009ノ1(石ノ森章太郎)のネタバレ解説・考察まとめ
『009ノ1』(ゼロゼロナイン・ワン、ゼロゼロクノイチ)とは、1967年8月より1974年11月まで週刊漫画アクションで連載された石ノ森章太郎のSFスパイ・アクション作品。原作は漫画で、それを元にした映像作品が制作されている。サイボーグの女性を主人公として、当時の国際情勢のまま東西冷戦が続いていたと仮定している未来が舞台となっている。石ノ森章太郎が初めて青年向け漫画雑誌に掲載した作品で、性描写や救いのないストーリーがふんだんに盛り込まれた大人向けの作風が特徴である。
石ノ森章太郎にとって初の大人向けマンガ
『009ノ1』は1967年7月に創刊された『週刊漫画アクション』の8月から連載開始したが、日本の青年マンガ誌自体これが初めてで、石ノ森章太郎にとっても大人向けのマンガを描くのはこれが初の試みだった。同年から翌年にかけて『ビックコミック』『プレイコミック』など、同種の雑誌が立て続けに創刊しており、石ノ森はそれに『佐武と市捕物控』『ワイルドキャット』の連載をしている。
ストーリーは大人向けにエロやSEX、戦争や暴力などを多めに混ぜながらも、最もバランスのいい比重を模索している雰囲気がある。また、絵柄も1話ごとに変化があり試行錯誤のあとが見られる。
名前がコロコロ変わる
スパイマンガということもあって、登場人物などの名前が話ごとに違う。ミレーヌは指令No.8ではリリー・ラム、指令No.25ではミレーヌ・デュークと別名を名乗る他、職業だけを名乗る回もある。また、指令No.10では「たくさんの名前がある」とみずから暴露している。ナンバー0については、名前こそ一定だが、正確な役職は不明。ミレーヌが「ボス」「キャプテン」と呼んだことがある程度。さらに所属するウエストブロックのスパイ機関の名称も、「00機関」「ゼァロウ・パーティ」「ウエストブロック秘密情報局」「W・B・S・C・S」など、回によって呼び方が違う。同じものの別名なのか、部署ごとに名称が違うのか、なども不明。
ミレーヌや仲間のコードナンバーについても同様で、指令No.5で死んだ009ノ7の他、ナンバー0、36号、No.100など、番号の付け方も呼び方も一定していない。スパイだからと、曖昧にしているフシがある。
タイトルの表記と呼び名も変わる
1967年連載のマンガ版では『009ノ1』という表記だが、初の映像作品である1969年のテレビドラマ版は『フラワーアクション009ノ1』、2006年のテレビアニメ版は『009-1』というタイトル表記だった。2013年の映画版のタイトルはマンガ版と同じ『009ノ1』だった。
読み方についても、連載開始時は「ゼロゼロナイン・ワン」だったが、単行本以降「ゼロゼロクノイチ」「ダブルオー・ナイン・ワン」など複数の読み方が発生している。また、実写映画版では「ゼロゼロクノイチ」となっており、テレビドラマ版の主題歌では「オー・オー・ナイン・ワン」と歌われていた。なお、テレビアニメ版ではほとんどが「ナイン・ワン」と省略されて呼ばれていた。
『009ノ1』の映像化作品について
テレビドラマ版
1969年にフジテレビ系で放映。エージェントの「トランプ組織」が日本を守るために立ち上げたゼロゼロガールズの活躍を描く、というあらすじで、原作とはかなり違いがある。主演は金井克子、由美かおる、原田糸子、奈美悦子の4人で、当時若手女優だった彼女たちのプロモーション的作品の意味合いもあった。
テレビアニメ版
2006年にTBS系で『009-1』のタイトルで放映。内容はかなり原作に近く、ストーリーも同じタイトルの話をアレンジしたものとなっている。アニメオリジナルとしてミレーヌの3人の同僚が登場してサポートする。ミレーヌの声優は釈由美子。
実写映画
2013年に『009ノ1 THE END OF THE BEGINING』のタイトルで制作。石ノ森章太郎生誕75周年記念作品として、東映の『平成仮面ライダーシリーズ』や『スーパー戦隊シリーズ』のスタッフを集めて作られたアクション映画。主演はグラビアアイドルの岩佐真悠子で、アダルト・バイオレンス描写を多数含んだR15作品になっている。
『009ノ1』の主題歌・挿入歌
テレビアニメ版オープニング
テレビアニメ版エンディング
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目次 - Contents
- 『009ノ1』の概要
- 『009ノ1』のあらすじ・ストーリー
- 指令No.1 「頭脳を探せ!」
- 指令No.2 「Dr. Xを連行せよ!」
- 指令No.3 「超能力者をわがポケットに」
- 指令No.4 「U・F・Oを確認せよ!」
- 指令No.5 「モンスターを殺せ!」
- 指令No.6 「ジャンプせよ!時空果つるまで」
- 指令No.7 「古城よりの招待状」
- 指令No.8 「ドルフィン・ワールド」
- 指令No.9 「Give & Take」
- 指令No.10 「パロディ」
- 指令No.11 「ガールハント」
- 指令No.12 「魚のでてきた日」
- 指令No.13 「砂の城」
- 指令No.14 「青銅の男」
- 指令No.15 「ママ!」
- 指令No.16 「クレバス」
- 指令No.17 「A HAPPY NEW YEAR」
- 指令No.18 「鬼」
- 指令No.19 「ムゲン」
- 指令No.20 「港」
- 指令No.21 「復讐」
- 指令No.22 「トレヴィに三度くる」
- 指令No.23 「No.100」
- 指令No.24 「死霊の館」
- 指令No.25 「夜明け」
- 指令No.26 「深海魚」
- 指令No.27 「目覚め」
- 指令No.28 「R&B」
- 指令No.29 「昨日の暦」
- 指令No.30 「ポップ」
- 指令No.31 「走る五人」
- 指令No.32 「HARD BOILED」
- 指令No.33 「地平線の家」
- 指令No.34 「聖夜」
- 指令No.35 「花と竜」
- 指令No.36 「火星将軍」
- 指令No.37 「黄金の女」
- 指令No.38 「帰ってきた009ノ1」
- 『009ノ1』の登場人物・キャラクター
- ミレーヌ・ホフマン
- ナンバー0
- R.A.クライン
- ナカヤマ
- ゴリラ男
- 閣下
- Dr.X
- ミスター・ビックラス
- リチャード
- 009ノ7
- 9グループ
- ミスター・レイ
- エディスン・ナイト博士
- 所長
- 020
- ベム
- シャルル・アブナー
- クラリス
- ムーアヘッド
- Dr.サトナカ
- D.リミット博士
- 記憶喪失の少女
- 女性型サイボーグ
- ジム・ディーン
- ドクターG
- ナターシャ大佐
- イワン
- Dr.エスエフ
- ノルウェーの猟師
- シュトロハイム博士
- ミレーヌの親友
- 顔に傷がある男
- ミス・グラマン
- 謎の博士
- 波路春花
- 全身武器の男
- スネーク・リム
- ナンバー100
- ロマン・ギル
- ダーク・グリーン博士
- ポール・ホフマン
- ウフフジミール・ポランスキー
- 36号
- ゴドノフ
- No.88
- Mr.アイアンハート
- エクセトラ博士
- ヒップ・マン
- ショーン・イミティ
- モンキー・パンチ
- リック・エレクト
- 替え玉
- ウラル・ツンドラー
- イワン・ゴドノフ
- X
- ゾンド・ソユーズ博士
- Mr.エッグ
- No.109
- ジャック
- A
- 須崎
- 『009ノ1』の用語
- ウエストブロック/イーストブロック
- マイクロフィルム
- 『009ノ1』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「あたしも初めてなのよ」「ほんとうに心から愛したのは……」
- 「Dr.ダーク・グリーンが誰かを知っていて……あたしは抱かれました……そうするよりほかにどんな方法で……彼へのあたしの愛情を示すことができたでしょう」
- 『009ノ1』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話」など
- 石ノ森章太郎にとって初の大人向けマンガ
- 名前がコロコロ変わる
- タイトルの表記と呼び名も変わる
- 『009ノ1』の映像化作品について
- テレビドラマ版
- テレビアニメ版
- 実写映画
- 『009ノ1』の主題歌・挿入歌
- テレビアニメ版オープニング
- テレビアニメ版エンディング