真鍋翔(フルーツバスケット)の徹底解説・考察まとめ

真鍋翔(まなべ かける)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』の主要人物・草摩由希の友人である。海原高校の副生徒会長を務める。役職に似合わず軽い性格の持ち主で、度々由希を困惑させる。ふざけた言動が多いが、異母妹の倉伎真知を気遣ってもいる。誰かのために動こうとすることもあるものの、空回りしてしまうことも多い。とはいえ、由希が翔の明るさや前向きさに救われている点があるのも事実で、由希とは親友となる。

真鍋翔の概要

真鍋翔(まなべ かける)とは、高屋奈月の漫画『フルーツバスケット』の登場人物で、主要人物の1人草摩由希(そうま ゆき)の友人である。登場時は海原(かいばら)高校2年生で、同校の生徒会副会長に就任。皆からは名前をもじって「トブナベ君」などと呼ばれる(翔=トブ、真「鍋」=ナベ)。自身は「ショウ」と呼んでほしいようだが、誰も呼んでくれないとのこと。
資産家の長男だが愛人の子で、異母妹の倉伎真知(くらぎ まち)とは幼い頃から父の後継者争いをさせられてきた。思春期にくだらないことに巻き込まれていると感じ、暴れたことで自由を得る。真知のことはそれなりに気遣っているものの、完全に心を開かれているわけでもない。
中学時代、クラスメイトの中尾小牧(なかお こまき)と交際を始める。高校に入り、小牧の父が起こした交通事故の被害者の葬儀に現れ、被害者遺族の本田透(ほんだ とおる)に暴言を吐いた。それは同じく父を失った小牧が加害者遺族として悪く言われるのに対し、透のみが哀れまれていることに苛立ってのことだった。
高校2年次、生徒会副会長に就任する。軽い性格のお調子者で、会長の草摩由希(そうま ゆき)に呆れられ、書記の桜木直人(さくらぎ なおひと)に怒られることも多い。それでも生徒会の仕事には、本人なりに意欲的。由希とは衝突もあったが次第に距離を縮め、彼の本心などを打ち明けられる親友になっていく。

真鍋翔のプロフィール・人物像

CV:江口拓也(新アニメ版)

明るいお調子者。生徒会役員にふさわしからぬ不真面目な言動が多く、由希に飽きられられ、生徒会会計の桜木直人(さくらぎ なおひと)の顰蹙を買っている。とはいえ本人なりに生徒会の仕事には意欲的。
異母妹の倉伎真知(くらぎ まち)や恋人の中尾小牧(なかお こまき)を想い、彼女らの為に行動することもあるが元の性格もあって空回りしてしまうことも多々ある。

真鍋翔の来歴・活躍

妹・真知との後継者争い

真鍋翔(まなべ かける)は、ある資産家の長男として誕生した。本来なら父の後継者として一心に期待を集める身だが、翔の母は愛人であり、本妻にも子がいた。翔の異母妹に当たる倉伎真知(くらぎ まち)は女児であるうえ、翔より1歳下だったが、嫡子として跡継ぎの資格があった。
自身の子を父の後継者に据えるべく、母親同士が熾烈な争いを始める。翔は言われるままに勉学に励むが、中学校に入学した後に違和感を覚えた。自分と真知は、互いの母のプライドの為に戦わされている。それを下らないと感じた翔は、「やってられっかクソがー!」と暴れた。翔の母はその一件で目を覚まし、跡継ぎ争いから身を引いた。
自由の身となった翔は、クラスメイトの中尾小牧(なかお こまき)と交際を開始する。その後、真知の母が男児を出産し、後継者争いは完全に終結した。

恋人・小牧の父の起こした事故

翔が海原高校に入学して間もなく、小牧の父が交通事故を起こして亡くなったとの知らせが入る。翔は小牧と共に被害者の葬儀に赴く。被害女性には、本田透(ほんだ とおる)という娘が1人いるだけだった。小牧も同じ事故で父を失っているのに、透と違い、同情されることもなく悪く言われていた。翔は透に「ムカつくね」と声をかける。葬儀の後、翔が透に暴言を吐いたことを聞いた小牧は、「どっちが不幸かで勝っても嬉しくなんかない」と翔を諫めた。

真知と翔

ある時、翔は真知が一人暮らしを始めたと聞く。親戚の話によれば、真知が弟を妬み、殺そうとしたので自立の名目で家から出されたのだという。元々親類をあまり信じていなかった翔は、話半分にその知らせを聞く。冬のある日、親戚の集まりに出た翔は、雪の中を歩き回る真知を見かけた。その後、真知は度々暴れるようになる。真知自身に話を聞くと、完璧なものや真っ白い物を見ると息が詰まるというのだ。

生徒会副会長に就任した翔

やがて2年生となり、真知が同じ高校に入学してきた。2学期に翔は生徒会副会長、真知は会計に就任する。次期会長には、生徒会長の竹井誠(たけい まこと)が強く勧める草摩由希(そうま ゆき)が就任した。
由希は名家で知られる草摩家の出身で、気品のある端正な容姿、文武に優れた能力から女子生徒に絶大な人気を誇っていた。校内には由希を慕う女子生徒たちによるファンクラブ「プリ・ユキ」まであった。由希は透と親しいようだった。
その他、生徒会メンバーには書記として、翔の知人である藤堂公(とうどう きみ)、1年生の桜木直人(さくらぎ なおひと)がいた。翔は張り切って仕事をするが、真面目な由希、直人からはふざけているようにしか見えなかった。

由希と口論になった翔

翔、公は由希を「ゆんゆん」と呼び始める。翔の同級には透もおり、その他由希の親類だという草摩夾(そうま きょう)もいた。透、由希、夾は仲が良いようだったが、翔には夾と一緒にいる時の透の方が幸せそうに見えた。そう由希に伝えると、由希は「どっちが幸せとか不幸とか、そんなことを天秤にかけて楽しいか?」と言った。翔は小牧にそう言われた時のことを思い出し、由希の持っていたプランターを蹴り飛ばす。口喧嘩となるが、由希はキレたのは翔ではなく自分だと認め、謝罪した。翔は、「どこに立てば相手と同じものが見られるのか。同じ目線で傷つける前に、相手を理解できるのか」と聞き、学習能力のない自分を認め、由希に謝った。
その後、由希と翔の距離は少しずつ縮まっていく。由希には、草摩綾女(そうま あやめ)という兄がいた。容姿は由希を大人にした印象の綾女だが、性格はノリが良く、翔とすぐに打ち解ける。翔は綾女を「司令官」と呼ぶ。
やがて修学旅行の時期が来た。テンションの上がった翔は土産を多数買う中、由希を見かける。由希は透と同じ班だった。由希は、翔が妙に透を気にしていると指摘。翔が透を好きなのではないか、と由希は思っていた。もし翔と透が付き合うことになっても、そのこと自体は2人の自由だから自分は口を出さない。しかし、もし透を悲しませるなら絶交すると由希は言った。
翔は、自分には恋人がいるからその点は心配しなくていいと答える。

由希の想い

真知は生徒会の会議に参加しない。そればかりか、会議で使用する部屋で暴れることが多かった。真知が学校の扉の窓を破壊した現場に居合わせた翔は、一緒にいた由希に「ここは自分に任せてほしい」と言って真知と共に片付けを始める。真知が暴れる理由は翔も知らなかった。自分のせいなのか、と尋ねると真知は逃げ去ってしまう。様子を見に来た由希は翔に真知との関係を聞いてきた。翔は自分と真知の関係、自分が跡継ぎ争いから解放された経緯などを語る。弟が生まれたことで真知も解放されたはずだが、思えば、自由になれていないのかもしれない。翔はそう語る。
由希もまた、親との仲が良好というわけではないようだった。それでも子は親を選べず、変えることもできない。そして、親も子を変えることができない。それならば、ボタンを翔け間違えないようにやっていくしかないと由希は言う。それに対し、翔は掛け間違えたままでも、それが様になればいいじゃんと答え、制服のカーディガンのボタンを掛け違えてみせた。何か間抜けだと失笑する由希に、「しゃーないなって笑えればそれでいいじゃん」と返す。
後日、文化祭の準備をしていた折、由希は学校の一室に閉じ込められる。真知が扉のガラスを割ったため、由希は救出された。由希が辛そうだったため、翔は由希の話を聞く。由希は暗い部屋にいると、幼い頃の辛かったことを思い出すと言った。そんな自分を救ってくれたのは、透だと由希は言う。由希は透に求めていたのは異性としての交際ではなく、母性だった。

真知の好きな色

冬が訪れ2学期が終わりを迎えた。公の提案で、近くにできた店で忘年会を兼ねて集まることになった。自分は行かないと言う真知に、由希は他に用事があるのかと尋ねる。気を遣ってくれなくていいと返した真知に、由希は「真知の目に、世界はどんな風に見えてるのかなと思って」と言った。その言葉は翔には気恥ずかしいものに思えたが、由希には自覚がないようだった。軽口をたたき合いながらも、翔と由希は一緒に帰る。
翌日。約束の時間に待ち合わせ場所に行った翔は、由希と真知が取っ組み合いをしているような光景に出くわした。状況が分からなかったが、真知の手には、由希が修学旅行の土産で渡した紅葉の押し花が握られていた。
翔は「そうか。真知は赤が好きか」と言った。初めて生徒会役員が顔合わせをした時、翔は自身を「戦隊ものでいえばブラック、由希はリーダーだからレッド」と例えた。それに踏まえ、由希の肩に手をかけながら「真知は赤が好きか」と繰り返す。真知が由希に好意を持ち始めているらしいことを、翔は悟ったのだった。

真知の家に行った翔と由希

3年生の卒業式が近づく。卒業を控えた生徒たちが由希や公に告白をするも、皆フラれていた。直人は相手を傷つけることに罪悪感があると話す2人に「そのくらいの業は背負ってしかるべき」と嫌味を言う。翔は直人がモテないから僻んでいるとからかう。公が言うには、直人の想い人が由希を好いているからやきもちではないかと言った。それは当たっていたらしく、直人は真知を探しに行く。
真知は新しいチョークをばらまき、片付けないで去ってしまったらしい。片付けをさせられた女子生徒たちは、由希に真知への不満を漏らし、「弟を殺そうとした」との噂も伝えた。
帰り道、翔は弟殺しの話は半ば本当だと語る。とはいえにわかには信じがたい話である為、いっそ真知の家に行って聞くことになった。真知の家に向かう途中、翔は親戚の集まりに行った際、真知が降り積もった雪の上をグルグルと歩いて足跡をつけていたと話す。
真知はアパートの扉を開けたが、由希を見るや慌てて閉めようとした。強引に中に入ると、内部は散らかっていた。3人で室内を片付け、翔はごみを捨てに行く。真知は、由希に促され暴れる理由を話した。翔とは違い、真知は後継者争いから外れても自由にはなれていなかった。母に言われるように努力してきたが、「勉強以外にとりえのないつまらない子」と認識され、挙げ句「育て方を間違えた」と失敗作であるかのように評された。遂には弟を妬んで殺そうとしたと疑いをかけられ1人暮らしをさせられている。降り積もった雪、まっさらなチョークという完璧なものを見ると息が詰まる。それで暴れてしまうというのが真知の言だった。由希は真知の努力を労い、今度雪が降ったら、一緒に街を歩こうと約束する。陰で聞いていた翔だが、携帯電話が鳴ってしまい2人に怒られた。

透との再会と謝罪

ある時、翔は別のクラスの友人に借りていた教科書を返しに行った。そこには透がいた。透は翔に気付かず、そのことを詫びる。翔もまた、透の母の葬儀の日に暴言を吐いた事を詫び、小牧が元気であることを告げる。学校が終わり、小牧と会った翔は透に詫びたこと、今度は傷つけるようなことを言わなかったと報告した。
翌日、翔は由希と小牧を会わせる。「由希は男装をして高校に通っているが、実は少女」という翔の冗談や、小牧を「肉が好きな肉天使」と呼んだことでいくらか気まずくはなったが、概ね楽しい時間が過ごせた。

えどまち
えどまち
@edono78

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