伝説巨神イデオン(THE IDEON)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『伝説巨神イデオン』は日本サンライズ制作・富野喜幸監督(当時)による日本のアニメ。
地球植民星ソロで発掘された、第6文明人の遺跡かつ変形合体する巨大ロボット「イデオン」と、その力の源「無限力イデ」を巡り、地球人と異星人バッフ・クラン両文明の衝突が発生。
銀河全体を巻き込む果て無き抗争へ発展していき、それを見つめ続けたイデの裁きによる全文明の終焉と全人類の輪廻転生までを描いた「解り合えぬ人々」を主役とした群像劇。
『新世紀エヴァンゲリオン』に強い影響(元ネタ)を与えた作品としても有名である。

『伝説巨神イデオン』の概要

『伝説巨神イデオン』とは、日本サンライズ制作・富野喜幸(当時表記。後の富野由悠季)監督による1980年放映のテレビアニメーション、および1982年公開の劇場用アニメーション作品である。
公式の表記としてはテレビ版を『伝説巨神イデオン』とし、劇場版を『THE IDEON 接触篇』および『THE IDEON 発動篇』としている。

アニメーションとしてのジャンルは巨大ロボットもの(『鉄人28号』を祖とする系列)に属し、作品そのものとしてはSF(スペース・ファンタジー)ものに属する。

物語は、西暦2300年の世界で始まる。
人類が地球外に生活圏を拡大するため開拓した植民惑星「ソロ星」で、一つの宇宙船と、三つの巨大車両のような遺跡が発見された。車両の方に「イデオン」という名があるらしき事だけは解明したが、それ以外は皆目不明で、宇宙船はひねりもなく「ソロシップ」と命名される始末。

だが、この謎の遺跡に対してどのように関わるか決める暇もないまま、突如として異星人「バッフ・クラン」の襲撃がはじまった。
彼らはソロ星に無限の力を持つエネルギー「イデ」があるとして調査に訪れたが、同行していたバッフ・クラン総司令の娘「カララ・アジバ」が独断でソロ星地表へ降り立った事で、彼女を保護しようと慌てたばかり地球人へ対して先制攻撃してしまったのだ。

その時、イデオンが動き出した。地球人の少年「ユウキ・コスモ」や「アフタ・デク」そして「イムホフ・カーシャ」が避難のつもりで三つの車両へ乗り込むと、三つの車両が自動的に合体し巨大ロボットに変形したのである。その圧倒的な力はバッフ・クランを一時撤退させる。

間もなくしてソロシップも起動。
ソロ星の人々は、すぐに再襲撃してきたバッフ・クランから逃げるため、ソロシップに生き残り全員とイデオンを乗せ、同時にカララに密航されたままソロ星を脱出。
追撃してくるバッフ・クランから、ソロシップ・クルー達は宇宙中を逃げまどっていく。
やがて、地球人もバッフ・クラン人も、イデオンを動かすエネルギーこそイデであり、そして自分達が善き生命体かどうかをイデに試されているという事実を知っていく事になる。

『伝説巨神イデオン』は打ち切り番組(本来は全43話となるはずが第39話で打ち切られた)であり、劇場版二部作でその仕切り直しをやっている。

具体的には『THE IDEON 接触篇』は『伝説巨神イデオン』の第1話から第36話前後までを再編集した総集編映画。

そして『THE IDEON 発動篇』は『伝説巨神イデオン』の第36話前後~最終話(第39話)を再編集したものを、オープニングと最初の10分程度に収め、残りを新規制作とした映画。
ただし『伝説巨神イデオン』では最終話(第39話)にて、敵方、バッフ・クラン総司令ドバが、その娘カララの説得に応じずイデオン・ソロシップとの戦いを継続する決意を示した瞬間、イデが発動して物語が終了する打ち切り展開だが、こちらではその時点での発動は無かった事にされ、改めてドバの決意から最終決戦が巻き起こり、イデが発動するまでの間が描かれる。

このため、物語を追うだけならば劇場版のみの視聴で事足りるものの、劇場版はその焦点がテレビ版の補完にあるため、物語の比重がクライマックスに偏ってしまっている。
二つの映画を比較すると『THE IDEON 接触篇』は、1話の尺が約20分ほどあった『伝説巨神イデオン』第1話から第36話前後までを84分に収めたものなのに対して『THE IDEON 発動篇』は『伝説巨神イデオン』打ち切り4話分も含めて最後の数話分を99分もの上映時間で描いている、という具合。

上記の通り、作品としてはいささかまとまりに欠けるが、制作にかけられた情熱は非常に熱い。
本作はロボットもののみならず、アニメ・漫画の世界に革命を起こした『機動戦士ガンダム』直後の作品であり、連続する富野作品という事もあり『ガンダム』を超える事を第一の目的として制作されていた。

そのため『ガンダム』で描かれていた「人類同士の戦い」から一歩先に進み「善も悪も備える、知的生命体同士の戦い」に視点を移しているのが特長である。
(要するに「地球人対宇宙人」という古くから用いられる構図ではあるのだが『イデオン』と『ガンダム』以前における大半のフィクションアニメ・漫画作品では、敵は知性があっても明確な「悪」であり、打倒されてしかるべき存在として描かれていた)

主人公側には地球の植民星であるソロ星からイデオンとソロシップを発掘してしまった地球人を置き、敵側には同じくソロ星へイデの調査へやってきた異星人バッフ・クランを置いているが、一方が正義でもう一方が悪であるという描かれ方はされていない。
むしろ、様々な状況によって主人公側と敵側は接触するが、そのほとんどで友好的に過ごすための機会を逸し、悲劇的な敵対へと発展させていく知的生命体すなわち「人間」の愚かな部分こそ間違いの源である、といった論調が作品の全体に浸透している。

また、終わり無き争いを見つめる神のごとき役割として、意志と無限の力を持ったエネルギー体「無限力イデ」が物語の核として登場する。
主役ロボット・イデオンのエネルギー源でもあるイデは人の「善き心」に反応するとされるのだが、登場人物達は善き心を発露する事ができないために泥沼の争いに身をやつしていき、最終的にはイデの裁き(イデの発動)により全文明は消滅し、人々は善なる魂だけとなって輪廻転生していってしまう。

だが、じつはイデも絶対善ではなく、単に自身が理想とする形で生き延びたくて無限の力を振るう独善的存在として描かれており、本作の物語は人類の愚かさを衝撃的に描いた話であると同時に、自分勝手な神に振り回された挙げ句に悲劇的な結末を迎える、力なき人々の話でもある。
そして、肉体を失った後の人々の魂は自縄自縛の苦しみから解放されるため、生命体に魂があるとして、肉体を得る前にあった魂はそれ自体が「善いもの」であったはずだ、というメッセージでもある。

総じて「善とはなにか」という事を視聴者へ深く問いかける内容になっており、非常に哲学的かつ精神的な作品である。

このように、子ども向け番組という体裁でありながら内容は本格的なSFドラマであり、子どもどころか、大人でさえ理解に辿り着くには思考や教養が求められ、肝心の主役ロボット・イデオンの戦闘描写も、作画自体は質も迫力も高いものの「けれん味」に欠けるせいで万人受けしなかった。

それゆえに視聴率と玩具の販売が共に低迷し、テレビ番組は打ち切りの憂き目に遭ったが、代わりに少数だが非常に熱心な視聴者を得る事に成功し、その熱烈な声援ばかりか、アニメーターをはじめ制作陣も「『イデオン』はなにをしてでも描き切りたい」という情熱を持ち続けた事で、完結へと繋がる劇場版が制作されるまでに至った。

また、熱心な視聴者の中には制作陣以外のクリエイターも多く含まれており、一例を挙げれば、富野の先輩格では藤子・F・不二雄が自作『ドラえもん』作中でパロディ画を描いており、後輩では庵野秀明(『新世紀エヴァンゲリオン』監督)が、雑誌やインターネット上コラムのインタビューなどで影響を受けたと公言している。

それらを受けて監督である富野喜幸(富野由悠季)本人は、後年になって『第41回ぴあフィルムフェスティバル』におけるトークショーにて「自殺するような感覚で作っていた。こんなの俺(今の自分には)作れない。あれはまともな神経じゃ作れないですよ」と語っている。

このように、本作は執念ともいえる制作陣の情熱をはらんだゆえに特異な作風となり、大ヒットには至らなかったものの、見る者の心理に深い影響を与える作風がディープなファンを獲得し続け「富野監督の最高傑作」というフレーズで後世に語り継がれる、タイトル通り伝説の作品となっている。

『伝説巨神イデオン』のあらすじ・ストーリー

『伝説巨神イデオン』

物語開始~ソロ星脱出

第1話~第7話。

西暦2300年、地球人類はその生活圏を宇宙へと求めて久しく、すでに地球を遠く離れた各惑星に植民地が出来ていた。
ソロ星はそんな無数にある人類植民惑星のひとつである。
まだ開拓途上のこの惑星には、地中深くに謎の遺跡が存在していた。それもただの遺跡ではない、精緻なメカの塊だ。ひとつは、30メートル級の大きさを持つ三台の戦闘機あるいは車両のようなメカ。そしてもうひとつはおよそ300メートル、空母並の大きさの宇宙船である。

だが、それこそはこのソロ星にかつて存在した第6文明人の遺産、大いなる力「イデ」が眠る器だったのだ。
そして異星人バッフ・クランの間にはこのイデ伝説が伝わっており、折悪しく、彼らは力を求めてソロ星へやってきていた。

異文明同士の接触は、地球人類の歴史を紐解けば解るように悲劇的な争いを生む。この接触もまた、その通りになってしまった。
ソロ星にバッフ・クラン総司令の娘の一人、カララ・アジバが好奇心のため勝手に降りてしまった結果、バッフ・クラン軍はこれを保護して連れ帰ろうと躍起になるあまり、地球人と対話するよりも前に攻撃を開始したのだ。

当然、これへ決死の反撃をする地球人達だが、文明レベルはバッフ・クラン側の方がかなり進んでおり地球の兵器は歯が立たない。
だがそんな時、民間人ユウキ・コスモらが避難のために乗り込んでいた遺跡……すなわちイデオンとソロシップが長い眠りから覚め、力を蘇らせていく。その圧倒的な威力は、バッフ・クランを一時撤退させる事に成功した。

しかし、戦闘でソロ星の環境はもはや居住を続ける事が困難なほどに荒廃してしまった。地球からの援軍を待っていれば、このままバッフ・クランの逆襲に遭って今度こそ全滅してしまうだろう。
生き残った地球人達は、成り行きでソロシップの艦長となったジョーダン・ベスに導かれ、バッフ・クランの追撃を逃れつつソロ星を脱出していった。

ソロシップ逃避行~ブラジラー基地到着

第8話~第13話。

ソロ星を命からがら脱出したソロシップ・クルーを待っていたものは、熾烈なバッフ・クランの追撃だった。
ソロシップは幾度となくDSドライブ(デスドライブ。亜空間ワープ飛行)をかけ、宇宙のあちこちを、時には文明の存在しない惑星へも降り立ち、宇宙を右往左往しながらバッフ・クランを撒こうとするものの、ソロシップに取り付けられていたバッフ・クランの高性能な生体発信器により、どこへ逃げても追いつかれてしまう。

それゆえ、ソロシップ・クルーに安寧の時が訪れない。時間と共に精神を削られていく。
人間関係はギクシャクし、指揮官ベス達、コスモを中心とするイデオンのパイロット達、整備員のジョリバ達、そして民間人のシェリル達はそれぞれ、ちょっとの事で衝突し、それがまた心休まらない時間を生む。
その上、ソロシップには敵方の姫君ともいえるカララが乗船しているのである。

カララ本人は争いを好まない理想主義者であり、バッフ・クランそして姉ハルル・アジバのやり方に反感を覚え、バッフ・クラン総司令ドバ・アジバの娘であるという立場を捨て、ソロシップ・クルーへ寝返った。
そして、カララ自身は地球人達と歩み寄ろうとするものの、そもそも地球人達にとって彼女はソロ星で自分達の大切な家族や恋人を殺戮して回った憎い相手の象徴である。
今更、味方面をされても、むしろ心をかきむしられるだけというのが本音のところだったのだ。

しかし、ある意味で哀れなのは、だからといって全ての地球人達がカララを血祭りにあげて(共通の敵を作る事で)一致団結しようとするほどには、野蛮でなかった事だった。
コスモやベスはカララを擁護し、カーシャやシェリルは断罪や処刑を主張し、ソロシップ・クルーは団結できないまま時間を過ごす。だが、その間にバッフ・クランは、もはやカララに人質としての価値を見いださなくなっていた(ハルルがカララを見捨てた)。

これでいよいよ、イデオンとソロシップはバッフ・クラン本気の追撃を受ける事になったのだ。

ブラジラー基地脱出~惑星キャラル到着

第14話~第25話。

ソロ星脱出当初は、もし地球人の同胞のいる場所へ逃げ込めば、そこもバッフ・クランの標的にされてしまうという理由から、同胞を頼ろうとしてこなかかったソロシップ・クルー。
だが積み込んだ物資には限界があるし、これ以上、イデオンとソロシップだけでバッフ・クランの追撃をかわす事は困難になっていた。
クルー達の精神状況も限界に来ている。

イデオンとソロシップは、宇宙における地球の前線基地ブラジラーを訪れ、補給を受けるものの、ここでもバッフ・クランの攻撃を受けてしまう。
基地を離れてソロシップを受け入れてくれる植民惑星を探して宇宙をさまようも、その果てに待っていたものは同胞の拒絶、そして裏切りだった。惑星アジアンではイデの力を知った地球人達がイデオンとソロシップを奪おうとし、その結果、文明機能を果たすための都市が壊滅。

その後に訪れた惑星キャラルでも補給を拒絶され、最終的には和解するものの、今度はバッフ・クランの攻撃でキャラルも壊滅してしまう。コスモが恋をした少女キッチンも死ぬ。

イデの力は少しずつ強くなっていき、ソロシップ・クルーが危機に見舞われるたびに超常的な力を発して窮地を救ってくれるも、制御の方法が解らない。そもそも、イデは善き心によって発動する無限の力だと、カララはイデにまつわるバッフ・クランの伝説を語っており、単なる兵器として頼っていいものなのかどうかさえ判断に迷う存在である。

救いの手がなく苦しみにあえぐソロシップ・クルーは、バッフ・クランに位置を知られる恐れをふりきって、地球本星帰還の意志を固めた。

惑星キャラル脱出~地球到着

第26話~第31話。

地球帰還の決意をしたソロシップ・クルーだったが、バッフ・クランの追撃をやっと逃れて太陽系に辿り着いた彼らを待っていたのは、地球からの帰還拒否というあまりに残酷な仕打ちだった。
地球はバッフ・クランという強大な文明を持つ異星人に、太陽系が地球人の故郷で、ここを制圧されれば後がないという真実を知られる事を、やはり恐れていたのだ。

月基地にバッフ・クランの攻撃がはじまっても、地球側はろくな援軍すらよこさない。ソロシップ・クルーは月基地を見捨てるわけにもいかず、攻撃してくるバッフ・クランを迎撃しつつ、月の大型コンピュータを使ってイデの解析を試みる。
すると、カララの語った伝説にある通り、イデには無限のエネルギーがあるらしい事が明確になってしまった。制御できるならいざしらず、いつどのような状況で力を発揮するのか解らないものが無限のエネルギーを秘めているという真実に、ソロシップ・クルーは困惑するしかなかった。

そんなイデの無限力に翻弄されつつも、地球周辺へやってくるバッフ・クランを迎撃し続けたソロシップ・クルーに、やっと地球からの帰還許可が出る。
突然の許可に疑心暗鬼になりつつ、地球へ降りたソロシップ・クルーを待っていたのは結局、かつての惑星アジアンと同じくイデオンとソロシップを強奪しようとする同胞・地球人の裏切りだった。
しかも、今度はソロシップ・クルー全体に反逆罪が被せられており、クルー達が地球側のなすがままにされれば死刑。よくて終身刑である。

ソロシップ・クルーはそんな運命を受け入れる事はできなかった。
同時に、またしてもバッフ・クランの襲撃が起こるが、むしろこれは地球から離脱するための良いチャンスになった。イデオンとソロシップは、バッフ・クランを撃退しつつ、太陽系を脱出していく。

こうして、もはや母星へ帰るという選択肢すら失ったソロシップ・クルー。彼らは地球を捨てた。そして終わりの見えない逃避行が始まったのだ。

地球脱出~イデ発動(物語終焉)

第32話~最終話(第39話)。

終わりの見えない旅がはじまった。
今までのバッフ・クランに加えて、同胞だったはずの地球連合軍まで追っ手に加わる。

もはや信じられるものが、自分達以外になくなってしまったソロシップ・クルーは、生きるために宇宙をさまよう。
そんな最中、イデオンのサブパイロットだったモエラが戦死。悲嘆に暮れる間もなく、今度はバッフ・クランに見捨てられたギジェがソロシップに寝返ってくる。ギジェはイデの力の発動を見たいという以外、生きる目的がなくなった。そのため寝返るというのだ。

ギジェは今まで戦ってきた相手の中で、一番の強敵だった相手。
最初こそ「今更、血迷い言を」という反発は強かったが、カララがすでにソロシップ・クルーに馴染んでいた事もあり、ギジェに関しては本人が武人的な性格で義を重んじていた事も手伝い、それほど大騒動にならずに仲間として受け入れられた。

ソロシップ・クルーは宇宙の孤児になってしまった。
しかし、見方を変えれば、この時ソロシップ内部には調和に近い世界が生まれていたともいえる。
なぜなら謀略や策略によらず、ただ純粋に生きるため、地球人とバッフ・クラン人が力を合わせる事ができたのだから。

そしてカララにも、ベスとの間に愛の結晶が宿りつつあった。
このまま行けば、もしかすればイデに善き心の在り方を見せる事ができ、全員が救われるのではないかと、淡い期待をソロシップ・クルーに抱かせるが、そんな気持ちも、補給のためやむを得ず再度立ち寄った惑星アジアンで打ち砕かれる。

ソロシップ・クルーを倒すためだけに、アジアンの地球人と、バッフ・クランの艦隊が共同して襲いかかってきたのだ。
こちらでも調和が生まれていたのか。それは違う。アジアンの地球人と彼らを利用したバッフ・クランは、ただ憎しみをソロシップ・クルーの一点に向けただけなのだ。それは調和にあらず、イデの求める世界ではなかった。
その怨念が渦巻いた中でシェリルの妹、リンが死ぬ。

さらに襲撃は続き、ギジェも死ぬ。
欲と恐怖に支配される争いが止まない。そんな人類の愚かな姿に失望したかのように、いよいよイデの力は、その恐ろしさを見せるようになる。イデオンの腕から出でた光、イデオンソードが惑星を切り裂き、イデオンの撃つイデオンガンは亜空間ごとバッフ・クランの大艦隊を消滅させる。

イデの破壊の力が大きくなっていた。
だがそれは、イデが人類を見放しつつあるという事の証明でもあったのだ。

しかし、それでもまだイデからチャンスが与えられた。
ベスとの赤ちゃんを身ごもっていたカララは、イデの力によって突如ワープさせられた。行き先は、バッフ・クラン最大の旗艦バイラル・ジン。そこにはカララ実の父であり、バッフ・クランの総司令たるドバ・アジバがいた。

地球人とバッフ・クラン人が和平を結べる象徴として、カララはドバと直談判して和解せよというイデの試練だった。

だがカララとドバ、親子の邂逅は決別する形で終わった。
異星人(地球人)ベスとの子を儲けた事実を伝えられたドバは、その事を受け入れられず、激怒し、カララの抹殺とイデオンとソロシップの消滅を号令してしまった。
人類はイデの期待に応えられなかったのだ。

その時、イデの発動が起こった。
恐るべき光が宇宙中に溢れ、すべての人々を消滅させていった。

イデは文明を持つ知的生命体を一度滅ぼして、新たな宇宙を始める決断を下したのである。

『THE IDEON 接触篇』

『伝説巨神イデオン』の第1話から第36話前後までの総集編であり、物語自体に変わりはないが、一部だけ明確な変更が加えられており、以下の違いがある。

1.カミューラ・ランバンの出番がない
(『伝説巨神イデオン』第14話でコスモの成長に影響を与えた女性だが『THE IDEON 接触篇』では話自体がカットされており登場しない)

2.キッチ・キッチンの扱いが違う
(『伝説巨神イデオン』第23話~25話に渡って登場するが『THE IDEON 接触篇』では該当の話はほぼカットされ、キッチンの死の前後だけが『THE IDEON 発動篇』で改めて描き直されている)

3.ダラム・ズバがルクク・キルの役回りも兼ねている。
(『伝説巨神イデオン』でのルククによるイデオンとの戦闘は、『THE IDEON 接触篇』では映像編集と音声差し替えでダラムの仕業に変更されており、ルククの出番は大幅に削除された)

『THE IDEON 発動篇』

ソロシップが補給のためキャラル星に立ち寄った際、知り合った少女キッチ・キッチンと束の間の恋を経験するコスモだが、彼女はバッフ・クラン軍による爆撃で他の市民もろとも命を落としてしまう。コスモの眼前、全身をバラバラにされたキッチンの頭部が吹き飛ばされていく。その光景に、コスモははち切れんばかりの怒りを露わにする。

そしてイデの導きによって邂逅したカララの説得を、ドバは拒絶した。彼の号令と共に、銀河中をも包囲するバッフ・クランは、その全勢力をたった一隻のソロシップと一体のイデオンへ向けて突撃させはじめたのだ。さらに彗星をソロシップに向けて激突させようとまでする。

そんな最中、ソロシップ内部ではシェリルが不穏な動きを見せていた。彼女はイデの力を引き出せると目される赤ちゃんのルウを媒介にすれば、イデとの対話ができると目論んだのだ。加粒子ビームや巡航ミサイルが行き交うソロシップ甲板、イデオンの足下に、無謀にも宇宙服ひとつで姿を見せるシェリルは、ルウをまるでイデオンに捧げるかのように掲げて叫ぶ。

「純粋な心がイデの力の現れであるのなら、なぜ多くの人を死に至らしめるのですか。むしろ人を生かすのがイデの成すべき事ではないのでしょうか!」

その叫びに応えるかのように、イデオンのエネルギーが上がり、イデオンガンが発射される。軸線上のすべての物体を一瞬の内に塵と化するイデオンガンの一撃は、さらに彗星をも呑み込んで瞬く間に消滅させてしまう。
同時にイデオンの足下に居たシェリルは、発射の衝撃の巻き添えになり粉々となるが、体から抜け出たその魂はギジェの魂に迎えられたのだった。そして対比するようにルウはイデの力に護られ、ソロシップ内部に生きて戻される。

さらに、地球とバッフ星の両方へ大量の彗星が降り注ぎ、お互いの地表を消滅させる。
だが、それでも戦いは止まらない。
やがてソロシップはバッフ・クランの大軍団が送り込む陸戦隊に侵入され、その中でカララの姉、ハルルも侵入してきて姉妹は再会する。この時、カララはハルルに自分が地球人ベスの子どもを宿している事を伝えるが、逆にその事に激昂したハルルに、ロッタ共々射殺されてしまう。

だが、カララのお腹に中にいる4ヶ月にもならない赤ちゃん、メシアだけは死ぬ事なく彼女の体内でどうしてか生き続けている。そしてカララの亡骸を通して、暖かい光が宇宙中に広がっていく。
それがシェリルの問いに対する、イデの答えだった。戦う事をやめようとしない大人やその文明を生かすのではなく、純粋な赤子を選ぶという答えだったのだ。

第6文明人の意識の集合体であるイデは、知的生命体のいない世界では存在していけない。だが、己の業から脱する事のできない生命体を認めもしない。それによって出た結論は、イデはイデ自身の力で「善き」知的生命体を得られるまで、文明をリセットし続けるというものだったのだ。

ますますイデオンのエネルギーが上昇していく。
惑星を焼き尽くす事のできるバッフ・クランの最終兵器ガンド・ロワがイデオンを狙うが、イデオンから再び発射されたイデオンガンの一撃は惑星を貫き、その裏側にいたバッフ・クランの旗艦バイラル・ジンの三分の一を崩壊させる。
しかし、イデオンの機関室に居た満身創痍のジョリバが、イデのエネルギーが上昇しているにも関わらずソロシップ内部やイデオン本体、イデオンガンの砲身からもエネルギーが外部へ抜け出ていく事を「どうやら、イデの奴に見放されたらしいぞ、我々……」と、指摘した。

やがてガンド・ロワの第一射がイデオンとソロシップを襲う。
凄まじい威力の加粒子ビームを受けつつも、メシアから発するイデのエネルギーに護られるイデオンとソロシップは、イデの導きによってバッフ・クランの総司令であるドバの目前まで飛ぶ。

イデの導きによって、互いが交信し、イデの目的がこの宇宙から憎しみでぶつかり合うだけの(イデにとって)悪しき生命体を駆除する事であるのを確認しあい、このままなら間違いなくそうなる事も理解できたが、それでも、コスモの心からもドバの心からも、もはや和解に至ろうとする発想は完全に消え失せていた。
コスモはイデオンソードを最大にしようとする。ドバはガンド・ロワの第二射を兵へ命じる。戦死を恐れるバッフ・クラン兵が命に背き、ドバを射殺する。特攻してくる重機動メカを、コスモはイデオンソードで消滅させる。ガンド・ロワの第二射が始まる。

イデオンとソロシップが加粒子ビームに包まれ、その搭乗員達もろとも瞬く間に崩壊していく。イデの護りがなくなったのだ。ついにイデ発動の時だった。
無限力の濁流は一瞬で宇宙中に広がり、すべての知的生命体を滅ぼした。

そして彼らを肉体から解き放たれた善なる意志の存在、すなわち魂だけの存在と化していく。皮肉な事に、先ほどまで殺し合っていた者同士が男女ならば一組の番となり、同姓ならば和解し、大人と子どもならば保護する者、保護されつつ成長する者として理解しあう。
それらがメシアの魂に導かれ、新天地に降り注ぎ、新たな生命の種へと輪廻転生していく光景が壮大なBGMと作画によって繰り広げられ、物語はある意味では悲劇的結末を(誰も生き残らない)そしてある意味では大団円(死す事で全員が真理に辿り着いた)を迎えて終わる。

『伝説巨神イデオン』の登場人物・キャラクター

ソロシップ・クルー(地球人)

本作における地球人の特長は名前表記が性・名の順(日本人をはじめ一部アジア系民族の表記基準で統一されている)であり、眼にハイライトをはっきりと入れて描かれる事である。

ユウキ・コスモ

CV:塩屋翼

本作の主人公。
(ただし、便宜上のもの。本作は群像劇のため彼が中心になって物語が進むという事はなく、あくまでも重要登場人物の一人といった扱いである)

アフロヘアーが特徴的な16歳の少年。
居住地のソロ星では第6文明人の遺跡調査団ユウキ・ロウル博士の息子という立場にあった。母親とは生き別れている。
素直で優しさを持ってはいるが、やや皮肉屋。
直情径行も見られ、特に怒りを向けたいと思った時は迷う事なく感情を露わにする、若者らしい性格をしている。

バッフ・クランの襲撃から生き延びるためという成り行きから、イデオンに乗り込んだ事でそのままメインパイロット(ソル・アンバー/イデオ・デルタ担当)になってしまう。
また、投げナイフの達人で常にナイフを携行しており、その技術で銃を未所持の状態で襲われる等のピンチを切り抜けた。

物語の序盤、死の恐怖から幼児退行を起こした際に立ち寄った、地球連合軍基地ブラジラーの司令カミューラ・ランバンの献身的介護のおかげで束の間の愛情に浸るが、彼女はコスモの目の前で死亡してしまう。その衝撃による怒りでコスモは精神を取り戻し、バッフ・クランと戦い抜く決意をする。

やがてイデの目論見を見抜き、その意志に抵抗し続けるが、彼を待っていたのは想い人キッチ・キッチンの死と、最後に惹かれ合ったイムホフ・カーシャの死、そしてイデの目論見のまま自身もガンド・ロワのビームに焼き尽くされるという、あまりにも救われない運命であった。

イデの発動後、魂になった後は、その抵抗ゆえか目を覚ましたのは最後であり、ずっと自分を見守ってくれていたカーシャの魂と宇宙を飛行した。

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『機動戦士Ζガンダム』とは、1985年から1986年にかけて日本サンライズによって制作・放送されたロボットアニメ。全50話で略称は「Ζ(ゼータ)」。 一年戦争終結から7年、地球連邦軍は増長したエリート組織ティターンズと反地球連邦組織エゥーゴが内紛状態に陥っていた。学生だったカミーユ・ビダンはその抗争に巻き込まれる中で、様々な出会いや別れ、戦いを経験し、新たなニュータイプとして覚醒していく。

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機動戦士ガンダム(ファースト・初代)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム(ファースト・初代)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

1979年から1980年にかけて日本サンライズによって制作・放送されたロボットアニメ。ファンが多く知名度が高い作品だが、放送当時は視聴率が振るわず打ち切りとなった。 ガンダムシリーズの1作目で「初代(ガンダム)」や「ファースト(ガンダム)」とも呼ばれる。 ガンダムに乗ったアムロやその仲間が各地を転戦しながら、宿敵シャアをはじめ様々な人々との出会いや別れ、戦いを経て成長していく物語である。

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ガンダム Gのレコンギスタ(Gレコ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

ガンダム Gのレコンギスタ(Gレコ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『ガンダム Gのレコンギスタ』とは、「機動戦士ガンダム」シリーズの続編で、全26話のアニメシリーズ。 ∀(ターンエー)ガンダム以来、ガンダムのTVアニメシリーズとしては15年ぶりの富野由悠季監督作品である。また後年にはテレビシリーズを基に再編された劇場版も制作されている。 独特な演出とセリフ回しはファンから富野節とも呼ばれ、小気味良いテンポで展開されていくストーリーの中で、物語中の状況の変化と共に数々の名台詞が存在している。

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新機動戦記ガンダムW(ウイング)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

新機動戦記ガンダムW(ウイング)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『新機動戦記ガンダムW』とは、サンライズ制作の『ガンダムシリーズ』のテレビアニメ。物語の主軸は戦争であるが、本作ではコロニーを支配するためにOZがめぐらす戦略やガンダムに乗るパイロットたちをめぐる人間性と様々な葛藤も描かれている。また日本、西洋、中東、アメリカ、中国をイメージした5機のガンダムが登場し、それぞれのガンダムパイロットの5人全員が主人公役扱いになっている。

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聖戦士ダンバイン(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

聖戦士ダンバイン(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『聖戦士ダンバイン』は、1983年から富野由悠季が名古屋テレビと日本サンライズで放送・制作したロボットアニメである。 異世界と地上で起こる戦争に巻き込まれた人々がおのれの愛と憎しみ、エゴに翻弄され自滅していくさまを残酷なまで丁寧に描き切っている。 美しいファンタジー風の世界観と救いようのない人の業のコントラストが特色である。

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(鉄オル)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(鉄オル)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』とは、第一期、第二期と25話ずつに分けて全50話が放送されたガンダムのテレビアニメシリーズ。 本編と同時に小説や漫画などで展開された公式外伝「月鋼(げっこう)」や、第一期と第二期の間の時期の金星を舞台にした物語という設定のスピンオフ作品で、アプリゲームとして発表された「ウルズハント」なども後年制作されている。 本編では主人公の三日月・オーガスとオルガ・イツカらの結成した「鉄華団」の壮絶な戦いが描かれている中で、数々の名セリフが物語を味わい深くしている。

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機動戦士ガンダム00(ダブルオー)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム00(ダブルオー)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム00』とは、サンライズが製作した日本のオリジナルロボットアニメである。2度のテレビ放映の後に劇場版も公開されている。 宇宙へ進出し、地域格差が現代よりも厳しくなっている地球を舞台に武装組織「ソレスタル・ビーイング」が戦争根絶を目的として、世界へ宣戦布告する。世界は混乱しながらも一致団結して「ソレスタル・ビーイング」と戦いを繰り広げていく。

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機動戦士Ζガンダム(ゼータ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

機動戦士Ζガンダム(ゼータ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

機動戦士Ζガンダムは富野由悠季原作のTVアニメ。前作である機動戦士ガンダムから数年後が舞台となっており、登場人物やMS(モビルスーツ)は刷新され、前作の登場人物は年齢を重ねて再登場している。前作とは違い、エゥーゴ対ティターンズという地球連邦を母体とする2つの勢力抗争、そしてジオンの残党であるアクシズの三つ巴による同盟・裏切りなどの複雑な展開は様々な名言を残している。

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機動戦士ガンダム 第08MS小隊(08小隊)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム 第08MS小隊(08小隊)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』とは、1年戦争当時、東南アジアのジャングル地帯でジオン軍の開発する新兵器を巡る攻防と、それに関わる若き連邦士官とジオン軍女兵士との関係を描いた外伝作品。 ビデオ11作と完結編で構成されており、1996年から1999年にかけて発売された。陸戦が主体で、リアルな戦場を描いた作品であるとともに、戦時下の兵士の苦悩を描いている。ガンダムシリーズには珍しく、特別なガンダムが活躍する話ではない。

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ガンダム Gのレコンギスタ(Gレコ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ガンダム Gのレコンギスタ(Gレコ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ガンダム Gのレコンギスタ』とは富野由悠季氏による日本のアニメーション作品。 技術の頂点を極めた人々が戦争の末に人類を滅亡しかけた宇宙世紀の1000年以上後を舞台にしている。命からがら生き延びた人々は新しい時代を「リギルド・センチュリー(R・C)」と名付け、さらには同じ轍を踏まぬよう技術に制限をかけ再び繁栄を初めていた。 明るく純粋無垢な主人公ベルリ・ゼナム、少し世話の焼けるお嬢様アイーダ・スルガンの二人の成り行きで始まった世界の仕組みを知る旅の物語である。

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機動戦士ガンダム THE ORIGIN(オリジン)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム THE ORIGIN(オリジン)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』とは、アニメ「機動戦士ガンダム」の作画監督を務めた安彦良和が原作アニメ設定やストーリーを再構築したコミカライズ(マンガ化)作品をアニメ化したもの。 アニメ化に際し、原作マンガの描いた79年の原作アニメの前日談の部分を再構築し、原作アニメにつながるストーリーとなっている。79年のアニメでは主人公アムロ・レイの好敵手であるシャア・アズナブルが本作の主人公として描かれている。

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機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(シード フリーダム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(シード フリーダム)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』(きどうせんしガンダムシード フリーダム)とは、TVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』シリーズのその後を描いた、福田己津央監督による2024年公開のアニメ映画。キャッチコピーは「私の中にあなたはいます。 あなたの中に私はいますか?」 。 2度に渡って世界を絶滅戦争の危機から救ったキラ・ヤマトは、仲間たちと共に地球の小国に招かれ、策謀によって全滅の危機に陥る。この時恋人のラクス・クラインが誘拐されたことを知ったキラは、彼女を取り戻すべく再び戦場に赴く。

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機動戦士ガンダム(ファースト・初代)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

機動戦士ガンダム(ファースト・初代)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

機動戦士ガンダムは日本サンライズによって制作された矢立肇・富野喜幸(現:富野由悠季)原作のロボットアニメである。ガンダム以前のロボットアニメとは違い、重厚な人間関係や緻密なロボット設計で新たなロボットアニメとしてジャンルを築いた。ロボットアニメでありながら、戦争という環境に置かれた主人公アムロ・レイの成長を主軸に描かれているこの作品には数多くの名言が残されている。

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機動戦士ガンダムUCのモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダムUCのモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダムUC(機動戦士ガンダムユニコーン RE:0096)は福井晴敏による小説、およびそれを原作としたアニメ作品。 機動戦士ガンダムから続く宇宙世紀を舞台に、重要機密であるラプラスの箱を巡る戦いに巻き込まれた少年の葛藤と成長を描く。 緻密に練り込まれた物語もさることながら、戦闘シーンも見所の一つであり、それを彩る兵器であるモビルスーツ、モビルアーマーも幅広い層から人気を集めている。

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機動戦士ガンダムΖΖ(ダブルゼータ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダムΖΖ(ダブルゼータ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダムΖΖ』とはガンダムシリーズの3作目として1986年3月~1987年1月に放映された。スペース・コロニー「サイド1」でジャンク屋を営んでいた「ジュドー・アーシタ」は前作Z(ゼータ)ガンダムの主人公「カミーユ・ビダン」との邂逅によりニュータイプとして目覚めたことをきっかけにモビルスーツのパイロットとして戦火へと身を投じてゆく。

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機動戦士ガンダムSEED DESTINY(種死・種デス・種運命)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダムSEED DESTINY(種死・種デス・種運命)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』とは、TBS系列で2004年10月9日から2005年10月1日まで放送された『ガンダムシリーズ』の1つに属するロボットアニメ。全50話+特別編。制作はサンライズ、毎日放送。『機動戦士ガンダムSEED』の続編であり、2年後の世界を描く。戦争で家族を失った主人公シン・アスカは、守りたいものを守れる力を欲し軍へ入隊した。しかし、シンの力への渇望と純真すぎる心が、彼自身を戦いの中心へと駆り立て、戦火はより広がって行くのだった。

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機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY(Mobile Suit Gundam 0083)とは、1991年から1992年にかけて、全13話が製作されたOVAシリーズである。アムロ・レイの活躍によって終結した、『機動戦士ガンダム』の戦いの三年後を描く。本作の星の屑作戦によって地球にコロニーが落とされたことで、物語は『機動戦士Ζガンダム』へと続いていく。

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機動戦士ガンダム0083のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダム0083のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダム0083(Mobile Suit Gundam 0083)は、OVAとして発売されたアニメ作品である。1991年より全13話が発売、1992年にはOVAを編集した総集編が劇場公開された。地球連邦軍と、ジオン軍残党デラーズフリートとの戦いを描く。シリーズ作品である「機動戦士ガンダム」と「機動戦士Ζガンダム」の間をつなぐ物語として制作され、両者の空白の期間を埋めるものとなっている。

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機動新世紀ガンダムX(エックス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動新世紀ガンダムX(エックス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動新世紀ガンダムX』とは、1996年から1997年にかけてテレビ朝日系列にて放映されたアニメ作品。舞台は大きな戦後の世界で、バルチャーと呼ばれる組織が活動する中、厳しい環境を精一杯生き抜く主人公、ガロード・ランを中心に進んでいく。彼の行動が周囲の大人たちを動かし、次第に世界を巡る情勢をも変えていくことになる。

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機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』とは、テレビアニメ『機動戦士ガンダム』の15話「ククルス・ドアンの島」をリメイクした映画作品。ガンダムシリーズの生みの親の1人である安彦良和が監督を務め、同作を見て育ったベテランスタッフが制作に携わっている。 連邦軍の兵士アムロ・レイは、強行偵察中に崖から落ち、敵軍の兵士のククルス・ドアンに救われる。ドアンは脱走兵らしく、島で戦災孤児たちと暮らしていたが、彼を追う者たちがそこに静かに忍び寄っていた。

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機動戦士ガンダム 水星の魔女のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダム 水星の魔女のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』とは、サンライズによるアニメ作品で、ロボットアニメの金字塔である『ガンダムシリーズ』の作品群の1つ。人型機動兵器MS(モビルスーツ)のパイロットを目指す少女たちが、彼女たちを飲み込まんとする巨大企業や大組織の陰謀に抗っていく様を描いている。 『ガンダムシリーズ』はリアル路線のロボットアニメとして知られており、作中に登場するロボットはあくまでも“兵器”として扱われている。ここでは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場するMSなどの兵器を紹介する。

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XVX-016 ガンダム・エアリアル(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

XVX-016 ガンダム・エアリアル(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

XVX-016 ガンダム・エアリアルとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する人型機動兵器MS(モビルスーツ)の1機にして、同作の主役機である。 詳細な出自については謎が多いが、ヴァナディース機関が開発したガンダム・ルブリスを利用して作り出された機体だと思われる。大企業の独断で闇へと葬られたGUNDフォーマットというシステムを利用しており、自律兵装GUNDビットでの攻防一体の戦闘が特色。高性能のAIを搭載しており、メインパイロットのスレッタ・マーキュリーとは姉弟のような絆で結ばれている。

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機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(ポケ戦・ポケなか)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争(ポケ戦・ポケなか)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』とは、1979年から断続的に製作され続けているロボットアニメ『ガンダムシリーズ』の1作品で、「宇宙世紀」と呼ばれる架空の時代の出来事を描いたOVAである。 地球連邦軍の新型モビルスーツ・ガンダムNT-1の奪取または破壊任務を命じられたジオン軍の特殊部隊サイクロプス隊。リボーコロニーで暮らす少年アルは、偶然からサイクロプス隊の面々と交流し、その作戦に加担していく。やがて彼らの戦いはコロニーの命運をも巻き込み、アルに戦争の残酷さを突き付ける。

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機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(第1部)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(第1部)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』とは、反地球連邦を掲げるテロリストのハサウェイ・ノア、地球連邦の軍人ケネス・スレッグ、謎の美少女ギギ・アンダルシアの運命が交錯し擦れ違っていく様を描いた、2021年公開のアニメ映画。『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』のストーリーに連なる続編的立ち位置であり、『機動戦士ガンダム』シリーズの生みの親、富野由悠季の小説を元に映像化。同シリーズ40周年記念作品として製作された3部作の第1作目で、美しい映像美と壮大な音楽、大迫力の戦闘シーンが魅力の映画作品である。

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機動戦士ガンダムAGE(エイジ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

機動戦士ガンダムAGE(エイジ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

「機動戦士ガンダムAGE」とは2011年10月から2012年9月までMBS・TBS系列にて放送されたテレビアニメである。突如あらわれた謎の勢力との戦争の中で、主人公(フリット、アセム、キオ)が世代交代していくのが特徴だ。子供向けの絵柄とは裏腹に、敵との戦争の中で各々の異なった葛藤を描いているのも魅力の一つであり、子供から大人まで楽しめる作品となっている。

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ダリルバルデ(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

ダリルバルデ(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

ダリルバルデとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する人型機動兵器MS(モビルスーツ)の1機で、同作に登場するジェターク・ヘビー・マシーナリー社製の最新鋭機。 タイプとしては分厚い装甲を売りとする重MSで、それを意識させないだけの高い出力と機動力を持つ。両腕とシールドにドローンシステムを搭載しており、これを利用した立体的な戦闘を持ち味としている。最新型の意志拡張AIにより、完全なオートパイロットで戦闘を行うことも可能だが、反応が早過ぎて陽動に引っかかりやすいという弱点を持つ。

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MD-0032G グエル専用ディランザ(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

MD-0032G グエル専用ディランザ(水星の魔女)とは【徹底解説・考察まとめ】

MD-0032G グエル専用ディランザとは、『機動戦士ガンダム 水星の魔女』に登場する人型機動兵器MS(モビルスーツ)の1機で、同作の登場人物であるグエル・ジェタークの専用機。 ジェターク・ヘビー・マシーナリーの主力商品ディランザを、同社の御曹司であるグエルに合わせてカスタム化した機体。出力など全体的な性能の強化に加え、近接兵器として十字の刃を成すビームパルチザンを装備。頭部のブレードアンテナには羽根飾りのような白い装飾をつけている。物語の1話で華々しく登場し、ガンダム・エアリアルと交戦した。

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ガンダムビルドメタバース(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

ガンダムビルドメタバース(アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ガンダムビルドメタバース』とは、『ガンダムシリーズ』の世界観をモチーフとする体感型オンラインゲームを舞台に、少年の葛藤と成長を描いた2023年のオリジナルアニメ。ガンプラをテーマにする『ビルドシリーズ』の5作目で、前作までのキャラクターが次々とゲスト出演したことで話題となった。 ホウジョウ・リオは、ガンプラを用いて遊ぶ「ガンダムメタバース」に夢中なハワイ在住の少年。近所のホビーショップの店員であるウルツキ・セリアに師事してガンプラ制作の腕を上げつつ、様々なライバルと戦っていく。

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(鉄オル)のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(鉄オル)のモビルスーツ・モビルアーマー・艦船・兵器まとめ

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』は『ガンダムシリーズ』のロボットアニメの1つで、第1期が2015年に、第2期が2017年に放送された。『機動戦士ガンダム』などの宇宙世紀作品とは別の世界観を舞台としており、少年兵の三日月・オーガスの活躍を描いている。 本作にも『ガンダムシリーズ』おなじみの兵器モビルスーツやモビルアーマー、大規模な戦いには欠かせない艦船や兵器が登場する。

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ラクス構文とは!?元ネタ・使い方・トリビア・反応など徹底解説!

ラクス構文とは!?元ネタ・使い方・トリビア・反応など徹底解説!

「ラクス構文」とは、アニメ映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』でヒロインのラクス・クラインが発したセリフを元にしたネットスラング。 敵であるアコードから主人公キラ・ヤマトへの愛情が必要から生じたものだと揶揄されたラクスは、「必要だから愛しているのではありません、愛しているから必要なのです」と反論。理路整然としながらも彼女の心情を適切に表した言葉として、作品を代表する名言・名セリフの1つとなった。ラクス構文とはこれを現実に持ち出して、「より正確な因果関係の順序」を訴えるものである。

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