サイレントヒル4 ザ・ルーム(SILENT HILL 4: THE ROOM)のネタバレ解説・考察まとめ

『サイレントヒル4 ザ・ルーム』は2004年6月にコナミにより発売されたホラーアドベンチャーゲーム『サイレントヒル』シリーズの4作目である。対応ハードはPlayStation 2とPlayStation 3だ。
今作はこれまでのシリーズとは違い、サイレントヒルの街を歩きクリーチャーを倒すわけではなく、主人公の住むアパートの一室、302号室が拠点となる。主人公の住む302号室から地下鉄の世界、森の世界、水牢の世界、建物乱立の世界、病院の世界、アパートの世界という6つの舞台を行き来する。

『サイレントヒル4 ザ・ルーム』の概要

『サイレントヒル4 ザ・ルーム』とは2004年6月17日にコナミから発売されたホラーアドベンチャーゲームである。『サイレントヒル』シリーズの4作目であり、シリーズの世界を引き継ぎつつも独自の舞台設定を有している。冒頭から拠点となる「自室」が登場し、この自室から「穴」を通じて様々な世界へと移動する。他のシリーズとは異なり、サイレントヒル市そのものを訪れる場面は存在しない。
また「移動操作が2Dのみに固定されている」「一度に持ち運べる武器、アイテムの数が10個に制限されている」など、システムの変更点も多い。
対応機種はPlayStation 2、PlayStation 3のゲームアーカイブス。日本国外ではXboxとMicrosoft Windows。

ある時からサウスアッシュフィールドハイツ302号室に住むヘンリー・タウンゼントに異変が起こり始める。毎晩悪夢を見るようになり、部屋から出られなくなってしまったのだ。窓や玄関扉は固く閉ざされ、壊すこともできない。そして異変が起こってから5日目、浴室の壁に巨大な穴が開いた。穴の先に広がっていたのは、見慣れた地下鉄の駅や見知らぬ湖などの異様な世界だった。

『サイレントヒル4 ザ・ルーム』のあらすじ・ストーリー

自室の異変

主人公のヘンリー・タウンゼントは、地方中規模都市アッシュフィードの南方にあるアパート「サウスアッシュフィールドハイツ」の302号室に2年前から住み始めた。特に不自由なこともなく、ヘンリー自身この302号室での生活は気に入っていた。

しかし5日前から異変が起きた。毎晩ヘンリーは同じ夢を見るようになり、302号室から一切出ることができなくなった。

ドアも開かず、窓ガラスも割れない。さらに玄関の扉には内側から鎖と錠前がつけられており、時折こちらを気にする同じアパートの住人に助けを大声で求めても届かない。ドアには血文字で「外へ出るな。ウォルター」と書かれており、まるでこの302号室だけが異次元にある空間のように陸の孤島と化す。

轟音と共にバスルームに開いた大穴。そこをくぐり抜けるとクリーチャーはびこる「もう一つの世界」が広がっている。そこでヘンリーは同じアパートの住人、シンシア、ジャスパー、アンドリュー、リチャード、アイリーンと、自分以外のアパートの住人もその世界に巻き込まれていることを知る。

「もう一つの世界」で次々と猟奇的に殺される同じアパートの住人。その死体には必ず〇〇121という数字が刻まれていた。そして、「もう一つの世界」で殺された人間は、現実の世界でも同じように死んでいることをヘンリーは知ることになる。

現実の世界に戻ってくると、玄関の扉には赤色の手紙が差し込まれている。差出人はヘンリーが引っ越してくる前の302号室の住人であり、ジャーナリストのジョセフ・シュライバー。彼からの手紙には、このアパートで何が起こっているのか、そして元凶である人物、ウォルター・サリバンの存在が記されていた。

脱出

ウォルター・サリバンは7年前、10人を殺害した後に逮捕され自殺していたはずだった。ヘンリーはアイリーンとともに、異様な世界でウォルター・サリバンにまつわる謎を追いながら脱出口を探す。そしてヘンリーが襲い来るウォルター・サリバンを撃破してアイリーンとともに脱出。後日、ヘンリーは入院するアイリーンの見舞いに、花を携えて訪れた。

『サイレントヒル4 ザ・ルーム』のゲームシステム

今作ではFPS視点とTPS視点の二つがある。もう一つの世界ではTPS視点だが、自室に戻るとFPS視点となる。

斧やツルハシなどの打撃武器で攻撃する際に、攻撃ボタンを長押しすることでチャージ攻撃ができるようになっており、チャージ中の主人公は無敵状態となる。また、懐中電灯が存在せず、暗所そのものが存在しない。

怪奇現象が起こると部屋のラジオからノイズが聞こえてくるなど、今作はゴーストという新しい部類の敵が出てくる。ゴーストに触れるとダメージを受け、さらに怪奇現象が起こっている間の負の波動を受けることでもダメージとなる。

ステージ・世界

自室

「穴」を通じて他の「世界」へと移動できる拠点。ゲーム中盤までは滞在することで体力を回復できるが、後半は回復ができなくなるうえに怪奇現象が起き始める。

地下鉄の世界

サウスアッシュフィールドハイツ最寄の地下鉄駅がモデルとなった世界。穴から最初に行くことができる世界である他、2度目の世界が存在する。

森の世界

トルーカ湖湖畔に広がる森林地帯がモデルの世界。2度目の世界の時には教団の孤児院「希望の家」が焼け落ちている。

水牢の世界

教団が子供達に人体実験を行っていた建造物がモデルの世界。この世界も2度訪れることになる。

建物乱立の世界

サウスアッシュフィールドハイツ付近の市街地がモデルの世界。ただし建物の配置などはぐちゃぐちゃ。2度目の来訪時には最深部から過去の302号室に繋がっている。

アパートの世界

サウスアッシュフィールドハイツがモデルの世界。302号室のドアは現実とリンクしている。また302号室のドアから出た先にもステージが広がっており、この「302号室の外」が実質的に2度目のアパートの世界に当たる。

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

サイレントヒル2(SILENT HILL 2)のネタバレ解説・考察まとめ

サイレントヒル2(SILENT HILL 2)のネタバレ解説・考察まとめ

『サイレントヒル2(SILENT HILL 2)』とは、コナミデジタルエンタテイメントが開発したホラーアドベンチャーゲームである。プレイステーション2用ソフトとして発売され、その後追加要素を加えた完全版『サイレントヒル2 最期の詩』が発売された。 主人公ジェイムスは、死んだはずの妻から届いた手紙をきっかけに、静養地であるサイレントヒルに向かう。彼はいつの間にか、霧と鉄錆の世界に迷い込み、奇妙な敵たちと戦うことになる。ホラーゲームの中でも傑作として名高く、驚きの結末がプレイヤーを待つ。

Read Article

サイレントヒル(SILENT HILL)のネタバレ解説・考察まとめ

サイレントヒル(SILENT HILL)のネタバレ解説・考察まとめ

『サイレントヒル』は、コナミが1999年に発売したサバイバルホラーゲームだ。主人公ハリーは養女シェリルとの休暇で観光地サイレントヒルを訪れるが、事故で娘を見失う。霧に覆われた不気味な町で娘を探すうち、悪夢のような裏世界を行き来することになる。奇怪な生物との戦いや謎解きを通じ、町の秘密と娘の運命に迫る。心理的恐怖を重視した独特の世界観で、後のホラーゲームに多大な影響を与えた作品である。

Read Article

サイレントヒル3(SILENT HILL 3)のネタバレ解説・考察まとめ

サイレントヒル3(SILENT HILL 3)のネタバレ解説・考察まとめ

『サイレントヒル3』は、2003年にコナミからリリースされたサバイバルホラーゲームで、『サイレントヒル』シリーズの第3作目にあたる。プレイヤーは主人公ヘザー・メイソンを操作し、異常な世界での冒険を通じて、彼女の過去と向き合う物語が描かれる。本作は、シリーズ初作と直接リンクしており、深遠で不気味な世界観と心理的恐怖が特徴。グラフィックや音響が緊張感を生み出し、ストーリー性やキャラクター描写の丁寧さが高く評価されている。

Read Article

幻想水滸伝II(幻水II)のネタバレ解説・考察まとめ

幻想水滸伝II(幻水II)のネタバレ解説・考察まとめ

『幻想水滸伝II』は1998年12月17日にコナミから発売されたPlayStation用RPGである。略称は『幻水II』、『幻想水滸伝』シリーズの第2作目。 主人公を含めた合計108人の個性豊かな仲間を集め、ハイランド王国との戦いに臨む物語。サイドストーリーやミニゲームなどのやり込み要素もたくさん用意されている。 キャッチコピーは「その強さがあれば、全てを守れると思った」。このセリフは主要キャラクターの思いであり、袂を分つ根幹にもなっている。

Read Article

幻想水滸伝(幻水)のネタバレ解説・考察まとめ

幻想水滸伝(幻水)のネタバレ解説・考察まとめ

『幻想水滸伝(幻水)』とは、1995年12月にコナミから発売されたロールプレイングゲーム。PlayStation用ソフトとして発売。シリーズ化されており13作品が発表されている。物語の舞台は皇帝が圧政を敷く赤月帝国。帝国将軍の息子である主人公は27の真の紋章の1つ「ソウルイーター」を継承したことにより命を狙われ帝国を離脱。やがて帝国軍と敵対する解放軍のリーダーとなり107人の仲間と共に戦いに身を投じていく。仲間集めやイベントなどやり込み要素も非常に多いゲームである。

Read Article

メタルギア(METAL GEAR)のネタバレ解説・考察まとめ

メタルギア(METAL GEAR)のネタバレ解説・考察まとめ

『メタルギア』とは、1987年コナミから発売されたMSX2用ステルスアクションゲーム。『メタルギアシリーズ』の第1作であり、小島秀夫の監督デビュー作である。1995年、南アフリカ奥地の武装要塞国家アウターヘブンを舞台に、主人公ソリッド・スネークが無線機だけを片手に敵地アウターヘブンに単独潜入し、殺戮兵器メタルギアを破壊するミッションにあたるストーリーである。「敵から隠れながら進む」という画期的なシステムを導入し、「ステルスアクション」というジャンルを確立した記念すべき作品。

Read Article

がんばれゴエモン〜ゆき姫救出絵巻〜(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

がんばれゴエモン〜ゆき姫救出絵巻〜(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『がんばれゴエモン〜ゆき姫救出絵巻〜』は1991年にコナミ株式会社からスーパーファミコン専用ソフトとして発売されたアクションゲームである。スーパーファミコン専用ソフトとして展開されたがんばれゴエモンシリーズの第1作目である。正義の義賊ゴエモンが、エビス丸とともに、ゴエモンを捕らえようとする岡っ引きたちを蹴散らしながら、日本全国を駆け巡る。江戸城や忍者屋敷、首里城などの特徴的な風景や各地の名産品などがゲーム内で表現されている。全9すてぇじを攻略できればエンディングとなる。

Read Article

がんばれゴエモン〜でろでろ道中 オバケてんこ盛り〜(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

がんばれゴエモン〜でろでろ道中 オバケてんこ盛り〜(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『がんばれゴエモン〜でろでろ道中 オバケてんこ盛り〜』とは、1998年にNINTENDO64対応ソフトとしてKONAMIより発売された横スクロールアクションゲーム。NINTENDO64版『がんばれゴエモン』シリーズの2作目に当たる。ゴエモン達がシスタービスマルによる悪行を止め世界を救うストーリー。今作では2人プレイ対応になり、協力プレイが可能になっている。オープニングに影山ヒロノブ、挿入歌を水木一郎といった超有名アニソン歌手が担当している。

Read Article

悪魔城ドラキュラ(スーパーファミコン版)のネタバレ解説・考察まとめ

悪魔城ドラキュラ(スーパーファミコン版)のネタバレ解説・考察まとめ

『悪魔城ドラキュラ』とは、コナミにより1991年10月31日に発売されたスーパーファミコン専用のホラーアクションゲームである。人気シリーズ『悪魔城ドラキュラ』の初のスーパーファミコン用ソフトであり、前作と比較しグラフィックや操作性が大幅に向上した。 舞台はかつて世界征服を企てた魔王が人間界から追放されてから100年後の中世ヨーロッパ。一筋の稲妻により封印されていた魔王が復活し人間界へと舞い戻ってきた。本作の主人公であるベルモンド一族の青年シモンは先祖伝来のムチを手に取り悪魔城へと向かう。

Read Article

がんばれゴエモン〜ネオ桃山幕府のおどり〜(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

がんばれゴエモン〜ネオ桃山幕府のおどり〜(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『がんばれゴエモン〜ネオ桃山幕府のおどり〜』は、コナミが1997年8月7日に発売したNINTENDO64用ゲーム。日本中をステージに変えようと企むネオ桃山幕府の陰謀を止める為に義賊のゴエモンと忍者のエビス丸が仲間と協力し日本中を救うストーリー。『がんばれゴエモン』シリーズの中で初めて3Dのアクションゲームとなっている。主題歌は影山ヒロノブ、挿入歌は水木一郎というアニソン界の大御所が担当、更に挿入歌をオペラ歌手が担当し楽曲にかなり力を入れている。

Read Article

幻想水滸伝IV(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

幻想水滸伝IV(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『幻想水滸伝IV』は、コナミより2004年に発売されたロールプレイングゲームだ。 PlayStation 2用のソフトであり、『幻想水滸伝シリーズ』の4作品目のナンバリングタイトルである。 キャッチコピーは「108人の待つ海へ。それは、冒険か。出会いか。」となっている。 物語の舞台は1作目の『幻想水滸伝』の150年前となっており、他のシリーズ作品と比べて旧作のキャラクターはあまり登場しない。 “罰の紋章”を継承した主人公を中心に群島諸国とクールーク皇国の戦いを描く。

Read Article

DanceDanceRevolution(ダンスダンスレボリューション・ダンレボ)のネタバレ解説・考察まとめ

DanceDanceRevolution(ダンスダンスレボリューション・ダンレボ)のネタバレ解説・考察まとめ

DanceDanceRevolutionとは1998年に稼働を開始した、コナミ(現コナミアミューズメント)製のアーケード用音楽シミュレーションゲーム。コナミの音楽ゲームシリーズ、BEMANIシリーズの第3弾として登場した。足元にある4つのパネルを踏むことで実際にダンスをしているかのように楽しめるゲームで、現在シリーズ第16作目である「DanceDanceRevolution A20(エースツーオー)」が日本を始めとした世界各地で稼働している。「ダンレボ」や「DDR」の略称で親しまれている。

Read Article

遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ8 破滅の大邪神』とは、コナミから発売されたゲームボーイアドバンス専用のゲームソフトで、『遊☆戯☆王オフィシャルカードゲーム デュエルモンスターズ』を題材としたゲームの8作目。原作『遊☆戯☆王』のバトルシティ編後の完全オリジナルストーリーであり、大邪神レシェフを倒すために、世界各地に散った千年アイテムを探す旅を描いている。OCG(オフィシャルカードゲーム)のルールとは異なる独自のルールを採用しており、難易度が非常に高い作品となっている。

Read Article

怖すぎてプレイできない!?おすすめのホラーゲームまとめ【バイオハザード7ほか】

怖すぎてプレイできない!?おすすめのホラーゲームまとめ【バイオハザード7ほか】

アクション・RPG・シミュレーションなど様々なジャンルが存在しているゲーム作品。その中でも特に好みが分かれるのは「ホラーゲーム」ではないだろうか。2018年には「画質やスピーカーの性能が良い」と評判の「PlayStation 4」からホラーゲームが複数発売されており、より恐怖体験を楽しむことができるようになっている。本記事ではプレイヤーの間で「特に怖い」と話題のホラーゲーム作品を、まとめて紹介する。

Read Article

サイレントヒルの珍歴史!お化け屋敷化や謎解きゲームが登場?静岡県がサイレントヒル県に改名された?

サイレントヒルの珍歴史!お化け屋敷化や謎解きゲームが登場?静岡県がサイレントヒル県に改名された?

『サイレントヒル』といえば、最恐ホラーゲームとして名高いですよね。そんな『サイレントヒル』には数々の珍歴史があるようなので、この記事でまとめました。たとえば、静岡県が「サイレントヒル県」と改名されるとか、「サイレントヒルのうた」が病的すぎる歌詞だったりとかですね。他にもいろいろあるので、ゲームをプレイしたことのある方なら面白く読めるかもしれません。

Read Article

目次 - Contents