谷垣源次郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
谷垣源次郎は、『週刊ヤングジャンプ』に2014年から連載が開始された、野田サトル原作の漫画・アニメ『ゴールデンカムイ』の登場人物。時代は明治時代の北海道。日露戦争(1904年~05年)終結から間もないころ、アイヌ民族が隠したとされる莫大な金塊のうわさを聞き、様々な理由と野望を胸に秘めた男たちが、誇り高き北の大地に集結する。その中で谷垣は金塊を追っている屯田兵の部隊、大日本帝国陸軍最強と謳われた北海道の第七師団(道民は畏敬の念を含めて「北鎮部隊」と呼ぶ)27聯隊に一等卒として所属している。
熊狩りの忠犬
出身地:北海道小樽周辺
好きなもの:熊肉
嫌いなもの:なし
二瓶に熊犬として仕込まれた、若いアイヌ犬。二瓶からの愛情に忠義をもって報いていた。ヒグマにも臆さず立ち向かう勇敢で頭の良い犬だが、二瓶・谷垣が追っていたレタラに対してだけは、ニオイを察知した時点で尻尾を巻き怯えていた。行動を共にしていた谷垣にもよく懐き、二瓶亡きあとはアシㇼパのコタンで飼われていたが、谷垣が二瓶の銃を手にアシㇼパを探す旅に出たあと二瓶の銃のニオイを追って杉元たちと合流し、あらぬ疑いをかけられていた谷垣の潔白を晴らす一助ともなった。旅に同行する中で、雪中での立ち往生の際には「湯たんぽ」としての役目も果たし、谷垣やチカパシを新しい家族と認識し新たな絆を結んだ。樺太の旅で雪上でソリを引く「ソリ犬」を率いる優秀なリーダーとなった。
レタラ
初登場は単行本1巻第2話 ウェンカムイ
誇り高き白銀のホㇿケウカムイ
出身地:北海道札幌近郊
好きなもの:鹿
嫌いなもの:なし
「犬の倍はある大きさの牙 巻いていない尻尾 狭い胸幅 長い前足の指 そして何より体格の大きさ」
二瓶と谷垣が追っていた白いエゾオオカミ。幼いころにアシㇼパに拾われ、アシㇼパの父親亡きあとも彼女を守り家族同然に暮らしていた。ある日突然アシㇼパの前から姿を消してしまうが、それはレタラ自身にできた森に棲む家族を守るためであった。離れた後もずっと彼女をそばで見守っており、アシㇼパの危機には疾風迅雷のごとく駆け付け彼女に害なすものをその牙で守る。谷垣に追われていたアシㇼパを助け、彼の足をへし折り一撃で戦闘不能にした。だが、姿を現したことで谷垣や二瓶に目撃されてしまいレタラ自身が狙われることになってしまう。
白石の頭に最初に噛みついた動物でもある。
谷垣源次郎の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「コレヨリノチノ ヨニウマレテ ヨイオトキケ」
谷垣の「本職」と言える、マタギ。それにおける「唱え言葉」と呼ばれるもので、仕留めた熊のタタリを防ぎ、熊を成仏させるために引導をわたすものであるとされている。
殺した獲物=動物にさえ、敬意と感謝を込めて魂を送ること。それがマタギの矜持であるが「あの戦争で殺した相手には一度も唱えることがなかった」と谷垣は言った。戦争において、「敵」は殺して当たり前のものであり、ましてや同じ人間であるという認識すら不要であろう。それは相手も同じである。あらなければならない。そんな「心」を無くすような戦いを続けてきた谷垣が、また山に入り、自分の命を救ってくれた人たちと触れ合うことで再び心から口にすることのできた重要な言葉だ。
「死」そのものに尊厳を見出す、自然を相手に戦うマタギならではの言葉ではないだろうか。
そして、二瓶とレタラの戦いに終止符が打たれた時、満足げに微笑みを残して逝った二瓶にかけた言葉。
己の魂の原点である「マタギ」に返ることを促してくれた恩人への餞(はなむけ)だった。
「ラッコ!!」
海岸でアイヌの老人が、谷垣とインカㇻマツを夫婦だと勘違いして獲れたラッコをくれた。ラッコの肉の煮える臭いは激しく欲情を刺激し、ひとりでいては気絶してしまうほどのものだという。アイヌ語のわからない谷垣は、老人がなんと言ってラッコをくれたのかインカㇻマツに尋ねるが、説明しづらい彼女はハマナスの実を摘みにそそくさと逃げてしまう。
何も知らず男同士でラッコ鍋を囲んでしまう杉元・白石・谷垣・尾形・キロランケ。欲情の発散に盛大な相撲大会を終え、眠ってしまった谷垣を小屋に残して彼らは引き上げるのだが、そのあとにそっと様子を見に来たインカㇻマツが谷垣を起こしながら、ラッコの肉の説明をし「谷垣ニシパはラッコの肉を食べたせいにしていいです…」と言って谷垣にキスをした。お互いの好意に気づいていた二人はそのまま結ばれる。
一晩が明け、合流した全員がそろう前で、インカㇻマツが敵である鶴見中尉と繋がりがあることが露見してしまうが、谷垣は庇う。だが、インカㇻマツの真意が測りかねる谷垣は「自分の身を守らせる腹づもりで俺と寝たのか?」と静かに彼女に問うた。
インカㇻマッ「…いいえ あの夜の事はラッコ鍋のせいです…」
谷垣(ラッコ!!)
「おお…立派なイチモツだ」
無事に産まれた自分の子どもを初めて抱いた時に漏らした一言。
「それはヘソの緒の残りです」とサックリつっこまれている。子どもは娘だった。
谷垣源次郎の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
マタギ猟
猟犬をあまり使わなかったことに関しては、マタギの行う狩猟形態が、単独で行われるシノビ猟(獣の足跡を追跡し、仕留める猟)から、多人数で行われる巻き狩りに移行したためであると思われる。集団で行う巻狩りのような形態の狩猟においては、クマに対して激しく吠えつく犬の存在はかえって邪魔になったのだ。
全体の指示をする「ムカイマッテ」、鉄砲撃ち「マツマイ」が2名、まだ銃を持てず鉄砲撃ちの前に獲物を大声で追い立てる役割をする「セコ(勢子)」2名で行われていたようだ。
作者が谷垣源次郎の体格の参考人物を挙げている
争奪戦の面子の中でも屈指の素晴らしい肉体美をもつ谷垣。写真館の主も虜になった。公式な数字が出る前の設定では作者が「胸囲はジェイソン・ステイサムくらい」として、体格(胸囲)の参考人物を挙げている。
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目次 - Contents
- 谷垣源次郎の概要
- カント オㇿワ ヤク サㇰ ノ アランケㇷ゚ シネㇷ゚ カ イサㇺ
- 谷垣源次郎のプロフィール・人物像
- プロフィール
- 人物像
- 谷垣源次郎の装備・能力
- 武器
- 三十年式歩兵銃
- 村田銃(十八年式単発銃)
- マタギとしての知識と技術
- 知識と能力
- 戦闘技術
- 谷垣源次郎の来歴・活躍
- 入隊から日露戦争終結まで
- 第七師団入隊
- カネ餅
- 戦場にて
- 仇
- 遺言
- 生まれてきた役目
- 軍人と猟師
- 追跡者として
- 白い狼
- 伝説の猟師
- 毒矢
- 受け継がれた「魂」
- 最初で最後の勝負
- 恩人
- 疑惑
- 謀反組の追撃
- 抹殺
- 形見
- 追う者
- 交戦
- 追われる者
- 穏やかな日々
- 出会い
- しばしの別れ
- 役目を果たす旅へ
- 道連れ
- トカチ
- 替え玉の千里眼
- 探しているもの
- 熊除けのおまじない
- 家族だから
- 死装束
- 合流
- 事件
- 犯人
- 助け
- 真犯人を追う
- 最終日
- 姉畑支遁の悲願
- 少女の決断
- 真実を見つけるための旅
- 迫る災い
- 避難
- ラッコ鍋
- 疑心暗鬼
- 囚人の情報
- 暗闇の復讐者
- 網走監獄へ
- 侵入の準備
- 本当の家族に
- 思惑
- 裏切り者
- 樺太の大冒険
- 先遣隊への参加
- キロランケを追って
- 仲間たちとの別離
- 決戦の五稜郭
- 妻と娘と戦友
- 最後の戦い
- 家族と共に故郷へ
- 谷垣源次郎の関連人物・キャラクター
- 二瓶鉄造
- フチ
- チカパシ
- インカㇻマッ
- リュウ
- レタラ
- 谷垣源次郎の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「コレヨリノチノ ヨニウマレテ ヨイオトキケ」
- 「ラッコ!!」
- 「おお…立派なイチモツだ」
- 谷垣源次郎の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- マタギ猟
- 作者が谷垣源次郎の体格の参考人物を挙げている