奇子(手塚治虫)のネタバレ解説・考察まとめ

『奇子(あやこ)』とは、手塚治虫原作の青年漫画。『ビッグコミック』誌上にて1972年から1973年まで連載された。2019年に舞台化されている。とある旧家一族の人間ドラマを軸にして、第二次世界大戦以後の激動の日本を描いた作品であり、後の代表作『アドルフに告ぐ』の先駆けと評された。GHQのスパイであることを隠して復員した天外仁朗(てんげじろう)と彼の妹で実は不義の子の天外奇子(てんげあやこ)の2人を主人公として、人間の裏表と戦後日本の暗部を浮き彫りにした長編漫画である。

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「霜川事件」を担当する刑事で、波奈夫の実父。祐天寺の正体が仁朗であることに気づいており、彼と桜辰会を調べることで時効となった「淀山事件」をも追っている。しかしながら、仁朗を根っからの悪人だとは思っていないようで、波奈夫と奇子が接触することも認めている。

下田波奈夫(げたはなお/演:味方良介)

下田警部の息子で、検察庁に勤めている。父親が「淀山事件」を追っていることで、自身も祐天寺(仁朗)を探っており、自宅を訪れた際に奇子と出会った。やがて奇子と愛し合うようになり、仁朗に交際を直談判している。天外家の清算の場にも居合わせていたが、父親と警察が救出に来た刹那に亡くなった。

金城呉成(きんじょうごせい)

仁朗をCICから救った人物で、桜辰会の立ち上げ後は彼の片腕となった。しかし、その正体はGHQの人間で、過去にフレッド・キノシタ中尉と仕事をしたこともあった。仁朗を暗殺しようとして失敗し、逆に正体を知られた上で彼に殺害された。

『奇子』の用語

天外家(てんげけ)

祝殿へ向かう天外市朗と仁朗

天外家(てんげけ)とは、『奇子』に登場する架空の一家である。架空の土地、青森県淀山に存在しており、第二次世界大戦までは名家だった。しかし、戦後にGHQが出した農地改正法によって田畑が小作人たちの手に渡ったことで没落してしまう。天外家は旧態依然を絵に描いたような一族であり、徹底的な家長制度が貫かれている。また、体裁を非常に気にしており、社会主義活動をしていた娘を勘当したり、犯罪の隠蔽工作などを行った。天外家の主な人々は以下の通り。

天外作右衛門(てんげさくえもん):天外家当主
天外ゐば(てんげいば):作右衛門の妻
天外市朗(てんげいちろう):天外家長男
天外すえ(てんげすえ):市朗の妻
天外仁朗(てんげじろう):天外家次男
天外志子(てんげなおこ):天外家長女
天外伺朗(てんげしろう):天外家三男
天外奇子(てんげあやこ):天外家次女だが実は作右衛門とすえの娘

彼らの他に、天外家の親族として、作右衛門の私生児お涼(おりょう)と町医者の山崎(やまざき)が登場した。

淀山事件(よどやまじけん)

崖から転落した江野正の替え玉

「淀山事件(よどやまじけん)」とは、『奇子』内で起こった架空の事件である。民進党淀山支部長だった青年、江野正が社会主義活動を強めていることを重く見たGHQが、彼を暗殺したというのが事件主な内容だった。仁朗はGHQの命令で、彼の死体を列車に轢かせた。事件直前に、江野が志子の恋人だと知ったことで、仁朗は後々まで苦悩することとなる。また、「淀山事件」は、仁朗が江野の血が付着したシャツを洗うところを奇子とお涼に見られたり、シャツを燃やすところを伺朗に見られるなど、その後の天外家崩壊の一端となった。なお、「淀山事件」に仁朗が関わっていることを田沼刑事に知らせたのは、江野の替え玉となった男性である。

霜川事件(しもかわじけん)

リストラを断行した霜川則之国鉄総裁

「霜川事件」とは、『奇子』の中で発生した架空の事件である。国鉄総裁の霜川則之は、GHQの圧力で行った国鉄職員のリストラ後に行方不明となり、その後轢死体で発見された。この事件捜査を担当しているのが下田警部であり、彼は旧知の先輩刑事の田沼から「淀山事件」との類似点を指摘されたことで、祐天寺富夫(天外仁朗)を追うこととなる。なお、「淀山事件」は、「霜川事件」のテストケースだったことが物語内で示唆されている。また、「霜川事件」は、実在の事件「下山事件」がモチーフであることが明かされた。

『奇子』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

天外仁朗「うちは変わった家だ!!みんな狂ってるんだ!!」

天外家の真実を知って衝撃を受ける天外仁朗

『奇子』の主人公である天外仁朗は、復員して帰郷した際に自分に末妹の奇子ができたことを知る。しかし、仁朗は奇子が彼の兄市朗の妻、すえに酷似していることに気がつく。そして、妹の志子から、実は奇子が作右衛門とすえとの間に生まれた子供だという真相を聞かされた。しかも、志子は、女中のお涼も作右衛門の娘だと語る。あまりにも突然過ぎ、そして衝撃的な事実にも拘わらず志子が淡々とそのことを話すので、仁朗は1人になった時に「うちは変わった家だ!!みんな狂ってるんだ!!」と呟いた。しかし、実は仁朗自身もGHQのスパイになっていることで、自虐的なセリフと受け取ることもでき、多くの読者の中で印象的な名言として刻まれた。

土蔵に閉じ込められた天外奇子

暗い土蔵の中で号泣する天外奇子

ZAJUN8
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