凶悪（映画）のネタバレ解説・考察まとめ
『凶悪』とは、ノンフィクションベストセラー小説『凶悪 -ある死刑囚の告発-』を元に、2013年に映画化された社会派サスペンス映画である。雑誌記者の藤井（ふじい）は、上司から須藤（すどう）という死刑囚に会うように言われる。須藤は数々の犯罪に手を染めてきていた。そして、須藤と共謀して多くの犯罪を犯し、最後には須藤をだました木村（きむら）という男の話を聞く。藤井は話を聞くうち、家庭を顧みず取材にのめりこんでいく。この映画は、私たちの身の回りのどこにでも存在しうる犯罪をリアルに描く作品となっている。
もともとは木村が面倒をみていた男で、途中から須藤に託された舎弟。五十嵐と共に須藤の言う通り犯罪に手を染めていたが、残酷な手口に引いている描写もみられる。佐々木の件で須藤を意図せず裏切る形になってしまい、交際相手の順子と一緒に暴行されることとなる。意識不明の重体となり、その後はどうなったかわかっていない。
田中 順子（たなか じゅんこ / 演：範田 紗々）
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画像右の女性が、順子
日野の交際相手。日野が須藤を裏切り、逃げ回ったせいで、日野と共に暴行を受ける。最終的には須藤に多量の覚せい剤を注射器でうたれ、意識がなくなる。その後暴行をうけていた部屋に火をつけられ、そのまま殺害されることとなった。
佐々木 賢一（ささき けんいち / 演：米村 亮太朗）
画像中央で立たされているのが、佐々木
須藤が以前刑務所に服役していた時の、ムショ仲間。須藤とは所属していた組が違うが、須藤曰く「組の垣根を越えて意気投合した」。佐々木が出所したときに組からの出所祝い（お金）がなく、逆にお金を請求されたという須藤への嘘がばれ、手足を拘束された状態で橋の欄干から落とされて殺される。
森田 幸司（もりた こうじ / 演：外波山 文明）
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画像左の眼鏡をかけているのが、森田
森田土建の社長。木村たちが殺した人の遺体を、森田土建の敷地内にある焼却炉で燃やしていた。もともとは木村に借金の肩代わりをしてもらっており、逆らえない状態だった。しかし途中から焼却炉を貸すことを拒否するようになる。その後、資材の下敷になるという事故で植物状態になっている。実際にこれが事故なのか、意図的なものなのかはわかっていない。
牛場 悟（うしば さとる / 演：ジジ・ぶぅ）
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画像右が、牛場
牛場電気設備の経営者。家族に内緒で会社の借金を5,000万円まで膨らませてしまっていた。酒好きで、肝硬変と糖尿病を患っているが、入院したことで一度回復している。生活が困窮した家族に多額の保険金をかけられ、木村に売られるかたちとなる。木村たちには大量の酒を飲まされ、自殺にみせかけて殺される。牛場の死後、かけられていた保険金は木村と山分けされた後に、借金の返済や家族の生活費にあてられた。
牛場 百合枝（うしば ゆりえ / 演：白川 和子）
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画像中央の女性が百合枝
牛場悟の妻。夫が作った借金のために生活が困窮しており、娘夫婦と共に牛場の殺害を木村に依頼する。「家族の元に帰りたい」と須藤に懇願していた牛場に対してはもう愛情がなく、木村に「もっと（酒を）飲ませてください」と容赦なく頼んでいる。藤井の書いた記事によって殺害依頼が明らかになり、逮捕される。
牛場 利明（うしば としあき / 演：廣末 哲万）
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牛場の娘婿。百合枝、妻の恵美子と共に、牛場の殺害を木村に依頼する。木村と牛場家の窓口は、基本的に利明が担っている。牛場の殺害をためらいつつも、家族が生き残るためにと木村に依頼をした。藤井の書いた記事によって殺害依頼が明らかになり、逮捕される。
牛場 恵美子（うしば えみこ / 演：原 扶貴子）
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牛場悟と百合枝の娘で、利明の妻。母の百合枝、夫の利明と共に、牛場の殺害を依頼する。ほとんど木村等とのやりとりには参加しないが、百合枝や利明と同じように牛場の死を強く願っている様子が描かれる。藤井の書いた記事によって殺害依頼が明らかになり、逮捕される。
その他の人物
遠野 静江（とおの しずえ / 演：松岡 依都美）
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目次 - Contents
- 『凶悪』の概要
- 『凶悪』のあらすじ・ストーリー
- 7年前の出来事
- 取材の始まり
- 余罪2件目 島神剛志について
- 余罪3件目 牛場悟について
- 木村と須藤
- 牛場悟の末路
- 7年前の真実
- 藤井の取材
- 裁判
- 『凶悪』の登場人物・キャラクター
- 藤井家
- 藤井 修一（ふじい しゅういち / 演：山田 孝之）
- 藤井 洋子（ふじい ようこ / 演：池脇 千鶴）
- 藤井 和子（ふじい かずこ / 演：吉村実子）
- 須藤とその共犯者
- 須藤 純次（すどう じゅんじ / 演：ピエール瀧）
- 木村 孝雄（きむら たかお / 演：リリー・フランキー）
- 五十嵐 邦之（いがらし くにゆき / 演：小林 且弥）
- 福森 孝（ふくもり たかし / 演：九十九 一）
- 被害者
- 日野 佳政（ひの よしまさ / 演：斉藤 悠）
- 田中 順子（たなか じゅんこ / 演：範田 紗々）
- 佐々木 賢一（ささき けんいち / 演：米村 亮太朗）
- 森田 幸司（もりた こうじ / 演：外波山 文明）
- 牛場 悟（うしば さとる / 演：ジジ・ぶぅ）
- 牛場 百合枝（うしば ゆりえ / 演：白川 和子）
- 牛場 利明（うしば としあき / 演：廣末 哲万）
- 牛場 恵美子（うしば えみこ / 演：原 扶貴子）
- その他の人物
- 遠野 静江（とおの しずえ / 演：松岡 依都美）
- 遠野 星姫（とおの きらり / 森田 眞生、木村 心結）
- 木村 幸恵（きむら ゆきえ / 演：山田 彩、小倉 明莉）
- 芝川 理恵（しばかわ りえ / 演：村岡 希美）
- 『凶悪』の用語
- 未決死刑囚
- 不動産ブローカー
- 登記簿謄本
- 宅地造成
- 上申書
- 情状証人
- 『凶悪』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- 牛場 百合枝「もっと飲ませてください」
- 藤井 洋子「私は生きてるんだよ！？」
- 須藤 純次「藤井さん、神様は俺に言いましたよ。生きて罪を償いなさいって」
- 『凶悪』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 木村と須藤の関係性は、リリー・フランキーとピエール瀧の普段の空気感から
- 「リアリティの追求」と、回想シーンは「生っぽく」
- わざと「何が善で何が悪なのか」をはっきり描かなかった
- 『凶悪』の主題歌・挿入歌
- 挿入曲：安川午朗「ブッ込んじゃおう!」