ブレイキング・バッド(Breaking Bad)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブレイキング・バッド』とは、2008年1月からソニー・ピクチャーズ テレビジョンで制作されたアメリカのテレビドラマシリーズである。主演はブライアン・クランストン。高校の化学教師であるウォルター・ホワイトは肺癌を患い、余命数年と宣告されたことから、妻と息子に資産を残すために覚醒剤の一種であるメタンフェタミンを製造して売ることを決意する。元教え子のジェシー・ピンクマンを相棒としたウォルターは、麻薬王まで上り詰めるが、徐々に悪に染まっていく。本作はプライムタイム・エミー賞など多くの賞を受賞した。

『ブレイキング・バッド』の概要

『ブレイキング・バッド』とは、ソニー・ピクチャーズ テレビジョンで制作され、2008年1月20日から2013年9月29日までアメリカとカナダで放送されたテレビドラマシリーズである。シーズン5まで放送された。主演はブライアン・クランストンで、アーロン・ポールやアンナ・ガンなどが出演する。ニューメキシコ州アルバカーキに住むウォルター・ホワイトは高校の化学教師として働くが、妊娠中の妻や脳性麻痺の息子を抱えてアルバイトを掛け持ちし、生活に余裕がなかった。そんな時、肺癌で余命2、3年と宣告されたウォルターは自身の医療費や生活費のために、通称メスと呼ばれる覚醒剤のメタンフェタミンを製造して売りさばくことを決意する。そして元教え子で売人のジェシー・ピンクマンを相棒に迎え、裏社会ではハイゼンベルクと名乗り、家族に内緒で麻薬の売人として成功する。だが徐々に悪に染まっていき、冷酷な性格へと変貌していってしまうという物語。2つの顔を持ち徐々に悪に染まっていくウォルターを演じるブライアン・クランストンを始めとした役者陣の高い演技力や、細やかなストーリー展開などが魅力となっている。本作は様々な批評家の賞賛を受け、プライムタイム・エミー賞で主演のクランストンがベスト男優賞を4度獲得し、作品賞を2度受賞した。さらにゴールデングローブ賞や全米映画俳優組合賞、サテライト賞など他にも多くの賞を獲得している。

『ブレイキング・バッド』のあらすじ・ストーリー

余命宣告から麻薬の売人へ

ニューメキシコ州アルバカーキに住む50歳のウォルター・ホワイトは、少し気弱な高校の化学教師である。第2子を出産予定の妻のスカイラー・ホワイトと、脳性麻痺で軽度の言語症と運動機能の障害を抱えているウォルター・”フリン”・ホワイト・ジュニアと共に暮らしている。

ある日、バイト先で意識を失って病院に運ばれたウォルターは医師から、肺癌で余命が2年だと聞かされる。これをきっかけにウォルターは家族への資産や自身の治療費を稼ぐため、元教え子のジェシー・ピンクマンを相棒として、通称メスと呼ばれる覚醒剤の一種であるメタンフェタミンの製造を開始する。

スカイラーにウォルターの秘密が発覚

ウォルターの製造した高純度のメスは、たちまち麻薬界隈に君臨する。麻薬の売人たちと繋がり、何度も危険なトラブルに巻き込まれたが、身を守るために殺人を行ったりしながら運よく難を逃れた。

そんな中でウォルターは治療の成果が出てガンが縮小し、在庫を売り切ったらメス作りから足を洗う決意をする。そんな矢先に妻のスカイラーに全ての嘘がバレてしまい、やむを得ずメスを作っていることを告白する。スカイラーはウォルターを軽蔑しながらも、警察に通報しない代わりに彼に離婚を突きつけ、職場の同僚と浮気までして彼から離れようとする。ウォルターは自棄になって教師の仕事を放棄してクビになってしまった。そして新たに取引することになった売人のグスタボ・”ガス”・フリングに説得され、メス作りを再開することを決める。スカイラーとは離婚寸前だったものの、麻薬取締官で義兄のハンク・シュレイダーが襲われて重傷を負った治療費を払うため、彼女がウォルターに協力するようになる。

追い詰められるウォルター

ウォルターはガスとの取引を上手くやっていたが、ジェシーを庇ってガスの部下を殺したことにより、2人は対立するようになる。家族や自分の身に危険が及ぶことを恐れたウォルターはガスを殺してしまい、スカイラーは彼に恐怖心を抱いて、子供たちを彼から引き離した。家族にも見放されてジェシーもメス作りから足を洗ったが、ウォルターは自分のエゴのためにメス作りを続行した。

しかし資金洗浄もままならないほどの大金を手に入れ、スカイラーに元の生活を返してと訴えられたことから、ようやくウォルターはメスから足を洗うことを決意する。そんな矢先、ついにハンクにウォルターの秘密がバレてしまう。さらにジェシーは、ウォルターがガス殺害の手伝いをさせるために恋人の息子に毒を盛っていたことを知って激怒し、2人は対立することとなる。ジェシーとハンクは手を組んでウォルターを追い詰めたが、ギャングの襲撃に遭い、ハンクが死亡。ジェシーはギャングのアジトに連れ去られ、メス作りの奴隷として働かされるようになる。

指名手配犯となったウォルターは家族と完全に決別し、人里離れた山奥で1ヶ月を過ごす。それからギャングのアジトに1人で乗り込んでいって金を奪った彼らに復讐を果たし、囚われていたジェシーも救う。だがその際にウォルターは自身の仕掛けたマシンガンの流れ弾が腹部を直撃し、警察が来る前に力尽きたのだった。

『ブレイキング・バッド』の登場人物・キャラクター

主人公

ウォルター・ホワイト(演:ブライアン・クランストン)

本作の主人公である。50歳の博学な天才科学者で、大学院でノーベル賞を授賞し、一時は学友と共に会社を立ち上げた。突然会社を辞めた後は、高校の化学教師を始める。妻のスカイラー・ホワイトとウォルター・”フリン”・ホワイト・Jr.と3人で暮らしており、後にホリー・ホワイトが産まれる。ある日、ガンで余命半年と宣告されたことをきっかけに、治療費と家族への資産を稼ぐため元教え子で売人のジェシー・ピンクマンを相棒に麻薬のメタンフェタミン(通称メス)の製造と販売を始める。裏社会ではハイゼンベルクと名乗り、高純度の青い色味を帯びたメスはブルーメスと呼ばれ、市場に君臨する。初めは気弱で生真面目な性格から、裏社会に馴染めず何度か足を洗おうとしていたが、傲慢で強欲な性格へと変わっていき自ら殺人を犯したりジェシーを操るために子供に毒を盛ったりと残虐な行為も厭わなくなる。やがてスカイラーにメスを作っていることを知られて離婚の危機に陥る。だが彼女も逮捕されることを恐れて協力するようになり、ひとしきり稼いだところで完全に足を洗うこととなる。その矢先に義兄で麻薬捜査官であるハンク・シュレイダーにハイゼンベルクと気づかれ、一時はハンクに逮捕されたが、ギャングの襲撃により逮捕を免れる。指名手配犯となり家族にも見放されたが、子供たちに残った金を送った後、金を奪ったギャングへの復讐を果たした。その際、自身が攻撃に使ったマシンガンの流れ弾を腹部に受けて死亡した。

ジェシー・ピンクマン(演:アーロン・ポール)

ウォルターの元教え子で、麻薬ビジネスの相棒である。2人兄弟の長男。絵は得意だが勉強は苦手で、薬物依存症となったことから両親に見放されて、1人で叔母の家に暮らしている。後に麻薬の売人を始め、ウォルターと手を組む。不真面目でいい加減な性格だが、心根は優しく、幼い子供が犯罪に巻き込まれて殺されたり友人や恋人を失ったりするうちに精神を病んでいく。やがてメス作りから完全に足を洗うが、ウォルターが自分を操るために恋人の子供に毒を盛っていたことを知って激怒し、彼と対立するようになる。そしてハンクと協力してウォルターを逮捕するが、ギャングの襲撃に遭ってアジトに連れ去られ、そこでブルーメスを作るための奴隷にされる。しかしウォルターがギャングのアジトを襲撃したことで解放されることとなった。

ウォルターの家族と親戚

スカイラー・ホワイト(演:アンナ・ガン)

ウォルターの妻で、フリンとホリーの母親である。ウォルターがメス作りを始めた直後から度々理由も言わずに外出したり、不審な行動をするようになったことに疑問を感じていた。ウォルターの治療費を稼ぐために以前勤めていた職場で復職したが、彼がメス作りをしていることを知って軽蔑し、家から追い出して離婚しようとする。ウォルターに抵抗されたため、彼に嫌われるために職場の上司であるテッド・ベネキーと浮気したが、ハンクがレオネル&マルコ兄弟の襲撃で重傷を負ってしまったことから治療費を払うためにウォルターに協力するようになる。その後、ハンクにウォルターの正体がバレた際も自分が逮捕されることを恐れて捜査協力せず、自首しようとするウォルターのことも止めている。そしてウォルターの行動によりハンクが殺されたことで決別したが、ウォルターが全ての罪を被って彼女が協力していたことを隠蔽したため、警察に逮捕されることはなかった。

ウォルター・”フリン”・ホワイト・Jr.(演:RJ・ミッテ)

ウォルターとスカイラーの息子である。ウォルターが働く高校に通っている。脳性麻痺により軽度の言語症と運動機能障害を抱えており、松葉杖をついている。ウォルターが肺癌を患っていると知った時は、応援サイトを立ち上げ、治療費を募るなど家族に強い愛情を抱いている。スカイラーがウォルターを拒絶して別居を始めた時は、理由を知らなかったため、彼女に怒りをぶつけてウォルターを庇っていた。だがハンクがウォルターを逮捕したことを機に、スカイラーから真実を伝えられてウォルターを軽蔑するようになり、彼が金を渡そうとしても拒否していた。

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