モテキって一体何なの?モテない男の遅れた青春ストーリー「モテキ」(Moteki)

『モテキ』とは、久保ミツロウ氏による人気恋愛漫画作品であり、2010年にドラマ化、翌年2011年に映画化された。監督脚本・大根仁、主演・森山未來。カネもユメもカノジョもナシ。29歳にして未だ童貞の冴えない超草食系男子・藤本幸世にある日突然、複数の女性から連絡が一斉にくる。人生初の突然のモテキに戸惑いながらも奮闘する様子を描いたコメディーラブストーリー作品。キャッチコピーは「人類、必読。心に刺さる恋物語。」。

『モテキ』の概要

『モテキ』とは、雑誌イブニング(講談社)にて連載、単行本では4.5巻まで発売された人気コミック、ドラマ。原作は、久保ミツロウ。
元は、『モテキ』を連載する5年前の2003年に週刊ヤングマガジンにて『リンダリンダ』というタイトルで、主人公の藤本幸世の中学生時代を描いた読み切り漫画を掲載していた。2009年には、マガジンSPECIALにて高校生時代のストーリーも掲載していた。
漫画は累計150万部を突破し、連載終了後も売り上げを伸ばして行っている。

ドラマ版では、2010年にテレビ東京の深夜ドラマ枠"ドラマ24"にて記念すべき第20弾の特別企画として放送された。1話41分、計12話が放送された。
ギャラクシー賞入賞、2011年度の東京ドラマアウォードでは優秀賞を獲得するなど、大ヒット作となった。
ドラマ版の反響もあり、翌年2011年には満を持して映画化された。
ストーリーは、原作久保ミツロウの完全書き下ろし。ヒロインの女性たちは、ドラマ版とは違ったキャストで送られた。
累計興行収入は20億円を超え、観客動員数は150万人を記録した。

ドラマ版・映画版ともに監督脚本は、大根仁(オオネ ヒトシ)、主演は森山未來(モリヤマ ミライ)が務めている。

ドラマ版モテキ

あらすじ

藤本幸世は悶えていた。「モテたい!」と。
そんな藤本に、ある日知り合いの女性たちから次々と連絡が。
狼狽えながらも、その女性たちと交遊していくのであったが...。

(以下ドラマ版)
藤本幸世(森山未來)が以前に勤めていた会社で土井亜紀(野波麻帆)と出会う。二人の共通点である "音楽 "がキッカケで、一緒に野外フェスに行く仲になる。
藤本は最初は、「彼氏彼女、友達とくる野外フェスなんて...」と心の中で周囲を侮辱していたが、土井の人懐っこさに感化され、次第に楽しめるようになる。そんな矢先、土井の現彼氏にバッタリと会ってしまう。「喋りたくない。紹介されたくない」と考えた藤本は、その場から逃げ出してしまうのであった。
そんな苦い思い出の一年後、土井からDJイベントのお誘いの連絡がくる。
戸惑いつつも久々に土井と再会した。

藤本の親友島田(新井浩文)を通じて知り合った中柴いつか(満島ひかり)はカメラマンのアシスタントをしていた。ある日、自身の好きなドラマの聖地巡礼に藤本を誘う。
藤本は、ボーイッシュで天真爛漫ないつかとは、趣味もすごく合う気を遣わない"ただの友達"だと思っていた。お互いがお互いと付き合うことを拒否していたが、傍からみたらすごく波長の合う二人だった。
ロケ地巡りの間、二人の間に一時険悪なムードが漂う。そんな時に、終電がなくなっていることに気がつき、二人で旅館に泊まることに。
いい雰囲気になりキスもするが、いつかは「藤くんは童貞だよね?」と問う。「一応非童貞...」と答えた藤本に対して「他にヤラセてくれる女いるならそっち行きなよ!」と憤慨し旅館を飛び出してしまう。そして帰りの夜行バスで、いつかは藤本に言い放つ。「言っとくけど私処女じゃないから。ドブに捨てたから」

デブフジ(右)と中学生時代の藤本(中央)

藤本には、太っていた"デブフジ"時代があった。「こんなはずじゃなかったのに」精神で非常にモラトリアム野郎である。
彼のストレス発散法である坂道を自転車で全力疾走で下っているとき、目の前に小宮山夏樹(松本莉緒)が。「危ない!」と思って避けたが、転倒しケガをしてしまった。
見兼ねた小宮山は、細い体でデブフジを自転車で病院まで送った。そんなこともあり、藤本は小宮山を好きになる。

藤本は運営していたブログを通して、小宮山と食事に行くことになった。
そこで告白するが、玉砕。「痩せたらデートしよう」と約束した藤本はダイエットに励んだ。
無事20キロのダイエットに成功した藤本は、再度小宮山にアタックするのであった。

親の体調が悪くなった藤本は、一時帰省する。藤本の高校の後輩、ブル子(小林きな子)から久々に連絡が。「もしかしたら可愛くなっているかも」と少し期待してブル子のもとにいくが、全く変わっていなかった。幻滅した藤本はちょっとヤケになりながら酒を飲んでいると、そこには偶然元クラスメイトの林田尚子(菊地凛子)がいた。酔っ払いながら、今までの「モテキ」について愚痴を交えながら話すが、痺れを切らした林田は藤本を説教する。
「みんないい子だ!誰が一番好きなんだ?何でそんなに自信がないの?薄っぺらい人生だからか?」と。図星をつかれた藤本は、さらに酔いつぶれてしまった。
そしていつの間にか、タクシーの中で林田の肩にもたれかかっていた。「弱っているから。甘えてもいいよな」そう思った藤本は林田の手をそっと握ってみた。静かに握り返す林田は「明日話があるから会おう」と約束をするのであった。
そして次の日。「なんで昨日手を握ったの?」と一言。
焦る藤本は怒らないセリフを考えたが、「林田のことが好きだから...?」とでまかせを言う。
それを聞いた林田は「女の子心の中にズケズケと土足で入って、足跡つけてこい!モテない男なりの戦い方があるんだよ!」と再度説教をした。
林田に圧倒された藤本は、「俺は変わる」と決心をし、帰京するのであった。

CAST

■藤本幸世(29歳)/ 森山未來
■デブフジ / 森田完
■中学生藤本 / 泉澤祐希
■土井亜紀 / 野波麻帆
■中柴いつか / 満島ひかり
■小宮山夏樹 / 松本莉緒
■林田尚子 / 菊地凛子
■島田雄一 / 新井浩文
■墨田 / リリー・フランキー
■小野坂オム / 浜野謙太
■藤本幸世の父 / でんでん
■藤本幸世の母 / 戸村美智子
■文子 / 小林きな子

映画版モテキ

あらすじ

1回目のモテキから一年後、藤本幸世(森山未來)は31歳になっていた。
「とりあえず、ちゃんと働こ」
そう考えた藤本はニュースナタリーでライターとして働きはじめる。
自分の好きな分野の仕事ができ充実した毎日を送っていた藤本はある日、Twitterで同業の人からリプライをもらう。
同じ編集者という繋がりもあり、二人は会うことになった。

待ち合わせの下北沢で待っていると、可愛い女性が声をかけてきた。
藤本は焦った。だって女性だったから。Twitterのアイコンは男性だったから。完全に油断した。

松尾みゆき(長澤まさみ)は分け隔てなく明るく振る舞う女性で、藤本にとっては魅力的だった。
その日のうちに惚れてしまう藤本だったが、彼女には同棲している彼氏がいることが発覚する。
みゆきに対して積極的になれず、弱気になってしまう藤本であった。

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