質を見たハリーは、エグジーを秘密の基地へと案内する。そこには、ランスロットの交代要員として新しい「キングスマン」の候補者が大勢いて、エグジーもその候補者として参加することになった。
指導教官であるマーリンのもと、候補者選びには様々な試験が行われた。部屋が突然満水になるシチュエーションへの対処や、イヌの訓練、軍用機から飛び降りるといった風変わりな試験が次々に課されて行き、エグジーは最終候補者の3名に残る。
その頃、ハリーはランスロットが死亡した一件を調査していた。大学に戻っていたアーノルド教授を問い詰めると、直後に教授の体が爆発し、教授は死亡。ハリーは爆発の瞬間に毒液を浴び重体に陥るが一命は取り留めた。その後、アーノルド教授の爆発は首に埋め込まれたマイクロチップが原因で、そのチップは、教授を誘拐したテロのリーダー、ヴァレンタインの会社が関与しているのだと判明する。また、スカンジナビアのティルデ王女をはじめ各国の有名人や政治家が次々と失踪する事件が起こる。これもすべてヴァレンタインの仕業だった。ヴァレンタインはさらに、全国で通話料やネット通信料がすべて無料になるSIMカードを無料配布しており、その数は10億枚を超えていた。そのSIMカードを利用して信号を送り、人間を凶暴化させ、周囲の人間を襲わせた上で人口を減らすという計画を実行に移そうとしているのだった。
候補者選びの最後の試験は、線路に縛り付けられ電車が近付く中「キングスマンの正体を話せ」と脅されるものだったが、口を割らなかったエグジーと女性のロキシーが合格する。だが本当の最後は「今まで訓練を行ってきたイヌを殺せ」という命令だった。エグジーは渡された銃で撃つことができず、実行したロキシーがランスロットの交代要員に任命されるのである。
一方、ハリーはヴァレンタインが、ケンタッキーの教会でSIMカードの計画を実行するという情報をキャッチ。教会に集まった大勢の信者に紛れるハリーだったが、案の定ヴァレンタインの信号の操作により暴動が起きる。だがそこでハリーはすべての信者を殺してしまう。それは彼も同じく操作され自制心を失っていたからだった。ハリーは意識朦朧とした中、ようやく解放されて教会の外に出たところをヴァレンタインに射殺されてしまう。
エグジーは、ハリーが死亡したことを知り、アーサーのもとへ向かう。だが、アーサーの耳の後ろにSIMカードが埋め込まれた痕を発見。アーサーが裏切ってハリーが殺害されたのだと悟る。
アーサーは、エグジーも仲間に引き込もうとするが、エグジーの機転で逆に自らの罠で死亡する。
ヴァレンタインは、盛大なるパーティを開き、SIMカードへの信号を全世界に発信するカウントダウンを行うという。カウントダウンまであと6時間。それを阻止すべく、もはや誰も信用できない状況に追い込まれたキングスマンは、マーリンとエグジー、ロキシーの3人で立ち向かうのだった。
ロキシーは、衛星を破壊して一時的に信号を止めるため大気圏飛行装置で宇宙へ飛ぶ。その間にマーリンとエグジーは専用機で敵地に乗り込み、エグジーはかつてのハリーのようにスーツに身を包みパーティ会場へと潜入、場内のPCに接続しシステムを掌握。そして宇宙のロキシーは、カウントダウン終了直前に衛星の爆破に成功する。
だがそれも束の間、、ヴァレンタインは他の衛星を使用してすぐにシステムを復旧させ、作戦を実行。全世界に信号が贈られ、各地で人々は暴徒化してしまう。
エグジーは、ヴァレンタインに最後の戦いを挑もうとするが、女殺し屋ガゼルが立ちはだかり、激しい戦いの末にガゼルを倒す。そのガゼルの鋭い刃のような義足を投げてヴァレンタインの体を突き刺した。かくしてバレンタインの計画は失敗に終わる。そして戦い終わったエグジーはというと、捕えられていたティルデ王女を助けた見返りに王女のエッチな誘惑を受けるのだった。
主な登場人物・キャラクター
ゲイリー・“エグジー”・アンウィン(演 :タロン・エガートン)
キングスマンの一員だった父を幼い頃に亡くし、堕落した母に育てられながら不良仲間とつるんでいる日々だったが、根は情熱家で優しい性格。
ハリーから、父親と同じ「キングスマン」としての素質を見込まれ、新しい「キングスマン」の候補者選びに参加、優れた運動能力と判断力を発揮して最終候補者に残る。
尊敬していたハリーが殺され、「キングスマン」の一員として敵地に乗り込み大活躍を遂げる。
ハリー・ハート(演:コリン・ファース)
キングスマンのエージェントで礼儀正しい英国紳士。コードネームは「ガラハッド」。
17年前に中東での任務中に殉職したエグジーの父によって命を救われた過去を持つ。
エグジーの「キングスマン」としての素質を見抜き、その成長を見守っていたが、調査していた事件の首謀者であるヴァレンタインの罠にはまり殺されてしまう。
リッチモンド・ヴァレンタイン( 演:サミュエル・L・ジャクソン)
ITビジネスの成功で世界的大富豪に成長した天才エンジニア。
血を見ると嘔吐してしまうという一面もある。
一見遊び人の風貌だが、地球温暖化防止といった環境問題に関心を寄せている。
無料SIMカード配布を利用した 「人間を凶暴化させ、殺し合わせる」という計画を企てるが、その野望を阻むキングスマンを敵視するようになる。
アーサー(演:マイケル・ケイン)
キングスマンのリーダー。
誇り高き老エージェントであるが、下流市民を見下した考えを持っているため、ハリーとは反りが合わない。
ヴァレンタインにSIMカードを埋め込まれた痕をエグジーに見付けられ、組織への裏切りを見破られる。
マーリン(演:マーク・ストロング)
キングスマンの新人候補生を指導する教官兼エージェント。
冷静沈着で時折怖い冗談も言う茶目っ気もある。
任務では主に電子戦・情報分析を担当している。
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目次 - Contents
- 『キングスマン』の概要
- 『キングスマン』のあらすじ・ストーリー
- 主な登場人物・キャラクター
- ゲイリー・“エグジー”・アンウィン(演 :タロン・エガートン)
- ハリー・ハート(演:コリン・ファース)
- リッチモンド・ヴァレンタイン( 演:サミュエル・L・ジャクソン)
- アーサー(演:マイケル・ケイン)
- マーリン(演:マーク・ストロング)
- ロキシー・モートン(演:ソフィ・クックソン)
- ガゼル(演:ソフィア・ブテラ)
- チャーリー・ヘスケス(演:エドワード・ホルクロフト)
- アーノルド教授(演:マーク・ハミル)
- 登場するスパイ・ガジェット
- 防弾機能のマシンガン傘
- 腕時計型の記憶喪失装置
- ナイフ内蔵シューズ
- 毒入り万年筆
- 指輪型の感電リング
- ライター爆弾
- 『キングスマン』の名シーン・名場面
- エージェントの会議はバーチャル会議
- 洋服店の試着室には秘密の部屋があった。
- エグジーのアクロバティックなガンアクション!
- エンドタイトルの合間に
- 関連サイト