風都探偵(仮面ライダーW)のネタバレ解説・考察まとめ
『風都探偵』とは、2017年より週刊漫画雑誌『週刊ビッグコミックスピリッツ』(小学館)で連載している青年漫画、及びそれを原作としたアニメ・舞台の名称である。脚本は三条陸、作画担当は佐藤まさき。特撮番組シリーズ『仮面ライダーW』の正統続編となる漫画であり、同作の主要スタッフが製作に参加している。特撮番組だった『仮面ライダーW』に引き続き、探偵が謎めいた事件を推理で解き明かしていくミステリードラマの面白さとヒーローが怪人に立ち向かう熱い特撮アクションの両方を楽しめる作品となっている。
仮面ライダーエターナルに心酔するストリートギャング「蒼炎群」のメンバーの一人。顔にそばかすのある少年。
リーダーのテツにガイアメモリの実験台扱いされていたが、風都タワー襲撃計画の中で万灯のもたらした「クラブメモリ」の力を引き出すことに成功。テツを殺害して裏風都へ仲間入りし、二代目リアクター・ドーパントとなった。ドーパントとしての素質は高く、先代リアクターの二階堂が抱えていた排熱の問題もクリアしている。
底知れない野心を隠したしたたかな性格だが、万灯の冷徹な考えについて行けないと考える常識も持ち合わせている。
鏡野キク(かがみの きく)
CV:八百屋杏(アニメ)
鏡野空也の祖母。土地の風習に従い孫の花嫁選びを行うが、その実態は「アルコールメモリ」を使って花嫁候補同士が殺し合うように仕向けるというものだった。
ガイアメモリから限界以上の力を引き出せる「ハイドープ」の先駆けであり、「アルコール・ドーパント」に変身していない状態でも強力な超能力を使いこなす。
Wたちに追い詰められると屋敷に火をつけ、心からの空也への愛を告げて最期を遂げた。
裏風都に招かれた人物ではなかったが、万灯とは花嫁候補のリストアップなどで協力関係にあった。
故人
鳴海荘吉(なるみ そうきち)
CV:津田健次郎(アニメ)
鳴海探偵事務所の前所長。鳴海亜樹子の父親。『仮面ライダーW』では吉川晃司が演じた。
探偵業を通して愛する街・風都を守ってきたが、相棒のマツが「スパイダー・ドーパント」として悪事を働いていたことが発覚。幼馴染であるフィリップの母・シュラウドから託されたドライバーとメモリを使い「仮面ライダースカル」に変身するがスパイダー撃破と引き換えに相棒は死亡、さらにスパイダーの「愛する者に触れるとその人を爆殺する子蜘蛛爆弾」を体内に入れられてしまったことで妻子と会えない生活を余儀なくされる。
喪失感のあまり探偵業を休業していたが、幼い翔太郎の正義感に火を付けられ再起。彼の成長を待って弟子入りを認める一方、正体を隠して仮面ライダースカルとなりドーパントと戦う生活を続けた。
運命の夜、ガイアメモリ生産に利用されている園咲来人を救出する依頼をシュラウドより受けミュージアムの研究島に赴く。単独任務のつもりだったが翔太郎が追いかけてきてしまったので仕方なく二人で挑むが、翔太郎のミスで来人を地球の本棚に籠らせてしまう。スカルメモリを使い地球の本棚に入ると、言われるがままに組織に手を貸し続ける彼に「自分のやるべきことは自分で決めろ」と説得、「フィリップ」の名を与えて連れ出すことに成功した。しかし後は脱出のみという所で敵に囲まれ、Wに変身すれば切り抜けられる状況だったが、戦いにフィリップを巻き込むべきかと一瞬の迷いが生じた隙を突かれて凶弾に倒れてしまった。
この夜のことは「ビギンズナイト」として翔太郎とフィリップの心に強く刻まれている。また「何よりも優先すべきは依頼人を守ること」という荘吉の探偵としての精神は翔太郎、フィリップ、そして娘の亜樹子に受け継がれ深く根付いている。
園咲琉兵衛(そのざき りゅうべえ)
『仮面ライダーW』では寺田農が演じた。
園咲家の家長にして、風都博物館の館長を務めていた名士。冴子(さえこ)と若菜(わかな)という二人の娘がいる。
しかしその正体はガイアメモリを街にばらまきドーパントによる悲劇を生み出してきた組織・ミュージアムの首領で、周囲に恐怖をまき散らす「テラー・ドーパント」に変身する。
地球の本棚にアクセスする能力を得た末子の来人を使ってガイアメモリを大量生産し街中に広げ、若菜を「地球の巫女」として「ガイアインパクト」を引き起こすことで全人類を不滅の種族へと強制進化させようとした。しかし鳴海荘吉に来人を解放されたことで計画に遅れが生じることとなる。
仮面ライダーたちに野望を挫かれた後は本来の優しい父親に戻り、冴子や若菜、そしてシュラウドこと妻の文音(ふみね)とともに地球の記憶と一体化。フィリップとなった来人とも和解した。
『風都探偵』では、ガイアメモリ計画を始めるにあたって重要なブレーンとなった4人の研究者「L・A・S・T」の存在が明かされた。孤島の遺跡で発掘されたオーパーツ「死仮面」をきっかけに意気投合し琉兵衛の計画立ち上げに協力した4人だったが、悪魔の計画に手を貸して後悔していること、今も琉兵衛の影に恐怖していることが語られた。
園咲冴子(そのざき さえこ)
園咲琉兵衛の長女でありミュージアムの幹部。「タブー・ドーパント」に変身する。『仮面ライダーW』では生井亜美が演じた。
少女の頃より琉兵衛から厳しい教育を受けており、妹の若菜の方が愛されていると思い疎んでいた。いつか父を超えると野望を持ち、夫の霧彦(きりひこ)を殺して得た「ナスカメモリ」を使い井坂深紅郎(いさか しんくろう)とともに反旗を翻すが、井坂の敗北で失敗。
ミュージアムから追われる身となったところを財団Xの加頭順(かず じゅん)に保護されるも共闘を拒否。若菜と弟・来人を守るために動き、加頭に倒されて息を引き取った。
死後は家族共々地球の記憶と一体化した。
園咲若菜(そのざき わかな)
園咲琉兵衛の次女でありミュージアムの幹部。「クレイドール・ドーパント」に変身する。『仮面ライダーW』では飛鳥凜が演じた。
風都で大人気のアイドルで「若菜姫」の愛称で呼ばれる。フィリップも彼女のファンであり、依頼をきっかけに交流するようになった。
冴子の反逆を機に琉兵衛の後継者に格上げされ、フィリップが自身の弟であることと琉兵衛の目的を教えられガイアインパクト実行のために邁進。その身に地球の記憶を宿すも加頭に利用されそうになり冴子とWに救われる。
その後自分を助けるためにフィリップが消滅したことを知った若菜は、「私なりのガイアインパクト」と称して自分の存在と引き換えに彼を復活させる。自身は他の家族とともに地球の記憶と一体化した。
シュラウド
仮面ライダーWやアクセルなどの変身ドライバーや装備を作った女性。常にロングコートを着込み、包帯で素顔を隠した上から帽子とサングラスを身に着けている。『仮面ライダーW』では小野友紀が演じ、寺田直子がCVを担当した。
正体は園咲琉兵衛の元から離反した彼の妻であり、本名は園咲文音(そのざき ふみね)。フィリップこと園咲来人と姉の冴子・若菜らの母親でもある。琉兵衛の元でガイアメモリの研究をしていたが、息子を道具のように使う彼に反逆して袂を分かち、復讐心からその計画を挫こうと行動。持ち出した研究データから仮面ライダーの装備を制作した。
鳴海荘吉の幼馴染でもあり、最初は彼を頼ってドライバーとメモリ、その他数々の装備を託す。彼に来人の救出を依頼するが、その成功と引き換えに荘吉は殉職してしまう。さらに次の戦士を生み出そうとして井坂真紅郎と照井竜の因縁を作ってしまい、深く後悔しつつも照井の復讐心を煽り仮面ライダーアクセルとして戦いに駆り立てた。
当初翔太郎のことはフィリップの相棒として認めていなかったが戦いの中で次第に信頼を寄せるようになり、同時に復讐心も氷解させていった。自身に死期が迫る中でたびたび二人の背を押すような助言を送り、最後は地球の記憶に融合して琉兵衛たち家族と和解。穏やかな眼差しでフィリップを見守っている。
井坂深紅郎(いさか しんくろう)
風都の開業医だったが、その本性はガイアメモリに取りつかれたマッドサイエンティスト。研究の傍ら、ドーパント専門の闇医者もしていた。『仮面ライダーW』では壇臣幸が演じた。
雷や吹雪といったあらゆる気象を操る「ウェザー・ドーパント」に変身する。それ以外にもメモリの力を得る実験のために多数のガイアメモリを試しており、身体には無数の生体コネクタが存在する。危険な実験のために平気で他者を巻き込む外道であり、実験台にして死なせたり、メモリの力を試すために殺したりと言ったことを繰り返してきた。照井竜の家族もその犠牲者であり、彼からは復讐の相手として激しい憎悪を向けられていた。
井坂にウェザーメモリを渡したのはシュラウドであり、それはテラー・ドーパントに恐怖するどころか感動していた彼に鳴海荘吉に代わってミュージアムを倒す可能性を見出してのことであった。しかしウェザーを手にした彼は狂気を抱いて暴走、ミュージアムの協力者となってしまう。最終的に園咲冴子と組んで組織に反逆するが、憎悪を振り切り人を守る心を取り戻した照井にメモリブレイクされ、その肉体にメモリを使い続けた反動が起き大量の生体コネクタに侵食されて死亡した。
死後は地獄にて、「真の修羅として完成した照井竜」との再会を待ちわびている。ウェザー・ドーパントに変身することも可能なようで、一度死んだ照井をまだ機が熟さないと見なし落雷によって生き返らせた。
大道克己(だいどう かつみ)
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目次 - Contents
- 『風都探偵』の概要
- 『風都探偵』のあらすじ・ストーリー
- ときめとの出会い
- 裏側の「街」に蠢くもの
- 翔太郎が語るビギンズナイト
- 過去と現在の交差点
- 裏風都幹部たちの動乱
- 消えたときめと残された人々
- 『風都探偵』の登場人物・キャラクター
- 鳴海探偵事務所の探偵たち
- 左翔太郎(ひだり しょうたろう)
- フィリップ
- 鳴海亜樹子(なるみ あきこ)
- ときめ
- ミック
- 風都警察署
- 照井竜(てるい りゅう)
- 刃野幹夫(じんの みきお)
- 真倉俊(まくら しゅん)
- 風都イレギュラーズ
- ウォッチャマン
- 店長
- クイーン
- エリザベス
- フランク白銀(ふらんくしろがね)
- リリィ白銀(りりぃしろがね)
- 青山晶(あおやま あきら)
- 鏡野空也(かがみの くうや)
- その他風都市民
- 「風麺(ふうめん)」のマスター
- 楠原みやび(くすはら みやび)
- ジミー中田(じみーなかた)
- 轟響子(とどろき きょうこ)
- 裏風都に暗躍する者たち
- 万灯雪侍(ばんどう ゆきじ)
- 五条一葉(ごじょう かずは)
- 千葉秀夫(ちば ひでお)
- 二階堂守(にかいどう まもる)
- 双見光(ふたみ ひかる)
- 鏡野キク(かがみの きく)
- 故人
- 鳴海荘吉(なるみ そうきち)
- 園咲琉兵衛(そのざき りゅうべえ)
- 園咲冴子(そのざき さえこ)
- 園咲若菜(そのざき わかな)
- シュラウド
- 井坂深紅郎(いさか しんくろう)
- 大道克己(だいどう かつみ)
- 芦原賢(あしはら けん)
- 泉京水(いずみ きょうすい)
- 羽原レイカ(はねはら れいか)
- 堂本剛三(どうもと ごうぞう)
- 『風都探偵』の用語
- 仮面ライダーたちのホーム
- 風都
- 鳴海探偵事務所
- 地球の記憶とガイアメモリ
- 地球の本棚
- ガイアメモリ
- ドーパント
- メモリドライバー
- ハイドープ
- 敵対組織
- ミュージアム
- 裏風都
- 『風都探偵』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 左翔太郎(ひだり しょうたろう)・フィリップ「さぁ、おまえの罪を数えろ!」
- ときめ「後先考えないで彼女を守る。探偵がいつもそうしてるように…!」
- フィリップ「ぼくは取り戻したい。それ以外の選択肢は無い。相棒が愛した女性なのだから!」
- 『風都探偵』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 主人公たちのキャラクターデザインは「似顔絵にしない」こだわり
- 裏風都幹部の名前の由来は連載開始当時の紙幣
- 『風都探偵』初出のドーパントは漫画ならではのデザインが魅力
- 『風都探偵』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):Big Gadgets ft.上木彩矢 w TAKUYA「Private Eye」
- ED(エンディング):松岡充「罪と罰とアングラ」
- 挿入歌:上木彩矢 w TAKUYA「W-G-X ~W Goes Next~」
- 挿入歌:風祭メグ(CV:Machico)「Let’s go ahead 」