魔弾の王と戦姫(魔弾シリーズ)のネタバレ解説・考察まとめ

『魔弾の王と戦姫』とは、2011年より刊行されている川口士によるライトノベル、およびそれを原作としたテレビアニメなどのメディアミックス作品である。中世ヨーロッパ風の異世界を舞台にした、ファンタジー戦記ラブコメである。辺境の土地を治める平凡な青年・ティグルが戦いの中で覚醒していき、たくさんの戦姫と呼ばれるヒロインと出会う。緻密に練られた設定や、個性豊かなヒロイン達が魅力の作品である。

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『魔弾の王と戦姫』(魔弾シリーズ)の概要

『魔弾の王と戦姫』(まだんのおうとヴァナディース)とは、川口士によるライトノベル、およびそれを原作としたテレビアニメなどのメディアミックス作品である。2011年4月から2017年11月にかけてMF文庫Jより刊行された。また、MF文庫J版に大幅な加筆修正を加えた電子書籍限定の合冊版が2022年9月から2024年5月にかけてダッシュエックス文庫より刊行されている。同作者によるスピンオフ作品として、リュドミラをメインヒロインとするパラレルワールドを描いた『魔弾の王と凍漣の雪姫』、ティグルとソフィーヤが幼少期に出会っていたと仮定した『魔弾の王と極夜の輝姫』がある。
2023年9月より、シリーズ最終章である『魔弾の王と叛神の輝剣』が集英社ダッシュエックス文庫から刊行された。
本作はコミカライズ化されており、柳井伸彦によるコミカライズが『月刊コミックフラッパー』にて2011年11月号から2016年9月号まで連載された。
また、著者の異なるスピンオフ小説・漫画も刊行されており、魔弾シリーズの世界観を描いた『魔弾の王と聖泉の双紋剣』(著者:瀬尾つかさ)、マスハス=ローダントの青年期を描いた外伝作品『ヤング・マスハス伝 ‐放蕩騎士と小粋な快刀‐ 魔弾の王外伝』(著者:橘ぱん)、漫画『魔弾の王と凍漣の雪姫』(序章はkakao、後に的良みらん作画)、『恋する魔弾と戦姫のアカデミア』(脚本:早矢塚かつや、作画:かたせなの)などがある。

テレビアニメはサテライト制作により、2014年10月より12月まで放送された。

主人公が活躍するたびにヒロインが増え、ハーレム状態になるのはラブコメ要素のあるライトノベルではお約束だが、この作品はそこに詳細な戦略もファンタジー世界にうまく盛り込んでいる。戦姫が操る「竜具(ヴィラルト)」というそれぞれの武器の特徴も面白い。戦姫と呼ばれる豊富なヒロイン達が魅力の作品である。

『魔弾の王と戦姫』(魔弾シリーズ)のあらすじ・ストーリー

ディナントの戦い

王が領主を従え、剣と馬が戦争の主流であった時代。
竜より与えられし超常の武具を振るい、戦場を駆ける 「戦姫(ヴァナディース)」と呼ばれる少女達がいた。 王の下に集う7人の戦姫は「ジスタートの七戦姫」と呼ばれ、周辺諸国に恐れられていた。

ブリューヌの弱小貴族で、北の辺境アルサスを治める青年領主ティグルヴルムド=ヴォルン(通称ティグル)は、ブリューヌ王国の兵士として、隣国ジスタートとの戦いである「ディナントの戦い」に参加する。
戦いは、当初のブリューヌ王国の圧倒的な勝利という予想を大きく覆し、ブリューヌ軍はジスタート王国の七人の戦姫(ヴァナディース)の一人、「銀閃の風姫(シルヴフラウ)」の異名を持つエレオノーラ=ヴィルターリア(通称エレン)が率いる軍に大敗を喫する。ティグルは奮戦し、味方の逃亡を手助けするためにエレンを討ち取ろうとするものの失敗。ティグルの弓の腕に一目ぼれしたというエレンによって、捕虜とされてしまう。

捕虜から英雄へ

捕虜となったティグルはエレンの領地であるジスタート王国ライトメリッツ公国へ連行され、エレンの部下になるか、帰還したければ身代金を払うように告げられる。
ティグルは金策を練るも、自領の収益数年分にも匹敵する額を前に先行きは暗い。そして捕虜生活を送る中で、ティグルは図らずもさまざまな人と交流を深めていく。
一方で、戦いで一人しかいない王子を失ったブリューヌでは、有力貴族による内乱の兆しが見られつつあった。その先駆けとして、ティグルは故郷であるアルサスの地が攻められそうになっていることを知る。
エレンはティグルを解放し、自国の兵を伴ってブリューヌへ帰還させた。アルサスに戻ったティグルは、ジスタート軍の助力を得ながら、アルサスを襲撃した敵を撃退。この事件をきっかけに、ティグルはエレンと共にブリューヌ王国の内乱や、周辺諸国からの侵攻といった大きな戦乱へと巻き込まれていく。
彼は、ヴォルン家に代々伝わる必中の宝弓「ヴォルン家の黒弓」(魔弾の弓)を手に、ジスタートの戦姫たちやブリューヌの仲間たちと共に戦い、やがて歴史に名を残す「魔弾の王」として頭角を現していく。

『魔弾の王と戦姫』(魔弾シリーズ)の登場人物・キャラクター

主人公

ティグル / ティグルヴルムド=ヴォルン

CV:石川界人(幼少時代:瀬戸麻沙美)

本作の主人公。ブリューヌ王国北部の辺境アルサスを治める伯爵であり、後に銀の流星軍、月光の騎士軍の総大将を務めた。年齢は初登場時16歳。
くすんだ赤色の髪が特徴で、愛称はティグルである。オルメア会戦後にムオジネル軍から「流星さえも射落とす者」を意味する『流星落者(シーヴラーシュ)』の異名を、またブリューヌ内乱鎮圧の功績により『月光の騎士(リュミエール)』の称号を賜った。
基本的に楽天的で正義感が強く、弱者が虐げられることを嫌う。民衆を犠牲にする作戦を避ける傾向があり、危機的な状況でも冷静に行動できる肝の据わった人物である。
隣国、ジスタート王国との戦で戦姫エレンと出会い、捕虜にされる。しかしたぐい稀なる弓の才能を見出され、エレンからも異性として好意を寄せられていく。本来、平穏を求める青年だが、活躍が増すにつれて、隠されていた強大な能力を開花させていく。

ジスタート王国の七戦姫

エレオノーラ=ヴィルターリア

CV:戸松遥

本作のメインヒロインであり、ジスタート七戦姫の一人でライトメリッツ公国公主。年齢は初登場時16歳。
銀の髪と赤い瞳を持つ巨乳の美少女で、愛称はエレンである。 操風の長剣「アリファール」を持ち、『銀閃の風姫(シルヴフラウ)』『剣の舞姫(メルティス)』などの異名を持つ。優れた剣術と大胆かつ的確な戦術指揮能力を有し、特に野戦に長ける。「アリファール」を使って風を自在に操ることができる。
言葉遣いが少々粗く男勝りなのは傭兵出身者であるため。成長するにつれて竜具に認められ、戦姫の一人となった。ティグルに対しては当初、その弓の腕を気に入り臣下に迎えようとしたが、共に行動するうちに彼を一人の男性として意識し始める。

リュドミラ=ルリエ

CV:伊瀬茉莉也

本作のヒロインの一人。ジスタート七戦姫の一人でオルミュッツ公国公主。初登場時16歳。
竜具は氷を自在に操ることができる操氷の槍「ラヴィアス」。『凍漣の雪姫(ミーチェリア)』の異名を持つ。小柄で可愛らしい外見だが、名家のでのためか上から目線の毒舌が出る。
根は真面目で賢く、武勇・戦略ともに申し分のない人物。エレオノーラとは犬猿の仲。主人公と戦い、その後彼を好きになり、エレオノーラと取り合いになる。かなり積極的に主人公にアピールしてくる。

ソフィーヤ=オベルタス

CV:茅野愛衣

本作のヒロインの一人。ジスタート七戦姫の一人でポリーシャ公国公主。初登場時20歳。
緑柱石色の瞳と緩やかなウェーブの淡い金髪を持つ長身の美女で、作中の女性の中で最も巨乳である。
竜具は操光の錫杖「ザート」。『光華の耀姫(ブレスヴェート)』の異名を持つ。光を自在に操れる。おっとりとした聖母のような印象が強いが、情報収集能力や外交術が高い。エレオノーラの飼っている竜の子供が大好き。主人公にも助けてもらう場面があり、エレオノーラやリュドミラほどではないにしろ、彼を好きになる。

アレクサンドラ=アルシャーヴィン

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