ロボット刑事のネタバレ解説・考察まとめ

『ロボット刑事』とは、東映によって制作された1973年放送の特撮番組、及び同時期に『少年マガジン』で連載された石森章太郎作の漫画。変身ヒーローの全盛期に作られた作品だが、人間としての姿を持たない人型ロボットが主人公となっているのが特徴である。
人間には実行不可能な密室殺人が発生し、頭を抱える刑事たちの前に「K」を名乗るロボット刑事が現れる。事件の犯人もまたロボットであり、Kは刑事たちと共に犯人を撃破。次々に起こるロボットによる怪事件と、その裏に潜む犯罪組織バトーを相手に、Kたちの戦いが始まる。

『ロボット刑事』の概要

『ロボット刑事』とは、東映によって制作された1973年放送の特撮番組、及び同時期に『少年マガジン』で連載された石森章太郎作の漫画。多くのヒーローを生み出した石森だが、本作ではアイデアやキャラクターデザインを提供するに留まり、基本的には東映スタッフによって作られた。
主題歌で「ロボット刑事K」と繰り返し歌っている箇所があり、「K」まで含めて作品名だと思われることも多いが、『ロボット刑事』が正式なタイトルである。

変身ヒーローの全盛期に作られた作品だが、人間としての姿を持たない人型ロボットが主人公となっている。これは前年に放送されて好評を博した『マジンガーZ』の影響もあるとされており、初期案の中は「主人公がサポートメカと合体して巨大化する」ものもあった。
「主人公が現役刑事と共に事件を調査する」パートを経て、「主人公と敵ロボットとの戦闘」が入るのが定番の流れ。さらに必殺技に該当する攻撃が銃火器による一斉攻撃であるなど、他のヒーローとの差別化に様々な工夫が取り入れられている。

人間には実行不可能な密室殺人が発生し、ベテラン刑事の芝大造(しば だいぞう)は頭を抱える。そんな彼の前にK(ケイ)を名乗るロボット刑事が現れ、事件の犯人もまたロボットであると断言。果たしてKの見立ては当たっており、芝は彼と共に犯人を追い詰め、これを撃破する。その後もロボットによる怪事件は次々と発生し、芝は「ロボットなんて信用できるのか」とKのことを怪しく思いながらも彼と共に調査を進めていく。やがてそれらの事件の裏に、犯罪ロボットレンタル組織「バドー」の存在があることが明らかとなる。

『ロボット刑事』のあらすじ・ストーリー

Kの登場

左から新條、芝、K。

ベテラン刑事の芝大造(しば だいぞう)は、科学捜査をメインとした特別科学捜査室の室長に任命され、「これでは足で稼いで調査することができない」と不貞腐れていた。そんな折に都内で不可思議な密室殺人事件が発生し、「これは人間には実行不可能な犯罪だ」と警察は頭を抱える。
捜査が難航する中、芝の前に「K」(ケイ)を名乗る顔を仮面で覆った人物が現れる。Kは自らを「人ではなくロボットである」と紹介し、捜査に協力すると申し出る。Kによれぱ、密室殺人の犯人もまたロボットで間違いないという。

訝しむ芝だが、Kと共に捜査を進めていった結果、果たして彼の言葉が正しかったと知ることになる。真相を突き止められた犯罪者ロボットは暴れ出すが、Kがロボットとしての本性を表してこれを撃破。事件は無事に解決する。
Kは警視庁に正式に貸与された存在であり、芝のチームに正式に加わる。その高い性能と正義を愛する心を他の慶次たちが頼りにする中、芝は「ロボットなど信用できない」、「もしかして今回の犯人のロボットの仲間なのではないか」と内心でKを警戒するのだった。

犯罪組織バドーの暗躍

その後も都内を中心に、ロボットによる様々な怪事件が発生する。これらの事件の裏には、犯罪用ロボットのレンタルを行うバドーという組織の暗躍があった。
バドーの首領は霧島ジョージ(きりしま ジョージ)という男で、父を犯罪者に殺されたことで人間そのものへの深い憎悪に囚われてバドーを結成。自分の作り出したロボットで人々が殺し合い、自らの欲で破滅していく様を眺めて復讐心を満たすようになっていた。

これに気づいたジョージの姉である霧島サオリ(きりしま サオリ)は、バドーに対抗するために巨大要塞「マザー」を建造。さらにKを作り出し、バドーの動向を調べるために警視庁にこれを貸し出していたのだった。
人間への憎悪のまま悪の道を突き進むジョージを止めるため、Kは芝と共に怪事件を追い続ける。

刑事たちの絆

Kはロボットではあったが感情豊かで、バドーのロボットと戦う一方で犯罪に巻き込まれた人々を思って悲しみ、あるいは理不尽に日常を奪う犯罪者に対して怒る真っ当な正義感の持ち主だった。
当初Kのことを「バドーのロボットと変わらない」とまで見ていた芝だったが、様々な事件の中でKが苦悩し、様々な犯罪に立ち向かっていく姿を見て、次第に彼を相棒として認めていく。

芝以外の刑事たちもKのことを信頼し、彼らは1つのチームとして協力して事件を捜査していくようになる。特に芝の後輩の新條強(しんじょう つよし)は特にKと強い絆を結び、その並外れた身体能力でたびたびバドーの戦闘員との戦いでも活躍するようになっていった。

火星の決戦

Kと芝たちの活躍を疎んじたバドーは、彼らを排除すべく本格的に動き出す。芝の娘を誘拐し、彼に屈服するよう迫ったのである。
Kは新條と共に芝の娘たちを捜索し、2人を救出。それを妨害するバドーのロボット・ハグルマンと幾度となく交戦する中、彼らの本拠地が火星にあること、ジョージもそこにいることを突き止める。

1人火星に赴いたKは、苦戦しながらもハグルマンを撃破。自分の敗北を認めたハグルマンは、「バドーと共に死ぬ」と宣言し、ジョージと共に自爆。首領を失ったバドーは壊滅する。
地球に戻ってきたKは、芝や新條たちに盛大に出迎えられる。Kの力と人柄を認めた芝は、「ずっと一緒にやってくれ」と、彼をこれからも相棒としたい旨を本人に伝えるのだった。

『ロボット刑事』の登場人物・キャラクター

K(ケイ)

CV:仲村秀生

霧島カオルによって作られたロボット。ロボットながら感情豊かで、性格は真面目で高潔。
体内に機関銃やミサイルなどを内蔵しており、悪のロボットと戦う際は上着を脱ぐ。

芝大造(しば だいぞう/演:高品格)

Kの上司となるベテラン刑事。特別科学捜査室の室長に任命されたことを「足で稼いで捜査することができない、左遷された」と嘆く古風な人物。
当初はKを信用していなかったが、その人柄を知るに従い、相棒として認めていった。

新條強(しんじょう つよし/演:千葉治郎)

芝の後輩の刑事。純粋な性格の熱血漢で、Kのこともすぐに「頼りになる新しい同僚」と認めて信頼するようになった。
並外れた身体能力の持ち主で、バドーとの戦いにも積極的に参加。手錠に縄を括り付けたものを得物として使用する。

霧島サオリ(きりしま サオリ/演:君夕子)

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