風都探偵（仮面ライダーW）のネタバレ解説・考察まとめ

地球の本棚から抽出した「記憶」をUSBメモリ状の記憶媒体に封入したもの。1本につき1つの事柄に関するあらゆる情報が詰め込まれている。その種類は「トリケラトプス」や「マグマ」といった物から「恐怖」「禁忌」といった抽象的な概念まで神羅万象に及ぶ。
スイッチを入れて身体に挿入することで超常的な力を持つ怪物「ドーパント」に変身し、メモリに記録された「地球の記憶」を元にした能力を使いこなすことができる。メモリと人には相性があり、相性の良い人間がメモリを使えばより強いドーパントとなる。求める者の元へ相性の良いメモリが引き寄せられることもある。しかしメモリには毒素が含まれているため、使えば使うほど蝕まれ身も心も怪物と化していくこととなる。
メモリ使用者は生体コネクタを付ける処置を受けており、普段は見えないが、対応するメモリのスイッチを入れると身体にコネクタが浮かび上がる。

ドーパント

ガイアメモリを使った者が変身する怪人。メモリに収められた「地球の記憶」を元にした超常的な力をふるうことができる。
ガイアメモリとは地球上のあらゆる事象から生み出せるものであるため、ドーパントの力もまた多種多様である。しかし1つのメモリから引き出せる力はその事象に関連したもののみであり、フィリップが地球の本棚にアクセスして能力の手がかりからキーワードを絞り込むことでメモリの正体を特定することが可能。
ドーパントを人間に戻すには仮面ライダーの必殺技「マキシマムドライブ」を当てる必要があり、成功するとメモリが身体から排出・破壊される「メモリブレイク」が起きる。しかしメモリブレイクしても毒素の浸食などで変身者が死亡してしまうケースもあり、慎重で確実な対処が求められる。

メモリドライバー

腰に装着するベルト状の機器で、バックルに当たるドライバーにガイアメモリを挿入することでメモリの力を得た姿に変身することができる。ドライバーを使用した変身ではメモリの毒素が体内に入り込むことがなく安全だが、出力が抑えられるため強さの面では生体コネクタによる変身に劣る。
仮面ライダーに変身できるドライバーには翔太郎とフィリップが使う「ダブルドライバー」、照井竜（てるい りゅう）が使用する「アクセルドライバー」などがある。
ミュージアムの幹部が所持する「ガイアドライバー」、裏風都の幹部の証「ガイアドライバーrex」を使えば毒素のリスクを負わずにドーパントに変身することができる。さらにガイアドライバーrexには、変身中に2本目のメモリを挿入することでその能力を強化装備のように「レイズする」機能がある。

ハイドープ

『風都探偵』で初めて明かされた概念。ガイアメモリを長く使用し続けることで限界以上の力を引き出し、新能力の覚醒にまで至った者のこと。さらにドーパントに変身する前であってもその能力を使うことができるようになっており、翔太郎たちにとっては非常に手ごわい敵である。
万灯雪侍（ばんどう ゆきじ）はハイドープあるいはそこに至る素質のある者たちを仲間に引き込み、裏風都へと誘っている。またメモリの力を引き上げる薬を開発しており、目を付けたメモリ使用者に支援という名目で服用させハイドープへと導いている。

敵対組織

ミュージアム

『仮面ライダーW』にて暗躍した敵組織。テラー・ドーパントに変身する園咲琉兵衛（そのざき りゅうべえ）と、彼の娘である冴子（さえこ）と若菜（わかな）が中心となって運営されており、風都の街にガイアメモリを流通させていた。人類を地球の記憶と一体化させて強制的に進化させる「ガイアインパクト」が最終目標。
当初は地球の本棚にアクセスする能力を得た末子・来人（らいと）を使って手に入れた地球の記憶からガイアメモリを生産していたが、鳴海荘吉によって来人を解放されたために計画が困難になった。
仮面ライダーの活躍によって組織自体は壊滅したが、彼らがばらまいたガイアメモリや関連の物品は風都の闇の中に紛れており、その爪痕は深く残り続けている。

裏風都

『風都探偵』における敵組織が拠点とする場所の名前。具体的な組織名が存在しないので、彼ら自身を指す言葉としても使われている。
その名の通り風都の裏側とも言うべき異世界であり、地球の本棚に全く情報がない。「ビゼル」という特殊なカードを使うことで行き来することができる。街並みだけは風都とよく似ているが全く風が吹かない、怪しげな紫色の空に黒い道など非常に不気味な景色で、風都タワーがあるべき場所には巨大な尖塔が立っている。
黒い道は「ロード・ドーパント」の能力によって造られたもので、裏風都の街並みは大勢のロードたちの手で広げられている。
万灯雪侍が支配する空間であり、ハイドープとなった者たちを仲間としてこの街へ招いている。

『風都探偵』の名言・名セリフ／名シーン・名場面

左翔太郎（ひだり しょうたろう）・フィリップ「さぁ、おまえの罪を数えろ！」

「さぁ、おまえの罪を数えろ！」とは、仮面ライダーWの決め台詞。翔太郎たちの師である鳴海荘吉（なるみ そうきち）から受け継いだ言葉である。自分の犯した罪を振り返り、その一つ一つに向き合えというような意味。
Wがドーパントになった人を極力殺さないよう努めるのも犯した罪に向き合わせる、つまり「己の罪を数えさせる」ため。
この精神は探偵助手となったときめにも受け継がれている。

ときめ「後先考えないで彼女を守る。探偵がいつもそうしてるように…！」

第13話に登場する台詞。ときめは「後先考えないで彼女を守る。探偵がいつもそうしてるように…！」と叫び、上空に依頼人を連れ去ろうとする「メガネウラ・ドーパント」にしがみついた。自分の素性を覚えていないときめが「今は探偵の助手だ」と名乗り、翔太郎に倣って命がけで人を守ろうとする名シーンである。

フィリップ「ぼくは取り戻したい。それ以外の選択肢は無い。相棒が愛した女性なのだから！」

第135話に登場する台詞。記憶を取り戻し風都を去ったときめを探すため、フィリップは新兵器「ネオスパイダー」を翔太郎にプレゼントした。ときめを忘れようとしていた翔太郎に苛立ちを覚えていたフィリップは、「なぜ忘れる必要がある？ なぜ素直に取り戻したいと言わないんだ！？」と迫った末に「ぼくは取り戻したい。それ以外の選択肢は無い。相棒が愛した女性なのだから！」と想いをぶつけた。
相棒である翔太郎を奮起させる熱い台詞であると同時に、当初は人の心など欠片も理解していなかったフィリップが自らの力でこの考えに至ることができるようになったという確かな成長を感じさせる場面である。

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