レタラ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

レタラとは野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する雄の狼。『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた。作中でもすでに絶滅したとされたエゾオオカミの生き残り。小樽で狩りをして暮らすアイヌの少女アシリパによく懐いており、彼女の窮地に颯爽と現れる。白銀の美しい毛並みを持つため、最後のエゾオオカミを狩ることに腐心する凄腕の猟師・二瓶鉄造に狙われる。二瓶との決戦では、銃の特性を理解する賢さを垣間見せ、アイヌから「ホロケウカムイ(狩りをする神)」と呼ばれる気高き狼として存在感を見せた。

網走監獄を脱獄した刺青を持つ囚人の一人。全国の監獄を脱獄した経験がある作中屈指の脱獄王。元の罪状は強盗とのことであるが、脱獄を重ねた結果罪が重くなった。
金に女に博打好きと、人間の欲望をそのまま体現したかのような人物。
コメディリリーフ的な立ち位置で、戦闘力はほぼなく、思慮に欠け他の勢力に易々と捕まったり動物用の仕掛け罠にかかることもあるため、年少のアシリパにすら「役立たず」と評されている。
作中でアシリパがアイヌ料理をふるまう一方で、白石は一般的な和人の料理を振舞うことがあった。作中でアシリパが初めて食べた味噌料理である桜鍋は彼の手によるもの。
脱走・潜入にかけては他の追随を許さず、日本一厳重な網走監獄だけでなく、作中では樺太にある亜港監獄への潜入も果たしている。
動物らに懐かれたり舐められたりしており、レタラにも頭を噛まれている。作中で彼を噛んだ動物はレタラ以外にも犬・子グマ・大鷲・タヌキ・魚のイトウ・蛇・馬など枚挙に暇がない。
自分勝手で情けなさの目立つキャラクターではあるが、情にも厚く、杉元とアシリパが別行動を余儀なくされた時には、杉元にアシリパのそばに付いて彼女を支えるように頼まれることもあった。

谷垣源次郎(たにがきげんじろう)

鶴見中尉の率いる第七師団に所属する軍人。階級は一等卒。
秋田県の阿仁出身のマタギで、軍務に服する前はマタギとして猟をして生活していた。過去に妹のフミを妹婿の青山賢吉(あおやまけんきち)に殺害されており、青山が軍に入隊したと聞くと、その復讐のため家族の反対を押し切り入隊した。
日露戦争の最中、瀕死の賢吉からフミを殺したのは「疱瘡に感染したフミが実家の家族を守るため、夫へ自身の殺害を頼んだため」という真実を聞かされ、彼の謝罪を受け入れる。戦後、軍人としての生き方に疑問を抱きつつあった谷垣は、任務のため山で過ごし、二瓶と交流するうちにマタギとして生きたいと願うようになり、第七師団のもとを離れることを決意した。そのケジメとしてレタラの毛皮を求め、二瓶と協力しレタラ狩りに参戦する。
レタラに敗北した後は、アシリパのコタンでアシリパの祖母・フチの世話になって療養し、恩義を感じるようになる。
真面目で誠実、情が厚い性格であり、フチへ恩を返すため療養後は「旅に出たアシリパを無事に故郷に連れて帰る」ということに役目を見出しアシリパたちと行動を共にした。

二瓶鉄造(にへいてつぞう)

網走監獄を脱獄した刺青をもつ囚人の一人。熊撃ちの名手であり、「冬眠中の熊もうなされる悪夢の熊撃ち」との異名を持つ。その腕前は北海道の猟師でありながら、秋田県で猟をしていた谷垣の耳にも名前が届いていたほどである。アイヌ犬のリュウを猟犬として従え、日清戦争で喪った息子の形見である十八年式村田単発銃を武器に猟をして暮らしている。
性格は豪快で、熊以上に獲物に執着するなど獣じみている。猟師を襲って獲物を横取りする盗賊に狙われた際には、報復のため2名を撲殺。最後の1名はすでに警察に捉えられていたにも関わらず、警察の目の前で首の骨を折るなど過剰な報復を与え、これが理由で網走監獄へ投獄された。この件に関して本人は「山での掟を貫いただけ」と述べ、人間の掟は窮屈であるように語った。網走監獄を脱獄した理由も金塊ではなく「山で死ぬため」であり、「勝負の末に死に、獣に食い散らかされて山に帰る」ことを理想としていた。
最後のエゾオオカミであるレタラを狩ることに固執している。負傷して行き倒れていた谷垣を救出し、行動を共にするようになる。その中で谷垣がマタギへの未練で揺れ動いていることに気づき、谷垣の迷いを吹っ切るきっかけを作った。
豪快な一方で女への畏怖と警戒心を持ち合わせる。彼自身には女房と息子が1人・娘が14人おり、現在は離縁され音信不通となっていることに起因すると推察されるが、作中ではそれ以上語ることはなかった。アシリパのことも「子どもといっても女」と警戒し、レタラの番であるメスのオオカミに襲われ致命傷となった際も、「やはり女は恐ろしい」と言葉を残した。

レタラの名言・名セリフ/名シーン・名場面

白銀の毛並みを靡かせ初登場するシーン

レタラの白銀の毛に手をかざすアシリパ(上)

マタカリプとなってしまった羆の怒りを買い、窮地に陥ったアシリパを救うために颯爽と登場した。レタラの初登場シーンともなり、美しい白銀の毛並みを靡かせ、絶滅したはずの狼が現れる幻想的な描写が施されている。また、レタラ自身の倍以上の体格の羆を相手にその獰猛さで牽制し、美しくも誇り高い勇猛な狼として印象付けるシーンとなった。

谷垣を撃退しアシリパに褒められるシーン

アシリパ(左)に褒められ腹を撫でられているレタラ(右)

アシリパの窮地に駆けつけ、谷垣を襲ったレタラに殺人を犯させたくないアシリパが、助けに現れたレタラを褒めて感情をなだめようとするシーン。それまでは勇猛な狼としての姿しか表さなかったため、気を許し腹を出して撫でられている姿はさながら飼い犬のようでもあり、読者から「可愛い」と評価を得ている。
またこのあと杉元がアシリパのもとへ合流すると、その「砕けた姿を見せるつもりはない」とばかりに、勇ましい表情に早変わりする様もセットで楽しまれている。

杉元の顔に貼られた馬肉を物欲しそうに見ているシーン

杉元(右)の顔に貼られた馬肉を物欲しそうに見つめるレタラ(左)

第七師団に拘束されていた杉元を見つけ出し脱出させた際に奪った馬を、追手の手がかりとしないため始末する必要があった。この時に、二階堂浩平・洋平兄弟と戦闘して顔が腫れていた杉元に、アシリパは「馬肉は腫れや内出血を鎮静させる作用がある」と馬肉を貼る。褒美として馬肉が与えられるのを待っていたレタラは、これを物欲しそうに眺めていた。このレタラの表情が「可愛い」とする読者もいれば、自身が食べられる訳ではないが、レタラの視線を感じ取った緊張感ある杉元の表情が「笑える」と評価する読者もいる。

二瓶鉄造との闘い

二瓶の照準が定まらぬようジグザグに正面突撃するレタラ

アシリパを囮に取られたことで激怒したレタラが、潜伏し奇襲攻撃のできない周囲を見渡せるひらけた場所で待ち構える二瓶に突撃する際、照準が定まらぬようにジグザグに疾走した。とても疾走感のある演出となっており、またレタラ自身の賢さと度胸強さを印象付けるシーンでもある。

レタラの裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

レタラのその後

二瓶鉄造との対決後のレタラの進退は作中で明らかにされていない。しかし、作者の野田サトルは「レタラの子供たちの血が今もどこかで受け継がれていて欲しい(どっかのアイヌ犬と混ざったりして)」とコメントしている。最終巻でアシリパが守った大自然の中で5匹の白い狼が描かれていることから、金塊争奪戦後も生きながらえ、北海道の自然の中で仔狼たちを養育し子孫を残したと推察される。

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マンスール(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

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マンスールとは、『ゴールデンカムイ』のキャラクターで、ロシア皇帝の暗殺にも加担したパルチザンのソフィア・ゴールデンハンドの仲間の1人にして砲撃手である。 アイヌの隠し金塊を手に入れるため、ソフィアや仲間たちと共に北海道に乗り込み、主人公の杉元たちに協力。金塊を我が物にせんとする第七師団と壮絶な戦いを繰り広げ、敵の駆逐艦を旧式の大砲で撃破するという大殊勲を挙げた。突如鳴り物入りで登場し、作品の内外からその力量に疑問を持たれるも、鮮やかな活躍で評価を覆したキャラクターである。

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二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

二階堂浩平(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

二階堂浩平(にかいどう こうへい)とは、『ゴールデンカムイ』の登場人物で、アイヌの隠し金塊争奪戦に参加している大日本帝国陸軍第七師団の兵士である。双子の兄弟の二階堂洋平を返り討ちにした杉元佐一に激しい殺意を抱くようになり、復讐を果たさんとたびたび死闘を演じた。戦いを経る毎に両耳や手足を失って行き、治療の際に使用したモルヒネによって薬物中毒者と化し、その副作用で子供のような性格の異常者となった。最終的に武器の仕込まれた義手や義足を装備し、心も体も壊れていきながら金塊争奪戦の最前線で戦い続けた。

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津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

津山睦雄(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

津山睦雄(つやま むつお)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する刺青の囚人のうちの一人で、「三十三人殺し」と呼ばれている。本編には登場せず、第七師団の鶴見中尉が刺青人皮を持っている。津山から剥いだ刺青人皮をベストのように着こなす鶴見中尉の姿は、多くの読者に衝撃を与えた。「三十三人殺し」という経歴から、モデルは「津山三十人殺し」の都井睦雄(とい むつお)であるという見方が一般的だ。

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菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

菊田杢太郎(きくた もくたろう)とは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、鶴見中尉率いる第七師団の一員。作中では珍しく、比較的常識的な言動をする男だ。日露戦争で倒したロシア将校の銃を奪い、戦争が終わった後でも持ち歩いている。金塊争奪戦には途中から参戦したが、その正体は軍中央から鶴見中尉に差し向けられたスパイ。また、かつて故郷を出たばかりの杉元佐一(すぎもと さいち)と出会い、軍に入隊するきっかけを作っており、「不死身の杉元」の生みの親とも言える。

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インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッ(ゴールデンカムイ)の徹底解説・考察まとめ

インカラマッとは、『週刊ヤングジャンプ』にて連載されていた野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』に登場する人物で、占いで生計を立て北海道を旅するアイヌ女性。少女の頃にアシリパの父ウイルクと交流があり、金塊争奪戦の渦中にいるアシリパの周囲に現れる。目的を明かそうとせず、周囲を占いで惑わすような行動を取るため、その存在を怪しまれている。鶴見中尉率いる第七師団から離れ小樽のアシリパのコタンで療養していた谷垣源次郎と、疱瘡で家族を失ったチカパシとともに、アシリパを追いかけ旅をする。

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