牛山辰馬(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
牛山辰馬(うしやま たつうま)とは、『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、アイヌの隠し金塊の在処を示す刺青を施された囚人の1人にして柔道の達人である。大柄で屈強な肉体に石頭、独特な耳の形状が特徴的な人物である。金塊を狙う土方歳三に協力し活動する。「不敗の牛山」の異名を持ち、様々な強敵をその卓越した柔術と怪力で組み伏せる。白兵戦では作中最強の男である。普段は紳士的だが極度の女好きでもあり、一定期間女を抱かないと男だろうと老人だろうと見境なく襲い掛かる一面を持つ。物語序盤から終盤にかけて活躍した。
牛山辰馬のプロフィール・人物像
性別:男
性格:女好き、紳士(通常時)
体格:巨漢
特技:柔道、怪力
好物:桃、札幌ビール
CV:乃村健次
牛山辰馬(うしやま たつうま)とは24人の刺青の囚人の1人である。巨大な筋骨隆々の肉体、額にハンペン型の分厚い皮、内側がせり出した耳が特徴の人物である。柔道の達人で「不敗の牛山」の異名を持つ程の腕の持ち主。額の分厚い皮と内側がせり出した耳は激しい柔道の稽古により出来たものである。また、怪力の持ち主で倒壊してきた建物の瓦礫を牛山一人で支えた挙句、放り投げている。その名の通り、白兵戦ではほとんど無敵の豪傑でヒグマですら放り投げている。正に作中最強である。
性格は基本的に紳士である。登場初期は粗野な脳筋男として描かれていたが、物語が進むにつれて紳士的で魅力的なキャラクターとなっていった。歳下であろうと礼儀を欠かさず、不細工な女性であっても「観音様」と呼ぶ程。「男を選ぶときには一度抱かせて、その男のチンポが紳士かどうか確かめろ」とヒロインでアイヌの少女アシリパに熱く語り、アシリパから「チンポ先生」と呼ばれ、慕われている。唯一の欠点は性欲が異常である事。一定期間女を抱かないと暴走して男だろうと老人だろうと見境なく襲おうとする。網走監獄に収監された理由も、柔道の師範の妻を寝取り、その制裁を受けた際、逆に師範とその弟子達を殺してしまったというもの。下半身が別の生き物の様な人物である。また、紳士的ではあるが自分を裏切った相手には例え女だろうと容赦が無い。作中で自分を敵に売った女の足を掴んで放り投げ、足を骨折させている。
網走監獄脱獄後は土方歳三(ひじかた としぞう)に協力し、金塊捜索に手を貸している。土方は幕末に活躍した新撰組の元副長であり、戊辰戦争で新政府軍と戦った歴史上の人物である土方歳三、本人である。史実では五稜郭にて戦死したが、作中では表向きは死んだ事にされ、網走監獄に密かに収監されていた事になっている。土方も24人の刺青囚人の一人であり、網走監獄脱獄の首謀者でもある。土方は北海道に蝦夷共和国を建国し、ロシアの南下政策を防ぐ為の緩衝国を作る為に金塊を狙っている。土方の理念に賛同し、多くの人々が彼に協力し土方一派という金塊を狙う一大勢力が出来上がる。牛山は土方一派として活動し、主人公の杉元佐一(すぎもと さいち)や金塊を狙う一大勢力の第七師団と戦った。自身も刺青囚人の1人である牛山は、当初は「その方が身を守りやすい」程度の考えで土方一派に加担していたが、多くの者が金塊に己の夢と民族の希望を託す様を見続けている内に自身も感化されていく。物語終盤、いよいよ金塊を目前にした際には、「金塊が手に入ったら、世界中から強い奴を集めて格闘大会を開きたい」と笑いながら嘯いていた。
最期は武装した数多の第七師団相手に一人、素手で無双し、アシリパを第七師団の投げた手榴弾から庇って絶命した。「不敗の牛山」の異名にふさわしい無双ぶりと最後の雄姿に、旅の仲間の1人である白石由竹(しらいし よしたけ)は「喧嘩最強で女に弱くて最後まで恰好良いなんてずるいだろ」と涙を流しながら激賞していた。
本作『ゴールデンカムイ』はグルメ漫画とバトル漫画を組み合わせた内容になっている。時代は明治時代初期。日露戦争終結直後の北海道を舞台にアイヌの少女アシリパと「不死身の杉元」の異名を持つ主人公の杉元佐一(すぎもと さいち)が、北海道のどこかに隠されている金塊を巡って、北海道を駆け回り様々な人々と戦う物語である。また、物語の随所でアイヌ文化やアイヌの食事を紹介する内容になっている。
金塊は網走監獄に収監されているのっぺら坊という顔の無い男が隠したものである。のっぺら坊は同じく網走監獄に収監されている凶悪な24人の囚人に金塊の在り処を示した暗号を刺青として彫った。その刺青は皮を剥ぎ取って組み合わせる様に彫られており、互いに殺し合って刺青を皮ごと引き剥がす仕組みになっていた。その後、刺青の囚人達は脱獄し北海道中に散って行った。更にのっぺら坊の隠した金塊の話を聞きつけた様々な人々が加わり、金塊争奪戦が勃発した。
牛山にはモデルとなった人物が実在する。彼の名前は牛山辰熊。昭和初期から戦後の日本に実在した柔道家である。今のプロスポーツとしての柔道の基礎を築き上げた功労者の一人である。彼も「不敗の牛山」の名を持ち、凄腕の柔道家であった。弟子に木村政彦がおり、「鬼の木村」という最強の柔道家として歴史に名を刻んでいる。武道家として活躍する一方で思想家としての側面を持ち、時の首相東條英機の暗殺計画に参加した事もあった。この時は事前に計画が露見し、逮捕されるもすぐに釈放されている。
牛山はファンの間でも人気キャラクターである。2022年2月17日、牛山が壮絶な最期を遂げた第306話が掲載されている週刊ヤングジャンプ12号が発売。そのあまりにも衝撃的な内容にファン達は騒然とした。その結果、Twitterで牛山の代名詞である「チンポ先生」がトレンド入りするという珍事が起きた。
牛山辰馬の装備・能力
柔道の技術
あらゆる強敵を薙ぎ倒す牛山の最大の武器。ヒグマですら牛山は放り投げてしまう。柔道家として現役の時代は1日10時間を超える猛練習を積んでいた。
屈強な肉体
死者の出る程過酷な網走監獄での労働を牛山は難なくこなし「あそこに居ては身体が鈍る」と豪語する程。脱獄後も大木に縄をくくりつけ、毎朝千回もの打ち込みを行っていた。背中や腰の皮は踵のように硬くなり、打ち込みを行っていた大木は立ち枯れしてしまう程であった。また、足払いの威力を高める為毎日60キロの米俵を蹴り上げて鍛えていた。その足払いの威力は凄まじく、時に相手の足首を粉砕してしまう程であった。牛山に突っ込んできた馬を足払いで転がして倒した事もある。握力もかなり強く、人間の頭蓋骨を握りつぶして一生寝たきり状態にしてしまう程である。
倒壊してきた家の瓦礫を一人で支え、難なく放り投げてしまう程屈強な肉体を持つ。
石頭
額に、はんぺん型のタコのようなものがある。過酷な柔道の鍛錬の結果、牛山の額は皮が厚くなり、石頭になっている。五寸釘で刺されても、小さな傷が出来る程度でかなり固い。酔っぱらったアシリパに、はんぺんが額にくっついていると勘違いされて引っ張られた事もある。
柔道耳
牛山の特徴的な耳である。耳の中が飛び出したような形状をしている。これは「柔道耳」と呼ばれるもので、柔道の達人に多く見られる。その正体は耳介血腫という耳の負傷から出来たものである。耳をぶつけたり怪我をした際、耳の皮膚と軟骨の間で出血し溜まった血(血腫)が線維化し固くなった結果、柔道耳になる。
柔道の鍛錬は何度も投げられて畳に激しく耳をぶつけたり、擦ったりする事が多い。その為、柔道の達人になる程、柔道耳になる事が多い。云わば、「柔道の達人」の勲章のようなものである。牛山が如何に柔道の鍛錬を積んできたのかを物語っている。
女好き
牛山の魅力であり、弱点でもある。兎に角女好きで一定期間女を抱いていないと暴走してしまう。暴走状態になると男であろうと、老人であろうと見境なく襲い掛かる。この為、網走監獄時代は定期的に女を充てがわれていた。
性欲が我慢できる状態であれば、女を見境無く襲うという事は無く、元第七師団でマタギの谷垣源次郎(たにがき げんじろう)を想っているアイヌの美女インカラマッに対して紳士的に振る舞っている。他にも少女であるアシリパに対しても敬意を持って接しており、アシリパから「チンポ先生」と呼ばれて慕われていた。また、女性を容姿で差別する事は無く平等に接する。不細工な娼婦でも「観音様」と呼び、連続娼婦殺人事件の犯人であるジャック・ザ・リッパーに怒りを燃やしていた。女性に対しては基本的に敬意を持って接する紳士である。一方で自分を裏切った女に対しては容赦が無い。牛山の抱いていた娼婦が裏で土方に居場所を教えていた事が判明した際、牛山は怒り狂っている。更に娼婦の足を掴んで、乗り込んで来た土方に向かって放り投げた。娼婦は骨折という重傷を負っている。
拳銃
リボルバーを護身用で持っている。だが、肉弾戦を好む牛山が実際に発砲した描写は無い。
エクロク
エクロクはアイヌ語で「耳長お化け」の意。アイヌの子供の玩具で、窓の外で奇声を発しながらこの棒を「耳長お化け」に見立てて、家の中を覗き込み、家の中にいる子供達を怖がらせて楽しむものである。上記の通り、かなり特殊な使われ方をする道具の為、アイヌかアイヌ文化に精通する人物しかその使い方が分からない。
月形に向かう途中で牛山達が立ち寄った偽アイヌの村にて牛山が使用。行動の怪しいアイヌの村人達が本物のアイヌかどうかを判断する為に用いられた。何故か牛山に最初に渡される。牛山は使い方が分からず、「欲求不満の未亡人が孫の手の代わりに使う棒」と判断し、一同に実演を兼ねて使い方を披露する。が、案の定本当の使い方を知る杉元にダメ出しを喰らっていた。
札幌ビール
牛山の好物である。杉元一行と初めて会った際、洋食屋でビールを何本もラッパ飲みしている。
干し桃
桃が好物の牛山。阿寒湖周辺で24人の刺青の囚人、関谷輪一郎(せきや わいちろう)にチョウセンアサガオの毒で意識混濁状態にされ、生き埋めにされてしまう。それでも意識混濁状態のまま覚醒し、自力で脱出する。ゾンビの様に阿寒湖周辺を徘徊していた所を近くに住む少年、チヨタロウに干し桃で手懐けられる。意識が無い状態でも好物の桃の事は忘れない牛山であった。
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二階堂浩平(にかいどう こうへい)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している大日本帝国陸軍第七師団の兵士である。双子の兄弟の二階堂洋平を返り討ちにした杉元佐一に激しい殺意を抱くようになり、復讐を果たさんとたびたび死闘を演じた。戦いを経る毎に両耳や手足を失って行き、治療の際に使用したモルヒネによって薬物中毒者と化し、その副作用で子供のような性格の異常者となった。最終的に武器の仕込まれた義手や義足を装備し、心も体も壊れていきながら金塊争奪戦の最前線で戦い続けた。
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津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
津山睦雄(つやま むつお)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、「三十三人殺し」と呼ばれている。本編には登場せず、第七師団の鶴見中尉が刺青人皮を持っている。津山から剥いだ刺青人皮をベストのように着こなす鶴見中尉の姿は、多くの読者に衝撃を与えた。「三十三人殺し」という経歴から、モデルは「津山三十人殺し」の都井睦雄(とい むつお)であるという見方が一般的だ。
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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。
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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。
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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。
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目次 - Contents
- 牛山辰馬のプロフィール・人物像
- 牛山辰馬の装備・能力
- 柔道の技術
- 屈強な肉体
- 石頭
- 柔道耳
- 女好き
- 拳銃
- エクロク
- 札幌ビール
- 干し桃
- 虚無僧の変装
- 歩兵銃
- 牛山辰馬の来歴・活躍
- 網走監獄に投獄
- 小樽の娼館にて土方歳三と出会う
- 小樽の街中で第七師団と戦う
- 杉元一行との出会い
- 杉元達と樺戸監獄を目指す
- 網走監獄に潜入
- 阿寒湖周辺で関谷に狙われる
- 札幌にてジャック・ザ・リッパーを追う
- 五稜郭にて第七師団と死闘を演じる
- 函館行きの汽車にて第七師団の大軍団を圧倒する
- 牛山辰馬の関連人物・キャラクター
- 杉元佐一(すぎもと さいち)
- アシリパ
- 白石由竹(しらいし よしたけ)
- 土方歳三(ひじかた としぞう)
- 永倉新八(ながくら しんぱち)
- 家永カノ(いえなが かの)
- 尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)
- 宇佐美時重(うさみ ときしげ)
- 鈴川聖弘(すずかわ きよひろ)
- 夏太郎(かんたろう)
- 門倉利運(かどくら としみち)
- 関谷輪一郎(せきや わいちろう)
- チヨタロウ
- ジャック・ザ・リッパー
- 上エ地圭ニ(うえじ けいじ)
- 岩息舞治(がわそく まいはる)
- 都丹庵士(とに あんじ)
- 海賊 房太郎(かいぞく ぼうたろう)
- 月島基(つきしま はじめ)
- 鯉登音之進(こいと おとのしん)
- 牛山辰馬の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「女将…抱かせろ」
- 「男を選ぶ時は…チンポだ」
- 「いまだよ…いま」
- 牛山辰馬の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- サッポロビールとのコラボ
- 牛山辰馬のモデルは昭和の最強柔道家「牛島辰熊」