バンパイヤ(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『バンパイヤ』とは、手塚治虫原作の長編SF漫画。第1部が1966年から1967年まで『週刊少年サンデー』に、第2部が1968年から1969年まで『少年ブック』に連載された。同作品はテレビドラマ化されており、水谷豊の主演デビュー作として知られている。『バンパイヤ』は、狼に変身する少年と世界征服を目論む少年を2人を中心に物語が展開されるSFサスペンス漫画である。シェイクスピアの『マクベス』をモチーフにして展開されるストーリーは、悪の魅力を湛えたピカレスクロマンの様相を呈していて人気を博した。

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演:幾野道子

トッペイとチッペイの実母で、下の名前は不明。第1部第1話にて、家出したトッペイを心配していた。その後、上京していたことが明かされており、警官隊に追われる狼のトッペイをおびき出すための囮にされて撃たれたが、自身も狼に変身して逃げ延びた。ロックが海に飛び込んだことを確認すると、トッペイとチッペイを伴って新たな夜泣き一族の里へと帰って行った。

第2部の登場人物

ウェコ

『バンパイヤ』第2部のメインキャラクター。見た目は猫に酷似した動物で、生物の血を主食にしている。人間の姿に化けることができる。ロックが台湾から連れ帰ったウェコは、ロックの野望のために過酷な特訓を施されて、檜山ハヤトの身代わりとして送り込まれた。自分を偽者だと見抜いた檜山正道(ひやままさみち)と檜山忠道(ひやまただみち)を、ロックの指示で殺害した。また、それ以前にハヤトの血を吸って殺害したかに見えたが、後に生きていたハヤトが自分の目の前に現れる。そのため、ハヤトの息の根を止めようとしたが、彼の反撃に遭って負傷する。その後はハヤトの説得で改心し、秘密裏にロックを裏切ることとした。ロックはウェコの裏切りに気づき、ハヤトを地底湖へ突き落として殺害しようとして。ところが、突き落とされたのはウェコであり、ウェコは怒りにまかせて地底湖から這い上がりロックに掴みかかろうとしたのだった。

金(きん)

台湾人で、日本から逃亡してきたロックを匿った。職業は不明だが、裏社会の人物だと考察されている。ロックに蔡博士(さいはかせ)を紹介したが、彼の正体だったウェコに襲われて死亡した。ちなみに、金を演じたのは、手塚作品スターシステムキャラクターの金三角である。

蔡博士(さいはかせ)

昆虫学者で、台湾の元大学教授。ロックにウェコの存在を教えた張本人だが、その正体は蔡博士に化けたウェコだった。本物の蔡博士は、3年前にウェコに殺害されていることが明かされている。ロックにウェコを守ってやってほしいと懇願するが、正体が知られた際に逃亡し、その後の消息は不明。

檜山ハヤト(ひやまハヤト)

日本有数の大企業、檜山電機の跡取り息子。犬好きで、犬の話題を介してロックと知り合い、待ち構えていたウェコに血を吸われてしまう。その後、丹沢山の洞穴に生き埋めにされるも、自力で脱出した。しかし、記憶を失っており、辿り着いた農家で静かに暮らしていた。後日、偶然ロックに発見され、仕向けられたウェコと激闘を繰り広げる。ウェコを通じて自分の正体とロックの犯罪を知り、ウェコになりすましてロックに近づいた。ロックによって地底湖に突き落とされそうになったが、いつの間にかウェコとすり替わって命拾いしている。

檜山正道(ひやままさみち)

檜山ハヤトの実兄。ハヤトに化けたウェコを一目で見抜いたことで、ロックに危険視され、彼の命令を受けたウェコに殺害された。

檜山忠道(ひやまただみち)

ハヤトのもう1人の実兄。正道と同様にハヤトが偽者だと気づいており、ウェコによって殺害された。

余久川(よくのかわ)

檜山電機副社長を務め、ハヤトの後見人でもある男性。ウェコに化けたハヤトに気づかず、会社を乗っ取ったロックによって解任された。余久川を演じたのは、手塚作品スターシステムキャラクターの東南西北である。

千恵(ちえ)

千恵(左)とトッペイ(右)

信州の谷森沢に棲んでいたメスのウェコ。夜泣き一族が谷森沢にやって来たことで、棲み処を追われてしまった。ある日、事故死した夜泣き一族男性の血を吸っていたところを、他の住人たちに見られてしまい、男性殺害犯として狩りの対象となった。そこで、夜泣き一族の娘、千恵(ちえ)の姿になってトッペイに対話を試みた。千恵の言い分を聞いたトッペイのはからいで、東京のロックの屋敷へと向かった。そこで、ハヤトのウェコとロックと出会った。ハヤトのウェコとは心を通じ合わせているが、ウェコを利用しているロックのことは嫌っている。また、ウェコを殺そうとしたハヤトを制止して、彼に事情を説明した。

テレビドラマ版に登場する人物

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