
『○○妻』とは、2015年1月より日本テレビ系の「水曜ドラマ」枠で放送されたテレビドラマである。『家政婦のミタ』で高視聴率を記録した脚本家・遊川和彦によるドラマオリジナル作品。主演は柴咲コウで、彼女にとっては本作が連続ドラマ単独初主演となった。主演の夫を演じるのは、東山紀之。誰もがうらやむ理想の夫婦に隠された秘密が明かされていき、人を愛することとはどういうことかを深く考えさせられる、究極のラブストーリーとなっている。
『○○妻』の概要
『○○妻』とは、2015年1月14日から2015年3月18日に、日本テレビ系列の「水曜ドラマ」枠で全10話が放送されたテレビドラマ。遊川和彦脚本によるドラマオリジナル作品。2011年に放送され大ヒットしたドラマ『家政婦のミタ』の制作スタッフが再集結して制作された。
主演は柴咲コウで、彼女にとっては本作が連続ドラマ単独初主演となった。主演の夫を演じるのは、東山紀之。
柴咲コウ演じる井納ひかり(いのうひかり)と、東山紀之演じる久保田正純(くぼたまさずみ)は、誰もがうらやむ理想の夫婦。しかし、それは表向きの姿であり、秘密が隠されていた。その秘密とは一体何か。そして、はたから見れば理想的に見える妻の隠された秘密を通して、新しい夫婦のかたちを描いているドラマである。相手の心の声に寄り添い、本音で語り合うことの難しさと、真の人との繋がりとは何か、人を愛するとはどういうことかを考えさせられる作品となっている。
『○○妻』のあらすじ・ストーリー
完璧な姿に隠された妻の秘密
ひかりは、はたから見れば理想的な妻。夫である久保田正純(くぼたまさずみ)はニュース番組「ニュースライフ」のメインキャスターとして忙しい毎日を送っている。
ある日、正純は番組プロデューサーの板垣雅己(いたがきまさみ)から視聴率が下降気味だと聞かされる。今のコーナーに代わる新しい企画を要求していると言われ、正純は頭を悩ませていた。
そんな中、正純の母・仁美(ひとみ)の喜寿のお祝いの後、父・作太郎(さくたろう)が脳梗塞で倒れてしまう。元看護師のひかりが応急処置をしたが、意識不明の状態に陥ってしまった。さらに、作太郎が多額の借金を抱え、家が抵当に入っていたことが判明。家を失ってしまう仁美を正純たちが引き取ることとなった。
番組の方は、新しい企画を考案しオファーを出したものの一度出演を断られた小説家から、出演を考え直したいという連絡が来ていた。大喜びで番組を終えた正純だったが、ひかりが小説家を脅迫していたことが発覚。ひかりのしたことやむを得ず許した正純だったが、正純はひかりに対していい加減に結婚してくれと迫った。
実は2人は籍を入れていない「契約結婚」だったのだ。
正純が結婚を迫り契約更新をしなかったため、ひかりは家を出ていってしまった。身の回りのことを自分でしなければならなくなった正純の周りではトラブルが頻発。番組でアシスタントの風谷愛(かぜたにあい)と女性問題の専門家が討論した際に、専門家の意見に正純が反論すると、正純に対して抗議が殺到してしまった。
そんな中、ひかりから突然メールが届く。ひかりに会うと、ひかりはとあるシングルファザーと新たな契約を結ぼうとしていると言う。正純は怒ったが、どうして「契約」で済ませようとするのか尋ねた。するとひかりは過去に結婚していたことを告白。そして今の正純が好きで、結婚して変わってしまうと怖いことを告げ、新しい契約書を差し出した。ひかりの思いを聞いた正純は結婚を諦め、契約書にサインした。
壊れゆく夫
ひかりと正純は引き続き同居生活をすることになった。しかし、完璧な妻と暮らすことが正純にはプレッシャーになってきていた。
そんな中、意識不明だった作太郎が意識を取り戻した。作太郎はすべてのことをひかりに任せたいと言い出し、正純は激怒。何か隠している様子のひかりに思わず手を出そうとしてしまい、正純は深く反省した。
その後、正純が番組開始直前になってもテレビ局に現れないトラブルが発生。一人酔っ払って寝ているところを見つけたひかりがタクシーで送り届け、何とか正純は番組に出演することができた。
放送後、ひかりは風谷と会い、彼女の香水が正純のスーツについていた匂いと同じことに気づく。この夜、正純は酔っぱらった状態で風谷のマンションを訪れた。そして正純は、ひかりが実は契約妻であり、自分は結婚していないこと話してしまう。
正純と風谷は写真週刊誌に撮られ、スキャンダルになってしまった。正純は風谷をかばい、自身の番組内で釈明した。自分がすべて悪いと真摯に伝える姿を見た風谷は、正純に惹かれていく。
一方、ひかりは正純が風谷と浮気をしたことを知っても文句ひとつ言わず、本心を知りたいと自分に会いに来た風谷にも何も答えなかった。黙って正純の仕事を影でフォローし続け、結果的に正純の仕事はうまくいっていた。しかしそんなひかりに対して正純のいら立ちが頂点に達してしまう。
ある日、正純は既成事実を作るために強引にひかりをベッドに押し倒した。しかしひかりは正純を払いのけ、自分を信じるように訴える。
このことで、正純はひかりが普通の結婚をしたり、子供をつくったりすることはないと痛感。正純はひかりを置いて、風谷のマンションに行ってしまった。
妻の告白と結婚の行方
作太郎が息を引き取った。葬儀後、正純はひかりに改めて、正式に結婚したいと伝えた。その言葉を聞いたひかりは、ずっと隠してきた秘密を話し始める。
ひかりは高校時代、当時交際していた男性の子供を身ごもり、出産したが、相手に逃げられてしまった。ひかりは1人で必死に子育てをしたが、ある日、子供を1人部屋に置いてそのまま出て行ってしまった。子供は死亡し、少年院に入るひかり。院から出てきた時には父親は自殺しており、母親は男とどこかに行ってしまっていた。この後、ひかりが自殺未遂をして病院に運ばれ、そこで入院していた正純と出会った。正純が退院する時、正純がひかりに看護師になったらいいと言ったため、ひかりは看護師になり、同じ病院で勤務し、数年後、再び入院した正純に再会することになったのだった。
ひかりは正純に過去を告白し、愛する正純に迷惑はかけられないが一緒にいたいという思いから「契約結婚」にこだわっていたことを伝える。
そしてひかりは、自分から正純に結婚してほしいと伝えた。しかしひかりの過去を知った正純には、明確な回答はできなかった。
ひかりの過去が世間に知られれば、正純は今の仕事を続けることは困難だ。そんな時、プロデューサーの板垣と言い争いになった正純は、番組を降板すると言ってしまった。
すると、テレビ局にひかりの過去に関するリークが届いた。このリークは、風谷から正純が番組を降板すると発言したことを聞いたひかりが、正純と別れるために自らが仕組んだことだった。ひかりは、自分の存在が正純の邪魔になることを危惧していたのだ。
正純は急いで帰宅したが、ひかりは身内にも契約妻であることを告白し、すでにマンションを出て行ってしまっていた。
ひかりのことを心配するあまり、正純は仕事に身が入らないでいた。この状況を打開しようと、街角でのインタビュー企画が持ち上がる。あらかじめ決められた台本が準備されているヤラセだったが、正純は自分が蒔いた種ということでやむなく従うことにした。
一方、正純の姉である実結(みゆ)の部屋に泊めさせてもらっていたひかりは、テレビで正純の様子を見て心配になった。正純の家に戻り、秘かに彼の帰りを待つひかり。しかし風谷と一緒に帰ってきた正純は、ひかりが部屋にいることに気付かないまま、風谷にひかりのことは忘れるからつきあおうと言ってしまった。その様子を見ていたひかりは、こっそり正純の家を出ていった。
遅すぎた夫の決断
ひかりは再び看護師として働き始めた。そんな中、偶然正純がひかりの働く病院に入院してくる。正純はもう一度やり直したいと言うが、ひかりは風谷のために断り、キャスターをあきらめずに続けてほしいことを正純に伝えた。
正純はひかりの言葉を守るべく、番組に復帰させてもらえるように上層部に土下座した。しかし、番組スタッフに風谷と交際していることがばれてしまい、さらに正純のプライベートを暴露するブログがネット上で拡散されていたことが発覚。正純は仕事もプライベートもすべてを失ってしまうのだった。
実はひかりが受け持つ患者のひとりがブログをアップしており、ひかりも患者たちに冷たくされていた。ひかりが正純のマンションに向かうと、ひかりが正純宛に書いた手紙がダンボールにつめて置いてあった。ひかりが、正純にとって自分は必要ない存在なのだと解釈したその時、正純が部屋から現れる。
仕事を失い、風谷とも別れた正純は、海外に行こうとしていた。そしてその前に手紙を読み返そうと思っていたと話し、ひかりに指輪を差し出して、プロポーズをした。ひかりは泣きながら受け入れ、2人はようやく正式な夫婦として結ばれたのだった。
入籍した二人は新しい生活をスタートさせた。正純の母や姉に結婚式を挙げることを提案された2人は、その準備を進める。
結婚式の前日、ひかりと正純が河川敷を歩いていると、ガラの悪い高校生たちが騒いでいた。正純が注意をしたが、高校生たちは逆上。正純が高校生に蹴られて階段から転落しそうになったところをひかりがかばい、そのまま2人は土手から転げ落ちてしまった。正純は無事だったものの、ひかりは意識不明の重体になり病院へ搬送された。
この事件が大きく報道されたことで、板垣から正純へ「ニュースライフ」への出演依頼が来た。正純はひかりの想いをくみ、再び番組に出演することを決める。そして放送日、放送開始と同時に意識不明だったひかりが意識を取り戻した。正純は電話でひかりと少しだけ話すことができた。ひかりはずっとあなたを見ていると伝え、それを聞いた正純は、自分が妻の罪の告白から逃げてしまったことや、一番大切なものは妻だけだったと気づいたということをテレビで告白した。
話し終えた正純は急いで病院に向かったが、そこで正純が目にしたのは、妻が息を引き取る姿だった。
後日、正純は、ひかりにプロポーズをしたボート乗り場にいた。正純は沈んでいたが、最終的にはひかりの笑顔のウエディングドレス姿の写真を見て、気持ちを入れ直すのだった。
『○○妻』の登場人物・キャラクター
久保田家
井納ひかり(いのうひかり)/○○妻(演:柴咲コウ)

本作の主人公。31歳。
完璧に家事をこなし、夫・正純に献身的に尽くす理想的な妻。秘密を抱えながら生きており、実は正純とは正式に結婚していなかった。
久保田正純(くぼたまさずみ/演:東山紀之)

ひかりの夫。42歳。
報道番組「News Life」のメインキャスターを務めている。「言葉で社会を変える」という強い信念と想いを持っている。歯に衣着せぬ物言いで人気。家事は一切できないため、ひかりにすべて任せている。
久保田家の親族
久保田作太郎(くぼたさくたろう/演:平泉成)

正純の父。75歳。
かなりの頑固者で口が悪く、わがままでお酒好き。脳梗塞で倒れ、意識不明の重体に陥ってしまう。陰ながら家族に対しての苦悩を抱えていた。
久保田仁美(くぼたひとみ/演:岩本多代)
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こんな夜更けにバナナかよ(筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち/愛しき実話)のネタバレ解説・考察まとめ
『こんな夜更けにバナナかよ(筋ジス・鹿野靖明とボランティアたち/愛しき実話)』は渡辺一史のノンフィクション小説。第35回大宅壮一ノンフィクション賞、第25回講談社ノンフィクション賞を受賞している。2018年に大泉洋の主演で映画化された。進行性筋ジストロフィーという難病を抱えた鹿野靖明がおくる、ボランティアたちとの交流が物語を進める。不自由な体だがとことん自由奔放な鹿野の言動がユーモアたっぷりに描かれ、障害と介助の枠を越えた自立生活が垣間見える。
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ハケンの品格(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『ハケンの品格』とは、2007年1月から日本テレビで放送されていたドラマである。主演は篠原涼子で、加藤あいや小泉孝太郎などが出演する。食品会社S&Fに派遣社員で雇われた大前春子は、憮然とした態度で様々な条件を突きつけ、社員に反発される。だが実は彼女は特Aランクの評価を受けるスーパー派遣で、数々の問題を解決していく。初めは社員たちから反発されていた春子が徐々に信頼されていく姿が見どころとなっている。本作は平均視聴率20.1%を記録し、様々な賞を受賞した。
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SPEC・SICK'Sのスペックホルダー・能力まとめ
『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』とは、捜査一課が手に負えない超能力SPEC(スペック)を使った特殊な事件を捜査する、公安部の組織「未詳」の刑事らの活躍を描いたテレビドラマ。続編に配信限定ドラマ『SICK'S〜内閣情報調査室特務事項専従係事件簿〜』がある。 「スペックホルダー」とは、常人が普段使用していない脳の90%の力を発揮してSPECに目覚めた人物のこと。その能力は様々であり、劇中では犯行を完遂させた能力がどのような力であるかを推察・謎解きして解決に臨む。
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目次 - Contents
- 『○○妻』の概要
- 『○○妻』のあらすじ・ストーリー
- 完璧な姿に隠された妻の秘密
- 壊れゆく夫
- 妻の告白と結婚の行方
- 遅すぎた夫の決断
- 『○○妻』の登場人物・キャラクター
- 久保田家
- 井納ひかり(いのうひかり)/○○妻(演:柴咲コウ)
- 久保田正純(くぼたまさずみ/演:東山紀之)
- 久保田家の親族
- 久保田作太郎(くぼたさくたろう/演:平泉成)
- 久保田仁美(くぼたひとみ/演:岩本多代)
- 河西美登利(かさいみどり/演:渡辺真起子)
- 河西大輝(かさいだいき/演:浦上晟周)
- 河西成美(かさいなるみ/演:平澤宏々路)
- 久保田実結(くぼたみゆ/演:奥貫薫)
- 井納家の親族
- 井納千春(いのうちはる/演:黒木瞳)
- 報道番組「News Life」
- 板垣雅己(いたがきまさみ/演:城田優)
- 風谷愛(かぜたにあい/演:蓮佛美沙子)
- 岸伸一(きししんいち/演:中林大樹)
- 竹下橙子(たけしたとうこ/演:Sharo)
- 三木武(みきたけし/演:木戸邑弥)
- その他
- テレビCMの子役(演:鈴木福)
- ゲスト
- 丸山純一(まるやまじゅんいち/演:小市慢太郎)
- 吉田繁子(よしだしげこ/演:柳谷ユカ)
- タクシー運転手(演:太川陽介)
- 『○○妻』の用語
- News Life(ニュースライフ)
- 『○○妻』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 久保田正純「報道ってさあ、「報せる道」って書くんだよ」
- 久保田正純「私達に一番欠けているのは想像力なんだ」
- ひかり「愛には苦しみがつきものです」
- ひかり「言葉は、あなたの魂が宿っている。あなただけの財産です。」
- 『○○妻』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ○○妻は「契約妻」ではない
- 番組プロデューサーと脚本家の何気ない会話から誕生した『○○妻』
- もともとは「契約妻」に行きつくストーリー
- 『○○妻』の主題歌・挿入歌
- 主題歌:椎名林檎「至上の人生」