Fate/stay night(フェイト ステイナイト)のネタバレ解説・考察まとめ

『Fate/stay night』とは、TYPE-MOONが開発するビジュアルノベルゲームのアニメ作品で、「聖杯」と呼ばれる万能の力を持った杯を巡り7人の魔術師(マスター)と7騎の英霊(サーヴァント)の物語を描いている。本作はその原作のストーリーのひとつであるセイバーがヒロインにしたルートを脚本にしている。2006年1月から6月まで全24話で放送された。

キャスター:破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)

裏切りの魔女としてのキャスターの生前の逸話が具現化した宝具で、歪な形状で紫色に輝く刀身を持った短刀。
一刺しであらゆる魔術を無効化する能力を持っており、魔術で強化された人間や武器、魔術によって生み出された道具や生命、はては令呪も無効化してしまうという凶悪極まりない効果を持っている。

ただし、攻撃力のほうは通常のナイフ程度でしかなく、宝具としては強力だが武器としてはあまり役には立たない。

アサシン:燕返し(つばめがえし)

アサシンの生前の技が宝具として具現化したもので、刀を振るうと共に相手を三つの円の衝撃波を発生させてほぼ同時に斬り裂く絶技。
ランサーのゲイ・ボルグとは似て非なる回避不可能の必殺の剣撃である。

ランサー:刺し穿つ死棘の槍(ゲイ・ボルグ)

ランサーが武器として扱う赤い長槍で、宝具として使用すると凶々しい光を纏った魔槍となり、確実に相手の心臓を貫く必殺の一撃を繰り出す。
しかしその正体は、「槍が相手の心臓に突き刺さる」という結果の後に、「槍を相手に繰り出す」という原因を導くという呪いによる因果の逆転で、どんな回避・防御手段を持ってもこの一撃を防ぐことはできない。

また、本作では登場しなかったが、槍の呪いを最大限に解放して全力投擲することで一部隊を吹き飛ばすほどの一撃を放つ「突き穿つ死翔の槍(ゲイ・ボルグ)」があり、使用法としてはこちらが正しいものとなっている。

ギルガメッシュ:王の財宝(ゲート・オブ・バビロン)

遥か太古の時代に存在したとされる黄金の都・バビロニアの宝物庫で、かつて世界の全てを手中に収めた英雄王としてギルガメッシュを象徴する宝具。ありとあらゆる伝説の原典となった武具の数々が財宝として収められており、戦闘においては主にこの宝物庫から財宝を直接射出して攻撃を行う。

さらに射出される財宝の大半が膨大な力を纏っており、その威力は破滅的で無造作に打ち出すだけでも爆撃を彷彿とさせる攻撃力を発揮する。さらに宝物庫の容量は事実上無限大で、中身は所有者が生前に持っていた財の量に準じるという特徴があり、使用者の財があればあるほど強力な宝具となる。

ギルガメッシュ:天地乖離す開闢の星(エヌマ・エリシュ)

ギルガメッシュが「王の財宝」の中に保管している武具のひとつで、かつて混沌の世界を天地に分けたとされる魔剣「乖離剣エア」によって放たれる究極の一撃。宝具の由来はメソポタミア神話の創世叙事詩「エヌマ・エリシュ」から来ている。

エアの刀身を形作る三つの黒い円筒が風を巻き込むことで生み出される、圧縮され鬩ぎ合う暴風の断層が擬似的に時空の亀裂を発生させ、空間を崩壊させるほどの絶大な破壊力を生み出す。その威力はセイバーの「約束された勝利の剣」を遥かに上回り、作中では彼女のその聖剣と実際に真っ向から撃ち合い、破ってみせている。

『Fate/stay night』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「問おう。貴方が私のマスターか」

そして、士郎に静かに問いかけるセイバー。このシーンはFateシリーズの中でも屈指の名場面となっている。

第2話でセイバーが士郎に向けて初めて口にした台詞で、この台詞とシーンは「Fate」シリーズを印象付けるものとなっており、後に「Zero」や「Apocrypha」などのアニメ・派生作品が出た今でも根強い人気と知名度を誇っている。
聖杯戦争を目撃してしまったが為に、ランサーの襲撃を受けて一度は倒れてしまう士郎。そして、命辛々自宅へ逃げ帰るも、またしてもランサーが現れる。「やれやれ、痛みを感じないで済むよう、俺なりに気を遣ったんだがな……しっかし、一日に二度同じ人間を殺す羽目になるとは」と、溜め息まじりに襲撃をしかけてくるランサーに、士郎は丸めたポスター(魔術で硬度を高め、鉄パイプみたいに仕立てている)で応戦する。しかし、所詮は氷山にバターナイフで切り掛かるようなもの。魔術師とはいえ見習いの域を出ず、生身の人間同然である士郎ではサーヴァントであるランサーに敵わず、一蹴されてしまう。

そして、土蔵まで追い込まれた時、士郎は「せっかく助けてもらった命だ……簡単には死ねない! こんな風に、意味もなく死ぬわけにはいかないんだ! 殺されるもんか!!」と、理不尽に迫ってくる死の運命に強い憤りを露わにした。その時、士郎の手に令呪が現れ、土蔵の床にサーヴァントを召喚するための魔法陣が出現し、眩い光が発せられる。それに思わずランサーが仰け反った瞬間、光の中から現れたセイバーがランサーを弾き飛ばし、士郎の危機を救った。そして呆然とする士郎を振り返り、セイバーはこう問うた。「サーヴァント・セイバーだ。召喚に従い、参上した。ーー問おう。あなたが私のマスターか?」

「倒してしまっても、構わんのだろう?」

不敵な笑みを浮かべ、凛にバーサーカーを倒しても構わないかと尋ねるアーチャー。

第14話で士郎を救出したがイリヤとバーサーカーに見つかってしまい、追い詰められそうになったところを、凛が苦渋の決断として少しでも構わないからひとりで足止めをしてくれと命令した際、アーチャーが返した台詞。この台詞と、この後のアーチャーの雄々しい戦いと華々しい最期も、多くのファンに感銘を与えるものとなっている。
「時間を稼ぐのはいいが、別にアレを倒してしまっても構わんのだろう?」と大胆不敵にもそう返してきたアーチャーに、凛は一瞬戸惑った様子を見せたが、「遠慮はいらないわ。」と頷く。そう言ってアーチャーは双剣を構え、「期待に応えるとしよう」と言って、迷うことなくバーサーカーに向かっていった。

しかし、バーサーカーのパワーは圧倒的で、次第にアーチャーは劣勢に追い込まれ、左腕を失うという深手を負わされてしまう。そんな中、アーチャーの宝具で、後のテレビアニメ第2期でも大いに活躍することになる真の能力「無限の剣製(アンリミテッド・ブレイド・ワークス)」が発動した。「ご覧の通り、貴様が挑むのは無限の剣! 剣戟の極致! 怖れずしてかかってこい!!」と最期の闘志と力を振り絞り、無数の武器を召喚してバーサーカーめがけて突撃していった。
そしてその頃、凛は士郎・セイバーと共にアインツベルン城を脱出し、近くの森の中を走っていた。だがその矢先、カラスが一斉に飛び立ったのを見て思わず立ち止まってしまった瞬間、凛の右手首の令呪が弱々しい赤い光となって消滅していく。この時、凛はアーチャーが倒れたことを悟った。その予感どおり、アーチャーは自らの力の全てを使い果たして消滅していき、バーサーカーを倒すことはできなかったが、バーサーカーの宝具である「十二の試練(ゴッド・ハンド)」で自動で蘇生できる回数は7回まで減っており、今までバーサーカーの力を信じて疑わなかったイリヤの絶対の優位性を大きく揺らがせることになった。

「よもやただの一撃で、この身を七度も滅ぼすとはな……」

最後に再び召喚したカリバーンを、セイバーと共に繰り出す士郎。このカットインは多くのファンに印象を与えるものとなった。

5nrasalgethi
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