まほろ駅前多田便利軒
第135回直木賞を受賞したこの作品。
多田と行天のコンビがさまざまなトラブルを解決していく?痛快ストーリー!
あらすじ・ストーリー
まほろ市という東京のはずれに位置する架空の町。
その、まほろの駅前で便利屋を営む多田啓介は高校時代の同級生・行天春彦と再会する。
多田便利軒に転がり込んだ行天のせいか、それまでのありふれた依頼が思わないような展開になってしまう。
物語の舞台となっている「まほろ市」は、神奈川へ張り出した東京都南西部最大の街という設定であり、著者である三浦が在住している町田市がモデルとなっている。
東京都南西部最大の住宅街であり、歓楽街であり、電気街であり、書店街であり、学生街であるがゆえに、スーパーマーケットやデパート、商店街や映画館といった施設は軒並み揃っている。そのため、生涯を通して大凡のことがまほろ市内だけで済み、街から出て行く者が少なく、たとえ出て行ったとしても、また戻ってくる者が多い。
作中に登場する「ハコキュー」、「小山内町」と言った地名や風景の多くは、町田市内に実在する地名や建造物をモデルとしている。
出典: ja.wikipedia.org
楽しむポイント
・多田という人間への共感
・どんな人にでもため口で話すひょうひょうとした行天
・癖のある登場人物たち
・多田と行天の掛け合い
・ストーリーを通して描かれるテーマ
・作者・三浦しをんの世界観を楽しもう
┗主人公の心理描写
┗状況や状態を表現する言葉の選び方
┗年代を問わず楽しめるストーリー
映画化、漫画化にも注目!
■映画、ドラマ
この作品は映画化、ドラマ化している。
真面目だが時折空回りする主人公の多田を演じるのは瑛太。
ふらふらしているが喧嘩が強い行天を演じるのは松田龍平。
その他のキャストもまほろ駅前の一癖あるイメージにぴったりの役者が揃っている。
DVDにもなっているので気になる方はチェックしてみてはいかがだろうか。
■マンガ化
マンガ版は少女漫画として描かれており、多田も行天も男前になっているようだ。
作者は山田ユギ。原作のイメージはそのままにマンガタッチでストーリーが進んでいく。
全三巻。
こんな人におすすめ
・あまり小説を読んだことがない
・難しい表現が分からない
・コメディの要素が入っているものが好き
・シリアスな要素も好き
・親近感が湧くような登場人物が好き
この作品はコミカルでありながらも、
読み応えのあるシリアスなテーマが軸となっている。
そこがこの作品の肝であり、魅力である。
これまでの小説で満足できない人は一度読んでみることをおすすめする。
最後に
短いエピソードが連なって展開していくストーリーの中で、
どこかに共感できる要素がきっとあるだろう。
どこかで笑い、どこかで切ない気持ちになれる。
どこかで見たことのあるようでない、多田と行天というコンビの物語。そんな作品である。