ヴァシリ・パヴリチェンコ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
ヴァシリとは『ゴールデンカムイ』に登場するロシア人狙撃手である。樺太の国境警備隊所属。日本軍の狙撃手・尾形百之助(おがたひゃくのすけ)との狙撃対決に敗れるが、再戦を熱望して脱走兵となり、尾形を追い続ける。二人の対決は作中屈指の名勝負の一つであり、ファンの間で人気が高い。狙撃の他には絵を描くことが得意。ヴァシリが描いた似顔絵がきっかけで、主人公・杉元佐一(すぎもとさいち)と打ち解け、共に北海道へ渡る。言葉が通じないこともあり、杉元たちとの旅では絵やジェスチャーでやり取りをしている。
ヴァシリ・パヴリチェンコのプロフィール・人物像
名前:ヴァシリ
誕生日:不明
身長:不明
体重:不明
出身:ロシア帝国エレニンカ
特技:狙撃、絵を描くこと
好きなもの: ペリメニ(小麦粉と卵をぬるま湯で練って作った生地に、ひき肉や野菜を包んで茹でて食べるロシア料理)、お茶
嫌いなもの:リス
CV:梅原裕一郎
『ゴールデンカムイ』は日露戦争後の北海道・樺太を舞台に、アイヌの莫大な隠し金塊を巡るサバイバルを描いた漫画である。“不死身の杉元”と呼ばれた主人公・杉元は、「目の病気を患う妻に手術を受けさせてくれ」という亡き親友との約束を果たすため、一攫千金を狙ってゴールドラッシュに沸いた北海道で砂金取りをしていた。そこで耳にしたのは、アイヌの隠し金塊の話だった。“のっぺら坊”と呼ばれる男がアイヌの金塊を奪い、北海道のどこかへ隠したというのだ。その在りかを示すのは、網走監獄でのっぺら坊と同房になった囚人たちに彫られた刺青の暗号だけ。刺青を集めれば、莫大な金塊の隠し場所にたどり着ける。囚人に彫られた刺青は刺青人皮(いれずみにんぴ)と呼ばれ、暗号を解読するには獣の毛皮を剥ぐように、囚人たちの皮を剥ぐ必要がある。杉元はのっぺら坊に父親を殺されたアイヌの少女・アシリパと、刺青の囚人で“脱獄王”の異名を持つ白石由竹(しらいしよしたけ)と手を組み金塊探しに繰り出す。しかし、金塊を狙うのは杉元たちだけではなかった。網走監獄に収監されていた新選組鬼の副長・土方歳三(ひじかたとしぞう)が率いる土方一派、峻烈なカリスマ性を発揮する鶴見篤四郎(つるみとくしろう)中尉に率いられた陸軍第七師団、さらには極東ロシアから女傑・ソフィア・ゴールデンハンドをリーダーとする反体制組織も金塊争奪戦に加わり、金塊探しの旅は激しさを増していくのだった。
ヴァシリとは『ゴールデンカムイ』に登場するロシア人狙撃手である。樺太にある日本とロシアの国境地点を警備するロシア国境守備隊に所属。卓越した技術を持つ狙撃手であり、その腕前は200メートル離れた場所にいる人物の頭部や、そりに乗って移動する人物の頭部を撃ち抜くことができるほどである。日露戦争を共に戦った戦友のイリヤが撃たれても、ためらうそぶりを見せることなく見捨てていく冷血さを持つ。また臆病なまでの慎重さも見せ、決して自分の居場所を悟られないようにする。その様子を目にした尾形に、狙撃手に向いた性格をしていると称された。「獲物(標的)の生き死にを決めるのは狙撃手の私だ」という独自の考えと、狙撃手としての高いプライドを持つ。ロシア皇帝暗殺犯の1人として追っていたキロランケが、同行者を助けるために危険を顧みず物陰から姿を表した際に見逃したのも、この“狙撃手である故のこだわり”が理由である。しかし絶対の自信を持っていたその狙撃において、日本軍に所属する狙撃手・尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)に敗北を喫し、自身のプライドを傷つけられる。その戦いは壮絶なもので、一発で仕留めなければ自分がやられるという状況で、二人の狙撃手は激しい心理戦を繰り広げる。尾形の思惑通りに囮を撃ち、居場所を悟られてしまったヴァシリは尾形に狙撃されてしまう。しかし極寒の中、一晩中好機を待っていた尾形も激しく消耗していたため、ヴァシリの頭ではなく顎を撃ち抜くことしかできなかった。重傷を負うが命までは奪われなかったことで、どちらかが死ぬまで対決は続いていると考えたヴァシリ。脱走兵になり国境を越えてまで尾形を追跡し、狙撃対決の決着をつけようとする。絵を描くことも得意で、杉元と戦った際はヴァシリの描いた似顔絵がきっかけで、同じ男を敵に持っていることが判明した。杉元一行の側にいれば尾形と再会できると考えて、彼らに同行することを選ぶ。杉元たちと馴れ合うような関係ではないが、優れた狙撃技術で何度も危機から救い、杉元一行の助っ人のような存在になっている。アシリパに“頭巾ちゃん”と命名された。杉元一行にはロシア語が分かる者がおらず、ヴァシリも日本語が分からないため、コミュニケーションのズレが生じることもある。
ヴァシリ・パヴリチェンコの装備・能力
ヴァシリの装備
モシン・ナガン銃
武器はロシアのボルトアクション式小銃のモシン・ナガン銃を使用している。これは、ロシア帝国陸軍のモシン大佐とベルギーの銃器メーカーのナガン兄弟によって開発され、1891年から1920年代まで製造された銃である。その後も改良が重ねられ、1930年から製造が始まったモシン・ナガンM1891/30は、第二次世界大戦までロシア軍の主力小銃として活躍した。初期のものは全長は130センチあり、その時代の小銃としては最も長さがある。単発後装の銃が主流だった開発当初において、5連発の弾倉を装備することができた。フィンランドのシモ・ヘイヘやソ連軍のヴァシリ・ザイツェフなど、実在した名狙撃手たちが愛用したのも、このモシン・ナガン銃である。
ロシア帽と頭巾
樺太の国境警備隊として登場した頃は、もみあげや顎鬚を蓄えたたくましい風貌であった。頭部の防寒のため、毛皮でできたロシア帽を着用。日本領である南樺太の敷香で再登場した際は、ロシア帽の上にロシア軍の頭巾を着用している。北海道へ渡ってからは、ロシア帽の上に頭巾を被っていたり、頭巾のみのスタイルだったりと防寒具を使い分けている。原作第203話で描かれている杉元たちの反応を見るに、尾形に撃たれた顎の傷は相当酷いようで、それを隠すようにロシア帽の耳当て部分や頭巾で鼻から下を覆っている。そのため、たくましさを感じさせていたもみあげと顎髭も見えなくなり、登場時とは大きく印象が変わって描かれるようになった。
ヴァシリの能力
卓越した狙撃技術
200メートル先の標的の頭を撃ち抜くことができる、高い狙撃技術を持つ。尾形との狙撃対決の際には相手の行動を読み合い裏をかこうと、激しい心理戦も繰り広げた。杉元一行に加わってからも、その高い狙撃技術で度々杉元たちを窮地から救っている。
絵を描くこと
元々絵を描くことが得意。その高い画力で描かれた絵は、言葉の通じない杉元たちとコミュニケーションをとることにも使われている。例えば敷香での杉元との接近戦。銃剣を胸に突き立てられそうになった際に、胸元からヴァシリが描いた尾形の似顔絵が出てきた。尾形の特徴をとらえていた似顔絵を目にした杉元は、戦いを止めてヴァシリとの対話を選ぶ。ヴァシリは描きためていた似顔絵を使って尾形との狙撃対決に敗れたことを伝え、杉元からは尾形たちの行動や、尾形に頭を撃たれたことを聞かされる。杉元一行と北海道に渡ってからも、ヴァシリの絵は物語の謎を解く重要な役割を果たすことになる。杉元と白石が砂金堀り師の松田平太(まつだへいた)に砂金採りのコツを学んでいる間、初めて来訪した北海道の自然を手当たり次第にスケッチするヴァシリ。そこにはヒグマを恐れる平太の正体に関する重大なヒントが、偶然にも捉えられていた。
ヴァシリ・パヴリチェンコの来歴・活躍
キロランケを狙う国境警備隊の狙撃手
ロシアの国境警備隊に所属するヴァシリは、ロシア皇帝暗殺の実行犯ユルバルス(キロランケ)が密入国するとの情報を受け、樺太の国境付近で仲間たちと待機していた。日本領からロシア領へ越境しようとするロシア極東部の少数民族ウイルタのそりを見かけた際、そこに乗っていた一人が日本軍の三八式歩兵銃を持っていることに気が付き、密入国者の変装だと見抜き、これを狙撃する。この時に撃たれたのは、尾形の三八式歩兵銃と自分のベルダンM1870を一時的に交換していたウイルタ民族の男性であった。凄腕の狙撃手がいることに気が付いた尾形が応戦し、国境警備隊のイリヤの腹部に弾丸を命中させた。その狙撃能力の高さを目にしたヴァシリは、キロランケから標的を尾形に切り替え、標的を射抜くことに集中する。
尾形との狙撃対決
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江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。
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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ
インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。
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目次 - Contents
- ヴァシリ・パヴリチェンコのプロフィール・人物像
- ヴァシリ・パヴリチェンコの装備・能力
- ヴァシリの装備
- モシン・ナガン銃
- ロシア帽と頭巾
- ヴァシリの能力
- 卓越した狙撃技術
- 絵を描くこと
- ヴァシリ・パヴリチェンコの来歴・活躍
- キロランケを狙う国境警備隊の狙撃手
- 尾形との狙撃対決
- 尾形との再戦を熱望し、杉元一行を強襲する
- 杉元たちと北海道を目指す
- 砂金堀り師・松田平太との交流
- 海賊房太郎との戦い
- 宿敵・尾形との再会
- 再戦の行方
- ヴァシリ・パヴリチェンコの関連人物・キャラクター
- 杉元佐一(すぎもとさいち)
- アシリパ
- 白石由竹(しらいしよしたけ)
- 尾形百之助(おがたひゃくのすけ)
- キロランケ(ユルバルス)
- ヴァシリ・パヴリチェンコの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 国境にとどろく銃声
- 「獲物の生き死にを決めるのは狙撃手の私だ」
- 尾形との狙撃対決
- 杉元たちの前に現れた救世主
- ヴァシリが見ていたもの
- 遂に捉えた宿敵の姿
- ヴァシリ・パヴリチェンコの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 金銭的事情で断念した美術学校への進学
- 尾形との狙撃対決の代償
- 歴戦の狙撃手のから杉元一行のマスコットへ
- 口癖と化した「フンフン」
- 冷血な狙撃手が見せる意外な一面
- コミュニケーションのズレから生まれるギャグシーン