勇者ヨシヒコと導かれし七人（ドラマ）のネタバレ解説・考察まとめ

『勇者ヨシヒコと導かれし七人』の概要

『勇者ヨシヒコと導かれし七人』とは、2016年10月8日から12月24日までテレビ東京系「ドラマ24」で放送された、山田孝之主演の福田雄一監督作品である。
勇者ヨシヒコ一行は魔王バルザスと壮絶な闘いの末、勝利した。しかし、そこに現れた仏により魔王バルザスは「知事のようなもの」であり「総理大臣が別にいる」ことを知らされる。
今、この世界を闇に葬るとしている魔王は7つの弱点があり、その魔王の弱点を突く7人を探し出し魔王を倒さなければならないことを聞いた。仏により始まりの村・カボイの村に飛ばされたヨシヒコ一行は再び長い旅を始める。
RPGゲーム『ドラゴンクエスト』をモチーフにした冒険活劇で3シリーズの3作品目である。

本作は「コンフィデンスアワード・ドラマ賞 年間大賞2016」にて主演男優賞に、勇者ヨシヒコ役の山田孝之が受賞した。その他にもドラマではカットされた台詞や場面などあますことなく収録されている、『伝説の書Ⅲ勇者ヨシヒコと導かれし七人』というシナリオ本も発売されるなど人気の高い作品である。

『勇者ヨシヒコと導かれし七人』のあらすじ・ストーリー

序章

ヨシヒコ一行は魔王・バルザスを目前にしていた。メレブは「ここに来るの、100パー早かったと思うぞ」とヨシヒコを説得するが、ヨシヒコは薬草を手に「私たちにはこんなにも強い味方がいるじゃないですか」と自信満々に立ち向かう。案の定、ヨシヒコ一行は全滅し、神父の下へ送られた。現在、ヨシヒコたちのレベルは18。神父はそのレベルで魔王に到達したヨシヒコたちに「バグかな？」と言い放つ。18レベルで魔王に立ち向かうなどありえないと一蹴され、ヨシヒコたちは再び魔王を倒すべく、レベル上げの旅に出る。
旅の途中で忍者に追われている盗賊に出会った。盗賊は自信満々にヨシヒコたちに戦いを挑んでくるが、背後にいる忍者に全く気付いていない。面倒になったヨシヒコに二人ともいざないの剣で斬られてしまった。
ヨシヒコたちは地道な努力により確実にレベルを上げていき、ついに魔王に対峙した。激闘の末、魔王はヨシヒコとダンジョーの繰り出す一撃により炎に焼かれ雷に苦しんだ。更にメレブの攻撃呪文・スイーツにより甘いものが食べたくて仕方なくなり、敗北した。
魔王に勝利したヨシヒコたちは仲間と共に旅の思い出を浮かべながら互いに絆を確かめ合う中、仏が止めに入った。仏は「初回～！」と叫ぶ。シリーズ第3弾の初回放送だと言う。初回で魔王を倒しても後9話残っている。実は、倒した魔王バルザスは知事のようなもので総理大臣にあたる魔王が別にいるということだった。真実の魔王は弱点が7つあり、その7つの弱点を攻撃できるオーブを持つ「玉人」と呼ばれる7人を探し出す旅をせよとお告げを出した。
始まりの村・カボイから再びヨシヒコたちは旅に出る。

カルバドの村

仏がお告げのために空に現れた。しかし、仏宛てに宅配が届いたため、代わりに仏の子供がその間の相手をすると言う。仏の子供と何を話せばいいのかと戸惑うヨシヒコたちだったが、好きな食べ物の話などをして盛り上がる。仏の子供はオーブのことは知らないと言う。宅配を受け取って帰ってきた仏に無事次の玉人の居場所を聞き出した。
最初のオーブを持っている玉人の一人を訪ねるため、ヨシヒコたちはカルバドの村に向かった。しかし、村には人気がなく、なぜか誰もいない民家に食事が用意されていた。お腹を空かせた一行はその食事を食べ、そのまま民家に泊まることになった。
夜中に目が覚めたメレブは村がゾンビに侵されていることに気付く。夜の間は建物に身をひそめなんとかやり過ごしたが、朝になり、ムラサキがゾンビに感染してしまっていたことに気付いた。まだまだ見た目がゾンビになっているだけで元気いっぱいのムラサキは、ふざけてヨシヒコに飛びつくがヨシヒコには本気で阻止されてしまう。
その様子を見た村で唯一ゾンビ菌に侵されていない男・ロビンに、山に住む「噛みの神」に噛まれることでゾンビが治ると教えてもらった。
ヨシヒコたちは噛みの神のもとへ急いで向かった。
まだまだ噛みの神の下へたどり着けない一行は夜を迎えた。翌朝目が覚めると、寝ている間にムラサキがメレブとダンジョーを噛んでしまっていたらしく、ヨシヒコ以外は全員がゾンビ化してしまった。
しかし、ヨシヒコにも噛まれた跡があり不思議に思っていると左手だけが変形しており、意思を持っている。ヨシヒコは意思を持つ左手に「ヒダリー」と名付けた。ヒダリーはやたらとメレブに突っかかっていくがヨシヒコの口が動いている。
やっと噛みの神の下に到着した一行だったが、そこに現れた噛みの神もまた、ゾンビ化していた。神様がなぜ感染しているのかと問い詰めると、神社の奥からゾンビ化した美しい女性が現れた。気まずい雰囲気の中、ヨシヒコは「エッチなことしたから感染したんですか」と問い詰める。何度も問い詰められ、ついに噛みの神も「神でもムラムラするんだよ」と白状した。
役に立たない噛みの神だったが、一行はゾンビ化を治すアイテムの在り処を教えてもらい、その場所に向かった。
道中、強いモンスターが現れるが、ヒダリーが大活躍してついに宝箱を見つけた。
宝箱には空気清浄機のようなものが入っており、呪文「プラズマクラスター」と唱えることで村全体の空気を清浄した。ヨシヒコたちだけでなく、村全体が助かったところでロビンが現れ、股間からオーブを取り出し受け取った。

エフエフの村

ヨシヒコたちの前に血の気の多い盗賊が現れた。盗賊は金品と食料を要求するが、血に飢えており、闘いを望んでいる。ヨシヒコたちも逃れられない闘いに応戦するが、闘いの最中、盗賊の弟が盗賊がレンタルDVDを延滞していることを告げに来た。明らかに動揺する盗賊だったが、それよりも血に飢えていることから気にしないようにする。しかし、メレブたちに延滞料金を具体的に示唆されたことで一旦返却のために退散した。
ヨシヒコたちはその後、スライムに追い込まれて別の場所にワープした。ワープした先は「エフエフの村」だった。そこに「ヴァリーだ」と名乗る美青年が現れる。「バリー」ではなく「ヴァリー」だと発音に厳しいその男はヨシヒコたちに頼みがあると仲間の所に連れて行った。
仲間は他3人でモンク（武闘家）の男と白魔導士の美女、黒魔導士の男だった。3人ともおしゃれで都会的である。どうやらヨシヒコたちの住む世界である『ドラゴンクエスト』が舞台ではない村であるようだった。いつも通り、壺を割りアイテムを探すヨシヒコたちに「割らなくても取れるよね！？」とヴァリーから的確な突っ込みを入れられた。更に外ではモンスターに襲われるが、いつもの戦闘態勢とは違い斜めの立ち位置に配置されヨシヒコは戸惑う。「お前たちのアビリティーはなんだ」とモンクに聞かれるが、そもそもアビリティーを知らないヨシヒコたちに驚くヴァリーだった。
ヴァリーがヨシヒコたちを連れてきた理由は「バハムート」を倒すためだった。「バハムート」とはなんだと戸惑うヨシヒコたちだったが、どうやらドラゴンのようだった。「ドラゴンでいいじゃん」とムラサキが言う。
バハムートと対峙しようとしたその時、またヨシヒコたちはワープしてしまう。ワープした先にはよく知った景色が広がるが、大剣を持ったおじさんが巨大な魔物を倒そうと言ってくる。そのおじさんと共にヨシヒコも大剣を手に魔物に立ち向かっていくため、3人は止めようとするが、同時にまた3人だけワープしてしまった。
3人がワープした先にはいつものモンスターが待ち構えていた。自分たちの世界に帰ってこられたとピンチの状況にも関わらず、安心する3人だった。モンスターをなんとか倒して3人は再びエフエフの村に戻った。ヨシヒコの声がして振り返るとモザイクで姿が隠れたマリオ姿のヨシヒコがジャンプしながら現れた。「亀やキノコを倒すだけでお金がもらえるんですよ」と3人を誘うヨシヒコだったが、メレブが全員モザイクになってしまうと断ると、今度はルイージらしきモザイク姿が現れ二人でジャンプしながら消えて行った。仏に連れ戻されて怒られるヨシヒコだったが、無事ヴァリーからオーブを受け取ることができた。

サラゴナの村

仏のお告げによりサラゴナの村に向かうヨシヒコ一行は「はいどうも！」と拍手しながら現れた元気な盗賊の男に出会う。その男は今から登場する盗賊に対するヨシヒコたちの反応やセリフをレクチャーし始める。真面目なヨシヒコはクイズ形式のレクチャーに必死に答え、正解するととても嬉しそうにする。しかし面倒になったダンジョーがヨシヒコのいざないの剣でその男を斬ってしまったため、本物の盗賊は現れなかった。
サラゴナの村に到着したヨシヒコたちは王様のルドランの下へ向かった。ルドランの娘・フロリア姫は病気で一年以上も眠っているらしい。村人曰く、フロリア姫が生まれた時に空から輝くオーブが降ってきたという話だった。フロリア姫は玉人の一人だと推測したヨシヒコたちだったが、眠れるフロリア姫を見たヨシヒコは一瞬で一目ぼれする。
フロリア姫が目覚めるには北の山に住む魔物の涙が必要なのだと言う。ルドラン王は魔物の涙を持ち帰った者をフロリア姫と結婚させると公言し、ヨシヒコは俄然やる気を見せた。
魔物討伐に向かうヨシヒコたちだったが、ムラサキは一人、行かないと言う。フロリア姫にやきもちを妬いてしまったムラサキは一人寂しく村を歩いていたところ、魔女が現れた。魔女はフロリア姫の生き血を飲んで若返るために食べると10年間眠り続けると言われている「ネムネムの実」をムラサキに渡し、フロリア姫に食べさせるよう言った。しかし、ムラサキの犯行は未遂に終わったため、代わりに魔女がムラサキにネムネムの実を食べさせようと企むが、メレブとダンジョーに倒される。
無事、魔物の涙を手に入れて帰ったヨシヒコはその涙を飲んで目覚めたフロリア姫と結婚式を挙げるが、乗り込んできた元カレのラクトルに取られてしまった。

ダシュウの村

ヨシヒコたちの前に盗賊が現れた。応戦するヨシヒコたちだったが、何事もなく普通に戦闘が繰り広げられる。「普通」であることに違和感を抱く4人は、盗賊に何か起こらないのかと尋ねると「普通じゃだめなのか」と怒り出した。普通じゃダメなわけじゃないとメレブがなだめるが、なんとか普通じゃない盗賊を演じようと無理をする盗賊に対してムラサキとメレブがバカにしてからかう。ついに諦めて出直すことにした盗賊だった。
4人は村にたどり着いたが、宿屋も何もない村だった。休んで回復するために民家に泊まらせてもらい、一宿一飯の恩義をお願いすることにした。民家を全部回ったが、どこも泊まらせてくれる家はなかった。ついに最後に訪ねる家となり、ムラサキがお願いするため声をかけると青年が家を追い出されるところだった。心配になったヨシヒコが青年を追いかけていくとジョウ、マッツー、グッチ、ナガサ、ターチと名乗る5人の青年が集まっていた。5人は本当はバンド活動をするために集まっているが、魔物の呪いにより農作業をさせられている。試しにヨシヒコたちの前でバンド演奏をしようとすると5人はおかしな動きをしてバンド演奏をやめてしまう。
ヨシヒコたちは原因となっている魔物が操っているという神・ニッテレンを倒すため、力を貸してくれる他の神の下へ向かった。
最強の神と言われるシエクスンの下を訪れた一行だったが、シエクスンはすでに何者かにやられていた。次にテレアサンという神の下へ行き、ニッテレンを倒すために力を貸してほしいとお願いする。テレアサンは紅茶を淹れながら部下の亀島と共に「新たな事件を解決しなければならない」とどこかへ出かけて行ってしまった。
ヨシヒコたちを手助けしてくれる神がなかなか見つからない中、メレブは新たな呪文を獲得した。呪文の名は「イマサーラ」と言い、かけると今更なギャグを披露してしまう。試しにヨシヒコに呪文をかけると「安心してください。履いてますよ」とどや顔をした。そこへ、仏がお告げのために現れた。仏は今回、「あまり関わりたくない」と言い、手短にヨシヒコたちが助けを求めていい神はテレートだけだと言う。テレートが住む西の祠に向かうと、バナナの被り物をした神・テレートが現れた。「力を貸してほしい」と言うヨシヒコに「いいよ！」と軽いノリで答えるテレート。
一緒にニッテレンの下へ向かったが、テレートは一瞬にしてニッテレンに倒されてしまう。窮地に立たされたヨシヒコたちだったが、メレブがそこで「イマサーラ！」とニッテレンに呪文をかけた。するとニッテレンは「あるある探検隊！」とギャグを言ってしまったことで、赤面して倒れてしまった。
無事にニッテレンを操っていた魔物は消え、村に平和が戻った。更に、魔物に憑りつかれていた神・ニッテレンは光のオーブを持つ玉人の一人であることも分かり、ニッテレンから助けたお礼としてお土産もたくさんもらったヨシヒコたちは次の玉人の下へと急いだ。

ウガスの村

旅を続けるヨシヒコたちの前に、屈強な盗賊が現れた。メレブにより突然ゲーム画面に切り替わると、その盗賊がHP1であることが判明。一発でもくらえば棺になってしまうが、強がる盗賊にメレブとムラサキはいつもの悪ノリで「残りいち！」とからかうと、盗賊は体力消耗により最後の1ポイントも消滅し棺になってしまった。しかし、真面目なヨシヒコは棺になってしまった盗賊を教会へ連れていくと言い張って引っ張っていった。
無事に盗賊の棺を教会へ持って行ったヨシヒコたちの下へ、仏が現れ「ウガスの村へ行け」とお告げを告げる。
村に入るや否や、持っていたオーブを立て続けに二つも盗まれてしまったヨシヒコたち。ウガスの村は泥棒の村だった。ヨシヒコたちはオーブを返してもらうため、村一番の大泥棒カンダタの屋敷を訪れた。カンダタは泥棒だが、「俺は金持ちからしか盗みはしない」と信念を持っているようだ。ヨシヒコたちが魔物から世界を救うためにオーブを集めている勇者だと話すと協力的になった。カンダタが持っているオーブをヨシヒコたちに渡そうとするが、カンダタもまた、オーブを他の泥棒に盗まれていた。
仕方なく、オーブを盗んだ泥棒が現れるのを待つことにした4人だったが、夜も更け眠りにつこうとしていた。そこに、女盗賊・ローゼンが現れた。ローゼンは4人から一つずつ大事なものを奪ったと言う。メレブは杖がなくなっており、ムラサキは自称胸、ダンジョーはもみあげがなくなっていた。ヨシヒコにはなくなったものがないと言うが、謎の銭型警部風の男が通りかかり、「盗まれたのはあなたの心です」と告げた。
ローゼンに心を奪われたヨシヒコは『ルパン三世』のような格好で3人の下へ現れ、「魔王なんてどうでもいい」と言い放つ。そして3人の前から姿を消した。夜、ローゼンをなんとか物にしようと迫るヨシヒコ。ローゼンにキスをしようとすると、ローゼンはおっさんに変身してしまった。実は、ローゼンは魔法をかけられ女盗賊に変身していたおっさんだったことで再び皆の下へ戻り、旅を再開した。

ミュジコの村

ヨシヒコたちの前にアロハシャツを着てキャリーケース片手に闘いを挑む盗賊が現れた。フライトの時間が迫っており、妻と子供が迎えに来ている。時間がない中、早く食料を渡せと焦って攻撃してくる上に置き引きを恐れてキャリーケースを手放さないため、攻撃の度にヨシヒコにキャリーケースがぶつかる二次被害が起きている。フライトの時間が来てしまい去っていく盗賊にヨシヒコは「マカダミアナッツを！」とお土産をリクエストした。
ヨシヒコたちが向かったのはミュジコの村。この村では村人たちが踊っており、話を聞くことができない。お腹がすいたヨシヒコたちは腹ごしらえのため、パン屋さんに立ち寄った。パン屋さんでフランスパンを見つめるヨシヒコの様子がおかしく、ムラサキが声をかけると同時にヨシヒコはフランスパンを万引きして走って逃げて行ってしまう。
牢屋に入れられてしまったヨシヒコだったが、司教が歌いながらパンを盗んだことは許してくれると言う。しかし、司教と歌唱合戦をしている間にもヨシヒコは目の前にある銀の皿が無性に欲しくなる。
ついに司教の目の前で銀の皿を盗んで走り去ってしまい、再び牢屋に入れられてしまう。
ヨシヒコを助け出そうとする3人だったが、それぞれ村人とミュージカルパロディの罠にはまり、ダンジョーは『美女と野獣』、ムラサキは『ベルサイユの薔薇』を演じる羽目になる。
騒動の中、オーブを手に入れたヨシヒコは玉人を召喚した。現れたのはレオパルドで「どうしても玉を持ち帰りたいというなら戦いあるのみ」と言う。ミュジコの村の住人はオーブを宝物としており、歌と踊りが村に平和をもたらしていると考えていた。レオパルドが率いる軍とヨシヒコたちの歌と踊りによる攻防戦が繰り広げられる。勝利したのはヨシヒコたちで、レオパルドは倒れ、ひとみさんという大阪のおばちゃんに変身した。ひとみさんは実は魔物に操られていたのだった。ヨシヒコたちは無事、オーブを手に入れることができた。

バボルの村

ヨシヒコたちの前に女盗賊のクレアが現れた。貴族のような身なりをしており、闘いはしたくないが、食料と金品を置いていけという。盗賊らしく戦うようにヨシヒコたちに説得されると仕方なく戦うことにしたクレアは、ナギナタの先生を呼んだ。しかし、どうしても戦えそうにないクレアは食料を奪うどころか逆に差し入れを置いて去っていった。
仏のお告げにより、ヨシヒコたちはバボルの村へ向かったが、行く途中にダーマ神社を見つけて立ち寄った。ダーマ神社では転職することができる。4人は今、レベルが高いため上級職に就けるらしい。メレブは賢者に、ダンジョーはバトルマスターに、ムラサキは魔法使いにそれぞれ転職が完了した。ヨシヒコはパラディに転職手続きをしていたところ、手違いで犬に転職した。
犬に変身して道を歩いていると、桃太郎に出会う。やる気のない桃太郎だったが、きびだんごをもらったため、ひとまずついていくことになった。
他の3人はヨシヒコを探していたが、ヨシヒコが犬になったことで、代わりとしてスーパースターのポンジが召喚された。ポンジと3人は出会うのは3度目で、テンションが高く自意識過剰なポンジ（自称PJ）は以前出会った時の何倍もウザさが増していた。ポンジは客寄せパンダとして村が開催する漢祭りに招待されたのだという。漢祭りの優勝賞品がオーブだということで3人は翌日参加することにした。
一方犬のヨシヒコと桃太郎の下に、ゆとり世代のキジとサルが現れた。皆やる気なく鬼退治を押し付け合っている。一人だけ熱い心を持つヨシヒコだけが鬼退治に積極的で新たな仲間を探しに出かけた。
そんな中、漢祭りが開催された。より漢らしさを競う祭りで、ダンジョーが1戦目に参戦するがあっけなく敗退してしまう。ポンジはシード枠で最終決戦まで休んでいた。ついに最終決戦となった。競技は東の山の鬼の金棒を持ち帰るというもので、メレブ、ムラサキ、ダンジョーの3人は、ポンジと共に東の山に向かう。道中、犬のヨシヒコとその仲間に遭遇した。猿とキジ以外に金太郎、浦島太郎、黒人が増えていて、黒人は犬ヨシヒコのことを「お父さん」と呼ぶ。皆で金棒を持ち帰り、オーブを手に入れることができた。しかし、玉人を召喚するために玉を空中へ投げるとオーブが消えてしまい、偽物のオーブだったことが判明した。

キャパスの村

最後の玉人を探すため、仏のお告げによりキャパスの村を訪れたヨシヒコ一行。村は学校が舞台になっており、高校生たちが住人である。村の村長である校長先生は元仏で仏の飲み仲間だと言う。事情を知る校長先生曰く、玉人はキャパスの村の女子高生・そのかであることが分かった。
そのかの持つオーブは彼女の体内に入っており、手に入れるためにはそのかの心を開かせ、恋をさせる必要があった。校長の魔法により、ヨシヒコたちは元々キャパス村の住人であるという設定になっているため、そのまま村の住人として潜入することができた。ヨシヒコは転校生、メレブは掃除のおじさん、ダンジョーはそのかのクラスの担任、ムラサキはそのかの友人としてそれぞれそのかがヨシヒコに恋をするように配置された。
どう恋をさせようかとこっそり尾行していたところ、そのかが階段から転落してしまうという絶好のチャンスが訪れた。しかし、実際にはイケメンの先輩・アルフレッドがそのかに手を差し伸べた。傍で見ていたムラサキは「これはあかんやつやで」と恋敵の出現にうろたえていた。
そんな中、そのかの通う学校が廃校になることが決まった。そのかは入学希望の生徒を増やして学校を廃校にさせないために、アイドルグループを結成した。アイドルグループには応援するオタクが多数おり、その中心でヨシヒコは踊っていた。一方アルフレッドは自身の財力に物を言わせてアイドルグループ全員の衣装を用意したりと、ヨシヒコには太刀打ちできない方法で応援をする。もうアルフレッドに恋をさせて玉が出てきたところを奪う作戦に移行しようとしたが、玉は恋をした相手の体内に入る仕組みになっているらしい。諦めかけていたヨシヒコたちだったが、なんとアルフレッドがオーブを狙う魔物であることが判明した。
そこで、ヨシヒコは校長先生の魔法の力を借りて「アメとムチをつかいこなすドS不良生徒」に変身した。ドSに変身したヨシヒコは「パン買ってこい」などそのかをパシリに使ったかと思えば、壁ドンをしてネックレスをプレゼントするなどと見事アメとムチを使いこなして徐々にそのかの心を開かせていった。
最後の仕上げにオーブを狙う魔物にボコボコにされて横たわるヨシヒコに、そのかが駆け寄り「どうしてそこまで…」と声をかけた。ヨシヒコは息も絶え絶えに「好きだから…お前が」と告げ、無事オーブを手にすることができた。

天空城