ゴールデンカムイ / Golden Kamuy / 金カム

『ゴールデンカムイ』とは、週刊ヤングジャンプにて2014年8月~2022年4月まで連載された野田サトルによる日本の漫画である。
明治末期、北海道のどこかに隠されている大量の金塊をめぐって繰り広げられる命懸けのサバイバルに挑む人々の群像劇である。
日露戦争で鬼神のごとく活躍した「不死身の杉元」とアイヌの少女「アシリパ」を中心に、アクの強い登場人物たちがそれぞれの行動原理に従い、時に戦い、時に手を組み、敵味方が入れ替わりながら物語は進む。作中にはアイヌや北方少数民族の伝統的な食や生活の描写が多く含まれており、その精神性や歴史を分かりやすく伝えている。
本作品は、「マンガ大賞2016」「手塚治虫賞マンガ大賞(2018年)」など数々の受賞歴があり、アニメ化もされた。
連載最終回の公開を3週間後に控えたタイミングで、公式マンガアプリ『ヤンジャン!』にて最終話を含む全話を無料公開するという、斬新なマーケティングも大きな話題となった。

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ゴールデンカムイ(金カム)のネタバレ解説・考察まとめ

ゴールデンカムイ(金カム)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゴールデンカムイ』とは、野田サトルによる漫画作品。『週刊ヤングジャンプ』で連載されていた。漫画2016年には「マンガ大賞」を受賞している。舞台は明治末期の北海道。主人公・杉元佐一は幼馴染・梅子の治療費を得るため大金を求め、一攫千金を目指してゴールドラッシュに湧いた北海道で砂金を集める生活を送っていたが、そんな杉元にあるアイヌ人が隠した埋蔵金の話が舞い込む。手がかりは、脱獄した囚人の体に掘られた入れ墨。一攫千金を巡るサバイバルバトルが開幕する。

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ゴールデンカムイ(金カム)の料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ

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『ゴールデンカムイ』とは、野田サトルによるサバイバルバトル漫画、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品である。 陸軍に所属していた杉元佐一は、日露戦争が終結した後、幼馴染の病を治す為、北海道で砂金採りをしていた。その時、杉元はアイヌが秘蔵していた金塊の存在を知る。杉元はアイヌの少女・アシㇼパと共に金塊を追い求める。 作中にはマタギやアイヌのユニークな料理が多数登場する。

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ゴールデンカムイの入れ墨(刺青人皮)の脱獄囚まとめ

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『ゴールデンカムイ』とは、野田サトルによるサバイバルバトル漫画、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品である。 日露戦争から生きて戻った杉元佐一は、幼馴染である梅子の病を治すために金が必要だった。そんな時、杉元はある男が隠したアイヌの金塊の存在を知る。その金塊の在処は、網走監獄の脱獄囚の身体に入れ墨として彫られていた。杉元は、アイヌの少女・アシㇼパと共に金塊を探し求める。

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ゴールデンカムイ(金カム)の恋愛関係・カップル・カップリング・夫婦・恋人まとめ

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『ゴールデンカムイ』とは、野田サトルによる日本の漫画。集英社の『週刊ヤングジャンプ』で連載され、テレビアニメ化、実写映画化もされた人気作。舞台は明治末期の北海道。主人公・杉元佐一は幼馴染との約束を守るため、一攫千金を目指してゴールドラッシュに湧いた北海道で砂金を集める生活を送っていた。そんな彼にアイヌ人が隠した埋蔵金の話が舞い込む。手がかりは、脱獄した囚人の体に掘られた入れ墨だった。ここでは作中に登場したカップルや夫婦、恋愛要素のあったキャラクターたちについてまとめている。

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ゴールデンカムイのモデル・元ネタ・由来まとめ【キャラクター・場所・建物・武器・乗り物・エピソード】

ゴールデンカムイのモデル・元ネタ・由来まとめ【キャラクター・場所・建物・武器・乗り物・エピソード】

『ゴールデンカムイ』とは、北海道を主な舞台に、アイヌの隠し金塊を巡る苛烈な争奪戦を描いたサバイバル・バトル・グルメ・アドベンチャー漫画、およびそれを原作とするメディアミックス作品である。アイヌ民族の姿をダイナミックに描いた人気漫画で、『北海道アイヌ協会』などからも評価される作品である。そんな『ゴールデンカムイ』の登場人物や舞台となった場所、建物などの多くにはモデルが存在し、それを考察するのもファンの楽しみのひとつとなっている。

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ゴールデンカムイ(金カム)の回収済み・未回収の伏線・謎まとめ

ゴールデンカムイ(金カム)の回収済み・未回収の伏線・謎まとめ

北海道を主な舞台に、莫大な隠し金塊を巡るアイヌと脱獄囚と軍部の熾烈な争奪戦を描いた『ゴールデンカムイ』は、2022年4月に原作漫画が完結。物語としては大団円を迎えるも、いくつかの謎については明確な解答を描かず「この件はどうなったんだろう」という余韻を残すものとなった。 ここでは、金塊の隠し場所やのっぺら坊の正体などの「作中で明らかになった伏線や謎」と、大敵・鶴見篤四郎の生死や単行本追加エピソードとして描かれた占守島の戦いの殊勲者などの「曖昧な形で決着した伏線や謎」について紹介する。

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ゴールデンカムイ(金カム)の壮絶な過去を持つキャラクターまとめ

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明治末期の北海道を主な舞台に、アイヌたちがいずこかに隠した莫大な金塊を巡る熾烈な争奪戦を描いた『ゴールデンカムイ』には、壮絶な過去を持つキャラクターが何人も登場する。 幼馴染と交わした最後の約束のため、再び命懸けの戦いに身を投じる元兵士の杉元佐一。父を追う旅の中で、アイヌ民族そのものの命運を背負うこととなっていくアシリパ。恋をしたがために脱獄王となった白石由竹。妹の仇を討つために突き進み、多くのものを失った谷垣源次郎。ここでは、『ゴールデンカムイ』の主要人物たちの壮絶な過去を紹介する。

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ゴールデンカムイ(金カム)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

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ゴールデンカムイは週刊ヤングジャンプに連載中の野田サトルによる漫画作品。明治時代の北海道を舞台に日露戦争で「不死身の杉元」と呼ばれた帰還兵杉元佐一とアイヌの少女アシリパを中心に隠された金塊をめぐる冒険漫画。過激な描写が特徴で作中では次々と個性的なキャラクターが登場するためインパクトのある名言・セリフが多い。

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谷垣源次郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

谷垣源次郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

谷垣源次郎は、『週刊ヤングジャンプ』に2014年から連載が開始された、野田サトル原作の漫画・アニメ『ゴールデンカムイ』の登場人物。時代は明治時代の北海道。日露戦争(1904年~05年)終結から間もないころ、アイヌ民族が隠したとされる莫大な金塊のうわさを聞き、様々な理由と野望を胸に秘めた男たちが、誇り高き北の大地に集結する。その中で谷垣は金塊を追っている屯田兵の部隊、大日本帝国陸軍最強と謳われた北海道の第七師団(道民は畏敬の念を含めて「北鎮部隊」と呼ぶ)27聯隊に一等卒として所属している。

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月島基(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

月島基(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

月島基(つきしま はじめ)とは『ゴールデンカムイ』の登場人物で大日本帝国陸軍第七師団、歩兵27部隊に所属している軍人。階級は「軍曹」。同部隊上司である鶴見中尉の側近として主人公である「杉本佐一」と対立する。一時は仲間として行動していたが、自身の任務を遂行するために再度敵として相まみえる。淡々と自身の任務を遂行していく傍らで、「江渡貝弥作」や「鯉登音之進」と接触していくことにより着実に感情が隠し切れない場面が出始めている。

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海賊房太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

海賊房太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

海賊房太郎(かいぞく ぼうたろう)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。刺青の囚人のうちの一人である。自分の王国を作りたいという野望を持ち、金塊を狙う。高い潜水能力とカリスマ性を持ち、金塊の在り処を刺青の暗号無しである程度特定している。初登場時は杉元一行と死闘を演じたが、杉元一行と手を組み、行動を共にした。その後紆余曲折を経て、札幌麦酒工場で第七師団から逃げる途中、撃たれそうになった白石を庇って死亡した。

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尾形百之助(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

尾形百之助(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

尾形百之助(おがた ひゃくのすけ)とは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する銃さばきの上手い軍人。大日本帝国陸軍の第七師団に所属していたが、途中軍隊の上司である鶴見中尉を裏切った。その後は脱走兵として土方歳三とアイヌの金塊を探すため一緒に行動し、金塊の鍵を握るのっぺらぼうに会うため網走監獄に潜入した。そこでのっぺらぼうと一緒にいた杉元の頭を撃ち抜いて逃げた。それから新たな金塊の情報を探るべく誰にもすがらずに自分で旅を続けている。

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宇佐美時重(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

宇佐美時重(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

宇佐美時重(うさみ ときしげ)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。第七師団の初期メンバーの一人で階級は上等兵。かなり腕が立ち、丸腰で武器を持った複数人の殺人犯を返り討ちにしてしまう程。鶴見中尉に心酔しており、恋愛感情にも似た忠誠心を持つ。最期は元第七師団の尾形に狙撃され、胸を撃ち抜かれて致命傷を負う。それでも尚、今際の際に鶴見中尉に刺青人皮と重要情報を伝えて息絶えた。

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ヴァシリ・パヴリチェンコ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

ヴァシリ・パヴリチェンコ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

ヴァシリとは『ゴールデンカムイ』に登場するロシア人狙撃手である。樺太の国境警備隊所属。日本軍の狙撃手・尾形百之助(おがたひゃくのすけ)との狙撃対決に敗れるが、再戦を熱望して脱走兵となり、尾形を追い続ける。二人の対決は作中屈指の名勝負の一つであり、ファンの間で人気が高い。狙撃の他には絵を描くことが得意。ヴァシリが描いた似顔絵がきっかけで、主人公・杉元佐一(すぎもとさいち)と打ち解け、共に北海道へ渡る。言葉が通じないこともあり、杉元たちとの旅では絵やジェスチャーでやり取りをしている。

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姉畑支遁(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

姉畑支遁(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

姉畑支遁(あねはたしとん)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。刺青の囚人のうちの一人であり、動物学者。動物、植物をこよなく愛し、研究している。だが嫌がる動物を無理矢理犯したり植物を傷つけて射精するなど異常な性格の持ち主。自分の欲望のままに行為をしたにも関わらず、行為後は大変後悔をする。そして自分が犯した動物や植物に責任を一方的に擦り付け動物は殺害、植物はナイフで傷をつける、とかなり独善的で身勝手な行動をする。

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杉元佐一(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

杉元佐一(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

杉元佐一(すぎもとさいち)とは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する主人公。日露戦争を戦い抜いてきた元・陸軍兵士で、体に無数の傷を追ってきたが全く命を落とすことが無かった。その活躍ぶりから、軍人の間では『不死身の杉元』と言われている。杉元が金塊を探しに北海道の山に入ると、アイヌの少女アシリパと出会う。後に少女の父は金塊を隠した人物であることを知り、お互いの目的を果たすために一緒に旅を始める。

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アシリパ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

アシリパ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

アシリパとは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する主人公の1人である。北海道の小樽近辺の集落に住むアイヌの少女で、大人顔負けの精神力と狩猟技術と調理技術の持ち主。伝統を尊重しながら時代の変化を柔軟に受け入れ、「新しいアイヌ」たることを信念としている。アイヌが隠した金塊とそれを巡る殺人事件に父が関与していた事を知り、その真実と真意を知るため、元日本兵でもう1人の主人公である杉元と共に、隠し金塊の謎へと挑んでいる。

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松田平太(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

松田平太(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

松田平太(まつだ へいた)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。刺青の囚人のうちの一人である。砂金の専門知識を持ち、北海道での砂金の採取に情熱を燃やしている。だが、その本性は多重人格の殺人鬼である。自分がかつて同居していた長兄夫婦、次兄、父親、ヒグマの人格を持つ。自分の家族がヒグマに襲われて殺され、自分もヒグマに襲われて殺される幻覚を見る。その後、自分の体をヒグマに乗っ取られて人を襲って食べるという異常な殺人を行う。

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白石由竹(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

白石由竹(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

白石吉竹(しらいしよしたけ)とは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。通称「脱獄王」の異名を持つ天才的な牢破りである。脱獄する際は看守を騙す詐術や狭い隙間を通るための関節外しなど、脱獄のための多彩な技術を持つ。体には金塊の隠し場所を描いた刺青が彫られており、同じ刺青が描かれている囚人の皮を集めるとありかが分かるようになっている。金塊の手掛かりとなる刺青を持つ囚人たちを探して、北海道で出会った仲間達と共に旅を続けている。

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関谷輪一郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

関谷輪一郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

関谷輪一郎(せきや わいちろう)とは、『週刊ヤングジャンプ』で連載の野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。24人の刺青囚人のうちの1人である。際立った戦闘力は無いが狡猾さと独自の信仰心を持ち、他人の命を「試練」と称し運任せで毒殺する異様な殺人を繰り返し投獄される。脱獄後は北海道の阿寒湖のほとりで刺青人皮を巡り土方一派を狙う。一時は土方と牛山を持ち前の狡猾さで戦うことなく倒して生き埋めにした。しかし仲間の門倉とキラウシの活躍で復活した土方に逆襲され力尽きる。

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奥山夏太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

奥山夏太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

奥山夏太郎(おくやま かんたろう)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している「土方一派」と呼ばれる組織の一員。 北海道のヤクザの若衆だったが、ある時土方歳三と出会い、その覇気溢れる様に魅了される。同じ若衆だった亀蔵と共に出奔し、土方を追いかけてその一派に加わり、部下として金塊争奪戦に関与する。一方で「土方に認めてもらいたい」との思いからたびたび無茶なスタンドプレイに走る“血気盛んな若者”としての側面を持ち、その都度幸運によって生き延びている。

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辺見和雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

辺見和雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

辺見和雄(へんみ かずお)とは野田サトルの漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、体に刺青を掘られた24人の囚人のうちの1人。この刺青は埋蔵金の手掛かりとなっていて、多くの人や組織に狙われている。表向きでは人当たりがいいが、その正体は日本各地で100人以上を殺してきた殺人鬼。幼少期にイノシシに無残に食い殺された弟の死に方に憧れ、自分を残酷に殺してくれる人を求めている。辺見の刺青を狙う主人公・杉元佐一と死闘を繰り広げた後、シャチに海に引き摺り込まれた。想像を超える死に方ができて満足気だった。

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花沢勇作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

花沢勇作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

花沢勇作(はなざわ ゆうさく)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、尾形百之助の異母兄弟。清廉潔白な人格で周囲の人々に愛された美男子だ。日露戦争の二〇三高地で味方を鼓舞する旗手を務めていたが戦死し、物語の開始時点では既に故人となっている。敵に殺されたのではなく、後方にいた尾形が狙撃した。将校である父が芸者に産ませた子どもである尾形を、階級が下であるにも関わらず「兄様」と呼んで慕っていた。金塊争奪戦を引っ掻き回す尾形の前に、たびたび幻覚として現れる。

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いご草ちゃん(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

いご草ちゃん(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

いご草(いごぐさ)ちゃんとは漫画『ゴールデンカムイ』に登場する人物である。第七師団で鶴見篤四郎の腹心である月島基の幼馴染で元恋人である。将来を誓い合う仲だったが、両親に騙され、三菱財閥幹部の息子と結婚。東京へ移住し、幸せな家庭生活を送る。だが真実を知らない月島は、実の父親が「彼女を殺した」と誤解し、父親を殺害して死刑囚となってしまう。いご草ちゃんは月島にとってかけがえのない存在だった。それに目を付けた鶴見は彼女の存在を利用し、月島を忠実な部下に育て上げ、共に金塊争奪戦に身を投じていく。

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ゴールデンカムイ / Golden Kamuy / 金カムのレビュー・評価・感想

ゴールデンカムイ / Golden Kamuy / 金カム
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激動日本の変革時にこそ日本人が読むべき日本の歴史がこの作品にある!

移民、外国との摩擦、戦争と様々な問題で混沌とした中、日本人にそれらの問題を乗り越えて強くなる為に、今ある平和が誰によって築かれてきたのか、昔の日本人がどんな生活をしていたのかなど全てが『ゴールデンカムイ』の中に凝縮されています。平和な時代を淡々と過ごす私達に生きる葛藤と昔の人情を思い起こさせてくれる作品です。
漫画の主人公、不死身の杉元がアイヌ民族のアシリパと出会う事で、アイヌや自然について何も知らなかった彼が狩猟、アイヌの文化と伝統、料理などを一から学んでいく姿は、まるで読者自らが杉元になって学んでいくようです。キャラクターと共に成長できる物語です。物語上での杉元の何か新しいことを自分で決めて、行動に移す姿って実は全て私達日本人が忘れてきてしまったものではないでしょうか?私たちは当たり前に毎日食べるものがあり、とりあえず学校に行って、進路を選んで、とりあえずの就職先で働いて、結婚する昔の人よりかは安定したレールを歩めます。分からないことや興味の無いことは無気力に誰かに聞けば、スマホで調べれば済みます。多少コミュ症でも何とか生きていけます。ですが、それって楽しい人生ですか?杉元やアシリパ、その他の登場人物が苦しみながらも、自分で自分の選んだ道を前に突き進む姿が、熱く問いかけてくる作品です。

ゴールデンカムイ / Golden Kamuy / 金カム
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刺さる人には刺さる漫画

この作品では北海道に住むアイヌの金塊を巡って、壮大な北海道を駆け回りながら、在り処を探す物語が描かれます。
主人公は日露戦争帰りの青年・杉元佐一。その相棒にアイヌの少女・アシリパがいます。
杉元は金塊を、アシリパは自分の父を殺した人間を探すという立派な目的がありました。しかしそれは物語の中盤でアシリパの父が実は生きており、網走監獄に収監されているという事実が浮き彫りになります。そのことを確かめに小樽から網走へと向かう杉元とアシリパ。
他にも金塊を狙って日本軍の軍人や、網走監獄を脱獄してきた囚人の存在もあり、危険な旅となります。
舞台は北海道だけではなく、その内樺太にまで向かうことに。
そんなスケールの大きい今作を読むと、今まで知らなかったアイヌの文化や北海道の歴史、日露戦争前後に起きた事件などを知ることができます。
「少し下品かな?」という部分はありますが、大元はかなり勉強になる漫画ではないかと思います。
アクションシーンやその他の繊細な部分もよく書き分けられていて、イラストを見ているだけでも面白い作品です。
北海道に住んでいる人でも、この作品を読んで初めて知ったことばかりで、驚くことも多くたくさんの人に読んでもらいた漫画の1つです。

ゴールデンカムイ / Golden Kamuy / 金カム
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大々々人気

明治時代で、且つアイヌという世界的に名の知られていない民族が出てくるという、外国人にとっていわゆる「ニッポン」の知識から外れてるベースのせいか、外国で大人気!
もちろん国内でも大人気ですが、実写化はしないで欲しかった。軽やかな作風が表現できてない。
アニメも最初のシーズンからずっと見てきましたが、声優さん達がキャラのイメージにすごく合っていて100点満点!特に杉元役の小林親弘さんは『地獄楽』とか他の作品でも活躍されてますが、杉元が一番良い。朴訥でありながら狂気じみた野性を持つ男を、とても上手に演じていらっしゃいます。
OP・EDが毎回すごくすごくセンスが良い!特に第2期のEDだったイースタンユースの「時計台の鐘」は、清涼なような、悲しいような、熱気が籠ったような作品のイメージをよく表現していました。
毎回毎回、次回の内容を全く紹介できていない、ナレーターがタイトル叫ぶだけの次回予告も秀逸(笑)。毎度、「次回どうなるのか、全然わからん!(笑)」と思いながら、次回を楽しみにしてました。普段ナレーターなどを勤めていることが多いベテラン声優の方々が、メインキャラクターを勤めているのも楽しみの1つ。彼らがアフレコをやるのを聞く機会がなかなか無いので、アニメのアフレコやるとこんな感じなんだなと楽しんで欲しいです。

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漫画「ゴールデンカムイ」

漫画「ゴールデンカムイ」は、明治時代後期の北海道を舞台にした歴史・グルメ・アクション作品です。
物語は日露戦争の帰還兵・杉元佐一が、不老不死の金を求めてアシリパさんというアイヌの少女と出会い、彼女と共に財宝を探す旅に出るというストーリーです。

この作品の魅力は、何と言ってもその豊かなキャラクターたちです。主人公の杉元とアシリパさんとのコンビは最高です!そのコンビを取り巻くキャラクターたちの個性が話を追うごとに濃くなっており、私たちの想像をはるかに超えます。
作者が谷垣ニシパのことが大のお気に入りということが作品にあらわれていて面白いですが、辺見ちゃんぐらいからおかしいです。
アニメにできないところが結構あるので、マイルドに楽しみたい人はアニメをおすすめします。

さらに「ゴールデンカムイ」の魅力はその歴史的背景だと思います。アイヌ文化や当時の北海道の風景、生活習慣が細かく描かれており、物語にリアリティを与えています。新選組の土方歳三や永倉新八、石川啄木など有名な歴史上の人物も出ていて新たな一面を見ることができ面白いです。
またグルメのシーンはとても美味しそうで、ジビエ料理があるお店に足を運んだことがあります。
歴史好きやアクション好きにはもちろん、深い人間ドラマを求める読者にもおすすめです!

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北の宝探し!『ゴールデンカムイ』の冒険

『ゴールデンカムイ』は、北海道を舞台に繰り広げられる壮大な冒険物語である。この物語は、主人公の野心的な目標であるアイヌの金塊を巡り、多彩なキャラクターたちが絡み合いながら進んでいく。その中でも特に目を引くのが、冷静沈着な殺し屋、杉元佐一の存在だ。彼は物語の中で謎めいた姿を見せ、読者の興味を引きつける重要なキーパーソンとなっている。

まず、物語の中で杉元佐一が示す冷静な行動や戦闘技術は、彼が戦場で生き抜くために身につけた能力の賜物であることを物語っている。彼は常に状況を冷静に分析し、最適な戦術を採用する。その戦闘シーンは迫力満点であり、読者を引き込む力がある。しかし、その一方で、彼の内面には複雑な感情や葛藤が秘められている。彼の過去や家族への思いは、彼の行動に影響を与え、彼をより人間味あふれるキャラクターにしているのだ。

さらに、杉元佐一の存在は物語の展開に大きな影響を与えている。彼の登場するシーンは常に物語のテンポを一層加速させ、読者を引き込む力がある。彼の謎めいた過去や真意は読者を引きつけ、物語の謎解き要素としても重要な役割を果たしている。また、彼と主人公であるアシリパとの関係性も物語に深みを与えている。彼らの交流は物語の中で重要な位置を占めており、読者に感動を与えるシーンが多い。

『ゴールデンカムイ』は、その壮大な世界観と多彩なキャラクターたちが織りなす物語であり、杉元佐一はその中でも特に印象的な存在だ。彼の冷静な外見とは裏腹に持ち合わせる人間味や独自の信念によって、物語に深みを与える存在である。彼の登場するシーンは読者の興味を惹きつけ、物語の展開に新たな展開をもたらす。彼は物語の中で欠かせない存在であり、その存在感は物語全体を引き締める重要な要素の1つである。

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笑いと機転の達人・白石由竹の魅力と役割

白石由竹(しらいし よしたけ)は、野田サトルによる漫画『ゴールデンカムイ』の中で、非常に重要かつ魅力的なキャラクターの1人です。「脱獄王」という異名を持ち、その名に恥じない数々の脱獄劇を成功させてきた技巧派の人物。物語の進行において、白石の存在はユーモアと機転をもたらし、読者を魅了し続けます。以下に、彼のキャラクターをネタバレなしで詳しくレビューします。

まずはキャラクターの基本情報。
白石由竹は、典型的なコミカルキャラクターでありながらも、その背後には多層的な魅力が存在します。身軽で俊敏、そして頭の回転も速く、危険な状況でも機転を利かせて切り抜けることができる人物。こうした特徴は、彼の「脱獄王」としての名声に大きく寄与しています。

次に白石の持つユーモアとコミカルさについて。
物語において、しばしば緊張感を和らげる役割を担う白石。『ゴールデンカムイ』は、シリアスなテーマや緊迫したシーンが多く描かれる作品ですが、白石の存在によってバランスが取られています。彼のユーモラスな言動や行動は、他のキャラクターやシチュエーションとの対比で一層際立ち、読者に笑いを提供します。
例えば、白石の表情豊かなリアクションや、突拍子もない発言は、重厚なストーリーの中で一服の清涼剤のような役割を果たします。彼のコミカルな側面は、物語の暗い部分や緊張感を和らげ、読者をリラックスさせる効果があります。これにより、白石は単なる笑いの提供者以上の存在となり、物語全体のバランスを取る重要なキャラクターとして機能しているのです。

白石のもう1つの大きな魅力は、その機転と巧妙さです。彼は数々の刑務所から脱獄に成功したという経歴を持っていますが、その脱獄劇の多くは彼の機知と迅速な判断力によるものです。物語の進行において、白石の脱獄技術や機転はしばしば重要な局面で役立ち、主人公たちを救うことになります。
彼の機転の利いた行動や巧妙な策略は、読者を驚かせることが多く、物語に緊張感と興奮をもたらします。白石の計画やアイデアは常に予測不可能であり、その意外性が物語を一層面白くしています。彼の能力は、単に自らを救うためだけでなく、仲間たちのためにも発揮され、彼のキャラクターに深みと複雑さを加えています。

白石はユーモラスで機転の利いたキャラクターであるだけでなく、その内面には複雑な感情や葛藤を抱えています。彼の過去や人間関係に対する内面的な葛藤が描かれることで、彼のキャラクターは一層立体的になります。白石はしばしば、自分の行動や選択に対する後悔や不安を感じる場面があり、その人間味が彼を単なるコミカルなキャラクター以上の存在にしています。
彼の成長も物語の中で重要なテーマの1つです。白石は旅を通じて仲間たちと深い絆を築き、その過程で自身の価値観や人生観を見直すことになります。彼の成長は、読者に感動を与え、物語のテーマと深く結びついています。

白石の忠誠心と友情も、彼のキャラクターの魅力の一部です。彼は、仲間に対して非常に忠実であり、そのために自らの命を危険にさらすことも厭いません。彼の友情と忠誠心は、物語の中で感動的な要素を加え、他のキャラクターとの関係を豊かにします。
特に、主人公の杉元佐一やアシリパとの関係は、白石のキャラクターをさらに深く描き出しています。彼の仲間たちとの絆は、物語の進行において重要な役割を果たし、その過程で白石の人間性がより明確になります。彼の友情は、しばしば物語の感動的な場面を彩り、読者に強い印象を残します。

総じて、白石由竹は『ゴールデンカムイ』の物語に欠かせないキャラクターであり、そのユーモアと機転、そして人間的な魅力が物語を一層魅力的にしています。彼の存在は、作品全体に軽妙さと人間的な温かさをもたらし、読者を惹きつけ続けます。

彼のキャラクターは、単なるコミカルな存在に留まらず、その機転と巧妙さ、内面的な葛藤と成長、そして忠誠心と友情が物語に深みと感動を加えています。白石の多面的な魅力が『ゴールデンカムイ』をより豊かで楽しめる作品にしており、彼の存在は読者にとって非常に重要なものとなっています。

キャラクター深度: 8/10
白石由竹は、単なるコミカルなキャラクター以上の深みを持っています。彼の過去や内面の葛藤が物語に厚みを加えます。

ユーモア: 10/10
彼のユーモラスな性格とコミカルな行動は、物語に笑いと軽快さを提供し、読者を楽しませてくれます。

機転と巧妙さ: 9/10
「脱獄王」としての彼の機転と巧妙さは、物語の進行において何度も重要な役割を果たします。

忠誠心と友情: 7/10
彼の仲間に対する忠誠心と友情は、物語の中で感動的な要素を加え、他のキャラクターとの絆を深めます。

全体的な魅力: 9/10
白石は、『ゴールデンカムイ』の中で欠かせない存在であり、そのユーモアと機転、そして人間的な魅力が物語を一層魅力的にしています。

総合評価: 8.6/10
白石由竹は、笑いと機転をもたらすキャラクターとして物語に大きな貢献をしています。彼の存在は、『ゴールデンカムイ』をより豊かで楽しめる作品にしています。

以上が、『ゴールデンカムイ』の白石由竹に関する詳細なレビューです。彼の多面的な魅力が、物語を一層楽しめるものにしており、その存在は読者にとって非常に重要なものとなっています。

ゴールデンカムイ / Golden Kamuy / 金カム
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ストーリーとキャラクター

物語は日露戦争の英雄、杉元佐一(通称「不死身の杉元」)が、戦友の妻を救うために北海道の隠された金塊を探すところから始まります。
杉元は、金塊の在り処を示す刺青を持つ囚人たちを追い求める中で、アイヌの少女アシリパと出会います。アシリパの父であるウイルクは、この金塊の鍵を握る人物であり、彼の遺志を継ぐために2人は協力し合うことになります。
アシリパは金塊がアイヌ文化を復興するためのものであると信じており、彼女の知識と杉元の戦闘力が絶妙に融合していきます。

物語が進むにつれて、2人は謎の組織や、他の金塊を狙う者たちとの熾烈な争奪戦に巻き込まれます。特に元陸軍中尉の鶴見篤四郎が率いる第七師団や、不気味な不死身の男・土方歳三といった強敵たちが立ちはだかります。鶴見の目的は国家の再建であり、土方は新政府を打倒するために金塊を手に入れようとしています。

最終的に、アシリパは父ウイルクの本当の意図と金塊の秘密を知ることになります。ウイルクはアイヌの未来を見据え、金塊を用いて独立を果たすための計画を持っていましたが、彼の意図には謀略と犠牲が伴っていました。アシリパはその重みを背負いながら、自分の道を見つけていくことになります。

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サバイバル×ジビエ×アイヌ×バトロワ!?『ゴールデンカムイ』の魅力とは

舞台は、日露戦争後の北海道。主人公の元軍人・杉本佐一は戦争で亡くなってしまった幼馴染の奥さんの治療費を稼ぐため、北海道で砂金をとっていた。
そんな中、ある男からアイヌが隠した金塊の話を聞くが、冬眠から目覚めたヒグマに襲われてしまう。
そこをアイヌの少女アシリパに助けられ、アシリパの父が金塊に深く関わり殺されていたことを耳にする。
杉本は金塊を、アシリパは父を殺した犯人を探すという利害が一致し、2人は旅に出る。

『ゴールデンカムイ』を“和風闇鍋ウエスタン”と言う方々が多くいますが、この表現には深く同意します。1巻だけ読むと結構硬派な作品となっています。
ですが、読み進めていくとギャグとシリアスが絶妙に組み合わさった作品であり、退屈しません。
物語の性質上、囚人たちの体に財宝の在りかが描かれているため、主人公や、狙う派閥は人の皮を集める為に囚人を探します。
そんな目的、アイヌの生活、サバイバルなどの殺伐とした中に圧倒的存在感のシュールなギャグが織り交ぜられている。それがこの作品の魅力だと思うのです。

キャラクターも魅力的で、ものすごい変態の囚人がポコポコ出てきます。この作品、登場人物はほとんど見事に「変人」なわけです。
主人公の杉本も見え方によっては、殺されそうになると躊躇なく相手を殺したりと、ネジが外れてたりします。
むさくるしい男たちの入浴シーンが丁寧に書かれすぎていたり、日常シーンも全く飽きが来なく予想外のギャグシーンが入ります。
そして作者のアイヌ文化への調査が徹底されており、勉強になるところもポイント。
このように要素が多すぎて、“和風闇鍋ウエスタン”という言葉がしっくりくる作品です。

私もこの闇鍋に魅了され、北海道に行きたくなってしまいました。皆さんもぜひ読んで闇鍋を味わってみてください。

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『銀魂』を彷彿とさせる独特なユーモアのあるアニメ

サブスクリプションのランキング上位で評価が高く、気になって見始めたが、ギャグ漫画のような面白さがありハマってしまった。
例えるなら、アニメ『銀魂』のようなボケや下ネタが多い。暴力的ではあるが、どこか優しいツッコミが描かれており、著者独自のユーモアが溢れている。声優さんも豪華で、テンポのいい掛け合いや間がまた面白さを引き立てている。

お笑い的な面白さだけでなく、北海道の歴史からアイヌの歴史や文化、アイデンティティがリアルに描かれていて、戦争や民族の歴史も学べて考えさせられる、レベルの高い作品である。著者が北海道出身のようで、恐らく自身が見聞きしたことも反映されているのではないかと考えられる。

また、作中に出てくる料理も美味しそうに表現されていて、食料調達の技術や、調理法もだんだんと興味が湧いてくる。

戦争の情景や暴力的な場面が多く出てくるが、キャラクターの一人ひとりの人生が垣間見える描写があり、毎話見ていて次が気になり楽しみだ。実際の歴史に忠実な部分もあり、学生時代に勉強したことのある歴史的人物が多数登場する。もちろん、オリジナルのストーリーであるため、事実と異なる設定もあるが、知っている知識と合わせても楽しむことができる。

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連載終了後も注目を集め続けている『ゴールデンカムイ』

2022年4月28日に連載が終了した、大人気漫画『ゴールデンカムイ』。
明治末期に主人公の杉元佐一をはじめ、陸軍第7師団や土方歳三などが、金塊を巡って争奪戦を繰り広げるバトル漫画だ。マンガ大賞や手塚治虫文化賞など数々の賞を受賞している。連載終了前後の全話無料公開を機に一気読みをして、ハマった人も多いのではないだろうか。私もその1人で、全話無料で読み終えた後すぐに単行本を買ってしまった。

最後まで金塊争奪戦という軸がぶれずに展開するストーリーは、飽きることなくどんどん読み進めていける。作者の徹底的な取材をもとにしたアイヌ文化の紹介は、自分の知らなかった文化や歴史を学ぶことができるだろう。随所に散りばめられたギャグも思わず笑ってしまうものばかりだ。

個性的なキャラクターたちも魅力の1つである。主人公一味はもちろんのこと、敵対勢力のボスで怪しげなカリスマ性がある鶴見中尉。その鶴見中尉の部下で、常識人だが心に闇を抱えた月島軍曹や、興奮すると早口の薩摩弁になってしまう鯉登少尉など癖の強い登場人物たちが大暴れする。さまざまな勢力を行ったり来たりする尾形百之助も、そのミステリアスさが女性に人気だ。

このような個性豊かな登場人物たちの活躍をぜひ読んで確かめてみて欲しい。面白いだけでなく、歴史や民俗文化も学べるこの作品は、この先も多くの人に愛されるだろう。

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チタタプしようぜ!

明治時代後期、北海道にて日露戦争に従軍していた「不死身の杉本」と異名を持つ兵士がいました。
名前は「杉本佐一」。杉本の親友は戦死。親友の妻、梅子は目の病気を患っていました。杉本は梅子の手術費用を賄うため、大金を欲していました。

戦争から帰ってきた杉本は、とある人物から脱獄囚の身体に入れ墨として暗号化された、アイヌの埋蔵金のことを知ります。
「杉本佐一」とアイヌ民族の少女「アシリパ」とともに、埋蔵金を探すサバイバル漫画です。

ヒロインである「アシリパ」は魅力的で、私たちの知らないアイヌの独特な文化や料理なども多く紹介されております。
脱獄囚は全部で24人。
脱獄王「白石由竹」、新選組鬼の副長「土方歳三」、おでこが四角「牛山辰馬」、外科医「家永カノ」などなど。個性あふれる脱獄囚がたくさん登場します。

アイヌの財宝を狙う大日本帝国第七師団。こちらも変態が多いので見ていて飽きないです。なかでも「鶴見中尉」!鶴見中尉の人を引き付けるカリスマ性には、読者である自分も引きつけられます。『ゴールデンカムイ』には、「鶴見中尉」は絶対にいなくてはいけない存在です。ラスボスのような存在です。

女っ気がない漫画であるからこそ、ヒロインの「アシリパ」がかわいらしく見えます。物語に関係してくる囚人たちは、個性的なメンバーがたくさんいます。

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漫画を通して学べるアイヌ文化と明治の魅力

ゴールデンカムイは、「週刊ヤングジャンプ」にて連載された、野田サトルによる漫画作品です。
明治時代、日露戦争後の北海道を舞台に、主人公の杉元佐一がアイヌの少女アシリパと出会い、様々な仲間と交流を深め、時には戦いながら冒険をするという内容です。
主人公である杉元佐一は、不死身の杉元と呼ばれ、日露戦争を戦い抜いた屈強な元兵士です。
そんな杉元は、ある噂を耳にします。
「網走監獄から脱獄した囚人は、身体中に妙な刺青が入れられていて、その刺青には埋蔵金である金塊のありかを示す暗号が隠されている」という内容でした。
それを聴いた杉元は、半信半疑に思いながらも、金塊を探すために行動を開始します。
その最中、佐一は、北海道固有の生物であるヒグマに襲われ窮地に陥ります。
そこへ突然現れたアイヌの少女アシリパが、ヒグマを退治し杉元の命を救いました。
命を助けられた佐一は、アシリパへ金塊の話をし、一緒に金塊を探すことを提案します。
アシリパは、金塊が元々はアイヌのものであることと、北海道の土地に不慣れな佐一の手助けを行うため、協力することにしました。
ここからゴールデンカムイの物語は始まります。

ゴールデンカムイの魅力として挙げられるのは、多彩で魅力的なアイヌ文化を学ぶことができる点にあります。
北海道の地で暮らすアシリパは、アイヌの血を引いています。
彼女が語るアイヌの暮らしや文化は、私たちの知らないものばかりです。
このアイヌの人々の食文化や登場する食べ物が、この作品の最大の魅力と言っても過言ではないでしょう!
アイヌの人々は命を頂くという行為を尊んでいるということが、食事をするあらゆる場面で見受けることができるのです。
季節の食材を利用したアイヌ独自の料理や、北海道の土地に生きる生き物を余すところなく食べ尽くす様子を見ていると、現代の私たちがいかに恵まれていて、食に対する関心が薄まっているのかということを痛感します。
また、アイヌの教えを守るアシリパは厳しい北海道の土地で、生き抜くための多くの知恵を持っています。
そのおかげで、杉元は多くの場面でアシリパに命を助けられるのです。
このことからキャラクターの強さは、決して腕力や戦闘力だけではなく、賢さや知見が必要であることを学ぶことができます。

ゴールデンカムイの魅力のもう一つには、登場する多彩なキャラクターたちにあります!
主人公の杉元以外にも、金塊の噂を聞きつけた猛者たちが出会い、そして様々な戦いを繰り広げていきます。
やがて、日本陸軍も金塊の争奪戦に介入することによって、物語はさらに壮大により複雑になっていくのです。
中でも、日本軍第七師団に所属する鶴見中尉は、この物語において大きな鍵を握る重要な存在です。
読者は、鶴見中尉の圧倒的な存在感と、底の見えない不気味さに強く惹きつけられしまうでしょう。
そして、その鶴見中尉を取り巻く第七師団のメンバーも、皆それぞれに物語が存在します。
どうして鶴見中尉に忠誠を誓うのか、過去のエピソードを交えてより深く語られていきます。
その過去のエピソードが、いずれは金塊争奪戦に関わる重要な要素として絡んでくるのです!

このようにゴールデンカムイのキャラクターたちには、それぞれにバックボーンが存在するため、感情移入がしやすく、物語をさらに深く理解しやすくなっていると言えるでしょう。
北海道を舞台にした壮大な物語が、多くのキャラクターたちの人生を狂わせ、そして、読者である私たちをも熱狂させるのです。

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キッカケは食事シーン

アニメ飯が好きな人間にとっては最高な作品!!

はじめに、私がゴールデンカムイに興味を持ったのは、アニメの食事シーンだけを集めた動画で主人公と少女の2人が美味しそうに鍋を食べているシーンを見たからです。
何処かの民族衣装を着た女の子が、見たことの無い方法で獲った肉を調理し、雪深い北海道の山中で暖かそうな鍋を食している姿がなんとも美味しそうで、それをキッカケに見始めたアニメでした。
鍋以外にも熊やウサギ、鮭やアザラシ等の生肉を包丁でタタキにする“チタタプ”や、様々なアイヌ料理、ロシア料理が登場し、食を通じて登場人物達の絆が深まったり、心境の変化が垣間見えたりします。とにかく食事シーンが多々登場するアニメなのです!

食事シーンが気になり見始めたアニメでしたが、日本の歴史や民族文化、驚くほどの下ネタや金塊争奪戦の様々なギミック、愛すべきキャラクター達など、ハマる要素が沢山あり、まんまと沼ってしまいました。

驚くべきは作者の取材力でしょう。実在する建造物が細部まで忠実に描かれており、作中にいくつも登場します。アイヌ文化へのリスペクトを感じさせる生活風景の描写は、本編とは別にもっとアイヌ文化の事が知りたいと思わせてくれる程魅力的に取り上げられています。

本筋の金塊争奪戦はもちろんの事、サブストーリーや敵キャラのバックグラウンド等全てが面白い作品です!是非アニメも漫画もみて欲しいです!

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すっごくオススメだけどオススメしづらい(分かる人には分かる)w

日露戦争の生き残りの元日本兵が主人公の漫画作品です。
時は明治時代で、北海道が舞台となっています。
アイヌの女の子もヒロインとして登場します。
網走監獄脱獄囚の刺青人皮をかけた金塊争奪戦や、アイヌの歴史文化・グルメ、新選組、ヒグマ、マタギなどたくさんの要素を詰め込んでいるものの、それがごちゃごちゃにならずに良い感じに混ざり合っていて非常に読み応えがあります。

キャラクターもたくさん出てきますが、どのキャラクターも個性的できちんと書き分けができており、それぞれの過去や生き様がしっかり描写されているので、読んでいるうちにどんどんそのキャラクターに愛着が湧いてきます。
物語も中だるみがなく、展開が早いので疾走感がありました。

アクション描写もとても素晴らしいです。
登場人物たちの未来の目標に向かって争いを繰り広げていくので、基本シリアスではあると思うのですが、ギャグ要素もしっかり挟まれており、シリアスが苦手な方でも読み進められると思います。

本当にとても面白いのですが、いわゆる「変態」キャラもたくさん出てくるので、オススメしたいけれど自分が変態と思われそうでオススメできない自分がいます。
最初は変態要素は少ないです。自分も読んでいるうちにだんだん「アレ…?」となりました。

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タイトルの回収まで天才的な、笑いあり涙ありパロディありの名作!

元軍人の杉元佐一、アイヌの少女アシリパを中心としたアイヌの金塊をめぐるお話です。「カムイ」は北海道でもメジャーな「神様」などを指すアイヌ語なのですが、金塊にまつわるアイヌの物語、というイメージがタイトルだけでぱっと浮かぶわかりやすさがあります。作品の中ではアイヌの生活様式など丁寧に描かれており、その中には「カムイ」がアイヌにとってどういうものかも語られています。作中で「ゴールデンカムイ」という言葉を使用することはほとんどなく、物語の終盤で初めて表現されます。そのとき、「進撃の巨人」や「遊戯王」のように、読者はここで作品のタイトルに与えられた意味を深く知ることができる、というわけですので、ぜひ最後までじっくりアイヌの文化を学びながら読んで欲しい作品でもあります。作品には主人公杉元・アシリパ達以外に、ふたつの大きな勢力が登場します。一方は日本帝国陸軍、もう一方は土方歳三を含む網走監獄を脱獄した囚人の一部、となっており、金塊のヒントを集めながらも、この二大勢力を相手にバトルを繰り広げ、時に知略をめぐらし戦っていきます。敵味方関係なく殺し合い、負傷していくので、ある程度の暴力表現は覚悟した上で読んで欲しいです。作中では笑いも多く、変人も多数登場し、「ジョジョの奇妙な冒険」等往年の名作のオマージュもふんだんに盛り込まれているので、ジャンプ等の少年漫画作品が好きな方は読んで損はないと思います。

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北海道を舞台に、色んな要素を詰めに詰め込んだコメディ・ハートフル・バトル冒険譚です

端的に言うと、アイヌの金塊をテーマにした北海道が舞台の冒険譚作品です。巻末の出典を見ただけでも非常によくアイヌや当時の日本とロシアの関係について調べられており、北海道の民族風俗を知るきっかけにもなると思います。また作者の野田サトル先生は北海道出身ということもあってか、アイヌについてだけでなく、北海道の土地や自然などもしっかり描かれているのが特徴です。作品のキャラクターの背景心情、そして個性も豊かに描かれており、30を超えるキャラクター全てが面白く、いろんな意味で愛着をもてるようになっています。似たような衣装であっても丁寧に描き分けられているので、たくさん登場してきても、だんだん区別がつくようになっていきます。また作中ではアイヌ以外に軍人・囚人が数多く登場するため、男性キャラクターがかなり多く、それに比例して戦闘率も筋肉露出率も高いです。脱ぎ率も高いので、(エロではなく)変態の巣窟、という意見もあります。一方、アイヌの狩猟方法から食事などの文化も丁寧に描かれているため、食欲をそそるグルメ漫画という側面も持ち合わせています。作中で時間・季節が進んでいくため、四季折々の北海道グルメを漫画で堪能できるのが特徴です。北海道の自然や歴史に興味のある方や、日本帝国陸軍、新選組、囚人と監獄、筋肉・戦闘モノ、そしてグルメなどに興味のある方にご覧いただきたい作品です。

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ストーリーも面白いが、アイヌ文化の描写が秀逸

時は明治、日露戦争当時「不死身の杉本」と呼ばれた杉本佐一は戦争後、大金を得るため北海道で砂金を探していた。
戦争で死んだ幼馴染の奥さんの目の治療費を得るためだ。
その時に知り合った酔っぱらいの老人にある話を聞かされる。
「アイヌの隠し軍資金」、現在網走刑務所に収監中の囚人「のっぺらぼう」が囚人たちに施した入れ墨を合わせるとそのありかが分かるらしい。
酔っぱらいの与太話と思っていた杉本だが、その後ヒグマに襲われた際に助けられたアイヌの少女アシリパから聞いた話により信ぴょう性が増す。
二人は脱走した囚人たちを探しながら入れ墨を集めていくことにした。
そこに彼らを狙う狙撃兵が。彼は旭川に拠点を置く第七師団の兵士だった。隠し軍資金を第七師団も狙っていたのだ。
指揮をするのは情報将校の鶴見中尉。辛くも杉本たちは鶴見中尉達の追っ手を振り切るが、その隠し財産を狙っている勢力は他にもいた。
網走監獄から脱獄した男、土方歳三とその一味だ。一癖も二癖もある猛者たちが交錯し物語は進んでいく。
果たして隠し財産を探し当てるのは誰か?登場人物の過去を細かく描写しながら物語はめまぐるしく展開する。アイヌの参考文献を参考にしてアイヌ文化も細かく描写しているほか、わかる人にはわかる小ネタも満載している。

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北の寒さを吹き飛ばす男たちの熱い戦い

北海道のどこかに隠されたアイヌの金塊をめぐる冒険譚。
様々な角度から趣向を凝らしており、多層的な魅力で読者を飽きさせない。
何度でも読みたくなる本作の魅力の一端をご紹介したい。

1.キャラクター
不死身の二つ名を持つ主人公・杉元、アイヌの少女・アシリパ、人たらし・鶴見中尉率いる第七師団の面々、
金塊のありかを示す刺青を体に掘られた囚人たち…。
多数のキャラクターが登場するが、それぞれの思惑や金塊を求める動機が深く描かれている。
敵味方が入り乱れる描写の中で、それぞれの関係性が変化していく様子も細やかに描かれている。

2.歴史ロマン
舞台は日露戦争後の明治時代。戦争により心や体に傷を負った登場人物も少なくない。
また、鬼の副長と呼ばれた新選組の土方歳三も主役級の重要な役どころで登場しており、好きな人にはたまらない。

3.アイヌ文化
現代の日本人には決して身近とは言えないアイヌ文化を魅力的に紹介しており、異文化理解に一役買っている。

4.狩猟とグルメ
北国の山や海で獲れる動植物を料理しておいしくいただくシーンが豊富にある。読めば思わず「ヒンナヒンナ」と言いたくなるだろう。

5.ギャグとシリアスのバランス
キャラクターの関係性や個性を生かしたギャグシーンも楽しい。
シリアスな本編の合間に挟まれるギャグでクスリと笑い、肩の力が抜ける、そのバランスが絶妙である。

6.美術や映画への多数のオマージュ
ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」を模したシーンではで各キャラクターが座る位置に趣向が凝らされていたり、
鶴見中尉の演説シーンはヒトラーのそれと同じポーズになっていたり。
作中に散りばめられた絵画や映画へのオマージュを探すのもまた一興。

本作にはアニメ版もあるが、漫画を先に読んでいると2倍3倍に楽しみが膨らむだろう。ぜひ、手に取っていただきたい。

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北の大地で一攫千金!!戦いあり、涙あり、飯テロあり!

北海道を舞台に、アイヌの少女アシリパと、日露戦争帰りで「不死身」の異名を持つ杉元のふたりが莫大な埋蔵金を探す旅。この埋蔵金というのは、かつてはアイヌの物だった砂金だ。
砂金を目当てに故郷を離れ、北海道にやってきた杉元は、ヒグマに襲われた所をアシリパに助けられる。
そこで、アシリパの父が過去に砂金がアイヌから奪われた時に殺害された事を知る。
隠された砂金を探すためには、網走刑務所に収監されている「のっぺらぼう」と言う囚人により、
隠し場所の暗号の入れ墨を肌に施され、脱獄した囚人達を探す事から始まった。
この幾人かの入れ墨を合わせることで、砂金の在り処がわかるというのだ。
砂金探しの道中では、同じく砂金を狙う陸軍やヒグマとの闘いは手に汗握るもの。
アシリパによるアイヌ仕込みの様々なジビエ料理は、まるで漫画の紙面から湯気が出てくるようで食欲を誘う。
この世を去ったはずのかつての新選組の土方歳三が登場したり、幕末期の日本史が好きな方も楽しめる作品ではないだろうか。
とにかく、様々な書物に基づかれたアイヌの文化やアイヌの言語などは新鮮で飽きない。
純粋で大きな瞳のアシリパの、ころころ変わる表情も魅力だ。
砂金を探す旅の途中で、アシリパと杉元が出会う個性溢れたキャラクターも物語の面白さの一因だ。

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歴史や文化に触れられる

『ゴールデンカムイ』は、そもそも人気のある作品です。何度か無料お試し読みを1巻程読んだことがあり、気になっていた作品でもありました。ただ歴史、特に日本史にめっぽう弱く、この作品も近代日本史が舞台のため少し抵抗があり読み進むまでいきませんでした。しかし、作品完結に向けて全巻無料で公開された事で作品の印象が一変しました。
元々読んだことのある数話では、話の奥行きや広さがあまり分かりませんでしたが、読み進めることでキャラクターの設定や歴史の背景、その当時の考え方や、時代に争いながら生きてきた登場人物などの描写がとても細かく描かれている事に感動しました。
主人公やヒロインの関係性や絆に、読み進めるごとに気持ちが入り込み自然と笑ったり、涙したり、共感する場面も少なくありません。また、思わぬ展開や裏切り、敵対同士の協力など、一筋縄では解決しない問題を上手に表現している印象です。
日本の歴史や北海道、アイヌの歴史も細かく描写されており、歴史が苦手だったはずが自然と引き込まれて興味を抱くきっかけになりました。命の大切さや自然との共存、当時と現在の比較など、漫画でありながら色々と考えさせられる作品となっております。

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新感覚バディ冒険譚

この漫画の舞台は明治20年代。日露戦争の帰還兵・杉元佐一とアイヌ民族の少女・アシリパがひょんなことから出会い、アイヌの男たちがどこかに隠したと言われる金塊をめぐる事件に関わっていく、北海道冒険譚です。
この作品の見どころは「隅々まで濃いキャラで満たされた世界で起こる、ギャグとシリアスのジェットコースター」にあります。
主人公の杉元は「不死身の杉元」の異名を持つほど戦闘能力に優れ、相手を敵と認めれば容赦なく殺しにかかるような人間でありながら、虫が苦手で少女雑誌を愛読している。その相方のアイヌの少女アシリパは凛とした顔立ちでさまざまな変顔をこなし、杉元が携帯している味噌を「オソマ(うんこ)」と言って譲らない。
彼らの敵対勢力として描かれる陸軍第七師団の構成員は「戦争で前頭葉の一部が吹っ飛んでいて興奮すると変な汁が出る中尉」を筆頭に、「サーカスの少女団に少女の衣装を着て真顔で混ざる屈強な軍曹」「興奮すると早口の薩摩弁になってしまって何を言っているのかわからない少尉」「精子をものすごく飛ばせる上等兵」と濃いキャラが乱立。
一見するとぶつかり合って調和しないような濃いキャラたちが、しかしきちんと関係を成立させている。そこを上手く調和させているのが、激しい緩急で巻き起こるギャグとシリアスの相転移です。
味噌をうんこだと思っていたヒロイン・アシリパは勇気を出して口にしてから味噌を好むようになったものの、呼び方は「オソマ(うんこ)」のまま。どう見てもギャグのための設定かと思いきや、ある事件をきっかけに相棒の杉元と別れて行動する中で、「杉元のオソマがなくなってしまった」と呟く彼女のセリフには寂しさが滲み出る。
登場人物一人一人が持つ濃いキャラクター性がギャグにもシリアスにも転ぶことで、うまく調和を保っている。その転換のスピードに読む人は巻き込まれ、逃れることはできないでしょう。

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金塊争奪戦は最終局面へ…

私がおすすめする漫画は、週間ヤングジャンプで連載されていたゴールデンカムイです。
その理由は、作者がきちんと調べた情報を読者に解説してくれる興味深さや実際に北海道にある物事を扱いながら漫画を書いていること。
伏線の回収の仕方がうますぎて、読み進むにつれゴールデンカムイの世界にのめり込んでいってしまう魅力があります。
何個か例を挙げると食・北海道の魅力・アイヌという民族について・キャラクターが個性的などなどが挙げられます。
そんなゴールデンカムイの金塊争奪戦の最終局面は、金塊の分け前をもらうために戦っていたキャラクターたちが主人公アシリパさんのために体を張って敵(第七7団)に立ち向かっていく姿が涙なしに見れません。
過酷であり、敵・味方がばたばたと亡くなってく中でみせるアシリパさんの悲痛な表情がなんとも痛々しいですが、周囲の大人のやさしさをとても感じられる作品です。
また、主人公軍勢に話の焦点を当てすぎ漫画もあるなか、ゴールデンカムイは敵軍勢も魅力的です。
どのキャラクターも死んでほしくないという思いで読んでいます。
変わったジャンルの漫画を読みたいという方はぜひ読んでみてください。

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和風闇鍋ウエスタン

「和風闇鍋ウエスタン」というのは公式の宣伝文句です。この時点で訳が分かりません。

もはやまともなキャラがいません。字面だけなら一番まともそうな陸軍が一番やばいです。逆に一番やばそうに見える土方側についた囚人たちが一番まともです。とりあえず、登場人物はみんな変態かサイコパスか狂人だと思って読んだほうがいいです。大抵みんなそんなもんです。
下ネタには気を付けましょう。二瓶鉄造はまともです。もう一度言いましょう。二瓶鉄造はまともです。お忘れなきよう。彼はその言葉を使っているだけなので。実践していないので!!
あとこの世界で一番恐ろしいのはクマです。敵でも味方でもありません。まあ誰が敵か味方かなんてもはや分かりませんが。
ヒロインは谷垣ニシパです。異論は認めません。作者からあれだけ愛されているキャラもなかなかいないでしょう。

ここまでギャグマンガみたいに話しましたが(実際間違ってないと思います)、物語自体はとても深いアドベンチャーであり、バトルマンガです。登場人物一人一人が抱える過去の闇やトラウマが、結果的にそのキャラの行動原理になり、物語のさらに深層を形成しています。

下ネタは多いですが、謎の魅力があります。男女関係なく楽しめる作品だと思います。

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変態×北海道アイヌ史×グルメのインパクト!!

ゴールデンカムイは、日露戦争帰りの兵士・杉本と、アイヌの少女・アシリィパが、アイヌの金塊の謎を印した入れ墨人皮をめぐって、北海道全土から樺太を旅していく物語です。

が、それだけでは、この漫画の魅力と濃ゆさは、語りつくせません。

まずは、この作品に登場する、数々の変態。

現在の貨幣価値に換算すると、3千億円にものぼるといわれるアイヌの金塊の在りかを、囚人たちに入れ墨として彫った…というだけでも、戦前の乱歩などの推理小説を彷彿とさせます。

ですが、入れ墨を彫られている囚人たちが、濃くて、魅力的な変態!!ばっかり!!なんです。

女好きでちゃらんぽらんな脱獄王の白石。
不敗の柔道王、なぜか額にはんぺんをつけてる牛山。
女装の食人老人医師・家永。
「勃起!」と連呼する200頭以上の熊を撃ち殺してきた猟師・二瓶。

ほかにも、ヤングジャンプで連載していいのか…!?と心配になるくらい、際どい変態ぞろい。

もちろん(?)変態は囚人だけではありません。
杉元・アシリィパたちと入れ墨人皮を奪い合うのは、新選組の生き残り・土方歳三一派と、第七師団の鶴見中尉とその配下たち。

息もつかせずストーリーがどんどん進んでいきますが、きっちりしっかりアイヌと北海道史を押さえてあって、そのあたりも読みごたえがあります。

また、アイヌ文化、とりわけ食べ物についての描写が多く、この作品を読んで、「アイヌ料理食べたい〜〜!」と思った方は少なくないはず(笑)。

昔の小説とかマンガってこれくらいぶっ飛んでましたよね。
いつからこんなにお上品になっちゃったんでしょうね?

ちなみに、史実のキャラクターがモデルになっていることが多いので、探してみると、さらに作品を楽しめるかもしれません。

おススメです!

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