インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。

インカラマッの概要

インカラマッとは『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。

『ゴールデンカムイ』は、明治末期の北海道・樺太を舞台に、アイヌが秘蔵していた金塊を巡る命懸けの争奪戦を描いた物語である。金塊の隠し場所を知るとされる網走監獄の囚人「のっぺら坊」が、24人の囚人らに金塊の在り処を示す刺青を施し、脱獄させる。北海道中に散らばった囚人らの身体に彫られた刺青を巡って、熾烈な争奪戦が繰り広げられる。
日露戦争で鬼神のごとき強さで「不死身の杉元」と恐れられた杉元佐一(すぎもと さいち)は、自身を庇って戦死した親友・寅次の遺言をうけ、寅次の妻・梅子に目の治療を受けさせる資金を得ようと、軍を満期除隊したあと北海道で砂金採りをしていた。そこで、砂金採りを一緒にしていた男からアイヌの金塊と刺青人皮の噂を聞き、実物の刺青を目撃したことで金塊争奪戦に参戦する。
小樽のコタン(村)に住むアイヌの少女アシリパは、幼い頃に母リラッテを病気で亡くし、5年前に父ウイルクをのっぺら坊に殺害され、フチ(祖母の意。作中では主にアシリパの祖母を指す)と暮らしていた。刺繍などのアイヌの女の仕事を嫌い、父に教わった知識と技術で狩りをして暮らしていたところ、杉元と出会い、協力するようになる。のちに、ウイルクの旧友・キロランケから、殺害されたと思われていた父こそがのっぺら坊であり暗号解読のヒントはアシリパの中にある、という情報を得る。のっぺら坊は何者なのか、その目的は何なのかを知るため金塊争奪戦のキーパーソンとして参戦する。
隠し金塊を求めるのは杉元たちだけではなく、密かに捕らえられてこの時代まで生きていた土方歳三(ひじかた としぞう)と彼の仲間たち、鶴見篤四郎(つるみ とくしろう)中尉率いる第七師団などもそれぞれの思惑から暗躍。隠し金塊を巡って、激しい戦いが繰り広げられていく。

インカラマッは、少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。アシリパに対して穏やかに助言を与えているかのように振舞うが、考えが読み取れず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、怪しまれている。元兵士でアシリパのコタンの人々に恩がある谷垣源次郎(たにがき げんじろう)、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけて旅をしていった。

インカラマッのプロフィール・人物像

誕生日:9月12日
年齢:30代手前
人種:アイヌ
キャッチコピー:「”金塊”舞い込む神秘の美女占い師」
CV:能登麻美子

細面につりあがった細目、口角が上がった笑顔を絶やさない美しい女性で、狐の毛皮の襟巻きとチンヂリという赤い衣装を着ているのが特徴。名前の「インカラマッ」は「インカラ」=見る、「マッ」=女という意味であり、その名のとおり占いが得意で、先祖代々に受け継がれた道具をつかって様々なことを占い、的中率も高い。どういう経緯があったかは不明だが、孤児であり、子どものころから1人で占いをして生計を立てながら北海道を放浪していた。
アイヌ女性の習慣として口元に刺青を入れているが、刺青は小さく、白黒の漫画でみると口紅のようにも見える。作中でも屈指の美人であり胸元が豊かで色気があるのと言動に不思議な魅力があり、占いの結果に妙な説得力を持たせる。
また、占いは外れることもあるとし、恐怖心を煽るなどして占いの結果を相手へ強要することはしない。
占いといった非科学的な分野を得意とする一方、金塊をめぐって殺害された7人のアイヌの遺留品から得られた指紋などの科学捜査の結果を信じるなど開けた思考も持ち合わせている。
かつてともに旅をしたウイルクと、その一人娘アシリパの身を何よりも案じており、一途で律儀、情に厚い一面をもっている。
しかし、目的に対してブレることがないからこそ冷酷な面もあり、「金塊争奪戦は欲しい人たちが勝手にやりあっていれば良い」として、自身にとって大切な人物である谷垣やアシリパを強制的に危険から遠ざけようと画策した。

インカラマッの能力・装備

ニウォク

「占い」をさすアイヌ語。アイヌは事の大小にこだわらず、判断に迷ったときは占いをして、その結果は神の意志として疑うことなく従う、という文化がある。インカラマッはこの占いが得意であり、よく当たるためこれで生計を立てて各地を放浪していた。アシリパたちが勇払のコタンに訪れたときには、あまりによく当たるので村のみんながおかしくなっている、とアシリパの大叔父(フチの末の弟)が言っていた。
実際に作中では競馬の結果を当てたり、後述する三船千鶴子の居場所を探り当てたりした。
「占いが外れることもある」とインカラマッは考えており、自分の占いを信じない者と会っても特に気にしないばかりか、最新の科学捜査の結果を信じるなど非常に柔軟なスタンスの持ち主。しかし「科学捜査の結果」を利用した巧妙な嘘までは見抜けず、作中では鶴見中尉に騙され、判断を誤る場面もあった。

シラッキカムイ

占いをするときに使うキツネの頭骨。柳の木の削りかけで作った木幣という祭具に包まれている。インカラマッのもつシラッキカムイは先祖から代々伝わるもので、最も霊力の高い白狐の頭。
占うときは下顎の骨を頭の上に乗せ、ゆっくり頭を下げて落とし、下顎の骨が落ちた具合で物事を占う。

お守り

インカラマッから多数のお守りを購入した白石

インカラマッが販売する商品。作中では白石と鯉登少尉が購入した。

エカエカ

白と黒の糸をより合わせて作り、火の神様の庇護の精神が乗り移っているとされる。手首に巻きつけておけば災難を逃れる。販売価格は20銭。白石はこれを少なくとも3つ購入し、手首だけでなく頭や首にも装着し、競馬での一攫千金を狙った。

イケマの根

魔除けのお守り。とても嫌な匂いがするが、お葬式のときに歯で噛んで吹きかけ魔除けにしたり、矢に吹きかけるとまっすぐ飛んでいくとされる。白石はこれを少なくとも5本購入し競馬での一攫千金を狙った。
白石には70銭で販売したが、鯉登少尉には1円20銭で販売しており、商売人としてのしたたかな一面を読者に見せつけた。
イケマはキョウチクトウ科の植物であり、全草、とくに傷つけたときに出る白い汁にシナンコトキシンなどを含み毒性をもつため注意が必要。実際にアイヌでは護身・魔除けとして使われ、漢方ではイケマの根を利用し利尿・強壮、食中毒の解毒や回虫の駆除などに使われていた。

ウエインカラ(千里眼)

手のひらを上にして指先を透かすようにして相手の顔を見ることで占う方法。夕張で炭鉱会社を相手に千里眼・透視詐欺を働こうとしていた青原という青年に対して披露した。
千里眼で青原の困っていること(=千里眼能力者とされる三船千鶴子とはぐれたこと)を当てて報酬を得るはずだったが、後ろめたいことがあった青原に逆に脅され、替え玉にされた。
そのほか、多くの犠牲を払ってきた月島軍曹の幼馴染・いご草ちゃんの消息についても、物語終盤で占ってみせたものの、月島軍曹は結果を聞くことなくインカラマッと別れた。

イフミヌ(千里感)

山のどこかに探しているものがあるのかどうかを、自分の体を山と一体化させ体の感覚で当てるというもの。炭鉱を探し当てて欲しいと依頼する炭鉱会社の幹部らの前で千里感を披露し、炭鉱ではなく、三船千鶴子(みふね ちづこ)を探し当てた。

チンヂリ

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マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

マンスールとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、ロシア皇帝の暗殺にも加担したパルチザンのソフィア・ゴールデンハンドの仲間の1人にして砲撃手である。 アイヌの隠し金塊を手に入れるため、ソフィアや仲間たちと共に北海道に乗り込み、主人公の杉元たちに協力。金塊を我が物にせんとする第七師団と壮絶な戦いを繰り広げ、敵の駆逐艦を旧式の大砲で撃破するという大殊勲を挙げた。突如鳴り物入りで登場し、作品の内外からその力量に疑問を持たれるも、鮮やかな活躍で評価を覆したキャラクターである。

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二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

二階堂浩平(にかいどう こうへい)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している大日本帝国陸軍第七師団の兵士である。双子の兄弟の二階堂洋平を返り討ちにした杉元佐一に激しい殺意を抱くようになり、復讐を果たさんとたびたび死闘を演じた。戦いを経る毎に両耳や手足を失って行き、治療の際に使用したモルヒネによって薬物中毒者と化し、その副作用で子供のような性格の異常者となった。最終的に武器の仕込まれた義手や義足を装備し、心も体も壊れていきながら金塊争奪戦の最前線で戦い続けた。

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津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

津山睦雄(つやま むつお)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、「三十三人殺し」と呼ばれている。本編には登場せず、第七師団の鶴見中尉が刺青人皮を持っている。津山から剥いだ刺青人皮をベストのように着こなす鶴見中尉の姿は、多くの読者に衝撃を与えた。「三十三人殺し」という経歴から、モデルは「津山三十人殺し」の都井睦雄(とい むつお)であるという見方が一般的だ。

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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。

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江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

江渡貝弥作(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

江渡貝弥作(えどがいやさく)とは、野田サトルによる漫画作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、北海道・夕張で剥製工房を営んでいる青年である。剥製職人としての腕は良いが、人間の死体の皮で革細工を作るという歪んだ趣味を持っている。自分の実の母親を剥製にして所有。母親の偏った教育の下で成長したが、母を慕うなどマザコン気質の持ち主である。鶴見の依頼により贋物の刺青人皮を作成したが、刺青を狙う尾形や杉本に狙われる。初めて自分を受け入れてくれた鶴見を慕っており、最期は鶴見の為に自らの命を犠牲にした。

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