テセウスの船(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『テセウスの船』とは竹内涼真主演の、2020年に制作されたヒューマンミステリードラマである。田村心は1989年に発生した「音臼小無差別殺人事件」の犯人・佐野文吾の息子として身を隠すように生きてきた。ある日心は故郷の音臼村を訪れるが、突然濃霧に飲み込まれ、自分が生まれる前の音臼村にタイムスリップしてしまう。そこには警察官として誠実に生きる父・文吾がいた。父親の無罪を確信した心は、事件を防ぎ、文吾を陥れた犯人を突き止めるべく立ち上がる。いくつもの謎が見る者を翻弄する、泣ける本格ミステリーである。

『テセウスの船』の概要

『テセウスの船』とは、2020年1月19日から3月22日までTBS系「日曜劇場」で放送されたヒューマンミステリードラマだ。主演は、「日曜劇場」初主演となる竹内涼真。共演者は、第57回NHK大河ドラマ『西郷どん』で主人公の西郷隆盛を演じた鈴木亮平、同じく第50回NHK大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』で主人公の江を演じた上野樹里など豪華な顔ぶれが脇を固める。
原作は講談社刊『モーニング』にて連載されていた、東元俊哉による漫画『テセウスの船』である。脚本は高橋麻紀。音楽は数々の映画・アニメ等でヒット曲を手掛けた事で知られる菅野祐悟が担当し、テーマ曲「俺の父親は本当に殺人犯なのか?」は業界内でも高い評価を受けている。
平均視聴率は19.6%で、3月22日放送の最終回では最高視聴率21.5%を記録した。

ドラマは2020年の東京から始まる。主人公の田村心(たむらしん)は、生まれた時から殺人犯の子として世間から厳しい目に晒されて育ってきた。実父の佐野文吾(さのぶんご)は、1989年3月12日に発生した「音臼小無差別殺人事件」の犯人として逮捕され、死刑囚として宮城拘置支所に収監されている身だ。母・田村和子(たむらかずこ)はそんな現実から家族を守るために文吾と離婚し、長男・田村慎吾(たむらしんご)と長女・田村鈴(たむらすず)、そして心を女手一つで育て上げた。
ある日心は、出産で亡くなった妻・田村由紀(たむらゆき)の最期の言葉を受けて、音臼村を訪れる事にした。そして事件現場の音臼小学校跡地に足を踏み入れると、突然濃い霧に全身を包まれ、1989年1月7日にタイムスリップしてしまう。自分が生まれる前の世界に突如として飛ばされた心は戸惑いつつも、和子や文吾らに温かく迎え入れられ、一緒に暮らす事になる。心がそこで見たものは、村を守る誠実な父と、明るく幸せな家族の姿であった。父の無罪を確信した心は、「音臼小無差別殺人事件」を防ぎ、父の汚名を晴らすために戦う決意をした。
複雑に絡み合うミステリーが解けた時、時空を超えた親子の絆に涙せずにはいられない、壮大な物語である。

『テセウスの船』のあらすじ・ストーリー

平成元年に殺人犯になった父

2020年の東京。主人公の田村心(たむらしん)は、生まれた時から殺人犯の子として世間から身を隠すようにして生きてきた。教師になるのが夢だったが、出自のせいで諦めている。
実父の佐野文吾(さのぶんご)は、1989年3月12日に発生した「音臼小無差別殺人事件」の犯人として逮捕され、死刑判決が確定し宮城拘置支所に収監されている身だ。母・田村和子(たむらかずこ)はそんな現実から家族を守るために文吾と離婚し、長男・田村慎吾(たむらしんご)と長女・田村鈴(たむらすず)、そして心を女手一つで育て上げた。
そんな心の唯一の理解者は、妻の田村由紀(たむらゆき)のみ。由紀は出産を間近に控えたある日、自らが集めた「音臼小無差別殺人事件」に関する記事を載せたノートを心に渡す。その後病院で由紀は第一子となる娘を出産。しかし由紀は妊娠高血圧症候群を患っており、出産直後に亡くなった。心は生まれたばかりの娘を和子に預けて、既に廃村となっている宮城県仙南郡音臼村を訪れた。事件現場の音臼小学校の跡地に足を踏み入れると、突然濃い霧に全身を包まれ、1989年1月7日にタイムスリップしてしまう。

驚いた心は村内を歩き回る。すると雪道で小学生の女の子が倒れているのを見つけ、近くの三島医院で手当てをしてもらう。心は、自分が助けた少女が姉の佐野鈴(さのすず)である事を知り、更に驚く。そこへ鈴を迎えに来た父・文吾と対面。突然、父が現れた事に動揺した心は、とっさに病院の外に逃げ出した。
そこで心は、三島院長の次女・三島千夏(みしまちなつ)という幼い女の子と出会う。由紀が遺したノートによると、千夏は1989年1月7日に自宅倉庫で除草剤のパラコートを誤飲し、亡くなる事になっていた。心は慌てて三島家の倉庫からパラコートを持ち出し、廃棄する。
そこへ佐野和子(さのかずこ)が駆けつけ、鈴を助けてくれた事に対し礼をいう。和子は妊娠しており、そのお腹の中にいるのは心である。心が戸惑っていた矢先、倉庫から文吾の叫び声が聞こえた。慌てて心と和子が向かうと、別のパラコートを飲んで亡くなった千夏と、彼女を発見したばかりの文吾の姿があった。

文吾は心を取り調べるが、あっさり釈放。和子はそんな心を気にかけ、「しばらくウチに泊まりなさい」と言った。好意をありがたく受ける事にした心だが、文吾は心を警戒している。心が何者なのか、佐野家の人々は不思議に思いつつ心を受け入れた。
心は徐々に文吾と心を通わせていく。自分が2020年の未来から来た事を告げると、文吾は笑ってそれを聞き流す。心は、文吾が人を殺す筈がないと確信し、「音臼小無差別殺人事件」を防ごうと決意を固めるのだった。

数日後、心は音臼小学校で臨時教師として勤務する事になった。由紀のノートによると、村に住む元県議会議員・田中義男(たなかよしお)が数日内に火事で亡くなる事になっていた。文吾と心は田中の家に向かい、目の不自由な義男が描きためていたノートを見せてもらう。するとそこには、うさぎや女の子が泣いている奇妙な絵が描かれていた。
翌日、音臼小学校で飼われていたうさぎが毒で死んでいるのが発見される。心は学校に出入りする長谷川翼(はせがわつばさ)を疑うが、逆に翼は心を疑っていた。宮城県警の刑事・金丸(かねまる)も、心に疑いの目を向ける。
しばらく後、鈴と明音がいなくなったと連絡があり、2人で探し回る。文吾は、心が肌身離さず持っているノートを見せて欲しいと頼む。しかし心は、文吾に殺人事件のことを教えたら大きなショックを与えてしまうと思い、それを断った。
その後、鈴は無事に保護される。そして義男の絵に描かれていた風速計からヒントを得て、小屋のなかで明音も発見。
金丸は、誘拐の現行犯として心を逮捕しようと迫る。心は、自分の免許証と由紀のノートは見られてはまずいと判断し、とっさにそれを崖下に投げ捨てた。その直後、翼の遺体が発見されたと一報があり、金丸は心を逮捕。だがすぐに釈放された。
翼の死因は青酸カリ中毒だった。翼の婚約者の佐々木紀子(ささきのりこ)が勤務する木村メッキ工場から青酸カリが盗まれていた為、紀子に殺人容疑がかけられる。だが由紀のノートは探しても見つからない。学校ではSと書かれた女の子の絵が見つかり、心はノートに貼られていた過去の記事を思い出す。記事によると翼ではなく紀子が死ぬことになっていた。心は、次は鈴が狙われる事を懸念していた。

その直後、学校で21と記された不審なオレンジジュースが発見される。心は犯人からのメッセージではないかと感じた。心は、ついに文吾に秘密を打ち明ける。自分が文吾の息子である事、文吾が未来の世界では死刑囚となっていることを告げると、文吾は激しく動揺し心に辛く当たる。
心は協力者が他にも必要だと考え、金丸に自分が未来から来た人間だと明かした。

翌朝、音臼神社に向かった心は青酸カリの瓶を発見した。その直後、心は何者かに階段の上から突き落とされて意識を失う。
一方文吾は金丸から、心が文吾の家族を本気で心配していると聞き、心を再び信じようと思い直す。そして音臼神社の階段下で倒れている心を発見。意識を取り戻した心に、「一緒に戦って欲しい」と懇願するのだった。

その頃、金丸は崖の上に立っていた。金丸が「これでいいのか」と誰かに尋ねた直後、崖に突き落とされた。
同時刻、心が歩いていると急に霧に囲まれ、2020年に戻って来た。慌ててスマホを確認すると、文吾は死刑囚のままであった。しかも和子と慎吾は、一家心中で亡くなっており、未来はむしろ悪い方に変わっていた。

死んだはずの妻と再会

心は結婚すらしていなかった。気になって由紀の実家の前に行くと「誰ですか?」と本人に話しかけられる。この世界では、それが心と由紀の初体面だった。由紀は雑誌記者だ。
文吾の面会に赴くと、父は心のことを覚えていた。金丸が転落死した事、「音臼小無差別殺人事件」を防げなかった事、そして青酸カリはオレンジジュースではなく、郷土料理のはっと汁に混入していたことを聞き、心は未来が変わったことを思い知らされる。

一方、姉の鈴は整形し、村田藍(むらたあい)と偽名を使って生活していた。鈴は、音臼小で同級生だったみきおと事実婚関係にある。みきおは「音臼小無差別殺人事件」の後遺症で車いす生活を余儀なくされており、教師だった木村さつき(きむらさつき)の養子となっていた。しかし彼は、藍の正体を知らない様子。
心は、文吾の冤罪をなんとか晴らすため、由紀に連絡を取る。由紀は、「音臼小被害者の会」がある事を心に教えた。心は再び鈴の元を訪ね、その場で被害者達から事件の情報を少しでも聞き出したい、と鈴に語る。しかしその様子は、さつきが仕掛けた監視カメラで盗み見されていた。鈴は覚悟を決め、心と会合に行く事になった。

「音臼小被害者の会」の会場に着くと、檀上でさつきがスピーチをしていた。心は鈴の立場を慮り、会場に入る事を躊躇する。すると由紀が壇上に上がり、文吾には冤罪の可能性があり、誰か協力してほしいと呼びかける。だが由紀は、被害者家族に水をかけられてしまう。心は、由紀の勇気ある行動に涙を流して感謝した。

その後、松尾紀子(まつおのりこ)という女性が現れ、連絡を受けて訪ねて来た心に対し「文吾の無実を証言する」と告げる。
一方さつきは鈴に対し、本当の正体を知っていると告げる。そしてさつきは、みきおに知られたくなければ自分に従えと迫った。
また、さつきは紀子の旧姓が佐々木だという情報も掴んでいた。そして鈴に対し、紀子の証言を阻止しろと脅迫する。その矢先に、心が「松尾紀子に会いに行く」というメールを鈴に送ってきた為、鈴は慌てて紀子の家に向かった。
心と鈴は、ついに紀子から当時の状況を聞き出した。彼女は婚約者・翼に頼まれて青酸カリを盗んでいた。だが翼も、何者かに指示されて動いていたらしい。翼は明音を殺そうとして失敗し、自暴自棄になって自殺したのだという。
紀子は、金丸が何者かに突き落とされるところも目撃していた。その犯人の正体を心が問いただそうとすると、鈴が突然倒れてしまう。実は鈴は、さつきに渡された薬を、密かに飲んでいたのだ。

鈴は病院に搬送され、無事だった。心が紀子の家に戻ると、紀子は救急車で運ばれ、亡くなっていた。しかも、何故かさつきも一緒に搬送されたという。結局犯人の名前も聞けず、心は落胆する。
鈴は病室を訪ねてきた心に、さつきに正体が知られ、わざと服毒して紀子の証言を阻止するよう命令されたことを告げる。
心は、さつきが紀子殺害の犯人だと疑い、彼女の病室を訪ねたが、既に亡くなっていた。病室にはまたしても不審なオレンジジュースが置かれている。心が帰宅すると、21人の子どもが亡くなっている絵が届いており、由紀に相談するのだった。

心と由紀はみきおに呼び出され、さつきの家に向かった。みきおは、さつきの病室から小太りでメガネの男が逃げ去る様子が、防犯カメラに映っていたらしいと打ち明けた。
心は小太りでメガネの男が、音臼村にいた田中義男の息子・正志だと突き止める。心は正志の家を訪ねたが、彼も何者かに殺された直後だった。
そして家に帰ると、「3月8日THE END」と書かれた絵が届いていた。心は、これが犯人からの挑戦状だと気づく。そこで由紀に、自分がタイムスリップした事や、以前の世界では自分と由紀が結婚していた事など、全てを打ち明けた。翌日、心は1人で音臼小学校跡地の慰霊碑に赴く。

すると慰霊碑の前にみきおが現れ、車いすから突然立ち上がると心をナイフで刺した。心は意識が遠のく中、明音の首についた手の痕が子供のものだった事を思い出す。心は、ボイスレコーダーを見せてみきおを引きはがし、命からがら逃れた。だがその直後、再びタイムスリップしてしまった。
気が付くと、そこは1989年3月10日の佐野家だった。音臼小事件発生の2日前である。その頃、子供の頃のみきおが、心の持っていたボイスレコーダーの音声を聞いていた。

運命の1989年3月12日

1989年に戻った心は文吾に対し、犯人がみきおであることを伝える。さつきが手を貸していたことも伝え、2人はみきおの身辺を調べる事にした。みきおは幼少期に両親を亡くしており、同居していた祖母が亡くなった後は施設に入所していた。さつきは、一人ぼっちのみきおの母親になろうと考えている、と文吾に明かす。

佐野家では、和子のお腹の子を「心」という名前にすることが決まっていた。鈴からそれを聞いたみきおは、大笑いしていたという。その頃、義男の家にいたみきおから、駐在所に通報が入る。義男の様子がおかしいから来てほしいというのだ。文吾が駆けつけると、義男は亡くなっていた。

心は、みきおが母の命を狙いに来るかもしれないと考える。母と姉たちが危険だと判断した文吾は、和子と子供たちを村から出そうと考える。困惑する和子と子供たちに、文吾は頭を下げた。心は家族だけのお楽しみ会を開き、皆で30年後に向けたタイムカプセルを埋めた。

お楽しみ会の当日の朝、和子と子供たちは母の実家に向けて出発した。母たちを見送った後、心と文吾は2人で学校に向かう。学校では、みきおが2人を待ち受けていた。
みきおはその後、郷土料理のはっと汁の準備を手伝った。
いよいよ皆ではっと汁を食べる時間になり、文吾は用意されていたものを捨てた。しかし子供用に用意されたものがあり、文吾と心が「毒が入っている」と周りに訴えても誰も信じようとしない。心は、毒見のつもりではっと汁を飲んだが、毒は入っていなかった。

お楽しみ会が無事に終了した直後、今度は文吾の無線に和子の車が乗り捨てられていた、という連絡が入る。文吾が現場に駆け付けると、和子と子供たちの姿はなく、車の後部座席には謎の絵が置かれていた。近くに車のタイヤ跡があったことから、心と文吾はみきおに共犯者がいることを確信するのだった。
そしてその絵によって、みきおの真の狙いが文吾だということが判明。
必死で和子たちを探し回る文吾の元に、母たちが見つかったとの連絡が。発見したのはみきおで、和子たちは音臼小の体育館に監禁されていた。
心は和子に、村を出るよう再び頭を下げた。だが和子は、警察官の妻として村に残る、ときっぱり宣言。

一方みきおは「もう疲れたから捕まえてほしい」と文吾に連絡してくる。教えられた場所に向かう中、心は「俺が決着をつける」と書かれたメモを発見。メモにはキャンプ場の住所を書いた筆跡が残っている。心は、文吾とは別行動を取ってそのキャンプ場へ向かった。
その頃、文吾はみきおと会っていた。みきおは犯行の理由を「鈴ちゃんのため」と告げる。どういう意味なのかと問いかけようとした矢先、文吾はスタンガンで何者かに気絶させられる。
謎の共犯者は、みきおまでも襲った。心が駆けつけると、パトカーで気を失っているみきおを発見したのだった。

真犯人の最終計画発動

みきおは青酸カリ中毒で失神していた。駆け付けた宮城県警の馬淵(まぶち)は文吾を疑う。だが文吾は姿を消しており、心は必死で山を探し回る。馬淵は、佐野家の家宅捜索を行った。翌朝、大勢のマスコミが佐野家に押し寄せ、和子に詰め寄る。
同時刻、文吾は小屋に目隠しされた状態で監禁されていた。小屋の中のテレビから漏れる音声で、和子がマスコミに責められていることを知る。
和子は、マスコミに謝罪しつつ「文吾は人を殺すような人間ではない」と言い切った。文吾は和子の言動に安堵したのもつかの間、再びスタンガンで気絶させらてしまう。

心は、みきおから話を聞く為に病院を訪れた。しかしさつきがそばにいるため、病室には入れない。仕方なく駐在所に戻ると、失くした筈の由紀のノートが机の上に置かれていた。ノートには、なぜか1977年の音臼村祭のチラシが入っている。心は、実行委員として名が記されていた校長の石坂に会って話を聞くことにした。
石坂は、1977年の音臼村祭で徳本(とくもと)の母親が亡くなったことを心に教えた。死因は、食中毒である。心が徳本の家を訪ねると、ちょうど自力で下山した文吾を発見。2人は抱き合って無事を喜んだ。

帰ってきた文吾を家族が出迎え、徳本と井沢(いざわ)もイノシシ鍋を振舞ってくれた。その後、文吾は県警に赴き、留置所に入れられる事になってしまった。
翌朝、馬淵が文吾のワープロを調べると、そこには青酸カリを裏庭に埋めたと記されており、佐野家の庭から証拠品も見つかる。文吾は、そのまま連続殺人の容疑で逮捕される事となった。

文吾は、全ての事件について疑いをかけられていた。心は文吾の無実を訴えるも、警察には全く取り合ってもらえない。意識が戻ったというみきおの元に向かったが、付き添ったさつきによると彼は記憶を失っているという。
その頃文吾の元に、1冊の本が差し入れられていた。和子と心が面会に訪れると、文吾は罪を認め、家族の縁を切ると言い出した。和子は、文吾が本当に犯人なのかと戸惑ったが、鈴と慎吾は父の無実を信じている。和子と子供たちは、皆で文吾を信じようと誓い合った。
心は、再びみきおに会いに行く。だが、みきおがいなくなったとさつきが半狂乱になっており、ベッドの下には「THE END」と書かれた紙が置かれていた。心が学校へ向かうと、待ち構えていたみきおは全てを告白する。記憶喪失というのは演技で、自分は鈴のヒーローになりたかったのだと言った。だが、その為には文吾の存在が邪魔で、全ての罪を被せて世間から消そうと決めたのだ。自らの自白をボイスレコーダーに録音していたみきおは、絶叫しながら液体を口に流し込む。
みきおは救急車で搬送され、命拾いした。ボイスレコーダーは警察が押収。文吾は差し入れられた本に「罪を認めなければ家族皆殺し」と書かれていた事を警察に告白する。それで罪を被ろうとしていたのだ。文吾の無実は証明され、無事に釈放された。

文吾は、1977年の音臼村祭で毒キノコを誤って入れたのが正志(まさし)の母親だったことを思い出す。
すると駐在所に、音臼神社へ来るよう指示する手紙が届いていた。それを見つけた心は、1人で向かった。心の身を案じた文吾も、急いで現場へ向かう。
音臼岳で文吾と心は正志と対面した。1977年の音臼村祭り事件で逮捕された母親は亡くなり、妹もその後自殺した。正志は、文吾が母親を逮捕したせいで家族が壊れた、と恨んでいたのだ。
正志は文吾にナイフを向けて襲いかかった。それを心が体を張って止めにかかる。だが、もみ合いになった末に心は刺され、そのまま絶命したのだった。

31年後の2020年、心は由紀の妊娠を家族に報告していた。第一子が女の子と聞いた文吾は「未来」という名前を提案。心も全く同じ名前を考えていたので、驚いている。文吾は、ポケットから心の結婚指輪を取り出し、そっと握りしめた。それは、1989年に自分を庇って亡くなった「心さん」の遺品であった。
心は1989年にもう一度この世に生まれ、事件のことを何も知らずに、再び現世を生きていたのだった。

『テセウスの船』の登場人物・キャラクター

主要人物

田村心(たむらしん/演:竹内涼真・幼少期:高木波瑠)

1989年に発生した「音臼小無差別殺人事件」の犯人・佐野文吾の息子として生を受ける。幼い頃から加害者家族として世間の批判に晒されてきた。教師になるという夢を抱き、教員免許を取得したものの、殺人犯の息子という現実の前に、夢を諦めた。妻の由紀が唯一の味方である。だが初産の直後、危篤に陥った妻に「父親と過去の事件に向き合ってほしい」と訴えられ、故郷の音臼村を訪れる事を決意する。そして音臼村の事件現場を訪れると、突然濃い霧に包み込まれ、事件直前の30年前にタイムスリップしてしまう。
1989年の両親からは「心さん」と呼ばれている。父の文吾が身元保証人となり、音臼小学校で臨時教師として働く事になった。

田村由紀(たむらゆき/演:上野樹里)

心の妻。旧姓は岸田。心の出生をすべて受け入れ、両親の反対を押し切って結婚した。出産直前、心に自らが作成したノートを見せ、「音臼小無差別殺人事件」の話をしている最中に産気づく。だが娘の未来(みらい)を出産直後、妊娠高血圧症候群で死亡してしまった。
心がタイムスリップから戻った2020年では、心が過去を変えた為に生存していた。しかし心とは結婚しておらず、独身。週刊誌の記者として「音臼小無差別殺人事件」の真相を追っていた。
由紀に会いに来た心に対しては、記者として接する。心から「音臼小事件被害者の集い」のことを尋ねられ、日時と場所を教えた。当日は由紀も「音臼小事件被害者の集い」に同行。心の代わりに壇上に立ち、「事件の真相究明がしたい」と訴え、来場者から罵声と水を浴びせられる。

佐野文吾(さのぶんご/演:鈴木亮平)

心の父親。音臼村の駐在警察官だったが、1989年に発生した「音臼小無差別殺人事件」の犯人として逮捕され、死刑判決が確定した。しかし拘置所に収監された後も、一貫して無罪を主張してきた。事件前は、村民から信頼される警察官で、家族を大切にする良き父であった。

主人公の親族

0223-2011b5
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JIN(仁)のネタバレ解説・考察まとめ

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『JIN(仁)』とは、TBS系列にて2009年10月〜12月まで放送されたTVドラマ及び、『スーパージャンプ』で連載されていた村上もとかによる漫画作品。「現代の医師が、もし幕末へタイムスリップしたらどうなるか?」を描いたSF要素の強い医療時代劇漫画をドラマ化したものである。第五話で視聴率20%超えを達成し、最終話では平均視聴率25.3%、瞬間最高視聴率29.8%を記録した。この記録は、2009年に放送された民放の連続ドラマ視聴率の中で最高記録となり、大きな反響を呼んだ、国民的人気ドラマである。

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陸王(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

陸王(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『陸王』とは作家の池井戸潤が書いた小説『陸王』が原作のドラマで、脚本は八津弘幸、演出は福澤克雄と田中健太が担当。ドラマのストーリーは資金難に苦しむ老舗足袋屋の社長が、会社の未来を考え新規事業のランニングシューズ開発に乗り出し、たくさんの人の助けで苦難を乗り越え、マラソン足袋「陸王」を開発するまでの企業再生物語。ドラマの主人公である宮沢紘一を俳優の役所広司が演じ、たくさんのエキストラを使った駅伝シーンなどは臨場感のあるシーンに仕上がっている。大多数の人たちから感動したと大反響を呼んだ人気ドラマ。

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白夜行(東野圭吾)のネタバレ解説・考察まとめ

白夜行(東野圭吾)のネタバレ解説・考察まとめ

『白夜行』とは、1999年に刊行された東野圭吾の推理長篇である。発行部数は2010年12月時点で200万部を超えている。1973年、大阪で起きた殺人。犯人は小学5年生の被害者の息子・桐原亮司と、容疑者の娘・西本雪穂。未解決のまま時は流れていく。そして成長した2人は犯罪行為で互いに助け合うようになり、周囲で不可解な事件が次々と起きる。 疑念を抱く刑事が2人の関与に気づき、証言や調査で真相に迫っていくというストーリー。2006年にはテレビドラマ化、2011年には映画化されている。

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娚の一生(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

娚の一生(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『娚の一生』とは、西炯子による日本の漫画作品。小学館「月刊フラワーズ」にて連載された。 「このマンガを読め!2010」で第5位になった。単行本は全4巻。累計発行部数150万部を記録する。2015年、豊川悦司・榮倉奈々のダブル主演で映画化された。 大手企業に勤める30代女性・つぐみと50代の大学教授・海江田とのビタースゥイートでもどかしい関係を描いた漫画作品。

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貞子 vs 伽椰子(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

貞子 vs 伽椰子(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『貞子 vs 伽耶子』とは2016年に公開された日本のホラー映画。共に一世を風靡したジャパニーズホラー映画『リング』シリーズの「山村貞子」と『呪怨』シリーズの「佐伯伽耶子」の最恐二大ヒロインが共演を果たした。監督は白石晃士。女子大生の倉橋有里の親友・夏美は偶然手に入れた「呪いのビデオ」を見てしまう。一刻も早く「見たら二日後に死ぬ」呪いを解かなければならない。一方「呪いの家」が気になって仕方ない女子高生・高木鈴花。蔓延してゆく強力な呪いを解くためにはバケモンとバケモンをぶつけるしかないのだった。

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マスカレード・ホテル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

マスカレード・ホテル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『マスカレード・ホテル』とは、東野圭吾が書いた人気小説『マスカレード・ホテル』を原作とした大ヒット映画である。木村拓哉主演の映画で、長澤まさみや小日向文世、渡部篤郎など豪華キャストがそろっている。物語は予告連続殺人事件の捜査のために、警視庁の刑事たちがホテル・コルテシア東京に潜入捜査をする。エリート刑事の新田はフロントクラークとして同じホテルの仕事をする山岸と共に、次々とホテルに来る怪しい宿泊客の対応をしていく。誰が殺人事件を起こそうとしている犯人なのかを突き止めていくミステリー映画。

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サンクチュアリ -聖域-(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

サンクチュアリ -聖域-(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『サンクチュアリ -聖域-』は、2023年5月にNetflixで配信が開始されたオリジナルドラマである。大相撲を題材にした作品で、主演は一ノ瀬ワタル。脇を固める役者は染谷将太、小雪、ピエール瀧と、豪華な顔ぶれが揃う。相撲のセンスはあるが品性や礼儀は欠片もない不良少年・小瀬清が、相撲に真剣に取り組み、やがては各界を揺るがし始めるというストーリー。相撲の裏側をリアルに映し、相撲にかける力士たちの厳しい稽古と、熱すぎるまでの情熱が描かれ、世界で大ヒットを記録した。

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ゴールデンスランバー(小説・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ゴールデンスランバー(小説・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゴールデンスランバー』とは、堺雅人主演のミステリー・ハードボイルド映画である。2010年1月に公開された映画で、日本の小説家の伊坂幸太郎の小説『ゴールデンスランバー』を映画化した作品。仙台運送で働く青柳雅春(あおやぎまさはる)が総理大臣を殺害した事件の犯人に仕立て上げられていくストーリー。映画のロケは全て仙台で行われた。映画のキャストは堺雅人の他に、竹内結子、浜田岳、香川照之、吉岡秀隆などが出演している。2018年2月にはカン・ドンウォン主演の韓国映画版『ゴールデンスランバー』が公開された。

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MIU404(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

MIU404(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『MIU404』とは、性格が全く違う二人の刑事が日本の社会問題に立ち向かいながら事件解決を目指す、警視庁機動捜査隊を舞台としたテレビドラマである。臨時部隊として新設された第4機捜に召集された刑事が志摩一未と伊吹藍だ。二人は相反する性格ながら、様々な事件に相棒として立ち向かうことになる。斬新なストーリーと共に、二人の刑事がバディとして絆を深めていく姿も目が離せない作品だ。

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ホットロード(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ホットロード(漫画・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ホットロード』とは『別冊マーガレット』で1986年から連載された、漫画作家紡木たくによる少女漫画である。父親の写真のない家で育ち、ママに愛されていない、必要とされていないと孤独を抱えている少女宮市和希と、不良グループ同士の抗争やバイクで走ることに命を懸ける春山洋志が出会い、"愛情とは何か"、"命とは何か"に気づかされ失いかけた命が再生されていく物語である。漫画連載終了から約24年後の2014年『ホットロード』は映画化され、大ヒットを記録した。

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極主夫道(漫画・ドラマ・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

極主夫道(漫画・ドラマ・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『極主夫道』(ごくしゅふどう)とは、おおのこうすけによる日本の漫画。実写ドラマ化とアニメ化もされている。「不死身の龍」と呼ばれた元・最凶ヤクザの、主夫業の日常を描いたハートウォーミングコメディ。強面のヤクザが全力で主夫業に邁進するギャップ、および高い画力とシュールな展開が特徴。大筋は主人公の龍がその強面から繰り出す熟練の家事スキルギャップが軸になるが、登場人物たち半数近くがその筋の関係者で彼らも彼らでどこかしらズレており、そのズレの連鎖から笑いの渦を生んでくるパターンも多い。

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新選組!(大河ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

新選組!(大河ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『新選組!』とは2004年1月から12月まで放送されたNHKの大河ドラマである。幕末を舞台に若者たちが命を懸けて己を貫く姿を中心に、青春群像劇として高い評価を得た。多摩の百姓であった近藤勇が真の侍になるため京に上り、仲間たちと新選組を結成し誠の忠義を貫くために戦い、生きていく姿が描かれている。香取慎吾をはじめ若手俳優たちが生き生きと演じたこと、また人気脚本家三谷幸喜の脚本も見どころの一つとされている。

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99.9-刑事専門弁護士-(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

99.9-刑事専門弁護士-(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『99.9-刑事専門弁護士-』とは嵐の松本潤が主演のTBSのテレビドラマである。『SEASON I』に引き続き、続編として『SEASON II』が放送された。物語は「99.9%有罪でも0.1%に真実が隠れているかもしれない」という考えを持つ弁護士の深山大翔が、事件の検証や調査をして真実を追求する。松本潤の他に香川照之、榮倉奈々、木村文乃などの俳優がドラマ出演している。IとIIの放送が終わった後にSPドラマの制作や映画化もされている。

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大奥(2023年のドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

大奥(2023年のドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『大奥』とはNHK総合の「ドラマ10」枠で放送された、よしながふみ原作のテレビドラマで、男女逆転した大奥を描く物語である。2023年1月10日から3月14日まで放送。2023年3月度のギャラクシー賞月間賞を受賞している。原作はよしながふみによる漫画『大奥』で、2004年から2021年まで白泉社『Melody』にて連載されていた。舞台は謎の疫病により男の数が激減した江戸時代の日本。世の権力が男から女へと移っていく様、女将軍と支える大奥の男たちの物語を描いている。

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夜のピクニック(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

夜のピクニック(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『夜のピクニック』とは、恩田陸の青春長編小説『夜のピクニック』を原作としたヒューマンドラマである。「みんなで夜歩く。ただそれだけなのに、どうしてこんなに特別なんだろう」をキャッチコピーにして、2006年9月30日に公開された。主人公の甲田貴子は、北高に通う高校3年生である。北高には、一昼夜かけて80㎞を歩く「歩行祭」という伝統行事があった。貴子は、高校生活最後の歩行祭で「同じクラスの西脇融と話をする」という1人だけの秘密の賭けをしていた。青春時代の輝きや、友人の大切さなどを感じる青春映画である。

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俺物語!!(漫画・アニメ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

俺物語!!(漫画・アニメ・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

原作・河原和音、作画・アルコによる少女漫画、及びそれを原作とするアニメ、映画。2011年に『別冊マーガレットsister』に掲載された第1話が好評につき連載へ移行。その後『別冊マーガレット』にて2016年まで連載された。誰もが目を引く巨漢、剛田猛男とお菓子作りが大好きな女子高生大和凛子。痴漢から助けた出会いをきっかけに付き合い始めた二人の不器用ながら微笑ましい恋模様がコミカルに描かれる。

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百万円と苦虫女(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

百万円と苦虫女(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『百万円と苦虫女』とは、ひょんなことから前科持ちとなってしまい、実家にも居づらくなったフリーター・鈴子が、百万円を貯めては場所を転々し、様々な経験や人との出会いを通して成長していく様子を描いた青春ロードムービーである。2008年7月19日に日本で公開され、興行収入は3億円、観客動員数は19.7万人を記録した。『百万円と苦虫女』の功績が認められ、監督のタナダユキは第49回日本映画監督協会新人賞を、主演の蒼井優は2009年に芸術選奨新人賞を受賞した。

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糸(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

糸(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『糸』とは、2020年に公開された日本の恋愛映画で、中島みゆきの楽曲『糸』にプロデューサーの平野隆が着想を得て制作された。監督は瀬々敬久。平成元年生まれの高橋漣(たかはしれん)と園田葵(そのだあおい)は、美瑛で出会い恋に落ちる。しかし大人たちの都合で引き裂かれ別々の人生を歩む。出会ってから18年経って平成という時代も終わりを迎えるとき、互いを忘れられなかった漣と葵は再び手を取り合うために動き出していた。この物語は、漣と葵、その周辺の人々の軌跡を「平成」という時代にのせて描く作品となっている。

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のぼうの城(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

のぼうの城(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『のぼうの城』とは、和田竜の日本の歴史小説を元にして2012年に公開された映画である。犬童一心と樋口真嗣の共同監督で制作された。主人公の長親(ながちか)は忍城(おしじょう)城代の息子である。関白秀吉の家臣である三成によって、忍城は開城を迫られていた。しかし長親は世の理不尽に真っ向から対抗するため、三成に相対する。長親は周りの力を借り、ついには三成軍を退けることになった。この作品は時にはしんみりしつつも、長親という「でくのぼう」の奇策によって観た人を気分爽快にさせる歴史映画となっている。

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小さいおうち(小説・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

小さいおうち(小説・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『小さいおうち』とは、中島京子の同名小説を元に2014年に映画化された日本の恋愛映画である。山形から東京に女中奉公に上がった布宮タキ(ぬのみや)は、赤い屋根のちいさなおうちに住む平井時子(ひらいときこ)の元で働いていた。時子はその外見と内面から、誰でも虜にしてしまう女性だった。そして時子は夫の部下である板垣正治(いたがきしょうじ)と道ならぬ恋をしてしまい、日本も戦争への道を着実に進み始めていた。この作品は昭和という激動の時代を生きていた人々の、血の通った温かい生活と小さな秘密を描いた物語である。

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エルピス —希望、あるいは災い—(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

エルピス —希望、あるいは災い—(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『エルピス —希望、あるいは災い—』とは、主人公である女子アナウンサーの浅川恵那とディレクターの岸本拓朗が、冤罪の証拠を探すドラマである。経済界の大物の策略で死刑囚となった男の冤罪を希望を見出しながら立証していくのだ。圧力に屈したくない拓郎と、自分の地位を守りたい恵那の葛藤も描いていて、災いや希望が渦巻く中で懸命に生きていくヒューマンストーリー。平均視聴率は6.3%で、最終回は5.5%である。

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陽だまりの彼女(小説・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

陽だまりの彼女(小説・映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『陽だまりの彼女』とは、越谷オサムによる日本の恋愛小説を原作として2013年に映画化された恋愛映画である。交通広告代理店の営業マンである奥田浩介(おくだこうすけ)が中学時代の同級生の渡来真緒(わたらいまお)に再会することからはじまり、ふたりは恋愛し結婚する。幸せな毎日を過ごしていたふたりだが、真緒に異変が現れる。そして浩介は真緒の驚くべき秘密を知るのだ。恋愛ストーリーの中にファンタジー要素が加わり、可愛らしく心温まる映画となっている。

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ビューティー・インサイド(韓国映画)のネタバレ解説・考察まとめ

ビューティー・インサイド(韓国映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ビューティー・インサイド』とは、2013年カンヌ国際広告祭グランプリを受賞した原案『The Beauty Inside』を映画にした作品である。毎日目が覚めると別人に変わってしまう男が、ハン・ヒョジュが演じるホン・イスに恋をしてしまったファンタジーロマンス。毎日顔が変わっても1人の女性を愛する心は変わらない男・ウジンとホン・イスが、愛し合う故に立ちはだかる困難をどう乗り越えるのかをうまく表現した映画である。

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ブラックペアン(小説・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

ブラックペアン(小説・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブラックペアン』とは、2018年TBS系『日曜劇場』にて、嵐の二宮和也主演で放送されたテレビドラマ。原作は海堂尊の長編小説『ブラックペアン1988』。渡海征司郎は手術成功率100%を誇る天才外科医である。一方、傲慢な言動が災いし、周囲との歪を生んでいる。そんな渡海が最新医療器具が持ち込まれた事をきっかけに、大学病院という巨大組織に立ち向かっていく医療エンターテイメントドラマだ。

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