バクマン。に登場する物語・作中作・劇中劇・連載まとめ

新妻エイジの初連載作品。ジャンプの王道であるバトル漫画で、カラスをモチーフとした主人公「クロウ」の活躍を描く。担当編集は服部雄二郎。
1000通のアンケートのうち500票以上を獲得し、『赤マルジャンプ』の首位に輝いた。この結果を受けて新作『YELLOW HIT』を連載することになっていたが、エイジは編集部の意向を無視して『CROW』の連載版を描き上げ、連載を認めさせた。単行本10巻時点で累計850万部を超える売り上げを誇る大ヒット作となった。
「ベストな状態で連載を終わらせたい」と考えたエイジは、「10週連続でアンケート1位を獲ったら嫌いな連載漫画のひとつを終わらせる権利をくれ」と編集部に交渉して条件を達成し、最高の状態で『CROW』を終了させた。

LOVE力A to Z（ラヴぢからエートゥゼット）

「人気作家恋愛読切祭」という企画にエントリーした作品。アンケート順位は9位で、総合順位は7組中5位だった。
エイジにとっては初挑戦となる恋愛漫画だった。好きな子を巡って喧嘩をするシーンの評価は高かったが恋の心情描写が弱く、結果は振るわなかった。天才・新妻エイジの苦手分野を浮き彫りにした作品だ。

ZOMBIE☆GUN（ゾンビガン）

『CROW』の終了後にエイジが着手した連載作品。『REVERSI（リバーシ）』同様ダークヒーローを主人公とし、邪道を取り入れた王道漫画となっている。
ゾンビがはびこる世界を舞台に、ゾンビでありながら人間の心を持った主人公「GUN」が、人間に戻るために仲間と共に戦っていくストーリー。『REVERSI』を意識してか敵の描写に重きを置いており、主人公の兄「JIN」を登場させ、直後に新たな敵に兄を殺させるなど、読者を飽きさせない仕掛けを盛り込んでいる。
読切版がアンケート票数692票で1位という史上最高記録をマークしたが、その直後に亜城木の『REVERSI』に抜かれたことでエイジはやる気をなくしてしまう。『REVERSI』の連載が決まったことで改めて亜城木をライバルと認識したエイジは『ZOMBIE☆GUN（ゾンビガン）』を連載会議に提出し、『REVERSI』連載開始の前の号から連載を開始した。アンケート順位では『REVERSI』と首位を争っているが、単行本の売上部数では『REVERSI』に大きく差をつけられている。

福田真太（ふくだ しんた）の作品

KIYOSHI騎士（キヨシナイト）

福田真太の第6回『週刊少年ジャンプ』金未来杯エントリー作品。アンケート順位は3位で、得票数は1312票、支持率は79%。担当編集は服部雄二郎。作品の愛称は「キヨシ」だ。
現代社会の問題を絡めた過激なバトルヤンキー漫画だ。ギャグ要素も多く盛り込んでおり、サイコーとシュージンは「挑戦的で刺激がある」「現代版『男塾』って感じ」と評している。同期の亜城木に一歩遅れる形で連載を開始した。コミックスは全17巻。

ロードレーサーGIRI（ロードレーサーギリ）

福田真太の2番目の連載作品。初期タイトルは『ロードレーサー淵切（ロードレーサーぶちぎり）』だった。
バイクレースを題材に、少年誌らしい熱い展開を売りにした物語。『PCP -完全犯罪党-』の連載開始号に読み切りが掲載され、『KIYOSHI騎士（キヨシナイト）』と入れ替える形で連載が開始する。

殺生由意（せっしょうゆい）

「人気作家恋愛読切祭」エントリー作品。有名な不良校に通う不良が、「絶対に喧嘩をしない」という条件でお嬢様に恋をするストーリー。福田は「熱く燃えるストーリーに仕上がった」と自信を持っていたが、結果は振るわなかった。アンケート総合順位は7組中6位。

蒼樹紅（あおき こう）の作品

hideout door（ハイドアウト ドア）（作画：中井巧朗）

蒼樹紅がストーリー、中井巧朗が作画を担当した、第6回『週刊少年ジャンプ』金未来杯エントリー作品。アンケート順位は3位で、得票数は1103票、支持率は73%。
主人公の少年が森の中で妖精に出逢い、自分も妖精になろうとするメルヘン・ファンタジー漫画。中井は「自身の漫画家人生をすべて賭けた」と語っており、背景の細部に至るまで緻密に描き込まれている。女性キャラの顔だけは蒼樹がデザインしている。
編集部では背景を含む絵は好評だったものの、蒼樹のストーリーが少年誌向けではなかったことから連載は見送られた。その後、福田真太の『KIYOSHI騎士』に続いて連載を開始するが、アンケート結果は振るわず、中井と蒼樹のトラブルもあり打ち切りとなってしまった。コミックスは全4巻。

青葉の頃

『赤マルジャンプ』にセンターカラーで掲載された恋愛漫画。今回はストーリー・作画共に蒼樹が手掛けている。アンケート順位は3位。その後、連載が決定した。
主人公の麻芽翔一郎（まめ しょういちろう）県下一女子制服のスカートが短い高校「私立青葉学園」に入学してくるところから始まる。山久の提言により、それまでの蒼樹作品にはなかったパンチラシーンが盛り込まれている。サイコーをはじめとする漫画家仲間の恋愛話を元ネタとしたエピソードが多く、サイコーに「蒼樹紅の暴露話かよ」と揶揄された。ストーリーがマンネリ化したことで人気が低迷し、打ち切りになった。コミックスは全12巻。

神様がくれた…