どろろ(手塚治虫)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『どろろ』とは手塚治虫によって描かれた、戦国時代を舞台に奪われた自身の身体を取り戻すべく48の魔物を追う百鬼丸と、泥棒の少年どろろの旅を描く時代劇漫画である。1967年から1968年までは『週刊少年サンデー』に、1969年には『冒険王』で連載された。父親の野望によって、48の妖怪に身体を奪われた姿で誕生した百鬼丸。医者・寿海に助けられた彼は身体を取り戻すため妖怪退治の旅を続けていたある時、泥棒少年どろろと出会う。手塚オリジナルの妖怪が多数描かれており、カルト的なファンも多い。

戦でどこも食糧難となっている中、火袋も死んでしまいお自夜とどろろは路頭に迷う。お寺で施しのお粥をもらうため、お椀を持っていないお自夜は自らの手を差し出す。そして熱さに耐えながら、どろろの元へと戻りお粥を与える。飢饉の厳しさと同時に母親の無償の愛を感じさせるシーン。

実の弟との命を懸けた戦い

どろろの命を救うため、弟の多宝丸の邪魔をした百鬼丸は戦いを挑まれる。全く異なる人生を歩んできた2人は互いが兄弟であることを知らずして、命を奪い合う。戦いの最中で、百鬼丸は九尾の狐から多宝丸が弟であることを知らされる。しかしもう後戻りは出来ず、多宝丸を斬り倒してしまう。百鬼丸は倒れた多宝丸を優しく抱え、兄であることを伝えて「もっと話したかったぜ」と伝える。多宝丸は微笑んだ後、二度と目を覚まさなかった。最後の最後で、心を通じ合わせた切ないシーン。

法師「おめえさん、なぜ生きようとがんばってみねえんだい?」

自害しようとする百鬼丸(左)の前に突如現れる法師(右)

実の弟である多宝丸を殺してしまった上に、実の父景光に命を奪われそうになった百鬼丸は自害を試みる。そこに「おめえさん、なぜ生きようとがんばってみねえんだい?」と法師が現れ、百鬼丸を止める。死霊に狙われ、実の父からも命を狙われることになった百鬼丸は苦しんでいた。しかし法師は「だからっておめえさんがひかんして、なにも死ぬことはねえと思うよ」と一笑する。物事を達観して捉える法師に、百鬼丸も読者も救われる名言である。

『どろろ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

『どろろ』の語源は「ドロボウ」

手塚治虫は、友人の子が「ドロボウ」を上手く言えずに「ドロロウ」と言ったのがヒントになったと言っている。物語は百鬼丸が軸になっている話が多いため「なぜ『百鬼丸』というタイトルにしなかったか」と聞かれることが多かったが、手塚は「どろろの性格が大好きなのです」と答えている。

『どろろ』製作のきっかけは水木しげる

連載当時、水木しげるの描く妖怪漫画により妖怪ブームが巻き起ころうとしていた。それを感じ取った手塚は「水木しげるが描く一連の妖怪もののヒットと、それに続く妖怪ブームにあやかり作り上げたキワモノ」として『どろろ』描き始めたと言っている。

飽きて連載終了

回を追うごとに暗くなる『どろろ』の雰囲気に、人気が低迷していく。手塚の別作品『ノーマン』の新連載も始まったため、急ぎ連載終了となった。後に手塚は「本当は、百鬼丸が四十八体の魔物とたたかうエピソードを残らず出したかったのですが、滑稽にも、残った魔物を全部いっしょくたにいた"ぬえ"などという怪獣を出したりして、あっさりかたづけてしまったのです」と残している。

単行本版でカットされた設定

『冒険王』の連載時には描かれていたが単行本ではカットされた設定が存在する。どろろは魔物に作られた存在で、どろろを殺せば百鬼丸の身体が元通りになるという内容である。

多数のリメイク作品

原作では、百鬼丸が魔物をすべて倒して身体を取り戻すことがないまま完結しているため、リメイク作品が多く作られている。アニメや実写映画、ゲームなど多岐にわたり結末はそれぞれ違っている。

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