二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
二階堂浩平(にかいどう こうへい)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している大日本帝国陸軍第七師団の兵士である。双子の兄弟の二階堂洋平を返り討ちにした杉元佐一に激しい殺意を抱くようになり、復讐を果たさんとたびたび死闘を演じた。戦いを経る毎に両耳や手足を失って行き、治療の際に使用したモルヒネによって薬物中毒者と化し、その副作用で子供のような性格の異常者となった。最終的に武器の仕込まれた義手や義足を装備し、心も体も壊れていきながら金塊争奪戦の最前線で戦い続けた。
二階堂浩平の概要
二階堂浩平(にかいどう こうへい)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している大日本帝国陸軍第七師団の兵士である。
漫画『ゴールデンカムイ』は日露戦争直後の明治時代の北海道を舞台に描かれた作品である。顔の無い男“のっぺら坊”が隠したアイヌの金塊を求めて、様々な人々が熾烈な金塊争奪戦を繰り広げていく。血生臭い金塊争奪戦の傍ら、北海道の自然や文化、グルメを紹介していく内容となっている。金塊の隠し場所はのっぺら坊しか知っておらず、当人は網走監獄に幽閉されている。のっぺら坊は金塊の在処を暗号にして凶悪な24人の囚人に刺青として彫った。その24人の刺青の囚人は脱獄し、北海道の各地に潜伏している。刺青の暗号は囚人の皮を剥がして他の暗号と組み合わせるようになっており、のっぺら坊は意図的に互いに殺し合って刺青人皮を奪い合うように仕組んでいた。刺青を油紙に書き写すという方法もあるが、基本的に相手が凶悪な犯罪者の為殺し合いの末、刺青人皮を剥ぎ取るという展開になっている。金塊を求める者は他のライバル達と殺し合いながら、凶悪な犯罪者達と死闘を繰り広げなければならない。
金塊を求める勢力は大きく分けて3つ。一つ目は第七師団第27聯隊。情報将校の鶴見篤四郎(つるみ とくしろう)中尉が率いている。第七師団は北海道開拓と防衛の為に創設された陸軍最強と言われている師団である。鶴見は中央から冷遇されている第七師団を率いて北海道に軍事国家を建国しようとしていた。その為の軍資金としてアイヌの金塊を狙っている。二階堂はこの第七師団の上等兵として活動した。
二つ目は主人公の杉元佐一(すぎもと さいち)とヒロインのアシリパを筆頭にする杉元一行。杉元は日露戦争の激戦地203高地から生還した元兵士である。「不死身の杉元」の異名を持ち、どんな死地からでも生還する脅威的な生命力と戦闘力を持つ。物語序盤は故郷の幼馴染の目の病気を治す為に金塊を狙い、物語が進むにつれてアシリパの力になる為に金塊を狙うようになる。アシリパはのっぺら坊の娘であり、アイヌの少女である。快活で北海道の自然に精通し、弓矢の名手である。一方で鋭い観察眼を持ち、少女でありながら凶悪な刺青の囚人や金塊を狙う他のライバルと渡り合う実力を持つ。物語序盤、のっぺら坊はアシリパの父を含めた7人のアイヌを殺した仇という事になっており、アシリパは真相を知る為にのっぺら坊に会う為杉元に協力するようになる。物語が進むにつれて、のっぺら坊はアシリパの父ウィルクである事が判明し、ウィルクはアシリパに金塊を受け継がせて、北海道アイヌ民族の独立国家を建国させる為に金塊を隠した事が明らかになる。
三つ目は土方一派。元新選組副長であり、戊辰戦争を最後まで戦った土方歳三(ひじかた としぞう)を筆頭とした勢力である。土方は表向きは死んだ事にされていたが、実は網走監獄に捕らえられて生きていた。その後、刺青の囚人の一人として他の刺青の囚人達を率いて脱獄する。脱獄後、土方は仲間を率いてかつて夢見た北海道を独立させた蝦夷共和国の建国の為に行動を開始する。蝦夷共和国とはロシアからの日本侵略を防ぐ為の緩衝国として戊辰戦争時、幕末の志士達によって一時的に建国された独立国家である。
鶴見の指示で双子の兄弟の二階堂洋平(にかいどう ようへい)と共に刺青の囚人を捜索中、小樽の街で杉元と遭遇。その際に杉元と大乱闘をした事で杉元に憎しみを抱くようになる。その後、捕えられた杉元に苛烈な拷問にかけようとした所、杉元の返り討ちに遭い殺意を抱いた。最終的に杉元を殺そうとするも再び杉元の返り討ちに遭い、洋平を惨殺されてしまう。以来、杉元を執拗に付け狙うようになった。
二階堂は鶴見に従う裏では尾形や他の仲間と共に鶴見への造反を企てていた。結果的に造反は失敗に終わり、ヒグマに襲われた二階堂は左耳を失う。その後、造反が露呈して捕えられた二階堂は鶴見に仲間を教えるように要求される。その際、鶴見から離さなければ耳と鼻を切り落とすと脅されたが二階堂はこれに応じず、鶴見にカミソリで右耳を切り落とされた。更に鼻を切り落とされそうになったが、鶴見から杉元を殺させてやるという条件を提示され、二階堂は躊躇なく仲間を鶴見に売り渡す。以後杉元を殺す為、鶴見の指揮下で活動した。この時切り落とされた耳を二階堂は大切に持ち歩き、事あるごとにこの耳にヒソヒソ声で独り言を言うようになる。二階堂はこの耳を死んだ洋平の耳だと思い込み、妄想の洋平に語りかけていた。また、鶴見の耳の形が洋平の耳に似ているという理由から鶴見の耳を欲しがるという異常性を見せる。この耳は後に夕張の郊外で人間の剥製を作っていた江戸貝弥作(えどがい やさく)の手によって加工され、人の皮で作ったヘッドギアの口元部分に縫い付けられた。これ以降二階堂はこのヘッドギアを常に身に着けるようになる。
二階堂の異常な行動や言動はモルヒネ中毒によるものである。モルヒネは明治時代、治療に使用されていた。二階堂は治療でモルヒネを使用して以来、隠れて乱用を繰り返していた。再登場時、二階堂の人格は薬物の乱用により幼児退行を起こしていた。駄々っ子のようにモルヒネを求め、鶴見が二階堂をモルヒネで子供のようにあやすというカオスな展開となった。薬物で人格が幼児のようになった二階堂だが、杉元に対する憎悪や兵士としての能力は健在であり、金塊争奪戦の最前線で戦っていく。度重なる激戦により二階堂は右足を土方に切り落とされ、杉元に右手を吹き飛ばされた。手足を失う二階堂であったが、その度に帝国陸軍で兵器開発を行っていた有坂成蔵(ありさか なりぞう)に仕込み武器を施された義手・義足を貰い前線に復帰して戦った。だが、戦いを重ねていく毎に二階堂は人間性を失っていく。五稜郭の戦いで最終的に「杉元を殺して、その死体に自分の顔を剥がして死体に縫い付けつける事で洋平を復活させ、一緒に暮らす」という常軌を逸した目的の為に杉元に襲いかかる。砲弾の雨の中、杉元と接近戦になるも二階堂は杉元に銃剣付き歩兵銃を腹に突き立てられた。それでも二階堂は杉元に組み着き、自らのズボンの中に仕込んだ手投げ弾で杉元諸共爆死しようとする。が、杉元に塹壕の中に突き落とされ、自らの手投げ弾の爆発に巻き込まれて失敗。銃剣が爆発の衝撃で二階堂を切り裂き、二階堂は真っ二つとなった。体が半分になった二階堂は己の半身を洋平だと認識し、再開を喜びながら爆発に巻き込まれて死亡した。
二階堂浩平のプロフィール・人物像
性別:男
性格(初期):陰湿、冷酷
性格(ヘロイン中毒後):幼児退行
特徴:人の皮で作ったヘッドギア
出身:静岡県
特技:接近戦からの義手、義足に仕込まれた武 器による奇襲
好物:みかん
CV:杉田智和
二階堂は丸刈りで光の無い目が特徴の人物である。第七師団第27聯隊に所属の一等卒として活動した。見た目がそっくりの双子の兄弟、二階堂洋平(にかいどう ようへい)がおり、初登場時は常に一緒に行動していた。陰湿な性格をしており、杉元と小樽の街で乱闘した事で洋平と共に杉元へ殺意を抱くようになった。その後、杉元を銃剣で刺し殺そうとして返り討ちで殺された洋平の復讐に燃え、杉元に激しい殺意を抱く。杉元を殺すために鶴見の部下として金塊争奪戦を戦った。戦いを経る毎に二階堂は両耳や手足を失っていく。また、治療の際に用いたモルヒネが原因で麻薬中毒者となる。副作用の影響で二階堂の性格は幼児退行化し、子供のような性格となった。それでも杉元への殺意は健在であり、杉元に戦いを挑んでいく。更に繰り返しモルヒネを乱用した事で正常な判断力を失っていった。体も心もボロボロになりながら戦い続けたキャラクターである。
二階堂浩平の装備・能力
三十年式歩兵銃
第七師団の標準装備。戦闘時常に装備している。発砲だけでなく銃床で相手を殴りつける等の用途で使用した。二階堂の場合、相手の懐に突っ込んでから接近戦に持ち込む事が多く、歩兵銃の先に銃剣を付けて戦う事が殆どであった。
銃剣
第七師団の標準装備。上記で紹介した三十年式歩兵銃に取り付けて使用する他、単体でナイフのように使用する事も出来る。
ピストル
小樽の東松屋商店の賭場にて使用。賭場のゴロツキに扮した二階堂が刺青人皮を奪いに来た坂本とお銀に応戦する時に使用した。
双眼鏡
第七師団の装備の一つ。小樽近くのアイヌコタンおよび山中にて登場。谷垣を狙撃しようとする尾形を支援するために使用した。二階堂はこの双眼鏡で谷垣の位置を伝え、狙撃の観測手を務めた。のちにこの双眼鏡は尾形の手にわたり、谷垣に尾形が狙撃された際、その弾丸を防いで壊れる。
鶴見に切り落とされた自分の右耳
鶴見にカミソリで切り落とされた右耳。二階堂はこの耳を洋平の耳だと認識しており、事あるごとにこの耳に独り言を囁いていた。耳の穴に紐を通し、ネックレスのようにして身に着けていた。後に、下記に紹介する人の皮を用いたヘッドギアの口元部分に縫い付けられる。
義足(右足)
夕張の剥製製作所にて土方に右足を切断された後に有坂から貰った。実は散弾銃が仕込んであり、2回散弾を発射出来る。主に奇襲攻撃で使用する事を前提に設計された。だが、杉元との戦闘の際には右足の仕掛けを見抜かれてしまい、致命傷を与えることは出来なかった。それどころか杉元に奪われ、二階堂は仕込み銃の散弾で右足を失った。五稜郭の戦いの際には杉元の顔面にドロップキックを喰らわせた際に発射。杉元の頬を打ち抜いたものの、致命傷は与えられなかった。また、この時も杉元に義足を掴まれ仲間の第七師団兵士を打ち抜かれてしまう。強力な武器であるが扱いが難しい。
義手(右手)
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岩息舞治(がんそくまいはる)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、屈強な肉体と暴力への飽くなき欲求を併せ持つ男だ。樺太にあるロシア人の村で、男たちが集団で殴り合う競技「スチェンカ」に参加していた。キロランケやアシリパを追跡する杉元と出会い、拳を通して心を通わせる。刺青は剥がずに書き写された後、強者との出会いを求めてロシアへ渡っていった。
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マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
マンスールとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、ロシア皇帝の暗殺にも加担したパルチザンのソフィア・ゴールデンハンドの仲間の1人にして砲撃手である。 アイヌの隠し金塊を手に入れるため、ソフィアや仲間たちと共に北海道に乗り込み、主人公の杉元たちに協力。金塊を我が物にせんとする第七師団と壮絶な戦いを繰り広げ、敵の駆逐艦を旧式の大砲で撃破するという大殊勲を挙げた。突如鳴り物入りで登場し、作品の内外からその力量に疑問を持たれるも、鮮やかな活躍で評価を覆したキャラクターである。
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津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
津山睦雄(つやま むつお)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、「三十三人殺し」と呼ばれている。本編には登場せず、第七師団の鶴見中尉が刺青人皮を持っている。津山から剥いだ刺青人皮をベストのように着こなす鶴見中尉の姿は、多くの読者に衝撃を与えた。「三十三人殺し」という経歴から、モデルは「津山三十人殺し」の都井睦雄(とい むつお)であるという見方が一般的だ。
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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。
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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。
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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。
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目次 - Contents
- 二階堂浩平の概要
- 二階堂浩平のプロフィール・人物像
- 二階堂浩平の装備・能力
- 三十年式歩兵銃
- 銃剣
- ピストル
- 双眼鏡
- 鶴見に切り落とされた自分の右耳
- 義足(右足)
- 義手(右手)
- モルヒネ
- メタンフェタミン
- 人皮ヘッドギア
- 人の皮と骨で作った太鼓
- 手投げ弾
- 二階堂浩平の来歴・活躍
- 第七師団第27聯隊に所属
- 小樽にて杉元と交戦
- 鶴見に右耳を切り落とされる
- 土方に右足を切り落とされる
- 病院で義足を貰う
- 東松屋商店で活動
- 根室に滞在
- 網走監獄で杉元に右手を吹き飛ばされる
- 有坂から義手を貰う
- 登別で都丹と戦う
- 有坂からメタンフェタミンを投与される
- 札幌麦酒工場で活動
- 五稜郭で死亡
- 二階堂浩平の関連人物・キャラクター
- 二階堂洋平(にかいどう ようへい)
- 杉元佐一(すぎもと さいち)
- アシリパ
- フチ
- 鶴見篤四郎(つるみ とくしろう)
- 有坂成蔵(ありさか なりぞう)
- 宇佐美時重(うさみ ときしげ)
- 鯉登音之進(こいと おとのしん)
- 月島基(つきしま はじめ)
- 尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)
- 谷垣源次郎(たにがき げんじろう)
- 土方歳三(ひじかた としぞう)
- 坂本慶一郎(さかもと けいいちろう)
- お銀(おぎん)
- 二階堂浩平の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 鶴見に右耳を切り落とされ、尋問されるシーン
- 「ヤダーッヤダヤダヤダ」
- 「素敵な足をもらえてよかったネ 二階堂」
- 真っ二つになる二階堂のシーン
- 二階堂が爆発四散するシーン
- 二階堂浩平の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 中毒者も続出した鎮静催眠薬のモルヒネ
- 覚醒剤指定されることとなったメタンフェタミン
- 「誰なのおじさん」は同作者のギャグ漫画のキャラクター