幻想水滸伝II(幻水II)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『幻想水滸伝II』は1998年12月17日にコナミから発売されたPlayStation用RPGである。略称は『幻水II』、『幻想水滸伝』シリーズの第2作目。
主人公を含めた合計108人の個性豊かな仲間を集め、ハイランド王国との戦いに臨む物語。サイドストーリーやミニゲームなどのやり込み要素もたくさん用意されている。
キャッチコピーは「その強さがあれば、全てを守れると思った」。このセリフは主要キャラクターの思いであり、袂を分つ根幹にもなっている。

『幻想水滸伝II』の概要

『幻想水滸伝II』は1998年12月17日にコナミから発売されたPlayStation用RPGである。略称は『幻水II』、『幻想水滸伝』シリーズの第2作目。2006年2月23日には『幻想水滸伝』と同時収録のPlayStation Portable版、2009年12月24日に携帯電話のiモード版がリリースされている。また2009年3月27日にはドラマCDも発売されている。略称はファンの間では『幻水』、公式には『幻想』とされている。

中国の長編小説『水滸伝』に由来したストーリーとして、主人公を含む108人の仲間が集い、主人公は新都市同盟軍のリーダーとしてデュナン地方に平和をもたらすために戦う。キャラクターの心理描写が丁寧な点は前作同様だが、今回は最終的に戦う相手が「行動を共にしていた親友」となるのも大きなポイント。

また前作のゲームデータを引き継ぐと前作主人公を仲間にすることができたり、前作登場キャラクターの会話内容が変わるなど、前作からのファンを意識した作りになっている。前作同様仲間集めやイベントも多数あり、やり込み要素は多い。

『幻想水滸伝II』のあらすじ・ストーリー

ゲーム内の選択において、ストーリーが変わる仕組みになっている。エンディングは3種あり、終戦後に主人公がジョウイ・ナナミと旅に出るもの、主人公が新たな国の大統領に就任するもの、新同盟軍のリーダーという立場からナナミと逃げ出すもの、となっている。

プロローグ

主人公と親友ジョウイの所属していたハイランド王国少年兵部隊ユニコーン隊は、王国の陰謀の犠牲となり壊滅させられる。その事実を知ってしまった2人は口封じの為に追い詰められる。

前作『幻想水滸伝』の「門の紋章戦争」から3年後の太陽暦460年。デュナン地方に位置するハイランド王国とジョウストン都市同盟(ミューズ市・サウスウィンドゥ市・トゥーリバー市・ティント市・マチルダ騎士団の5都市1騎士団の同盟)は領土争いを続けていた。王国領土内のキャロの街に住む主人公と親友のジョウイは少年兵部隊ユニコーン隊に参加していた。休戦協定が結ばれ、翌日は久しぶりにキャロの街に戻れると思っていた夜、都市同盟軍の奇襲を受けユニコーン隊は壊滅する。2人はなんとか逃げ出すが、奇襲はハイランド王国皇子ルカ・ブライトによる都市同盟へ侵攻するための策略であったことを耳にしてしまう。王国軍の兵に見つかり追い詰められた2人は再会を誓い、崖から滝壺へと飛び込むのだった。

ビクトールの傭兵砦

主人公は急流に流されていたところを、ビクトールとフリックの2人に助けられる。彼らは都市同盟盟主ミューズ市の傭兵隊の頭領をしており、主人公は捕虜として傭兵隊の砦へと向かうことになった。
捕虜として数日を過ごしていたある夜、ジョウイが砦にやって来て主人公を牢から助け出す。ビクトールから都市同盟は休戦協定を破っていないと聞かされた2人は真実を確かめるため、義姉ナナミに会うため、危険と知りつつもキャロの街に戻る決意をする。

ナナミとの再会 王国の裏切り

キャロの街に戻った2人は家路に着く。しかし街の人やナナミの話では2人が都市同盟のスパイでそのため隊が襲われたということになっていた。主人公は家にやって来た王国兵にナナミと共に捕らわれてしまう。ジョウイもまた家族から信用してもらえず縁を切られた挙句、王国兵に連行されてしまった。
ルカの野望のため、ユニコーン隊隊長ラウドの出世欲のために少年兵たちは生贄となり、主人公とジョウイに全ての罪が擦りつけられようとしていたのだった。
処刑場で縛り上げられた絶体絶命の2人。そこへビクトールとフリックが助けに現れる。そしてナナミと合流しキャロの街を脱出するのであった。

トトの村襲撃と「神槍ツァイ」

傭兵隊の砦に戻った主人公一行。捕虜の身分ではあるが自由な行動を許され、都市同盟の都市や村をまわってみることにする。ジョウイは急流に流された際に助けてくれたピリカと彼女の家族にトトの村で再会。しかし主人公たちが外出中に村が焼き払われ、ピリカ1人だけが生き残った。両親を殺され泣きじゃくるピリカをなだめていると、ビクトールを探すアップルという少女が現れる。
アップルを連れて砦へ戻った一行。トトの村の話を聞いたビクトールらはルカ率いる王国軍に対抗する手立てとして「火炎槍」を用意する。しかし門の紋章戦争時に使用して以来そのままだった為、使用するには職人に直してもらう必要がある。主人公一行はビクトールから「神槍(しんそう)ツァイ」と呼ばれる槍職人を探してくるよう頼まれるのだった。

輝く盾の紋章と黒き刃の紋章

ツァイを仲間にした後、砦に攻め込んできた王国軍を一度は火炎槍の力で退けるが、すぐに援軍が現れ攻め込まれてしまう。ルカの圧倒的な強さには歯が立たず、ピリカを斬り殺されそうになった瞬間、ビクトールが火炎槍を使って爆発を起こし、その隙に主人公一行は逃げ出す。
トトの村へ辿り着くと、両親が世話をしていたという祠へピリカが一行を案内する。そこで主人公は「輝く盾の紋章」をジョウイは「黒き刃の紋章」を宿す。この2つの紋章は27の真の紋章の1つ「始まりの紋章」が分かれたものである。
そしてビクトールたちと落ち合う約束になっていたミューズ市に到着するが、通行証のない一行は中に入れてもらえない。何か方法を考えようと近くの宿「白鹿亭」を訪れると、宿の主人ヒルダの夫アレックスが通行証を所持していた。宝探しの手伝いをするという条件で通行証を借りることに成功する。

ジョウイの裏切り

通行証を手に入れた主人公一行は、ミューズ市でビクトール、フリックと無事再会し、都市同盟盟主である市長アナベルとも面会。
アナベルの部下ジェスから国境近くの王国軍キャンプの食料状況の調査を依頼された主人公とジョウイ。食料を確認しキャンプから抜け出そうとした2人はラウドに見つかってしまい、主人公を逃すためジョウイが捕まってしまう。
その後無事ミューズへ戻ってこられたジョウイ。しかし主人公やナナミと距離を置くようになり、考え込んだり不審な人物と話し込む姿も目撃される。そんなジョウイを心配する2人。
ある夜、主人公とナナミは養父ゲンカクについて話があるとアナベルに呼び出され市庁舎へ向かう。するとそこにはジョウイとナイフで刺され倒れ込むアナベルの姿が。そして時を同じくして王国軍がミューズ市内へ攻め入ってくる。実はジョウイが王国軍スパイとして情報を漏らし、アナベルを刺したのだった。瀕死のアナベルから逃げるよう指示され、2人はサウスウィンドゥ市へ向かう。

軍師シュウ

周辺の村や街は王国軍に占拠されていたが、無事にサウスウィンドゥ市でビクトール、フリックと再会する主人公とナナミ。その後市長グランマイヤーからノースウィンドゥの村での女性行方不明事件について調査を依頼され、グランマイヤー部下のフリード・Yと共に調査へ向かう一行。
ノースウィンドゥはビクトールの故郷で過去に吸血鬼ネクロードによって滅ぼされている。ネクロードは前作で倒されたはずだったが、生きていたことが判明する。
更にサウスウィンドゥが陥落しノースウィンドゥの廃城にて今後の作戦を考える主人公たち。アップルが軍師マッシュの兄弟子シュウなら大軍を倒せる奇策を考えられると提案する。一行はシュウを訪ね粘り強く説得し、仲間にすることに成功する。

新同盟軍と新リーダー

新同盟軍リーダーに就任した主人公と、王国軍に入ったジョウイの運命を告げる魔術師レックナート。

シュウの策により、主人公が敵将を攻撃し王国軍を撤退。そして新同盟軍を立ち上げる提案が出され、シュウは主人公をリーダーに推薦する。戸惑う主人公だったが、ビクトールからかつて「輝く盾の紋章」を宿して活躍したゲンカクの話を聞き、リーダー就任を決意。
新同盟軍本拠地にアナベルの元部下フィッチャーがやってくる。ミューズ陥落後身を寄せているトゥーリバー市と新同盟軍の協力関係を結びたいと申し入れてきた。事の真偽を確かめるためトゥーリバーに向かい、全権大使(市長)のマカイ、コボルト隊長リドリーと面会する。その後王国軍の策略でトゥーリバーに暮らす人間・ウィングホード・コボルトの3種族はバラバラにされ攻め込まれるが、主人公の説得とシュウの援軍で王国軍を撃退。そしてトゥーリバーは正式に新同盟軍と協力関係を結んだ。その頃、王国軍キャンプではルカの部下となったジョウイがグリンヒル市攻略に指揮官として名乗りを上げており、本拠地に戻った主人公の耳にグリンヒル陥落の知らせが届く。シュウはグリンヒルを取り戻す時のために、市民人気の高い市長代行テレーズを助け出しておく策を決行する。

テレーズ救出作戦

グリンヒルは学園都市であるため、主人公は学生のふりをして潜り込む。現在テレーズは行方不明になっており、部下のシンが何かを知っているとの情報を得る。ある夜学生寮で怪しげな影を見かけ、後をつけると森の奥の小屋にテレーズを発見する。主人公は協力を依頼するが、テレーズはグリンヒル陥落時の戦いでショックを受けており依頼を拒否。
策を立てるため街に戻ると、ジョウイがルカの布告としてテレーズに懸賞金をかけたことを市民に告知していた。それを知ったテレーズはこれ以上市民に迷惑をかけたくないと自ら王国軍の前に出向くがテレーズを慕うグリンヒル市民とミューズ兵士たちが助けに集まり、主人公一行はテレーズを連れ脱出する。
途中ジョウイが主人公の前に現れ、リーダーを辞めどこかへ逃げろと忠告する。ジョウイは自身のやり方で戦いを終わらせようとしていた。

taishinomurai0
taishinomurai0
@taishinomurai0

Related Articles関連記事

幻想水滸伝(幻水)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

幻想水滸伝(幻水)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『幻想水滸伝(幻水)』とは、1995年12月にコナミから発売されたロールプレイングゲーム。PlayStation用ソフトとして発売。シリーズ化されており13作品が発表されている。物語の舞台は皇帝が圧政を敷く赤月帝国。帝国将軍の息子である主人公は27の真の紋章の1つ「ソウルイーター」を継承したことにより命を狙われ帝国を離脱。やがて帝国軍と敵対する解放軍のリーダーとなり107人の仲間と共に戦いに身を投じていく。仲間集めやイベントなどやり込み要素も非常に多いゲームである。

Read Article

サイレントヒル2(SILENT HILL 2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サイレントヒル2(SILENT HILL 2)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サイレントヒル2(SILENT HILL 2)』とは、コナミデジタルエンタテイメントが開発したホラーアドベンチャーゲームである。プレイステーション2用ソフトとして発売され、その後追加要素を加えた完全版『サイレントヒル2 最期の詩』が発売された。 主人公ジェイムスは、死んだはずの妻から届いた手紙をきっかけに、静養地であるサイレントヒルに向かう。彼はいつの間にか、霧と鉄錆の世界に迷い込み、奇妙な敵たちと戦うことになる。ホラーゲームの中でも傑作として名高く、驚きの結末がプレイヤーを待つ。

Read Article

メタルギア(METAL GEAR)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

メタルギア(METAL GEAR)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『メタルギア』とは、1987年コナミから発売されたMSX2用ステルスアクションゲーム。『メタルギアシリーズ』の第1作であり、小島秀夫の監督デビュー作である。1995年、南アフリカ奥地の武装要塞国家アウターヘブンを舞台に、主人公ソリッド・スネークが無線機だけを片手に敵地アウターヘブンに単独潜入し、殺戮兵器メタルギアを破壊するミッションにあたるストーリーである。「敵から隠れながら進む」という画期的なシステムを導入し、「ステルスアクション」というジャンルを確立した記念すべき作品。

Read Article

サイレントヒル4 ザ・ルーム(SILENT HILL 4: THE ROOM)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

サイレントヒル4 ザ・ルーム(SILENT HILL 4: THE ROOM)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『サイレントヒル4 ザ・ルーム』は2004年6月にコナミにより発売されたホラーアドベンチャーゲーム『サイレントヒル』シリーズの4作目である。対応ハードはPlayStation 2とPlayStation 3だ。 今作はこれまでのシリーズとは違い、サイレントヒルの街を歩きクリーチャーを倒すわけではなく、主人公の住むアパートの一室、302号室が拠点となる。主人公の住む302号室から地下鉄の世界、森の世界、水牢の世界、建物乱立の世界、病院の世界、アパートの世界という6つの舞台を行き来する。

Read Article

悪魔城ドラキュラ(スーパーファミコン版)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

悪魔城ドラキュラ(スーパーファミコン版)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『悪魔城ドラキュラ』とは、コナミにより1991年10月31日に発売されたスーパーファミコン専用のホラーアクションゲームである。人気シリーズ『悪魔城ドラキュラ』の初のスーパーファミコン用ソフトであり、前作と比較しグラフィックや操作性が大幅に向上した。 舞台はかつて世界征服を企てた魔王が人間界から追放されてから100年後の中世ヨーロッパ。一筋の稲妻により封印されていた魔王が復活し人間界へと舞い戻ってきた。本作の主人公であるベルモンド一族の青年シモンは先祖伝来のムチを手に取り悪魔城へと向かう。

Read Article

DanceDanceRevolution(ダンスダンスレボリューション・ダンレボ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

DanceDanceRevolution(ダンスダンスレボリューション・ダンレボ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

DanceDanceRevolutionとは1998年に稼働を開始した、コナミ(現コナミアミューズメント)製のアーケード用音楽シミュレーションゲーム。コナミの音楽ゲームシリーズ、BEMANIシリーズの第3弾として登場した。足元にある4つのパネルを踏むことで実際にダンスをしているかのように楽しめるゲームで、現在シリーズ第16作目である「DanceDanceRevolution A20(エースツーオー)」が日本を始めとした世界各地で稼働している。「ダンレボ」や「DDR」の略称で親しまれている。

Read Article

目次 - Contents