草摩由希(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

草摩由希(そうま ゆき)とは、高屋奈月の漫画作品『フルーツバスケット』に登場する、十二支の子(鼠)の物の怪に取り憑かれた人物である。容姿端麗で文武に優れ、学校では「王子様」と称されファンクラブまで存在する。しかし、神である草摩慊人の虐待や、兄を始めとする他の物の怪憑きの拒絶もあって本人の自己肯定感は低い。それでも、ヒロイン本田透との生活の中で徐々に変わろうと努力する。猫憑きの草摩夾との仲は険悪だが、一方で誰とでも仲良くなれる夾に憧れを抱いていた。

由希の母

CV:大原さやか(新アニメ版)

由希と綾女の母。50歳前後ながら若々しい容姿を保っている。子憑きを産んだ親として、夫共々一族でも破格の地位と待遇を享受。息子たちへの愛情は皆無で、当主の慊人に由希を売るように預けた。自由奔放でつかみどころのない綾女を「馬鹿」と称し、期待を由希にかけていたところもある。由希は「母は、自分を道具として生んだ」と認識し、苦手に感じていた。
由希は長らく母を避けていたが、「逃げてばかりもいられないから」と高校2年の三者面談で彼女を呼んだ。偏差値の高い方である海原高校を「無名の学校」と呼び、担任教師を「独身で子供のことなど分かっていない」と口にするなど終始傲慢な物言いをしていた。
由希が自分の希望進路を言おうとしても、「反抗」と称し聞く耳を持とうとはしなかった。その場に現れた綾女によってペースを乱された上、親である自分に説教をするような口をきいた彼に怒り退室。慌てて追いかけた由希には、母が幼い頃と比べ小さく感じられた。
後に、由希が携帯電話の購入に際し保護者のサインを求めに来た時に再会。この時初めはそっけない態度をとっていたが、「無駄遣いしちゃ駄目よ」と親らしい発言をした。

草摩綾女(そうま あやめ)

CV:宮本充(旧アニメ版)、櫻井孝宏(新アニメ版)、藤原夏海(新アニメ版幼少期)

巳(蛇)の物の怪憑きで、由希の兄。紫呉からは「あーや」と呼ばれる他、紫呉とはとりと「真のマブダチトリオ」を自称する。容姿は由希と似ているが、性格は正反対。「王」を自称するほど自信に溢れており、詩的な口調で他者を自分のペースに巻き込む。洋裁が得意で、「あやめ」という服飾店を経営。「人は誰しも、秘密の花園を持っている」とのことで、店には女装用の衣装も多い。本人曰く他者の気持ちに鈍感で、思いやりに長けるはとりを尊敬している。
高校時代は生徒会長を務めていたが、良くも悪くも破天荒な言動が多く、当時のエピソードを聞いた由希の心証を悪くしてしまった。
10歳という年齢差や、自由気ままを愛する性質もあって、かつては由希に関心がなかった。学生時代は母に折檻される由希を見て見ぬふりをした他、助けを求めて来た彼の手を振りほどいた。そのことを後悔しており、度々紫呉の家を訪れてはほとんど強引に弟を連れ出すなど関係の改善に努める。由希がらみで嬉しいことがあると、「聞いてくれたまえ とりさん!」と電話やメールではとりに報告する。
綾女の由希に対する歩み寄りは一方的な印象を与えるが、三者面談の際一方的に話を進めようとする母を制し、結果その場を収めるなどした。この時由希から「兄さんは頼りになる人だよ」と言われている。

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由希の同居人

本田透(ほんだ とおる)

CV:堀江由衣(旧アニメ版)、石見明日菜(新アニメ版)

主人公で、高校1年時より由希とはクラスメイト。女手一つで育ててくれた母を失い、祖父の家に引き取られた。叔母夫婦との同居に伴い祖父の家の改築が決まったため、友人たちに迷惑を掛けまいとテントで生活していた。
由希や紫呉と出会ったのはテント暮らしをしていた時で、紫呉の家に行っていた折に崖崩れが起き、テントを失ってしまう。慊人の企みもあって、そのまま紫呉の家での生活を始める。由希は、透が慊人や紫呉の陰謀に利用されていると気付いており、彼女に危害が及ばないよう気に掛けていた。
少し変わった敬語で話すが、他者を優先する優しい性格。
由希から記憶の隠蔽について聞いた時、「記憶が消えても、お友達になってくださいね」と笑顔で声を掛けた。家事も得意で、「腐った家」と評されていた紫呉の家を一晩で綺麗にした。
由希は度々透に精神的に助けられており、彼女に好意を持つ。初めは異性として透を好いていると思っていたが、実際に求めていたのは母性だった。

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草摩夾(そうま きょう)

CV:関智一(旧アニメ版)、池田恭祐(旧アニメ版幼少期)、近野桂介(旧アニメ版中1頃)、内田雄馬(新アニメ版)、泊明日菜

猫憑き。オレンジ色の髪が特徴。喧嘩っ早くぶっきらぼうな振る舞いをするが、根は優しい。十二支の仲間ではない存在の上、猫憑きには「真の姿」と呼ばれる異形の変身形態があり、夾は一族中から疎外されてきた。
実母の自殺、実父による拒絶や一族からの疎外の原因は全て「猫を騙した鼠」にあると見て、幼少期から由希を憎んでいた。透に母性を求める由希とは違い、異性として彼女に好意を持つようになる。
由希とは長らく「馬鹿猫」、「クソ鼠」と罵り合う関係で、同居してからは接触する機会が増えた為か度々仲の悪さを見せる。とはいえ、何でもこなせる由希への憧れもあった。由希も初めは夾と友達になりたいと感じており、簡単に人の輪に入れる彼に憧れていた。
透が崖から転落した際、自分では透を守れず傷つけるだけだと落ち込み、見舞いに行かなかった。由希の叱責により、自分が思っていた以上に透にとって大きな存在であること、彼が自分に憧れを持っていたことを知る。
幽閉ではなく透と共に生きていくことを決め、彼女と相思相愛になる。由希との関係も喧嘩友達程度に改善された。

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草摩紫呉(そうま しぐれ)

CV:置鮎龍太郎(旧アニメ版)、中村悠一(新アニメ版)、日野まり(新アニメ版幼少期)

戌(犬)の物の怪憑き。通称は「ぐれさん」、「しーちゃん」など。爽やかな美形で飄々とした態度を取る一方、他者をおちょくって楽しむなどする。慊人を神ではなく異性として愛し、彼女を我が物にする為ならどんな犠牲も厭わない。由希、夾、透を自身の家に引き取ったのも、十二支と神の関係に変化を生じさせるのが目的。食えない印象だが、小説家らしく年少者を諭す場面もある。
透の同居が決まったと伝えた時、勘の鋭い由希から「何かを企んでいる」ことを見抜かれた。

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草摩家の親類

草摩はとり(そうま はとり)

CV:井上和彦(旧アニメ版)、興津和幸(新アニメ版)、長谷川育美(新アニメ版幼少期)

辰(龍)の物の怪憑きで、草摩家の主治医。綾女、紫呉とは同い年で「真のマブダチトリオ」の1人だが、そのことを自称したことはない。真面目でクールな性格をしており、他者と積極的に絡むことはあまりない。十二支の秘密を知った者の記憶を消す「記憶の隠蔽」という催眠術を使う。小学校でできた由希の友人の記憶も消している。隠蔽に関しては父や慊人の命令に従って行っており、自分の使命だと思っていた。しかし、自身も恋人の草摩佳菜(そうま かな)の記憶を消すこととなり、忘れられる辛さを思い知る。

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