カルテット(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『カルテット』とは松たか子主演のラブストーリー、コメディー、サスペンスの要素が入った連続テレビドラマ。2017年1月17日から3月21日まで毎週火曜22時から22時54分に放送されていた。ある日、偶然出会った演奏者である男女4人が、弦楽四重奏のカルテットを組み軽井沢で不思議な共同生活を始める。夢叶わず30代に入り、それぞれが人生のピークを迎えず緩やかな下り坂で立ち止まっていたが、4人の出会いは偶然ではなかった。ほろ苦くて甘い、ビターチョコレートのような大人のラブサスペンスである。
父親が危篤の時、どうしても過去の行動から父親を許せないすずめは病院に行くことを渋っていた。真紀は最初すずめを父親に引き合わせようとしたが、行きたくない気持ちに折り合いがつけられず苦しむすずめに「行かなくていい」と言う。そして、「私たち、同じシャンプー使ってるじゃないですか」と続けた。家族という名前ではなくとも、一緒に暮らして、同じ食器同じシャンプーを使っているのではダメなのかと真紀は、すずめに優しく問いかける。このセリフは真紀が幹生と東京の家に帰ろうとした際に、真紀を連れ戻すためにすずめが使った言葉でもある。すずめにとっても、真紀のこの言葉が大きな支えになっていたことがわかる。また、このセリフを真紀が言うシーンは、過去にトラウマを抱えるすずめを真紀が家族じゃなくてもこんなに想っていると真摯に伝える場面でもある。
すずめ「好きだってことを忘れるくらいの好き」
カルテットが別荘に暮らし始めてすぐ、別府のお昼ご飯に呼ばれたすずめは別府手作りのナポリタンを食べる。その時、別府は汚れちゃうからと自身のつけていたエプロンをすずめにかけてあげた。その瞬間からすずめの恋は始まった。すずめは、自身の「好き」はその辺にゴロゴロしているのだと話す。住所をまっすぐ書かないといけない時やナポリタンを食べる時、そういったちょっと頑張りたい時にその人を想うことで頑張れる、と納得したように語るすずめは「好きだってことを忘れるくらいの好き」とその恋心を表現した。
家森「夢が終わるタイミング。音楽を趣味にするタイミングが向こうから来たんです」
真紀が1年ぶりにドーナツホールの面々と再会し、久しぶりにみんなで音を出そうとした時に近況を報告した。別府が無職になったことに負い目を感じる真紀に、真紀の所為ではないことを家森は、「夢を終わらせるタイミング。音楽を趣味にするタイミングが向こうから来た」と優しく伝えた。夢として追いかけることで妻と離婚し、子供とも会えなくなった家森の諦めとは少し違う音楽との向き合い方がわかる言葉。
カルテットドーナツホールの初コンサート
出典: www.tbs.co.jp
初コンサート当日、殺人未遂のヴァイオリニストへの物珍しさから満員の客席だった。最初は静かに演奏を聴いていた観客たちだが、曲が進むにつれ空き缶をステージに投げつける者や次々と立ち上がって出口に向かっていく者がたくさんいた。そんな中でも音楽を楽しんでくれている観客のために路上演奏の時のように立ち上がり、リズムに乗る4人が印象的なシーン。
『カルテット』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
楽器も演奏するドラマ
『カルテット』では実際に俳優たちが自身の担当する楽器を演奏し、セッションすることでより「カルテット」な関係性を強められている。呼吸を合わせて「せいの!」で始まる演奏と芝居が連動しており、4人の物語上での関係性が反映されていく期待をドラマ撮影中に高橋一生は語っている。また、松田龍平は調弦した後に芝居に入ったりと演奏者たちのリアルな日常を自然と行うこと、表現することができているのではないかと話している。
会話劇の中に伏線を忍ばせる
『カルテット』ではドーナツホールの面々の別荘での日常が物語の大半を占め、その会話もおふざけや人柄が現れる発言が軽快に散りばめられている。ドーナツホールの4人の俳優も台本について語っている。松田龍平は「1話に出てきた”唐揚げにレモンをかけるかかけないか”といったなんでもない話がストーリーに組み込まれていて、そんな些細なことで人生は変わるかもしれないというエピソードが面白いと思った」と日常会話の大きな伏線が、このドラマには淡々と仕組まれていることを演じていて実感していた。満島ひかりは台本に風を感じると話し、何が生まれるかはその時にならないとわからない奇跡が必要な物語だとイメージした。
すずめの衣装は満島の借り物
毎話満島ひかり演じるすずめの衣装は個性が溢れており、演奏用のドレスの上に革ジャンを着ていたり真っピンクのパーカーにホワイトのサロペットといったファッションが目を惹く。スタイリスト等が選んだ服に加えて、台本を読んだ後満島は思いつきでわざわざ音楽をやっている知人たちに掛け合って洋服を借りたという。満島の家族が使っていたニットもそんな洋服たちの中に紛れて出演している。自由奔放なすずめの寄せ集めだけど不思議と着こなせてしまっている服装も、このドラマでは一つの個性としてより役柄を引き立たせる。
『カルテット』の主題歌・挿入歌
主題歌:Doughnuts Hole『おとなの掟』
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目次 - Contents
- 『カルテット』の概要
- 『カルテット』のあらすじ・ストーリー
- カルテット結成
- 別府の失恋と告白
- すずめの過去
- 家森の過去
- ドーナツホールのチャンス
- 真紀と夫の関係
- 殺人疑惑と夫婦のこれから
- すずめの恋
- 真紀の秘密
- 1年後
- 『カルテット』の登場人物・キャラクター
- ドーナツホールのメンバー
- 早乙女 真紀(さおとめまき/演:松たか子)
- 世吹 すずめ(せぶきすずめ/演:満島ひかり)
- 家森 諭高(いえもりゆたか/演:高橋一生)
- 別府 司(べっぷつかさ/演:松田龍平)
- ライブレストラン・ノクターン
- 来杉 有朱(きすぎありす/演:吉岡里帆)
- 谷村 大二郎(たにむらだいじろう/演:富澤たけし)(サンドウィッチマン)
- 谷村 多可美(たにむらたかみ/演:八木亜希子)
- その他
- 巻 幹生(まきみきお/演:宮藤官九郎)
- 巻 鏡子(まききょうこ/演:もたいまさこ)
- 半田 温志(はんだあつし/演:Mummy-D)(ライムスター)
- 墨田 新太郎(すみだしんたろう/演:藤原季節)
- 第1話
- ベンジャミン瀧田(ベンジャミンたきた/演:イッセー尾形)
- 九條 結衣(くじょうゆい/演:菊池亜希子)
- 第3話
- 岩瀬 純(いわせじゅん/演:前田旺志郎)
- 岩瀬 寛子(いわせひろこ/演:中村優子)
- 司会者(演:辻よしなり)
- 綿来 欧太郎(わたらいおうたろう/演:高橋源一郎)
- 女性の声(演:安藤サクラ)
- 第4話
- 大橋 茶馬子(おおはしちゃまこ/演:高橋メアリージュン)
- 大橋 光大(おおはしこうた/演:大江優成)
- 西園寺 誠人(さいおんじまこと/演:永島敬三)
- 第5話
- 朝木 国光(あさぎくにみつ/演:浅野和之)
- 岡中 兼(おかなかけん/演:平原テツ)
- 藤川 美緒(ふじかわみお/演:安藤輪子)
- 別府 圭(べっぷけい/演:森岡龍)(第8話)
- 第6話
- 水嶋 玲音(みずしまれお/演:大森靖子)
- 西村(にしむら/演:阿部力)(友情出演)
- 第8話
- 大菅 直木(おおすがなおき/演:大倉孝二)(第9話)
- 船村 仙一(ふなむらせんいち/演:木下政治)(第9話)
- 根本(ねもと/演:ミッキー・カーチス)
- 第9話
- 女(演:篠原ゆき子)
- 山本 みずえ(やまもとみずえ/演:坂本美雨)
- 最終話
- 大橋 絵茉(おおはしえま/演:松本まりか)
- 柊 学(ひいらぎまなぶ/演:伊達暁)
- 村濱記者(むらはまきしゃ/演:黒田大輔)
- 『カルテット』の用語
- カルテットドーナツホール
- みぞみぞする
- アーください
- 『カルテット』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 真紀「私たち、同じシャンプー使ってるじゃないですか」
- すずめ「好きだってことを忘れるくらいの好き」
- 家森「夢が終わるタイミング。音楽を趣味にするタイミングが向こうから来たんです」
- カルテットドーナツホールの初コンサート
- 『カルテット』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 楽器も演奏するドラマ
- 会話劇の中に伏線を忍ばせる
- すずめの衣装は満島の借り物
- 『カルテット』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:Doughnuts Hole『おとなの掟』