日日是好日(エッセイ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『日日是好日』とは、森下典子の自伝エッセイを大森立嗣が監督した2018年公開の日本映画である。主演の典子役を黒木華、典子と一緒にお茶を習う従姉妹の美智子役を多部未華子、そして茶道の武田先生役を樹木希林が演じた。二十歳の典子は母の勧めで、従姉妹の美智子と近くの茶道教室に通う。茶室に掲げてある「日日是好日」の書の額。茶道を習いながら、就職に挫折、失恋、別れなどを経験をした典子は、二十四年経ってその書の本当の意味を感じる。茶道を通して語られる典子の成長物語でもあり、その体験は精神の大冒険でもある。
五月、初風炉の季節のお菓子として使われる薯蕷(じょうよ)まんじゅうである。
中はこし餡になっている。
典子と美智子の初めての稽古の日に食べた和菓子。
≪塩瀬総本家≫
さわらび
薯蕷(じょうよ)まんじゅうに織部の緑をほどこし、わらびの焼き印を押してある。さわらびとは、芽吹いたばかりの蕨のこと。
≪さゝま≫
落とし文
初夏、筒状に巻いた葉に卵を産みつけて地上に落とす昆虫がいる。その姿が、恋文を相手に気づくように落として拾わせた、昔の”落とし文“に似ていることからこの名前が付けられた。
≪塩野≫
きぬかつぎ
昔、十五夜は「芋名月」と呼ばれていた。採れたばかりの里芋を供えて、実りに感謝した。備えた後の里芋は皮ごと蒸し、「きぬかつぎ」として食べた。
その里芋の形を模した月見団子である。
≪たねや≫
亥の子餅
昔は、亥の日亥の刻に火を使い始めれば、その冬は火事にならないと信じられた。そのため亥の日亥の刻に炉が開かれた。それにちなんで炉開きのお菓子は、イノシシの子ウリボウの形を模した亥の子餅を使う。
≪たねや≫
下萌(しぐれ)
厳しい冬を耐えて、雪解けの大地から萌え出る緑を表現している。しぐれとは、餡を蒸したもので、自然にひび割れる。
≪岬屋≫
あじさい
六月にはあじさいの和菓子が多く登場するが、この色が美しい。錦玉羹(きんぎょくかん)は、寒天に水あめ、砂糖などを加えて煮詰めた上生菓子用の寒天菓子である。
≪御菓子司こまき≫
初釜の縁高料理
和菓子ではないが、初釜の日に出された料理である。
くわい、菊花かぶ、ごまめ、黒豆、長老喜の松葉刺しなど。お椀は、白みそ仕立ての鴨雑煮になっている。
『日日是好日』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
典子「世の中には、『すぐわかるもの』と、『すぐわからないもの』 の二種類がある」
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目次 - Contents
- 『日日是好日』の概要
- 『日日是好日』のあらすじ・ストーリー
- 二十歳の春
- 手が自然と動く
- 気づきと挫折
- 一期一会
- 『日日是好日』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 典子(演:黒木華)
- 美智子(演:多部未華子)
- 武田先生(演:樹木希林)
- 典子の家族
- 典子の父(演:鶴見慎吾)
- 典子の母(演:郡山冬果)
- 典子の弟(演:岡本智礼)
- 茶道教室の生徒
- 雪野(演:鶴田真由)
- 田所(演:原田麻由)
- 早苗(演:川村紗也)
- 由美子(演:滝沢恵)
- ひとみ(演:山下美月)
- 『日日是好日』の用語
- フェリーニの『道』
- 二十四節季
- 主な掛け軸
- 薫風自南来
- 清流無間断
- 掬水月在手
- 松無古今色
- 梅花薫徹三千界
- 風従花裏過来香
- 静風満里秋
- 水自竹辺流出冷
- 瀧
- 達磨画
- 不苦者有智
- 聴雨
- 主な和菓子
- アヤメ饅頭
- さわらび
- 落とし文
- きぬかつぎ
- 亥の子餅
- 下萌(しぐれ)
- あじさい
- 初釜の縁高料理
- 『日日是好日』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 典子「世の中には、『すぐわかるもの』と、『すぐわからないもの』 の二種類がある」
- 武田先生「お茶はまず形なのよ。初めに形をつくっておいて、その入れ物に後から心が入るものなのね」
- ひとみのお点前
- 「日日是好日」の意味を感じる典子
- 武田先生「毎年毎年同じことの繰り返しだけれど、同じことができるってことが、幸せなんだなあって」」
- 『日日是好日』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 「日日是好日」は小学生が書いた書
- ロケ地は原作者森下典子の地元でもある神奈川県
- 茶室は民家を改造
- お茶会のシーン
- 海辺は片瀬海岸
- 山下美月ほか生徒は茶道経験者
- 原作者森下典子が映画に参加
- 茶道教室につながる路地
- 『日日是好日』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):世武裕子「メインテーマ」
- ED(エンディング):世武裕子「エンドロール」