君に届けの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『君に届け』とは、椎名軽穂により描かれた作品。根暗で控えめな主人公黒沼爽子が、爽やかなクラスの人気者の風早翔太に恋をし、成長していく姿を描いた青春ラブストーリーである。人と関わりを持つことが出来なかった爽子が、風早と出会ったことをきっかけに人間関係が広がっていく。自分の素直な気持ちと向き合い、恋に友情にと奮闘する姿が描かれている。個性溢れる登場人物の感情や想いが交錯し、思わず応援したくなるような作品となっており、故に名言が多い。

『君に届け』の概要

『君に届け』とは、2006年から2017年まで『別冊マーガレット』で連載された椎名軽穂の作品である。2008年に第32回講談社漫画賞少女部門を受賞し、2009年にテレビアニメの第1期が、2011年には第2期が放映された。また、2010年には多部未華子主演で実写映画化され、人気に拍車がかかる。高校生活での友情や恋愛、進路を通して主人公の黒沼爽子(くろぬまさわこ)を中心に、友情や恋愛、進路などに悩む高校生たちの成長を描いた青春物語である。陰気な雰囲気の爽子はクラスに馴染めずにいたが、誰からも好かれる明るい性格の風早翔太(かぜはやしょうた)との出会いがきっかけでクラスの中の一員として溶け込んでいく。風早のことは、最初「憧れ」という気持ちが強かった爽子だが、徐々に「独り占めしたい」という恋愛感情が生まれたことに気づく。風早もまた爽子に一目惚れしている。実は両想いの二人なのだが、なかなかその想いが伝わらず、もどかしさを感じる場面もある。喜び、悲しみ、怒りや嫉妬などの登場人物の感情変化を詳細に描写しており、思わず応援したくなるようなそんな作品となっている。素直な感情を出し、周りに支えられながら成長していく高校生達の3年間の成長は見どころである。

黒沼爽子(くろぬまさわこ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「爽やかさ...100%!ううん...むしろ爽やかから出来てますって感じなの....!」

高校生になった黒沼爽子(くろぬまさわこ)は、「貞子」のあだ名でみんなに恐れられていた。爽子はいつもクラスの雑用を引き受けて頑張っていたが、明るくクラスの人気者の風早翔太(かぜはやしょうた)が爽子の努力を知り、気遣いを見せた。それを感じとった爽子が、幼なじみに風早の印象を伝えたセリフが「爽やかさ...100%!ううん...むしろ爽やかから出来てますって感じなの....!」である。この言葉は、風早に対する爽子なりの精一杯の「褒め言葉」であり、この言葉がきっかけで風早と向き合っていくこととなる。これからの2人を描いていく『君に届け』の始まりとなる名セリフである。

「私は求めていたの。矢野さんや吉田さんや風早君のような存在を...ずっと憧れていたの...大事に思う気持ち、大事にされる気持ちを」

今まで友人もいないで1人で過ごすことが多かった爽子だが、風早や同じクラスの吉田千鶴(よしだちづる)矢野あやね(やのあやね)が真っ直ぐに自分と向き合ってくれることに対して感じたことが「私は求めていたの。矢野さんや吉田さんや風早君のような存在を...ずっと憧れていたの...大事に思う気持ち、大事にされる気持ちを」である。爽子は風早や吉田、矢野といった好きな人や友人をずっと求めており、彼らの存在をとても愛おしく感じていた。その中で、みんなが大事にしてくれるのと同じくらい、みんなを大事に思いたいと感じるようになる。その感情は、爽子の中でずっと憧れてきた友人関係であり、憧れていた仲間がいてくれることで爽子の心を一歩動かしていると感じる名セリフである。

「私がどれだけ矢野さんと吉田さんをすきよりもっとだいすきか」

爽子はクラスメイトから「貞子」と言われて避けられている中で、吉田と矢野だけは怖がらずに自分と喋ってくれた。そして、席替えの時も爽子の近くに座りたくないと思っているクラスメイトが多い中で、吉田と矢野は真っ先に爽子の近くに座った。「適当に面白がって付き合っているんだろう」と言われるが、爽子の心の中では「てきとーなんかじゃなかったよ」と心の中で呟く。どれだけ2人が自分のことを大事にしてくれたかを思い出す。そして、吉田と矢野の存在をみんなに伝える。その時のセリフが「私がどれだけ矢野さんと吉田さんをすきよりもっとだいすきか」である。「すき」という感情では抑えられないほど「だいすき」であるという、2人に対する爽子の精一杯の想いを伝えた名セリフである。

「私がそばにいることでふたりにへんな噂が流れて傷つけるかもしれないって思っても…それでも…どうしてもあきらめられなかった」

爽子は、クラスメイトみんなに避けられている中で吉田と矢野だけは避けずに自分と向き合ってくれていることを分かっていた。「みんなと仲良くなりたい」と思う一方でいつも「しょうがないよな」と諦めることが多かった。しかし、吉田と矢野の事はどうしても諦めきれずに悩んでいた。その時に爽子が言ったセリフが、「私がそばにいることでふたりにへんな噂が流れて傷つけるかもしれないって思っても…それでも…どうしてもあきらめられなかった」である。友達という関係を作ることは難しいと思う一方で、自分をいつも慰め、応援してくれる2人とは「もっと一緒にいたい」と心から願っていた。諦め癖がついていた爽子だが、この時ばかりは自分の心の奥にある本当の気持ちを優先する。勇気を出して相手に想いを伝えた心に残る名セリフである。

「初めて会った時『ありがとう』って笑って言ってくれて...ほんとうにうれしかった」

風早に気持ちを伝えることを決意した爽子は、学園祭の途中で抜けて教室にいる風早に会いにいく。いつもなぜかみんなに謝られてばかりの爽子にとっては、風早の何気ない「ありがとう」という言葉が素直に嬉しかった。その時のセリフが「初めて会った時『ありがとう』って笑って言ってくれて...ほんとうにうれしかった」である。自分の見ている世界に急に色がついたような感じとなり、風早の存在ひとつで人生を変えたと思うほど、爽子は感謝していた。そして、いつも「ごめんなさい」と言っていた爽子が、「ありがとう」という言葉に変えて風早に気持ちを伝えようとする名セリフである。

「私...あの時の風早くんと全く逆のことしてた...だから今度は『ごめんね』のかわりに...きいて...笑ってくれてありがとう 話しかけてくれてありがとう...やさしくしてくれてありがとう...私に...今までしらなかった気持ちをいっぱい教えてくれてありがとう」

風早が好きだからこそ、気持ちを伝えることが怖い爽子だったが、自分にたくさんのことを与えてくれた風早の存在にどうしても「ありがとう」と伝えたかった。その時のセリフが「私...あの時の風早くんと全く逆のことしてた...だから今度は『ごめんね』のかわりに...きいて...笑ってくれてありがとう...話しかけてくれてありがとう...やさしくしてくれてありがとう...私に...今までしらなかった気持ちをいっぱい教えてくれてありがとう」である。1人でいることが多かった爽子に、いつも笑顔で寄り添って励ましてくれた風早の存在は特別なものであり、感謝してもしきれないほどの精一杯の「ありがとう」という想いをのせたセリフが印象的である。

「この1年の集大成として…立派にうらめしい演技をするから!きっと役に立つから…」

風早と初詣に行き、あまりに幸せすぎて怖くなったと話をした爽子は、風早をひとりじめしたいと思う一方で、嫌われたくないという感情も出ていた。終わることを恐れていては前には進めないので、爽子は前を向き「好き」と伝えることで新しい関係を作ることを決意した。その時のセリフが、「この1年の集大成として…立派にうらめしい演技をするから!きっと役に立つから…」である。この言葉を聞いて爽子の気持ちを受けとった風早は「好きだよ」とみんなの前で大きな声で伝える。この言葉から、2人は初めてお互いが「好き」ということを確認し、両想いとなった印象に残るセリフである。

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