
『クリミナル・ミッション』(Criminal Activities)とは、2015年のアメリカ映画。個性派俳優として名を馳せるジャッキー・アール・ヘイリーの初監督作品として話題となったクライム・サスペンスで、90分の上映時間のうち、80分が序章といわんばかりの「ラスト10分間の大どんでん返し」が仕組まれたストーリー展開が好評を博した。マフィアに借金をした結果、その返済の代わりに敵対組織のボスの甥の拉致監禁を持ちかけられた男たちの姿を描く。
『クリミナル・ミッション』(Criminal Activities)の概要

『クリミナル・ミッション』(Criminal Activities)とは、2015年のアメリカ映画。超個性派俳優として知られるジャッキー・アール・ヘイリーの初映画監督作品として話題を呼び、90分の上映時間のうち、80分は序章といわんばかりの「ラスト10分間のどんでん返し」が評判となった作品。ところどころに些細な違和感を抱くシーンがちりばめられ、後から思えばあれは伏線だったのかと思い当たるものの、リアルタイムで気付くのはなかなかに難しいつくりとなっている。ヒントを極限まで減らし、視聴者を翻弄する「謎解き」として進んでいくというよりは、溜まりに溜まった些細な違和感を、ラスト10分で氷解させてくるストーリー構成で鑑賞した人々を驚かせ、カルト的な人気を博している。
舞台の裏側の種明かしを最後の10分間の部分に集約させ、余韻と呼ぶにはあまりに大きな衝撃と共に幕は閉じるストーリーは、序章の80分の間にもしっかり緩急がつけられ、クライムサスペンスとしてもしっかりと楽しむことができる傑作となっている。
ジェットコースターを下るかのような最後の急展開はもちろん、マフィアのボスであるエディを演じたジョン・トラボルタをはじめとした、出演者たちの名演技にも高い評価が集まった。
『クリミナル・ミッション』(Criminal Activities)のあらすじ・ストーリー
仲間の葬儀での再会
交通事故で死去した高校の同級生のマシューの葬儀に参加していたザックは、その葬儀で同じく同級生だったウォーレンとブライスに再会する。そこになぜか当時はいじめられっ子だったノアも加わる形で、彼らは行動を共にすることになった。
久々の再会と談笑を楽しむ4人。その会話の途中で、ブライスが切り出した株のインサイダー取引を利用しての儲け話に、ウォーレンやノアが食いつく様子を見せる。多額の遺産を相続した、というノアが快く出資したことで、20万ドルもの高額で株を買った4人。しかし、株を買った会社が不正により取り締まりを受けて社長が逮捕されたことを受け、彼らの所持している株はあっさりと暴落してしまうのであった。
儲け話の元手を失ってしまったウォーレンは、どういうわけかマフィアに連れ去られてしまう。「借金を返済するように」と迫られたウォーレンは何のことかと首を傾げるが、儲け話の元手を失ってしまったウォーレンは、どういうわけかマフィアに連れ去られてしまう。「借金を返済するように」と迫られたウォーレンは何のことかと首を傾げるが、相続した遺産としてノアが出資し、株を買った金はマフィアから借金したものだったという事実が発覚する。
エディの提案と誘拐の実行
マフィアからの借金は大きくなっており、その額は40万ドルに届こうとしていた。真っ当な手段では到底返せる額ではない借金を前に、途方に暮れる4人。その様子を見たマフィアのボスのエディが、この莫大な借金をチャラにする助け舟として、ある交換条件を提案する。それは、自身と敵対関係にあるマフィアのボスの甥であるマルケスを誘拐し、24時間監禁するというものだった。聞くところによると、エディの姪はこの組織に誘拐されており、彼女を取り返すためにマルケスを人質にしたいと考えたのだという。後がない4人はエディの話に乗らざるを得ず、マルケスの誘拐を実行することを決める。彼らは慎重に動向を探ってマルケスが一人になったところを襲い、捕らえて車に乗せることで「誘拐」という目的は何とか達成することができた。
誘拐されたマルケスが目を覚ますと、目の前には知らない若者4人がいた。「大人しくしていればいい、何もしない」と話してはいるが、どうにも手際の悪い誘拐犯を見たマルケスは、マフィアの組織に属する者ならではの洞察力で、この4人のおおよその事情を理解することができた。
そして、どれだけ良くない相手に手を出したのかを理解させることで、少しずつ主導権を握り、その場を支配し始める。
そんな状況のさなか、何者かと電話で話していたザック。仲間たちが彼を問い詰めると、彼は探偵に恋人の浮気調査を依頼していたといい、その報告を受けていたのだと事情を説明する。
罪を重ねる4人
マルケスの叔父であるフレミングは、甥が誘拐されたことに対して強い怒りを見せ、見つけた者には20万ドルを払うと宣言。この宣言を受け、彼の部下達が血眼になってマルケスの行方を探し回る。
この一方、誘拐事件の被害者であるマルケスは、場の主導権をすっかり掌握していた。一人ずつが持ち回りで自身の見張りに付いている際に「自分を解放すれば金が手に入る」と話し、誘拐犯を惑わす形で彼らの行動を煽り始める。
誘拐を指示したエディからは定期的な連絡はあるものの、マルケスの話を聞いた4人は、漠然とした不安を抱き始める。さらに、彼らにとって都合の悪いことは続き、マルケスに盗聴器が仕掛けられていることが判明する。マルケスを探しているマフィアの手の者達、あるいは、マルケスを追う警察がつけたかもしれないと疑う4人の焦りはピークに達していた。
そこに、エディが自身の部下を引き連れて現れる。エディは「誘拐された姪が見つかったので、マルケスはもはや不要」とし、4人に対して口封じのためにマルケスを殺すようにと命じる。4人は常軌を逸したエディの命令に焦りを覚えつつも、仕方なくマルケスを銃で撃ち殺すのであった。
真の裏切り者
殺害から数時間後、マフィア達がマルケスの遺体を海で処分していた。彼の叔父であるフレミングは、彼を助けるためではなく、組織を裏切っていたマルケスを始末するために追っていたことが明らかになる。
フレミングはマルケスを始末した男に金を渡していた。その男とは、いじめられっ子だったノア。ノアは手に入れた金を満足そうに見つめ、これまでの展開を思い出していた。
実はこの「自身の借金を発端とした誘拐事件」の全てはノアが計画した狂言であった。
ノアは自身の叔父であるエディ、そしてFBI の捜査官となっていたブライスと協力し、交通事故に見せかけて自分をいじめていたグループの一人であるマシューを殺害。
その葬儀でいじめっ子の残党であるザックとウォーレンを集め、割のいい儲け話をちらつかせて食いつかせる。協力者のブライスからマフィアの裏切り者だったマルケスの情報を仕入れていたノアは、彼らを利用してマルケスを殺し、マフィアから報酬を貰う、という手はずになっていたのである。こうして、事態はノアの企てた通りに進んでいき、そして、ザックの彼女の浮気相手は実はノアであったことも明かされる。
全てを知って怒り狂うザックをよそに、今回の件で手にいれた大金で彼から奪った恋人と仲良く海外に高飛びするノア。全ては自身をいじめた同級生に対する壮大な復讐劇で、ザックとウォーレンは彼の掌の上でまんまと転がされていたのであった。
クリミナル・ミッション(Criminal Activities)の登場人物・キャラクター
高校の同級生たち

ブライス(画像左手前)、ウォーレン(画像左奥)、ザック(画像右奥)、ノア(画像右手前)
ノア(演:ダン・スティーヴンス)

画像左の青年がノア
気の弱い青年で、高校時代はザックやウォーレンにいじめられていた。叔父でマフィアのエディとFBI捜査官になったブライスの手を借り、株のインサイダー取引を持ち掛けて乗り気にさせ、彼らへの復讐劇を開始した。
ザック(演:マイケル・ピット)
ノアの同級生で、昔は彼をいじめていたことで復讐のターゲットとなった。仕事も至って順調、美しい婚約者とも幸せな生活を送っているが、ノアが用意した株用の金がマフィアからの借金と知り連帯責任でエディの要求を飲まされたうえ、婚約者の浮気疑惑にも悩まされていた。
ウォーレン(演:クリストファー・アボット)
ノアの同級生。高校時代、ザックやマシューと共にノアをいじめていたことで復讐のターゲットとなった。
ブライス(演:ロブ・ブラウン)
ノア達の同級生で、現在はFBI捜査官。ノアと手を組み、エディと共に彼の復讐に手を貸した。ケンカの仲裁に回ったり、グループの中ではまとめ役のような立ち位置。
目次 - Contents
- 『クリミナル・ミッション』(Criminal Activities)の概要
- 『クリミナル・ミッション』(Criminal Activities)のあらすじ・ストーリー
- 仲間の葬儀での再会
- エディの提案と誘拐の実行
- 罪を重ねる4人
- 真の裏切り者
- クリミナル・ミッション(Criminal Activities)の登場人物・キャラクター
- 高校の同級生たち
- ノア(演:ダン・スティーヴンス)
- ザック(演:マイケル・ピット)
- ウォーレン(演:クリストファー・アボット)
- ブライス(演:ロブ・ブラウン)
- マシュー
- マフィアたち
- エディ(演:ジョン・トラボルタ)
- ジェリー(演:ジャッキー・アール・ヘイリー)
- マルケス(演:エディ・ガテギ)
- 『クリミナル・ミッション』(Criminal Activities)の用語
- インサイダー取引
- 『クリミナル・ミッション』(Criminal Activities)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 誘拐されたマルケスが場を掌握していくシーン
- 終盤の「大どんでん返し」
- 『クリミナル・ミッション』(Criminal Activities)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 本作でジャッキー・アール・ヘイリーが目指したのは『パルプ・フィクション』や『レザボア・ドッグス』のような映画