フチ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

フチとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、アイヌの老婆にしてヒロイン・アシリパの祖母。
アイヌの古い教えを大切にしながら日々を生きる一般人で、作中で繰り広げられる熾烈な金塊争奪戦とは無縁の立場にある。一方で家族の多くが金塊争奪戦の渦中にあり、たびたびその関係者の来訪を受ける。中でも陸軍兵士の谷垣源次郎とは、瀕死の重傷を負って彼女の家に担ぎ込まれてから交流を重ね、実の家族のように互いを大切に想う間柄。主人公・杉元佐一を気に入り、アシリパを嫁にもらってほしいと考えている。

フチのプロフィール・人物像

フチ(右)と、孫娘のアシリパ(左)。

人種:アイヌ
性別:女性
CV:一城みゆ希

フチとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、アイヌの老婆にしてヒロイン・アシリパの祖母。なお、“フチ”というのはアイヌ語で高齢の女性を指す言葉で、正式な名前は作中で明らかにされていない。

和人に対抗するために活動していたアイヌたちが、“のっぺらぼう”と呼ばれる人物によって殺害され、彼らの集めた膨大な量の金塊が北海道のどこかに隠される。アイヌ殺害の罪で網走監獄に収監されたのっぺらぼうは、外部にいる自分の仲間に金塊の在処を伝えるため、監獄内にいた死刑囚たちに刺青を彫り込み、これを脱獄させる。この刺青は全部集めることで金塊の隠し場所を示す暗号になっており、刺青人皮(いれずみにんぴ)と呼ばれるようになる。
やがてこの刺青人皮を巡り、元新撰組の老剣士・土方歳三(ひじかた としぞう)率いる土方一派、峻厳なカリスマで部下を導く鶴見篤四郎(つるみ とくしろう)の陸軍第七師団など、様々な組織が暗躍。「妻をアメリカの名医に診せてほしい」との親友の遺言を守るため大金を求める元兵士・杉元佐一(すぎもと さいち)と、金塊を巡る事件の中で命を落とした父の足跡を追うアイヌの少女・アシリパもまた、それぞれの目的のために手を組んで金塊争奪戦に身を投じる。これが『ゴールデンカムイ』の基本設定である。

フチ自身はそんな金塊争奪戦とは無縁の立場で、アイヌの古い教えを大切にしながら日々を生きる一般人である。一方で家族の多くが金塊争奪戦の渦中にあり、たびたびその関係者の来訪を受ける。
アシリパが連れてきた杉元佐一を気に入り、孫を嫁にもらってほしいと考えている。第七師団の谷垣源次郎(たにがき げんじろう)とは、瀕死の重傷を負って彼女の家に担ぎ込まれてから交流を重ね、実の家族のように互いを大切に想う間柄となった。

フチの技能・能力

百戦錬磨のイコインカラマッ(産婆)

19歳の頃から女性の出産を助けてきた百戦錬磨の産婆で、孫であるアシリパも自らの手で出産に立ち会い取り上げている。作中では、破水したインカラマッと共に突然やってきて「子供が産まれる」とひたすらオロオロしている谷垣を落ち着かせ、見事に出産を成功させる姿が描かれている。

フチの来歴・活躍

北海道のアイヌとして生きる

フチが生まれたアイヌのコタン(村)。

北海道のアイヌとして生まれ、その“自然と共に生きる”という教えを大切にしながら自身のコタン(村)で成長。家庭を持ち、娘に恵まれる。

娘婿ウイルク

アシリパに狩りを教える、娘婿のウイルク(1コマ目左)。

娘が大人になった頃、ロシアの少数民族出身のウイルクという男性が村にやってくる。娘はウイルクと恋仲になり、彼と結婚。1人の娘(フチからすると祖母)を出産する。
しかしアシリパと名付けられた孫娘が生まれてすぐに娘は命を落とし、物語の6年前には夫も病死。さらにはウイルクまでもが姿を消し、同時期に彼がよく一緒に行動していたアイヌたちのバラバラ死体が発見される。この中にウイルクの顔の皮や愛用の品があったことから、彼も何者かに殺されたと思われた。後にこの事件は、日本人への反抗のためにアイヌたちが数百年かけて集めた大量の金塊を巡る殺し合いだったことが発覚。しかし肝心の金塊の行方も犯人の正体も分からぬまま、ただ時が流れていく。

両親を失い、自身が唯一の肉親となってしまったアシリパに惜しみない愛情を注ぎ、彼女を育てていく。しかしそのアシリパが父から教わった狩りの腕を活かして山でばかり暮らしていることには良い顔をしておらず、アイヌの女らしく家の中での仕事も覚えてほしいと願っていた。

アシリパと杉元

杉元(2コマ目左)が信用できる人物だと感じたフチは、「アシリパを嫁にもらってくれないか」と持ち掛ける。

アシリパがアイヌにおける成人を間近に控えた頃、杉元佐一という日本人の元兵士を連れてコタンに現れ、彼を紹介される。この時アシリパが杉元に気を許していることと、彼の人柄を気に入ったことから、「孫を嫁にもらってほしい」とアイヌ語で頼み込んでいる。
杉元はアイヌ語を知らないため何を言われているのか分からず、また恥ずかしがったアシリパがわざと誤訳して伝えたため、杉元は「アイヌからするとそう見えるのかもしれないが、味噌はオソマ(アイヌ語で“うんち”を意味する言葉)ではない」と苦笑しながらとんちんかんな弁解をすることとなった。

その夜、「アシリパとずっと一緒にいてやってください」と杉元に重ねて懇願する。しかし北海道で繰り広げられる金塊争奪戦にアシリパともども首を突っ込んでいた杉元は、“大切な孫を危険に巻き込まないでください”と頼まれているのだとフチの言葉を誤解してしまい、アシリパをコタンに残して1人で金塊争奪戦へと戻っていく。アシリパは「私にも“父の死の真相を知る”という目的があって金塊争奪戦に参加したのに」とこれに憤慨し、翌朝コタンを飛び出して彼を追いかけていくこととなる。

谷垣との交流

アマッポ(毒矢を用いた仕掛け罠)に引っかかり、フチの下で療養することとなった谷垣(1コマ目中央)。

その後杉元とアシリパは金塊の手がかりとなる刺青人皮を巡って次々に修羅場を潜り抜け、様々な人物と交流していく。そんな中、アイヌの仕掛け罠にかかって毒矢を受けた谷垣源次郎(たにがき げんじろう)という陸軍第七師団に所属する兵士を救出するも、治療に相応の時間を要すると判断してフチの住むコタンに彼を運ぶ。
当初杉元たちと敵対する立場にあった谷垣だが、自身は善性の人物で、フチやコタンの人々の手厚い看護に感謝と恩義を感じていく。第七師団内部で反乱が置きかけた際、コタンに兵士たちが押しかけて殺されそうになるも、谷垣は「コタンの人たちは無関係だから手を出さないでくれ」と懇願。なお自分の命を狙う兵士たちに対し、傷もまだ癒え切っていない身ながら起き上がり、コタンから離れた場所に誘い出して決着をつけるという行動に出ている。

別離のお告げ

占い師のインカラマッ(2コマ目)から「アシリパに迫る危険」について予言を受け、フチはそれを信じ込んでしまう。

杉元と共にアシリパが旅立ってからしばらくして、アイヌの占い師インカラマッがコタンを訪れる。彼女から「アシリパの近くに裏切り者がいて、このままでは2度と会えない」とのお告げを受け、これを信じ込んでしまう。唯一の肉親であるアシリパを失うという心労に耐えられず、自身の死をも意識するようになり、自分のための死に装束を編み始める。
ようやく回復した谷垣は、そんなフチのことを案じて「必ずアシリパを守り、コタンまで連れ帰る」と決意。占いでアシリパたちの行方を示すと語るインカラマッと共にコタンを旅立っていく。

赤ん坊を引き取る

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津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

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津山睦雄(つやま むつお)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、「三十三人殺し」と呼ばれている。本編には登場せず、第七師団の鶴見中尉が刺青人皮を持っている。津山から剥いだ刺青人皮をベストのように着こなす鶴見中尉の姿は、多くの読者に衝撃を与えた。「三十三人殺し」という経歴から、モデルは「津山三十人殺し」の都井睦雄(とい むつお)であるという見方が一般的だ。

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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。

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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。

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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。

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