
『Nのために』とは、湊かなえの推理小説、及びそれを原作とした純愛ミステリードラマである。ドラマの主演は榮倉奈々で、窪田正孝や賀来賢人などが出演する。高層マンションの野口宅で、野口貴弘と妻の野口奈央子が殺害された。現場に居合わせたのは大学生の杉下希美と成瀬慎司と安藤望と西崎真人だった。その中で西崎が殺害を自供し、殺人罪で懲役10年が言い渡される。それから10年後、元警察官の高野茂が事件に疑念を抱き、真相を追い始める。本作は大切な人を守ろうとする究極の愛が描かれており、多くの賞を受賞した。
神奈川県出身で小説家志望である。真面目で少し変わり者で喋り方が堅苦しい。小説を書くことに没頭して大学を留年しており、野原荘で希美と安藤に出会った。小説を優先して他人と関わることはなかったが、2人との出会いにより、外の世界に目を向け始める。幼い頃に母親から虐待を受けていたが、火事で家が燃えた際に母を助け出すことなく自分だけ逃げたことを後悔しており、火を極度に怖がる。貴弘の妻である野口奈央子(のぐちなおこ)と知り合い、彼女が貴弘から暴力を受けていたことから、互いに傷をなめ合うように愛し合うようになる。そして奈央子を救うため、希美と成瀬と共にある計画を立てるが、結果的に奈央子が西崎を庇うために貴弘を殺して自殺してしまう。西崎は誰も殺していなかったが、奈央子を庇うために殺人の罪をかぶり、10年服役した。
野口貴弘(のぐちたかひろ/演:徳井義実)

大手商社の課長で、高層タワーマンション、スカイローズガーデンの48階に妻と住んでいる。表向きは自信にあふれており、人当たりがよく頼りがいもあり、ボランティア活動なども積極的にする良い夫である。しかし裏では妻に暴力を振るうDV夫で、彼女を家に閉じ込めて束縛している。そのため西崎たちが奈央子を救うために計画を立てたが、結果的に計画が失敗し、家にやって来た西崎に包丁で襲い掛かろうとしたところ奈央子に背後から殴打されて死亡した。
野口奈央子(のぐちなおこ/演:小西真奈美)

貴弘の妻で専業主婦である。品がよく控えめで、貴弘と一緒にボランティア活動に参加している。しかし裏では貴弘に暴力を受け、束縛されている。ボランティアで知り合った希美と親しくなり、希美の家に行くようになるが、密かに彼女が貴弘をそそのかしていると勘違いしていた。その後、西崎と深い関係になり貴弘の束縛が酷くなった矢先に流産も経験し、精神的に不安定となって西崎に助けを求め彼が希美や成瀬と計画を立てて救いに来る。しかし土壇場で西崎に、貴弘をそそのかす希美を連れ出してほしいなどと言い出して計画が狂い、西崎を襲おうとする貴弘を背後から殴打して殺してしまう。貴弘に依存していたことから彼を殺したことで激しく取り乱してしまい、自分の腹を包丁で刺して自殺を図った。
高野茂(たかのしげる/演:三浦友和)

画像右側が高野茂
青景島に長年駐在する警察官で、妻の高野夏恵(たかのなつえ)と共に生活している。穏やかで優しい性格で家を追い出された希美たちを心配しており、後に希美の母の相談相手として民生委員を連れて行った。料亭が火事の際に1人で外にいた成瀬か希美が放火犯だと考えている。そして野口夫妻殺人事件で希美と成瀬が一緒にいたことも偶然ではないと考え、火事の際にショックで声を失った夏恵のために真相を突き止めようとしていた。
青景島の人々
高野夏恵(たかのなつえ/演:原日出子)

高野の妻で、彼からはなっちゃんと呼ばれている。料亭が火事になった際、高野が不在だったため代わりに現場へと向かい、成瀬の父の救助を行った。だが成瀬の父が自ら火を放って自殺を図ろうとしていたことを知り、不憫に思って彼が放火犯にならないよう証拠品を消して彼を助け出した。その際に負った火傷は回復したものの、警察官の妻でありながら証拠隠滅などを行った罪の意識にさいなまれて声が出なくなってしまい、手話で会話をするようになる。
宮本由妃(みやもとゆき/演:柴本幸)

晋の愛人である。料理上手。晋の家族を追い出して、彼と一緒に家に住み始めた。バーやクラブなどの店を東京に3軒、大阪に4軒持っており、経営も順調である。希美から食費がないことを聞かされ、土下座して頼むことを条件に彼女に料理を恵んでいた。
成瀬周平(なるせしゅうへい/演:モロ師岡)

画像真ん中が成瀬周平
成瀬の父親で、妻と一緒に料亭さざなみを経営している。しかし経営不振となって閉店することになり、夫婦仲も悪くなって離婚に至る。そのため金銭的に余裕がなく、成瀬を大学に行かせてやることができなくなったことから、自分が死んで保険金を使って大学に行かせてやろうと自ら店に放火して自殺を図る。その際は夏恵に救助され、生き延びたが、成瀬が大学2年生の時に病で亡くなった。また高野が島に赴任してきた際は知り合いのいなかった彼にアドバイスをするなどして優しく接し、友人関係となった。
成瀬瑞穂(なるせみずほ/演:美保純)

画像左側が成瀬瑞穂
成瀬の母親で、周平の妻である。周平と共に料亭さざなみを営んでいたが、経営不振となって閉店し、夫婦仲も悪くなって離婚することとなった。その際は成瀬に謝罪し、彼と一緒に暮らしたいと願ったが、彼から断られた。
池園和幸(いけぞのかずゆき/演:山中崇)
目次 - Contents
- 『Nのために』の概要
- 『Nのために』のあらすじ・ストーリー
- 野口夫妻殺人事件
- さざなみが火事で焼失
- 希美と西崎と安藤の出会い
- 殺人事件の真相
- 『Nのために』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 杉下希美(すぎしたのぞみ/演:榮倉奈々)
- 成瀬慎司(なるせしんじ/演:窪田正孝)
- 安藤望(あんどうのぞみ/演:賀来賢人)
- 西崎真人(にしざきまさと/演:小出恵介(少年期:若山耀人))
- 野口貴弘(のぐちたかひろ/演:徳井義実)
- 野口奈央子(のぐちなおこ/演:小西真奈美)
- 高野茂(たかのしげる/演:三浦友和)
- 青景島の人々
- 高野夏恵(たかのなつえ/演:原日出子)
- 宮本由妃(みやもとゆき/演:柴本幸)
- 成瀬周平(なるせしゅうへい/演:モロ師岡)
- 成瀬瑞穂(なるせみずほ/演:美保純)
- 池園和幸(いけぞのかずゆき/演:山中崇)
- 杉下洋介(すぎしたようすけ/演:葉山奨之)
- 磯野友子(いそのゆうこ/演:梨木まい)
- 杉下晋(すぎしたすすむ/演:光石研)
- 杉下早苗(すぎしたさなえ/演:山本未來)
- その他
- 桐野繭子(きりのまゆこ/演:伊藤裕子)
- 広田公之(ひろたひろゆき/演:福田転球)
- 溝口(みぞぐち/演:山田裕貴)
- 西崎寛(にしざきひろし/演:神崎孝一郎)
- 野原兼文(のばらかねふみ/演:織本順吉)
- 西崎美雪(にしざきみゆき/演:中越典子)
- 津嘉山(つかやま/演:渡辺憲吉)
- 柴田(しばた/演:桜井聖)
- 前田(まえだ/演:山田明郷)
- 多田(おおた/演:財前直見)
- 鈴木健一(すずきけんいち)
- 『Nのために』の用語
- 青景島
- 野原荘
- 料亭さざなみ
- 将棋
- 『Nのために』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 希美が成瀬を庇う場面
- 成瀬慎司「大丈夫。全部偶然だっていえばいい」
- 希美と早苗が和解する場面
- 『Nのために』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 10年の女優人生の中で1番プレッシャーを感じていた榮倉奈々
- ドラマの共演がきっかけで結婚した榮倉奈々と賀来賢人
- 青景島のロケ地は香川県の小豆島
- 『Nのために』の主題歌・挿入歌
- ED(エンディング):家入レオ「Silly」