Fate/Apocrypha(フェイト アポクリファ)のネタバレ解説・考察まとめ

『Fate/Apocrypha』とは、ビジュアルノベルゲーム『Fate/stay night』の外伝作品、及びそこから派生したアニメと漫画作品である。「聖杯」と呼ばれる万能の力を持った杯を巡り二つの陣営に分かれた14人の魔術師(マスター)と14騎の英霊(サーヴァント)が戦い、競い合う「聖杯大戦」を描く。アニメは2017年7月から12月まで全25話構成で放送された。

CV:諏訪部順一

ゴルドが召喚した剣兵の英霊で、胸元と背中が開いた鎧に身を包み、大剣を携えた威風堂々たる騎士。剣兵の英霊に相応しい剣技を兼ね備え、不死身の肉体を活かし、攻撃を受けることを前提とした捨て身の戦法を得意としている。しかし、伝承にある通り、その不死身の肉体を獲得することになった魔竜の血を唯一浴びていない背中だけが弱点となっている。

真名は中世ドイツの英雄叙事詩「ニーベルンゲンの歌」に登場する、竜殺しの異名で知られる大英雄・ジークフリート。強敵との死力を尽くした戦いを望み、戦場での嘲笑を良しとせず、そして弱者への一方的な暴力を嫌い目の前で蹲る者がいれば、例え命令を無視してでも助けようとするなど、義を重んじる高潔たる勇士として名を残している。
真名を明かすことで致命的な弱点が露呈することを恐れたゴルドによって普段は喋ることを禁止されており、生前から他者の頼みを聞き続けてきたため、ゴルドの指示を基本的に承諾する。しかし、この命令が結果として意志の疎通を放棄することに繋がっており、ゴルドとの相互理解を妨げ、結果として瀕死のジークを見て彼を助けるために自分の心臓を与えるという最悪の事態にもつれ込むことになった。

ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア

CV:大川透

黒のセイバーのマスターで、現在は没落しつつある錬金術師の名家・ムジーク家の継承者である肥満体の中年男性。ムジーク家の過去の栄光と血筋に固執する傲慢で小心者な人物で、一族の盟主であるダーニックを除き同胞達にも高圧的に振舞う。しかし魔力のパスの分割というシステム干渉を実現するなど、魔術師としては優秀。

その小心者ぶりから黒のセイバーの弱点が露呈することを極度に恐れ、喋ることを禁止するという命令を下したが、結果として自分のサーヴァントとのコミュニケーションを放棄する形となって連携が取れなくなる。そして、令呪の無駄遣いなど失態を繰り返すことになり、挙句に叛逆と自害という形で黒のセイバーを失い、黒陣営の中で最初に聖杯大戦から脱落したマスターとなった。

黒のアーチャー

CV:武内俊輔

フィオレが召喚した弓兵の英霊で、森のように大らかで清らかな雰囲気を持つ青年。黒の陣営では参謀としてのポジションについている。
誰に対しても礼儀をもって接し、常に柔らかな物腰を崩さない好青年で、マスターのフィオレとは教師と教え子という良好な関係を築けている一方で、サーヴァントたちからの信頼も厚い。

真名はギリシャ神話に登場するケンタウロス族の大賢者・ケイローン。多くの英雄たちを育ててきた逸話で知られており、本来の姿では真名が容易に露見してしまうことから一部の能力の抑制と引き換えに人の姿で召喚されている。
そして、射手座の原型としての逸話も持っていることから弓の使い手としてはトップクラスの能力を誇り、さらに多くの英雄を育てた経緯から弓術だけでなく格闘戦にも優れているという隙のなさを持ち合わせている。

フィオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア

CV:赤崎千夏

黒のアーチャーのマスターで、可憐な印象だが、ダーニックの後継者として注目されるほどの才能の持ち主である少女。独自のアレンジを加えて作り出した数々の「接続強化型魔術礼装(ブロンズリンク・マニピュレーター)」は三流の魔術師でも一流を仕留めると言われる程の逸品である。特異体質によって歩くことができず車椅子生活を強いられており、自分の足で立って歩けることを聖杯への願いに託して聖杯大戦に望んでいる。

幼い頃、父が連れてきた犬が魔術の実験台という目的がわからずにペットとしてかわいがっており、一週間後にその犬が父の魔術の実験によって死亡するという悲劇に見舞われる。それ以降は犬の死を夢に見るようになり、弟のカウレスが手を握ってあげないと眠れないようになってしまう。
聖杯大戦が進む中でダーニックが命を落とした後、後継者としてユグドミレニア一族を率いていかねばならない立場となるが、犬の死のトラウマを含め、マスターとして冷酷非情になり切れない人格と精神的な脆さから当主には不向きなのではないかとカウレスと黒のアーチャーから心配されていた。

黒のランサー

CV:置鮎龍太郎

ダーニックが召喚した槍兵の英霊で、漆黒の衣装をまとった王者然とした男。ダーニックからは「領王(ロード)」と呼ばれ、合流を果たしていない黒のアサシンを除く他の黒陣営のサーヴァントたちも臣下のように従うほどのカリスマの持ち主。
敵と見なした相手には一切の容赦がないが、味方と見なした相手には寛大な態度で接し、その見解や意見を尊重するという人格者としての一面も持っている。

真名は「串刺し公」の異名で恐れられたワラキアの領主・ヴラド三世。当時最強の軍事力を誇っていたオスマン帝国の侵攻を幾たびも退けた護国の逸話で知られる大英雄である。
ダーニックによって黒の陣営のサーヴァントの中で最初に召喚され、その後、黒の陣営のリーダーとなり、魔術協会によってユグドミレニア討伐に派遣された50人の魔術師部隊をわずか30秒で全滅させ、魔術協会への宣戦布告を果たした。

ダーニック・ブレストーン・ユグドミレニア

CV:檜山修之

黒のランサーのマスターで、魔術協会へ叛旗を翻したユグドミレニア一族の長。
かつて冬木で行われた第三次聖杯戦争にマスターのひとりとして参戦しており、その際に大聖杯を強奪してルーマニアに隠匿してきたため、今回の聖杯大戦を勃発させた黒幕と言える人物である。

魔術師の中でも最高位の称号とされる「王冠(グランド)」の位階に付くほどの鬼才であり、さらに卓越した政治的な手腕の持ち主でもあることから「八枚舌のダーニック」の異名を持つ。さらに実年齢は97歳とかなりの高齢だが、魂を別の肉体と融合させる魔術を施し続けることによって20代から30代の若さを保ち続けている。
また、サーヴァントであるランサーには「王」として傅き、臣下の礼を取っているが、本心では魔術師らしく聖杯戦争におけるただの駒と見下している。

黒のライダー

CV:大久保瑠美

セレニケが召喚した騎乗兵の英霊で、派手に着飾った中性的な美少年。明朗快活、天真爛漫な性格で、召喚された現世の何もかもに興味を示し、手を出さずにはいられない好奇心の塊で、「理性が蒸発している」とまで言われるほど落ち着きがない。しかし助けを求めるものは決して見捨てない騎士道精神の持ち主であり、体躯も筋力も圧倒的に上回る赤のバーサーカーのような強敵を前にしても一歩も怯まず、正々堂々と立ち向かう。

真名はシャルルマーニュ伝説に登場する、彼の12人の配下である「シャルルマーニュ十二勇士」のひとりで随一の美丈夫としても知られるアストルフォ。ちなみに女性のような格好をしているのは、かつて戦友であるローランを静めるためだと主張しており、ルーラーは当初、アストルフォを女性だと思っていたが、入浴中の彼の所に無造作に立ち入ってしまって男だという事実に直面してしまい、強烈なショックを受ける羽目になった。

黒の陣営のサーヴァントの魔力供給源という捨て駒にされるはずだった中、自我に目覚めてその捨て駒となることに恐怖して逃走したジークを助け、彼の友人となり、彼の手助けをする。その後、マスターであるセレニケが戦いで命を落としたことで消滅しかけたが、ジークをマスターとして再契約を行うことで現界が維持され、名実ともに完全にジークの仲間となる。

セレニケ・アイスコル・ユグドミレニア

CV:石上静香

黒のライダーのマスターで、黒魔術を用いた暗殺を生業とする女魔術師。
怜悧な美貌を持つ妙齢の美女だが、その本性は他人を傷つけ、苦しむ姿を見ることに喜びを覚えるかなりのサディストで、他人を殺すことにも抵抗を持たない。自らが召喚した黒のライダーの美しさに心を奪われ、彼に自分の体を迷わず差し出し、肉体関係を強要するほど溺愛しており、独占欲も非常に強い。

ユグドミレニア一族の一員にしてマスターでありながら、聖杯にかけた一族の悲願に興味を持たず、聖杯大戦を黒のライダーを男娼として愛し続けるだけの場としか見ていなく、勝利になど関心はない。また、その黒のライダーへの独占欲の強さから、黒のライダーが入れ込んでいるジークに対して殺意に近い嫉妬の感情を向けている。

黒のキャスター

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