草摩由希(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩由希(そうま ゆき)とは、高屋奈月の漫画作品『フルーツバスケット』に登場する、十二支の子(鼠)の物の怪に取り憑かれた人物である。容姿端麗で文武に優れ、学校では「王子様」と称されファンクラブまで存在する。しかし、神である草摩慊人の虐待や、兄を始めとする他の物の怪憑きの拒絶もあって本人の自己肯定感は低い。それでも、ヒロイン本田透との生活の中で徐々に変わろうと努力する。猫憑きの草摩夾との仲は険悪だが、一方で誰とでも仲良くなれる夾に憧れを抱いていた。

草摩由希の概要

草摩由希(そうま ゆき)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する主要人物の1人で、十二支の子(鼠)の物の怪に取り憑かれた人物である。
草摩家に置いて子憑きは「知恵を用いて1番乗りをした優れ者」と目されており、「子憑きは何をやっても優れている」と目される。由希もまた、勉学やスポーツ、武術と特技が多い。気品溢れる端麗な容姿も相まって、学校では王子様と目され女子生徒にモテる。「プリンス・ユキ(略称"プリ・ユキ")」というファンクラブまである。
基本的に何でもできるが、掃除や料理ができないなど家事能力は低く、決して完璧な人間ではない。紫呉に家の近くに小さいながら家庭菜園を持っている。
巳(蛇)憑きの草摩綾女(そうま あやめ)という兄がいるが、10歳離れている上、幼い頃の環境もあってまともに話したことすらなかった。高校入学後、破天荒な性格の兄の歩み寄りに戸惑いつつ、彼が自分を想って精いっぱいの努力をしてくれていることを受け入れる。
幼い頃から、当主にして十二支の神に当たる草摩慊人(そうま あきと)の遊び相手としてその傍にいたが、その境遇は由希自身が望んだものではなかった。突如精神的に不安定になった慊人による虐待を受け続け、精神を病んでしまう。戌(犬)憑きの草摩紫呉(そうま しぐれ)の誘いで本家を出て、彼の家で暮らすようになった。その後クラスメイトの本田透(ほんだ とおる)、猫憑きの草摩夾(そうま きょう)とも同居するようになる。
神と十二支の絆という呪いに苦しむ物の怪憑きではあるが、由希は透との生活の中で癒されて、徐々にだが呪いに縛られることなく自らの道を歩み出す。高校2年次から生徒会長を務め、副会長の真鍋翔(まなべ かける)に振り回されつつも彼と友情を育む。真鍋の異母妹で生徒会役員の倉伎真知(くらぎ まち)と惹かれ合い、最終的に結婚に至った。

草摩由希のプロフィール・人物像

CV:久川綾(旧アニメ版)、島崎信長(新アニメ版)、島袋美由利(新アニメ版幼少期)

頭脳明晰で、沈着冷静な性格。共に暮らす戌(犬)憑きの草摩紫呉(そうま しぐれ)や、自ら十二支の一因になりたがる猫憑きの草摩夾(そうま きょう)に毒舌を吐く腹黒い一面もあるが基本的に優しい。家では子憑きとして尊ばれ、学校では王子様扱いを受けるが、自身は幼い頃に神である草摩慊人(そうま あきと)から否定の言葉を掛けられ続けたこともあり、自己肯定観は低い。
紫呉の家の近くでテント暮らしをしていたクラスメイトの本田透(ほんだ とおる)と同居することになる。透の同居を紫呉が勧め、慊人が許したことには何か裏があると気付いた。それでも透との暮らしに安らぎを感じ、彼女を守る為に奮闘する場面もある。また、自分自身が変わっていくために、慊人や一族内での地位の確立のために自分を産んだ母と向き合おうと決意。わずかずつではあるが、進歩を見せる。透に対し異性として好意を寄せていると思っていたが、実際に彼女に求めていたのは母性だった。
巳(蛇)憑きの草摩綾女(そうま あやめ)は兄だが、幼児期に拒絶されたこともあり苦手に感じていた。それでも綾女自身からの歩み寄りや、彼を知ることにより兄弟の仲も縮まっていく。
夾とは「バカ猫」、「クソ鼠」と罵り合う中で互いに嫌い合っているように思われたが、簡単に人の輪に入っていける彼に憧れてもいた。

草摩由希の能力

子憑き

由希には、十二支の子(鼠)の物の怪が憑いている。異性と抱き合う、もしくは抱き着かれる、体力が落ちるなどすると鼠に変身する他、鼠と意思が通じ、何もしなくても鼠が寄ってくる。放っておけば元に戻るが、変身時に服が脱げてしまうので戻った時は全裸になっている。尚、戻る時間はまちまち。
作中では、崖崩れで埋まってしまった透のテントから彼女の私物を掘り起こすべく、大量の鼠を動員した。

武術

先に武術の稽古を始めたのは夾(左)だが、由希(右)は彼に負けたことはない。

幼い頃、親類の草摩藉真(そうま かずま)が営む道場に通っていた由希は、その華麗な容姿からは想像もつかない武術の手腕を発揮する。武術を始めたのは夾が先だが、何事も他者より優れるという子憑きの特性ゆえか、由希は夾との勝負に負けたことはない。夾は1度寝込みを襲ったことがあるが、その時の由希は通常以上の強さだったことから、普段の夾との勝負の際手を抜いている模様。

草摩由希の来歴・活躍

子憑きの少年と神を宿す当主

幼い頃、由希(左)は十二支の神である慊人に会わされた。

草摩由希(そうま ゆき)は、一族待望の「子憑き」として誕生した。子憑きとは、十二支の鼠の物の怪に取り憑かれた人物で、草摩家には他にも十二支に関する動物に取り憑かれた「物の怪憑き」がいた。子憑きの誕生が待ち望まれていたのは、「神様が動物たちを招いて宴をした。鼠は牛の背に乗り、1番乗りを果たした」との昔話にちなみ、「知恵を用いて一番になった優れ者」と見なされていた為であった。実際子憑きは文武共に何をやっても優れており、由希もまたその特性を備えていた為、有望視されていた。
幼い頃、由希は母に連れられて、十二支を招き宴を開いた神を宿す当主の草摩慊人(そうま あきと)に引き合わされる。慊人に対し、「会いたかった」、「抱きしめたい」、「愛おしい」との気持ちと「会いたくなかった」、「逃げ出したい」、「憎らしい」との相反する気持ちが生じる。それは由希自身というより、彼の内に巣食う物の怪の声だった。
由希はそのまま、慊人の遊び相手となる。慊人は「鼠は神である自分と同じく、特別な存在」と言った。

概ね穏やかな日々が過ぎて言ったが、慊人は、ある日突然捩じれてしまった。それまで、少し癇癪を起こす程度だった慊人は、突如由希を「自分が構ってやらなきゃ価値がない」、「お前は親に捨てられた」、「鼠は嫌われ者」と言い出す。
神と十二支だけが参加できる正月の宴に毎年顔を出していた由希だが、他の物の怪憑きと会話したこともなかった。ある年の宴の夜、由希は猫憑きの草摩夾(そうま きょう)と出会う。夾のオレンジ色の髪を美しいと感じる由希だが、夾からは鼠だからというだけで拒絶された。兄である巳(蛇)憑きの草摩綾女(そうま あやめ)とも言葉を交わしたことがなく、由希は次第に自分の境遇に居心地の悪さを覚えていく。慊人はそんな由希に、連日彼の人生や存在を否定する言葉をかけて言った。

初めての友達・絶望

子憑きである由希は、他の物の怪憑きよりもレベルの高い小学校に入学した。学校ではあまり目立たないように生活していた由希に、クラスメイトが話しかけてきた。初めてできた友達に喜んだ由希は、その中にいた草摩の子も含めて彼らを本家に誘う。浮かれていた為に女の子に注意を払うのを忘れ、抱き着かれた由希は鼠に変身してしまった。騒ぎの後、友達は辰(龍)憑きの草摩はとり(そうま はとり)によって由希に関する記憶を消されることになった。
再び孤独になった由希は、学校の帰り道で風に飛ばされてきた帽子を拾う。それは夾のものだった。帽子を追ってきた夾だったが、由希が拾ったのを見て踵を返し、親代わりの草摩藉真(そうま かずま)の下へと走って行った。
一族内で尊ばれてはいても、由希が本当に欲しい抱きしめてくれる両親、帰りたいと願う家、みんなが離れていかないような自分は決して手に入らないものだった。元より喘息を患っていた由希は、時折寝込むことがあった。物の怪憑きの親には一族内での高い地位と高額の養育費が与えられるが、子憑きの親はいずれも別格のものを得られる。由希の両親はその待遇に満足し、息子に構うことはなかった。兄の綾女もまた、年の離れた弟には何の関心も示さない。近づいてくるのは慊人のみで、由希を気遣うのではなくその精神を傷つける言葉のみをかけていった。

ある朝の出来事

迷子の少女透(左)に、帽子をかぶせる由希(右)。

夾に帽子を返さなくてはと思うが、受け取ってもらえないだろうと由希は考える。夾は、由希がこの世からいなくなればいいと言った。自分の価値を見出せずにいた由希の頭に、この世から消えれば役に立てるだろうかとの考えがよぎる。
夾、慊人、綾女などのことを考えるうち、心のどこかが弾けて飛んだ。由希はがむしゃらに動きたい、駆け出したいとの衝動に身を任せ、家を飛び出して明け方の街を疾走した。自分を痛めつけたかっただけとも、奮い立たせたかったとも取れる行動で、由希は後に「諦めが悪かった」と述懐することになる。
知らない街についても走り続けた由希の耳に、言い争う声が入った。娘がいなくなったと錯乱する若い母親と警官の声だった。自分で探しに行くと言い出したその母親を見て、由希は「あんなお母さんもいるのか」と感じる。

その時、由希は先ほど走っていた時小さな女の子が泣いているのを見かけたことを思い出す。その場所に戻ると、母親が言った特徴通りの少女がいた。先ほどの母親に知らせようと走り出すと、少女は由希の後を追ってきた。転んでもついてこようとする少女を見て、由希は彼女の誘導を始める。
頼りにされていることを嬉しく思いながら、由希は少女の家の付近に着いた。頑張ってついてきた少女の頭に帽子をかぶせると、由希は力尽きて鼠に変身してしまう。それでも、少女にその姿を見られることはなく、母娘の再会を見届けた。
自分でも誰かの役に立てたことに満足した由希だが、その後も慊人による精神的な虐待は続いた。

耐えきれなくなった由希を、戌(犬)憑きの草摩紫呉(そうま しぐれ)が連れ出した。家の決めた男子校への進学が決まっていた由希だが、紫呉の家で暮らすのを機会に自ら海原(かいばら)高校という教学に入学した。自身の顔つきを「女顔」とコンプレックスに感じていた由希だが、他者からすれば気品のある美貌であり、海原高校では彼を慕う女子生徒によって「プリンス・ユキ」と呼ばれるファンクラブができる。
尚、由希はこの時知らなかったが、かつて明け方の街中で迷子になっていた少女・本田透(ほんだ とおる)もまた海原高校に入学しており、由希と同じクラスにいた。

本田透と草摩夾との同居

ある朝、紫呉が透と話していた。十二支の秘密を話しそうな状況だったため、由希は紫呉を止め、せっかくだからと透と共に登校する。帰り道、透と一緒になった由希は、彼女から十二支の猫について聞かれた。透は鼠に騙され宴会に参加できなかったという猫を憐れみ、いつしか「猫年があるならそれになりたい」と願う猫年ファンになっていた。
幼少期から数年が経過し、夾と由希の仲は険悪なままだった。夾はいわば仲間外れの存在であり、十二支の一員になりたがっていた。由希からすれば、そんな夾の願いは愚かしいものでしかなく、透の問いに「馬鹿だよ、猫は」と返した。「猫が嫌いなのですか?」との問いに、由希は何ともいえない表情で返した。
その夜、透が紫呉の家の近くにテントを立てて住んでいることが分かった。母子家庭で育った透は祖父の家に住んでいたが、叔母夫婦の同居に伴い家を改築することになり、テントで暮らすことに決めたと言う。しかし、テントは崖崩れに巻き込まれてしまう。
テントの中には透の母である本田今日子(ほんだ きょうこ)の写真があった。写真を取り出そうとした透だが、熱を出して倒れ込む。紫呉は「君が倒れたら、お母さんが悲しむ」と言って自身の家で透を休ませた。
由希は、大量の鼠を動員して透の私物を土砂から掘り起こす。透は由希にとって一クラスメイトに過ぎなかったが、自分以上の苦労をしながらそれをおくびにも出さない彼女が心配だったこともあり、改築が終わるまで紫呉の家に住むよう勧める。紫呉も家事が得意だという透を歓迎。

そこに、夾が現れた。道場主である藉真から武術の手ほどきを受けた夾は、由希と同い年ながらかなりの使い手になっていた。しかし、子憑き故か後から武術を始めたはずの由希の方が強くなっており、ますます夾から対抗心を燃やされてもいた。驚いた拍子に透が夾に抱き着き、次いで由希、紫呉も抱き着かれて透の目の前で変身してしまう。
紫呉は「下手に隠すよりは」と物の怪憑きの秘密を話した。透はそのことに驚きはしたが、由希たちを怖れることも蔑むこともなかった。紫呉の報告を受けた慊人は、秘密厳守を条件に透の記憶を消すことなく紫呉の家に彼女が住むことを許し、夾もまた同居させるよう命じた。突如始まったこの奇妙な同居に、由希は紫呉や慊人の陰謀を感じ取る。

透により変わり始める由希の世界

ninja
ninja
@ninja

Related Articles関連記事

フルーツバスケット(フルバ)のネタバレ解説・考察まとめ

フルーツバスケット(フルバ)のネタバレ解説・考察まとめ

『フルーツバスケット』とは高屋奈月による漫画作品。白泉社の『花とゆめ』で、1998年16号から2006年24号まで連載。2001年にアニメ化され、2019年には全編が再アニメ化された。同級生の草摩由希が住む草摩家の分家宅へ居候することになった、主人公の本田透。そこから物の怪憑きの体質を持つ草摩家の人々と関わっていくことになる。略称は『フルバ』・『フルバス』。2009年には劇団スタジオライフにより舞台化された。

Read Article

フルーツバスケット(フルバ)の草摩家・草摩一族まとめ

フルーツバスケット(フルバ)の草摩家・草摩一族まとめ

『フルーツバスケット』とは、高屋奈月による漫画、及びそれを原作とするアニメ作品である。母と家を失いテント暮らしをしていた女子高生の本田透は、十二支の呪いに取り憑かれた一族・草摩家と関わりを持つようになる。学校で王子と慕われる由希、幼い頃から由希をライバル視する夾を始め、十二支と猫の物の怪に取り憑かれた者たちやその関係者、彼らが関わる人々の心の傷や救済を描く。本項では、草摩家とその一族についてまとめる。

Read Article

フルーツバスケットの恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

フルーツバスケットの恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

『フルーツバスケット』とは、恋愛要素が強いロー・ファンタジー漫画。作者は高屋奈月である。公式略称は「フルバ」、「フルバス」など。1998年に白泉社の『花とゆめ』にて連載がスタート。2006年に完結した。2001年にTVアニメ化され、2019年にキャストなどを一新して再びTVアニメ化された。主人公に女子高生・本田透(ほんだ とおる)を始めとする魅力溢れるキャラクターが多数登場。キャラクター同士の時に甘く、時に苦い恋愛模様が描かれている。

Read Article

フルーツバスケット(フルバ)のあらすじ・ストーリーまとめ

フルーツバスケット(フルバ)のあらすじ・ストーリーまとめ

『フルーツバスケット』は日本の漫画家・高屋奈月による少女漫画。通称は「フルバ」。1998年に白泉社の『花とゆめ』で連載を開始し、2006年に完結した。単行本は全23巻。 主人公の本田透は高校に入学して間もなく母親を交通事故で亡くしてしまった。ひょんなことから透は同じ高校に通う草摩由希が暮らしている家に厄介になる。草摩家は代々続く名家。そんな名家には十二支にまつわる重大な秘密があった。透は草摩家の人間と関わるようになっていき、その母性あふれる優しさで心の傷を癒やしていくのだった。

Read Article

草摩夾(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩夾(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩夾(そうま きょう)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する、十二支の仲間になれなかった猫の物の怪憑きの少年である。仲間外れの存在として、幼い頃より一族中から疎外されてきた。神と同じく尊ばれる子憑きの草摩由希に勝つことを望み、彼との仲は良くないが本心では互いを羨んでいる。ぶっきらぼうで喧嘩っ早いが、根は優しく由希以外の人物に意味なく喧嘩を売ることはしない。ヒロイン本田透を気遣い、彼女と惹かれ合うようになる。

Read Article

本田透(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

本田透(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

本田透(ほんだ とおる)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』の主人公である。両親を失いながらも、前向きに生きる少女。他人を思いやり、相手をあるがままに受け入れる慈悲深さを持つ。天然ボケの気があり、ずれた言動も多いが本人が言う所の頑固さも持ち合わせている。十二支の呪いに苛まれる草摩(そうま)家と関わりを持つ中、十二支と猫の物の怪に取り憑かれた「物の怪憑き」を救いたいと願うようになる。

Read Article

本田今日子(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

本田今日子(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

本田今日子(ほんだ きょうこ)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する、主人公・本田透の母である。旧姓は勝沼。「赤い蝶」の異名を持つ伝説的なヤンキーだったが、結婚してからは落ち着き、子煩悩な母親になった。今日子自身は物語開始時点で故人だが、それでも度々透やその友人・魚谷ありさの話題に上るほどに慕われている。透が幼い頃、十二支の始まりの昔話をし、彼女に「十二支になれなかった猫」への愛着を持たせるきっかけになった。

Read Article

草摩紫呉(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩紫呉(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩紫呉(そうま しぐれ)とは、高屋奈月による漫画作品『フルーツバスケット』に登場する、戌(犬)の物の怪に取り憑かれた人物である。一見すると爽やかな美形で性格も飄々としている。その一方で自身を「最低」と評するように、十二支の神である草摩慊人を自分のものにするという己の野望の為に他者を利用する。といっても完全な悪人ではなく、物の怪憑きを受け入れる本田透を巻き込むことへの罪悪感も口にした。職業は小説家で、時たま迷い、悩む若者たちに道を示すこともある。

Read Article

草摩潑春(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩潑春(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩潑春(そうま はつはる)とは、高屋奈月の漫画作品『フルーツバスケット』に登場する、十二支の丑(牛)の物の怪に取り憑かれた人物である。普段はつかみどころのない印象ながら優しく、他者を気遣うことが多い。しかし、キレると好戦的な「ブラック春」と呼ばれる状態になる。特徴的な白髪は地毛。幼い頃、自分のコンプレックスを拭ってくれた子(鼠)憑きの草摩由希を特別視し、彼を心配している。午(馬)の物の怪憑きである草摩依鈴とは相思相愛だが、互いを想い合うが故の障壁もある。

Read Article

草摩依鈴(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩依鈴(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩依鈴(そうま いすず)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する、午(馬)の物の怪に取り憑かれた人物である。他者に手厳しい態度を取るが、その実は恋人の草摩潑春を呪いから解放し、主人公本田透を傷つけまいとする優しい性格。1人ですべてをしょい込む傾向にある。その一方、軽率で詰めの甘い一面もある。当初はロングヘアだったが、十二支の神に当たる草摩慊人に髪を切られてからはショートヘアになった。

Read Article

草摩はとり(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩はとり(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩はとり(そうま はとり)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する十二支の辰(龍)の物の怪に取り憑かれた人物で、草摩家の主治医である。当主の草摩慊人や父の命令に従い、十二支の呪いを知った人物に「記憶の隠蔽」と呼ばれる催眠術を施してきた。クールな見た目と物言いが特徴的だが性格は優しい。主人公の本田透が草摩家に深入りすることで元恋人の草摩佳菜のように傷つかぬよう、これ以上関わるなと忠告した。数百年続く神と十二支の絆を「呪い」と表現した、作中最初の人物。

Read Article

草摩紅葉(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩紅葉(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩紅葉(そうま もみじ)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する、十二支の卯(兎)の物の怪に取り憑かれた人物である。ドイツ人とのハーフで、金髪と愛らしい外見が特徴。明るい性格も相まって人に好かれやすい。「神と十二支の絆」という呪いが元で母から拒絶され、その記憶からも消えてしまう。それでも、両親の心中を思いやる優しい心を持つ。主人公の本田透に想いを寄せるが、猫憑きの草摩夾と両想いなので告白はしなかった。作中において呪いが解け、改めて自分の人生を進む。

Read Article

花島咲(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

花島咲(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

花島咲(はなじま さき)とは、高屋奈月の漫画作品『フルーツバスケット』の登場人物。主人公・本田透の友人である。表情に乏しく無口だが、友達想いで透を大事に思っている。「電波」と呼ばれる特殊な波長を読み取り、操る能力を持つ。透やもう1人の友人の魚谷ありさには寛容だが、その他の人物に対しては容赦ない毒舌を浴びせる他、お仕置きと称する「毒電波」を浴びせることもある。電波の力を操り切れなかった小学生時代、クラスメイトを殺しかけたと思い込み、贖罪として黒い服を着るようになった。

Read Article

草摩慊人(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩慊人(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩慊人(そうま あきと)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する十二支の神に当たる人物で、草摩家の当主である。十二支の物の怪に取り憑かれた「物の怪憑き」たちを絆という呪いで縛り付け、その心身を徹底的に痛めつける。登場時より不穏な言動が多かったが、本当は誰よりも絆に縛られ苦しんでいた。母の草摩楝の命令で男性として育てられたが、実は女性。主人公本田透との出会いが元で加速する環境の変化に怯えるも、最終的にすべてを受け入れる。

Read Article

草摩綾女(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩綾女(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩綾女(そうま あやめ)とは、高屋奈月の漫画作品『フルーツバスケット』に登場する巳(蛇)の物の怪憑きで、主要人物の1人の草摩由希の兄である。女性と見まがうロングヘアと美貌、詩的かつ大仰な口調と振る舞いが特徴。学生時代、己の自由と引き換えに由希を無視していたことを後悔しており、関係改善に努める。同級生の草摩紫呉と草摩はとりとは「真のマブダチトリオ」を自称する。洋裁店を営んでおり、店員の倉前美音とは恋仲でもある。

Read Article

草摩杞紗(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩杞紗(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩杞紗(そうま きさ)とは、高屋奈月の漫画作品『フルーツバスケット』に登場する、十二支の寅(虎)の物の怪に取り憑かれた人物である。登場時は特徴的な髪や目の色が原因で中学でいじめに遭い、失語症を患い不登校状態にあった。主人公の本田透によって心を救われ、再び学校に通い出す。その後は透を「お姉ちゃん」と呼び慕う。未(羊)憑きの草摩燈路と仲が良かったために当主の草摩慊人に暴行を受け、燈路との仲が気まずくなっていたが、後に和解し、恋仲となった。

Read Article

草摩利津(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩利津(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩利津(そうま りつ)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する、申(猿)の物の怪に取り憑かれた人物である。男性だが、精神的な負荷が軽くなるとの理由で女装をしている。自責思考が強く、事あるごとに「ごめんなさい」と取り乱す。自分に自信がないが、猿の特性で身体能力は高い。また女装姿に全く違和感がなく、主人公の本田透からは女性だと思われていた。後に、親類で作家の草摩紫呉の担当編集である満と交際を始める。

Read Article

草摩紅野(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩紅野(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩紅野(そうま くれの)とは、高屋奈月の漫画作品『フルーツバスケット』に登場する、十二支の酉(鳥)の物の怪に取り憑かれた人物である。実はとうの昔に「十二支と神の絆」という呪いから解放されているが、当主にして神の草摩慊人を見捨てられず取り憑かれたフリをしている。慊人が望まなくなるまで傍にいると決めていたが、コンビニ店員の魚谷ありさに心惹かれる。他の物の怪憑きに訪れる変化を後押しし、慊人にも変わる現実を受け入れさせようとした。

Read Article

草摩藉真(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩藉真(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩藉真(そうま かずま)とは、高屋奈月の漫画作品『フルーツバスケット』の主要人物の1人・草摩夾の養父であり、武術の師匠である。幼い頃、十二支に入れなかった猫の物の怪に取り憑かれた祖父を残酷な言葉で拒絶。祖父の死後、新たに生まれた猫憑きの草摩夾を見て、その環境の理不尽さを思い知る。母を失い、父からも拒絶された夾を引き取ったのは贖罪の為だったが、次第に父性が芽生えていった。祖父のように幽閉される未来から夾を救おうとした。

Read Article

草摩燈路(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩燈路(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩燈路(そうま ひろ)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する、未(羊)の物の怪に取り憑かれた人物である。物の怪憑きとしては最年少。次々と嫌味を繰り出す毒舌家で、年齢も相まって生意気な印象を与える。その一方、幼さ故の浅慮や無力さから、大好きな草摩杞紗を守れない自分へのいら立ちも感じている。杞紗と仲が良い主人公の本田透に嫉妬するが、透からの励ましもあり毒舌攻撃はしなくなる。失敗と成長を繰り返す中、妹の日向が誕生し、杞紗との仲も前以上に良くなっていった。

Read Article

本田勝也(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

本田勝也(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

本田勝也(ほんだ かつや)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』の主人公・本田透の父である。教育実習生時代、不良だった勝沼今日子と出会い、彼女の寂しさに寄り添う。今日子と惹かれ合い、彼女の中学校卒業と同時に結婚。普段は敬語で話すが、本気で今日子と向き合う時などは強い口調となる。透が幼い頃、風邪をこじらせ病死。透が父のように少し変わった敬語を使うのは、「似ていない」と言われた父に少しでも近づこうとしたためで、彼女の記憶にないながらもその人格形成に影響を与えた。

Read Article

魚谷ありさ(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

魚谷ありさ(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

魚谷ありさ(うおたに ありさ)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』の主人公・本田透(ほんだ とおる)の友人である。透からは「魚ちゃん」と呼ばれる。昔ながらのヤンキーといった風体だが、不良行為はとうに卒業した。友達想いの情に厚い性格で、もう1人の友人・花島咲(はなじま さき)と共に透を見守る。透の母・本田今日子(ほんだ きょうこ)に憧れと恩義を感じ、彼女の死後も慕っている。バイト先で草摩紅野(そうま くれの)という人物に出会い互いに惹かれるが、事情があって会えずにいた。

Read Article

真鍋翔(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

真鍋翔(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

真鍋翔(まなべ かける)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』の主要人物・草摩由希の友人である。海原高校の副生徒会長を務める。役職に似合わず軽い性格の持ち主で、度々由希を困惑させる。ふざけた言動が多いが、異母妹の倉伎真知を気遣ってもいる。誰かのために動こうとすることもあるものの、空回りしてしまうことも多い。とはいえ、由希が翔の明るさや前向きさに救われている点があるのも事実で、由希とは親友となる。

Read Article

草摩楽羅(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩楽羅(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩楽羅(そうま かぐら)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』に登場する、亥(猪)の物の怪に取り憑かれた人物である。猫憑きである草摩夾の妻になると公言し、可憐な美少女ながら、猪さながらの猛アプローチを繰り返す。夾を追いかけ始めた本当の理由は、彼の「真の姿」に怯えて逃げた過去をなかったことにする為だった。辻褄合わせで始まった恋だが、いつしか本当に夾を愛するようになっていた。夾の気持ちが主人公の本田透に向いていることもあり、最終的に身を引く。

Read Article

花島恵(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

花島恵(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

花島恵(はなじま めぐみ)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』の登場人物である。主人公本田透の友人・花島咲の弟で、姉と同じで表情に乏しく、トーンダウンした声で話す。特殊な能力を持つために苦しむ咲を見守り、彼女を想ってくれる人が現れることを願っていた。姉の能力解明の研究の中、人を呪う術を身に着ける。その他の点では普通の少年。本人が言うには世渡り上手で、いじめにはあっていない。咲に付き合ってき始めた黒を基調とした服を、「落ち着くから」と着続けている。

Read Article

愛おしくて涙溢れる物語『フルーツバスケット』十二支、神まとめ

愛おしくて涙溢れる物語『フルーツバスケット』十二支、神まとめ

『フルーツバスケット』とは高屋奈月による漫画及びそれを原作とするアニメ作品です。母を失くして一人テント暮らしをする女子高生、本田透。透はひょんなことから十二支の物の怪に取り憑かれた一族、草摩家と関わることになります。可愛い絵柄とタイトルに惹かれて買ってみたら結構ドロドロ?しかし救済もあれば爽やかな部分もある。色々と人生について考えさせてくれる名作です。この作品のキモである「神」と「十二支」についてまとめました。

Read Article

【フルーツバスケット】まだ終わってなかった!続編がある面白い少女漫画まとめ【ママレード・ボーイ】

【フルーツバスケット】まだ終わってなかった!続編がある面白い少女漫画まとめ【ママレード・ボーイ】

『フルーツバスケット』や『ママレード・ボーイ』など、世の中の女性たちがみんな夢中になった少女漫画の数々。連載が終わってしまった時には、なんだか自分の半身が失われてしまったほどの寂しさを感じた方も多いのではないでしょうか。そんなあなたに朗報!なんと、かつての人気少女漫画に続編が登場しているのです。あの頃子どもだった主人公たちも立派に成長して、なんだか感慨深いですね。

Read Article

目次 - Contents