きりひと讃歌(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『きりひと讃歌』とは、手塚治虫原作の医療・社会派漫画。『ビッグコミック』誌上にて、1970年から1971年まで連載された。手塚初の本格的長編医療ドラマとして知られており、後の代表作『ブラック・ジャック』や『陽だまりの樹』のプロトタイプ的作品でもある。また、手塚治虫を医療漫画のパイオニアへと押し上げた作品として高評価された。同作品は、モンモウ病という奇病に罹患して外見が犬のように変化した主人公の医師が、様々な差別や社会的圧力に見舞われながらも病気の真相を究明していく医療長編漫画である。

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M大学医学部附属病院第一内科医師で、小山内桐人(おさないきりひと)の同僚であり小学校時代からの友人。桐人の恋人いずみに横恋慕しており、強制的に肉体関係を犯してしまう。医者としては研究家タイプであり、モンモウ病については桐人の風土病説に肩入れしていた。そのことを快く思わない竜ヶ浦によってアフリカ行きを命ぜられ、そこでクオネ・クオラレ病の女性患者ヘレン・フリーズと出会った。ヘレンを連れて帰国後、次第に彼女を愛するようになり、激しく抵抗する彼女と肉体関係を結ぶ。やがて桐人が竜ヶ浦の策略に嵌められたことを知ると、桐人と竜ヶ浦の間で板挟みとなり中度の精神病を患った。その後もヘレンの心の支えとなり続けたが、精神に限界が訪れてある夜道路上を走るトラックに自ら飛び込んで死亡した。桐人の風土病説をさらに補完するレポートを遺しており、それは桐人へと託された。また、ヘレンがお腹に宿した自身の子供を見ることはなかった。

桐人と関わる女性

吉永いずみ(よしながいずみ)

竜ヶ浦の後援会長である吉永(よしなが)の1人娘。桐人と婚約していたが、ある夜占部に犯されてしまう。犬神沢へ向かう桐人の身を案じていたものの、その後彼が消息不明となったことを知った。それでも桐人のことを一途に想い続けており、桐人の帰国後彼から電話でたづと結婚したことを聞かされた時には涙を流して受話器にキスをしている。その後、とある町のスラムでカシン・ベック病という流行り病の患者の世話をするヘレンと出会い、彼女とともに活動する。ヘレンのお産に立ち会った後、桐人が中東の難民地区にいるという情報を知り、家族の反対を押し切って旅立った。ちなみに、彼女は初登場時金髪ロングヘアだったが、中盤以降黒髪ショートヘアとなった。

たづ

犬神沢に住む若い娘。父親と2人で暮らしていたが、父親はモンモウ病で死亡した。村にやって来た桐人の現地妻としてあてがわれたが、その時から既に彼のことを愛していた節がある。犬神沢の秘密とされていたモンモウ病患者が生肉を食べるための小屋の存在を知った桐人の命を守るために、彼と結婚して村の一員とした。桐人がモンモウ病に罹患し、犬のような顔になっても献身的に彼に尽くし、風土病説の鍵を握る湧き水の存在を2人で掴む。しかし、その途中で暴漢に犯されてしまい、無残な最期を遂げた。桐人の帰国後、彼は彼女の亡骸を預けた寺に立ち寄って多額の金を渡して供養を頼んでいる。

麗花(れいか)

台湾人の女芸人で、万大人に雇われている。自身の身体に天ぷらの衣を纏わりつかせて、高温の鍋で揚げた状態から脱出する「人間天ぷら」が彼女の持ち芸だった。障がい者を狙う性倒錯者であり、桐人を手籠めにしようとして万大人の拠点から逃がしたが、桐人が彼女を患者として扱ったことで性欲は消失するもその後も行動をともにする。桐人の催眠療法によって性癖は収まり、彼に感謝するようになる。2人で日本に帰ろうとしたが、スパイと間違われてシリア行きとなり、金を得るために砂漠のバザールにて「人間天ぷら」を行ったものの、失敗して高温の鍋の中に長時間落ちてしまい、凄惨な死を遂げた。

その他

吉永(よしなが)

竜ヶ浦の後援会長で、いずみの実父。計算高い性格で、竜ヶ浦を日本医師会会長にすることで自分も恩恵を受けようと様々な画策を行う。いずみが占部に強姦された時も、医師会長選挙が近づいていることで表沙汰にしようとしなかった。しかし、竜ヶ浦が失脚・死亡し、いずみが桐人のいる中東へ行こうとしているのを知ると、最終的には彼女の意志を尊重して見送った。

ヘレン・フリーズ

南アフリカ連邦(現在の南アフリカ共和国)在住の白人女性で、修道女である。モンモウ病に極めて似ているクオネ・クオラレ病に罹患しており、キツネのような顔をしている。白人にこの病気が出たことを恐れた修道院長マクラッケンに占部とともに撃たれるも、一命を取り留めた。占部と一緒に日本へやって来たが、そこで彼と肉体関係を結ぶ。当初は占部が自分をからかっているのだと思っていたが、彼の愛が本物であることを知り、彼を受け入れると同時に竜ヶ浦の懇願を聞き入れて医学総会に出てその身を晒した。占部の死後は、カシン・ベック病の患者が多いスラムで彼らの世話に従事する。占部の子供を身ごもっていて、犬の子を産むのではないかという恐怖に苛まれながらもいずみを助産婦にして無事に赤ちゃんを出産した。また、いずみが来る前にスラムで桐人と会っており、お互いの境遇や占部のことを話し合い、完全に相容れたわけではないがこの邂逅は両者の胸に刻み込まれた。

たづを殺したヤクザ

犬神沢に住むチンピラ男性で、衝動的にたづを強姦した上に殺害した。妻を殺された桐人に襲われたことに逆上して、彼を万大人に売り飛ばした。その後、桐人と竜ヶ浦の関係が日本医師会会長選挙のスキャンダルに繋がることを知り、金になると考えて吉永を脅迫した。ところが、すぐに帰国した桐人と再会し、彼に捕らえられて、たづの墓の前で土下座させられた。

万(まん)

「万大人」の通称を持つ台湾の大富豪。ロックフェラー財団に匹敵する富と財を成していると言われているが、自宅で金にものを言わせた酒池肉林を繰り広げている。そこで展開されている見世物は、麗花(れいか)の「人間天ぷら」や大蛇に人間の赤ん坊を丸呑みさせるという極めてグロテスクかつ悪趣味なものだった。買い上げた桐人を無理矢理発情した雌犬と交尾させようとする。万の常軌を逸した行動は、幼い頃の極貧生活の反動であることが後に明かされた。犬神沢の頭痛薬「知恵水」を愛飲しており、それが原因でモンモウ病に罹患し、M大学附属病院で死亡した。

マンハイム博士 (マンハイムはかせ)

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