あのこは貴族(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『あのこは貴族』とは、山内マリコの小説『あのこは貴族』を原作としたヒューマンドラマ映画である。2021年2月に公開され、「富裕層」と「庶民」の鮮やかな対比が観客からの高い支持を得る。お嬢さん育ちの華子は婚活の末に理想の男性と結婚するが、嫁ぎ先からの重圧に悩む。大学進学を機に上京したが学費が続かず中退後、就職した美紀。「他力」を享受する特権階級と「自力」が前提の一般人を隔てる見えない壁。交わらないはずの「階層」を飛び超えた2人に見えてきた新しい自分。監督は、「グッド・ストライプス」の岨手由貴子。
時岡美紀(ときおかみき/演:水原希子)
富山出身。猛勉強の末、慶應義塾大学に見事合格し、前途洋々のはずが学費不足で退学の憂き目にあう。それでも夜の仕事でステップアップを続け、その時のコネで現在の会社に入ることができた。パーティ企画などの営業職をこなし、人脈の広さや業界への適応能力を頼られ、高校時代の旧友の里英と共に起業することになる。
水原希子
アメリカ合衆国・テキサス州ダラス出身で兵庫県神戸市で育つ。10代で雑誌のモデルを始め、2010年公開「ノルウェイの森」で映画デビュー。以後、映画にとどまらず、テレビドラマやバラエティ、CMでも活躍中。茂木モニカ撮影の写真集「夢の続き DREAM BLUE」で新境地を開く。
テレビドラマ
『八重の桜』『キャビンアテンダント刑事~ニューヨーク殺人事件~』『信長協奏曲』『家族ノカタチ』『グッドワイフ』など。
映画
『ノルウェイの森』『ヘルタースケルター』『プラチナデータ』『進撃の巨人』『信長協奏曲』『高田家の人々』『ブルーハーツが聴こえる』『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』他。
ウェブドラマ
『ブラを捨て旅に出よう~水原希子の世界一周ひとり旅~』Netflix『FOLLOWERS/英語版』『リモートな恋』Netflix『彼女』など。
相良逸子(さがらいつこ/演:石橋静河)
華子と同じ女子校出身で帰国子女。バイオリニストとして現在はドイツに住み、コンサート活動で日本に帰国することもある。共通の学友のなかでも華子と親しい。あるパーティで華子の結婚相手に決まった幸一郎を知り、その交際相手の美紀とも顔見知りになる。
石橋静河
俳優の石橋凌と女優の原田美枝子の次女で、ダンサーとしても活動している。2015年から女優業を開始し、映画、テレビドラマと活躍の場を広げている。
テレビドラマ
『半分、青い。』『SUITS/スーツ 第1シリーズ第7話』『闇の歯車』『スイッチ』『この恋あたためますか』他。
映画
『少女』『PARKS パークス』『君の鳥はうたえる』『泣き虫しょったんの奇跡』『いちごの唄』『37セカンズ』『ばるぼら』など。
平田理英(ひらたりえ/演:山下リオ)
美紀と同じ大学に進み、卒業後は故郷の富山で就職。同窓会で美紀と再会。美紀にとっては誰よりも信頼できる友人となる。やがて一緒に起業しないかと持ちかける。
山下リオ
徳島県出身。中学生の時にプロダクションのオーディションに合格。CM出演を契機に、モデル活動を始め、多くのテレビドラマを経験。2008年から映画に初出演し、舞台でも活躍中。
テレビドラマ
『東京少女 山下リオ』『ラブレター』『いのちの島』『あまちゃん』『美咲ナンバーワン!!第5話』『レジデント~5人の研修医 第1話』『ショムニ2013 第7話』『お父さんは高校生』『金田一少年の事件簿N』『シェフは名探偵 第2話』『ホメられたい僕の妄想ごはん 第2話』など。
映画
『武士道シックスティーン』『書道ガールズ!!わたしたちの甲子園』『ほしのふるまち』『シャニダールの花』『ナミヤ雑貨店の奇跡』『寝ても覚めても』『映画 少年たち』『が来る』など。
『あのこは貴族』の用語
松濤(しょうとう)
華子が暮らす渋谷区の松濤は高級住宅街として名が知られてきた。渋谷駅から徒歩10分という立地から想像しにくいほど緑豊かで、鍋島松濤公園・松濤美術館・観世能堂・Bunkamuraなど、文化的な建物が多いのが特徴。明治時代、旧佐賀藩主の鍋島家がこの地で開いた茶園が始まりという歴史的な背景がある。
興信所
調査を依頼した相手のために、個人に限らずあらゆる事物を対象として調べる仕事を請け負う。探偵事務所と同じ意味合いを持つ組織。本作では、青木家が幸一郎の結婚相手としてふさわしいかどうかを判断するために、華子の調査を依頼する。
雨男(あめおとこ)
その人物が外出すると雨の確率が上がるという現象からこういう表現を使う。女性の場合は「雨女」となる。
対照的な「晴れ男・晴れ女」という言葉も存在する。
廻船問屋(かいせんどんや)
江戸時代に商品流通を請け負った海運業者。
『あのこは貴族』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
華子「出会えないならいないと同じだよ。ぴったりの人って、たぶん一番の高望みなんだと思う」
華子が両親と住む松濤の実家では、お盆に家族が集まり、うな重を食べる習慣があった。遅れてやってきた姉香津子の夫の真が、隣室で母と姉の3人が華子のお見合いについて会話している声を耳にし、華子に「大丈夫だよ。まだ出会えていないだけで、華子ちゃんにぴったりの人いるから」となぐさめた。華子は「出会えないならいないと同じだよ。ぴったりの人って、たぶん一番の高望みだと思う」と言う。受け身的な印象の強い華子の意外な一面を表している。
華子「あの~、また会えますか?また会っていただけますか?」
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目次 - Contents
- 『あのこは貴族』の概要
- 『あのこは貴族』のあらすじ・ストーリー
- 箱入り娘の華子は婚活中
- 美紀・地方出身者としての軌跡
- 華子と美紀の出会い
- 華子と美紀の旅立ち
- 『あのこは貴族』の登場人物・キャラクター
- 榛原家
- 榛原華子(はいばらはなこ/演:門脇麦)
- 榛原宗郎(はいばらむねお/演:佐土井けん太)
- 榛原京子(はいばらきょうこ/演:銀粉蝶)
- 岡上香津子(おかうえかづこ/演:石橋けい)
- 榛原麻友子(はいばらまゆこ/演:篠原ゆき子)
- 岡上真(おかうえしん/演:山中崇)
- 岡上晃太(おかうえこうた/演:南出凌嘉)
- 青木家
- 青木幸一郎(あおきこういちろう/演:高良健吾)
- 青木幸太郎(あおきこうたろう/演:津嘉山正種)
- 青木知子(あおきともこ/演:高橋ひとみ)
- 青木謙次郎(あおきけんじろう/演:奥瀬繁)
- その他の人々
- 時岡美紀(ときおかみき/演:水原希子)
- 相良逸子(さがらいつこ/演:石橋静河)
- 平田理英(ひらたりえ/演:山下リオ)
- 『あのこは貴族』の用語
- 松濤(しょうとう)
- 興信所
- 雨男(あめおとこ)
- 廻船問屋(かいせんどんや)
- 『あのこは貴族』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 華子「出会えないならいないと同じだよ。ぴったりの人って、たぶん一番の高望みなんだと思う」
- 華子「あの~、また会えますか?また会っていただけますか?」
- 逸子「東京って棲み分けされてるからね。違う階層の人とは出会わないようになってるんだよ」
- 美紀「それで目的っていうか、その子と会わせてどうしたいの?」
- 美紀「だって悲しいじゃん。この10年間、幸一郎が一番の友だちだったから。私がどこで生まれたかも知らなかったでしょ?」
- 里英「独身だから子どもを憎んでると思われるの悔しいじゃん!」
- 美紀「ずっとそう言って欲しかった気がするから」
- 母「そりゃそうよ~。世の中ああいう人たちを中心に回ってるんだから。バカよね。もう少し我慢して、姑が往生するのを待てばいいのにね。あなたも多少のことは目をつぶって、うまくやりなさい」
- 幸一郎「華子にはさ、夢なんかあるの?おれはまともに家を継ぎたいだけだよ。それは夢とか展望じゃなくて。そういうふうに育ったてだけ。華子がおれと結婚したのと一緒だよ」
- 見知らぬ女の子たちに手を振る
- 『あのこは貴族』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 青じそいりのぼたもち
- 元旦なのに、セミの声
- マカロンタワーが大人気
- 伝統ある三井家のおひな様展
- お雛様はいつ片付けるの
- 美紀のアパートに行ったのは昼間だったが、華子と美紀がベランダに出ると夜
- 『あのこは貴族』の主題歌・挿入歌
- 『あのこは貴族』のメインテーマ:渡邊琢磨『Main Theme Quartet』
- 『あのこは貴族』のオリジナル・サウンドトラック