るろうに剣心 伝説の最期編（実写映画）のネタバレ解説・考察まとめ

『るろうに剣心 伝説の最期編』の概要

『るろうに剣心 伝説の最期編』（るろうにけんしん でんせつのさいごへん）とは、和月伸宏の人気漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』（るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん）を原作とする実写映画。国家転覆を目論む武装組織との戦いを描いた原作の人気長編エピソード「京都編」の後半を、オリジナルの展開を交えて映画化したもの。
第18回ファンタジア国際映画祭の観客賞、第38回日本アカデミー賞の話題賞、第3回ジャパンアクションアワードのベストアクションシーン賞、ベストアクション作品賞、ベストアクション監督賞、ベストアクション男優賞、ベストアクション女優賞など数々の賞に選出され、前作と合わせて100億近い興行収入を達成する大ヒットとなり、同シリーズの高い人気と注目度を改めて証明した。これを受けて実写版『るろうに剣心』シリーズはさらに続いていくこととなり、「漫画原作の映画」としても他に類を見ないほどの大きな成功を収めていった。

“人斬り抜刀斎”の異名を持つ伝説の維新志士緋村剣心（ひむら けんしん）。その後釜として人斬り稼業を受け継ぎ、歴史の闇に葬られた凄腕の剣客志々雄真実（ししお まこと）。密かに生き延びた志々雄が、自分を裏切った維新志士たちへの復讐を兼ねた国盗りを画策していることを知った剣心は、「この国をさらなる戦火に飲み込ませるわけにはいかない」と彼を止めるために京都に向かう。
志々雄の切り札である甲鉄艦「煉獄」の出港を許した剣心は、師から奥義を学んで最後の対決に備える。一方、先んじて東京に到着した志々雄は、「明治政府を脅し、目障りな剣心を彼らの手で処刑させる」ことを画策。国の重鎮たちに請われるままおとなしく捕まった剣心は、否応なく“自身が人斬りとして犯してきた罪”との対峙を迫られる。

『るろうに剣心 伝説の最期編』のあらすじ・ストーリー

前編『京都大火編』の物語

“人斬り抜刀斎”の異名を持つ伝説の維新志士緋村剣心（ひむら けんしん）。その後釜として人斬り稼業を受け継ぎ、歴史の闇に葬られた凄腕の剣客志々雄真実（ししお まこと）。密かに生き延びた志々雄が武装組織を結成し、自分を裏切った維新志士たちへの復讐を兼ねた国盗りを画策していることを知った剣心は、「この国をさらなる戦火に飲み込ませるわけにはいかない」と彼を止めるために京都に向かう。
“剣術によって人を活かす”活人剣を説く神谷活心流の剣士で、剣心を慕う少女神谷薫（かみや かおる）。剣心の強さと心意気を気に入って協力する、東京では名の知れた喧嘩屋相楽左之助（さがら さのすけ）。警視庁の警官にして幕府の密偵、元新撰組三番隊隊長にして剣心の好敵手の1人である斎藤一（さいとう はじめ）。京都の人々を守るため剣心たちに協力する隠密御庭番衆の巻町操（まきまち みさお）と柏崎念至（かしわざき ねんじ）。

仲間たちと共に国盗りを食い止めんとする剣心は、志々雄一派の仕掛けた大規模な都市破壊計画「京都大火」を阻止。しかしこれは巧妙な陽動であり、陸地に剣心たちの注意を引き付けた上で志々雄は切り札の最新鋭甲鉄艦「煉獄」を出港させる。さらには、志々雄側についた隠密御庭番衆の四乃森蒼紫（しのもり あおし）によって念至が深手を負ってしまう。
目障りな剣心を始末するため、志々雄は薫を拉致して剣心を煉獄まで呼び寄せる。薫を取り戻そうと煉獄に乗り込んだ剣心だったが、甲板から叩き落された彼女を助けようと自身も海に飛び込み、荒れ狂う波に飲まれて意識を失う。翌朝、浜辺に打ち上げられた剣心は、かつて喧嘩別れした師の比古清十郎（ひこ せいじゅうろう）によっていずこかへと運ばれていくのだった。

るろうに剣心 京都大火編（実写映画）のネタバレ解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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『るろうに剣心 京都大火編』（るろうにけんしん きょうとたいかへん）とは、和月伸宏の人気漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を原作とする実写映画。国家転覆を目論む武装組織との戦いを描いた長編エピソード「京都編」の前半を映画化したもの。人気悪役の志々雄真実を実力派の藤原竜也が演じることで話題となった。
伝説の人斬り緋村剣心が新たな道を踏み出した頃、京都では凄腕の剣客にして野心家の志々雄真実が明治政府打倒のために活動を開始していた。剣心と仲間たちは、志々雄の打倒を目指してそれぞれに動き出す。

奥義「天翔龍閃」の伝授

目覚めた剣心は、比古が自分を助けてくれたことを知る。比古は志々雄一派の存在も、彼らが国盗りのために本格的に動き出したことも知っていたが、「我ら飛天御剣流の剣士はあくまで誰の味方でもない存在として人々のために剣を振るい、特定の勢力に加担してはならない」との教えを順守し、中立の立場を貫こうとしていた。
煉獄での立ち合いで志々雄の剣のすさまじさと彼の配下の猛者たちの力を知った剣心は、薫を守り切れなかった己の不甲斐なさを悔やみ、比古に「飛天御剣流の奥義を教えてほしい」と頼み込む。比古は剣心の覚悟が本物かどうかを試すように自らも剣を手に取り、稽古という名目で彼と立ち会う。

剣心と一緒に海に落ちた薫は、海流に乗って彼とは別の場所に打ち上げられていた。数日の間昏倒していた薫だったが無事に回復し、探しにやってきた仲間たちと合流。自分を助けようと海に飛び込んだ剣心が行方不明のままだと聞かされ、彼のことを案じる。
一方、操は「ずっと憧れていた蒼紫によって、親代わりになって育ててくれた念至が殺されかけた」という事実に衝撃を受けていたが、「蒼紫を助けるためにも一度彼を止めなければならない、嘆いてなんていられない」と一念発起。念至の代理として隠密御庭番衆の長となることを決意する。

蒼紫との対決

最強の維新志士と称される剣心だったが、比古の力はそんな彼をも遥かに上回り、幾度となく追い詰められる。「この男には勝てない」と改めて思い知らされた上で本気の比古と対峙した剣心は、今までにないほどに己の死を意識し、「生きたい」という強い想いによってかつてない力を発揮する。それを見た比古は、「“生きたい”と願う心こそは、人間の持つ中でもっとも強い感情だ」との極意を剣心に授け、彼に奥義を伝授する。
その頃、志々雄と彼の部下たちが乗り込んだ煉獄は東京湾に到着していた。煉獄の性能なら、この位置からでも砲撃によって東京を火の海にすることが可能で、明治政府は「志々雄が本気になったら新たな内乱が起きる、それを乗り切るだけの力は今の我らには無い」と恐慌。正面から迎え撃つことはできないと考え、志々雄を客人として丁重にもてなす。志々雄は明治政府の腑抜けぶりを嘲笑し、残る唯一の障害と目す剣心の排除のため、“明治政府自らによる剣心の処刑”を要求する。

煉獄が東京に出現したとの報せを受けて東京へと急ぐ中、剣心は死んでいった部下たちのため「我ら隠密御庭番衆こそ幕末最強」との証明を我が物にすることに執着する蒼紫の襲撃を受ける。重傷の身を押して念至が駆けつけるも戦える状態ではなく、剣心が相手をすることとなる。
剣心を倒すために徹底的に己を鍛え直した蒼紫だったが、奥義を修得したことでさらなる力を得た剣心には及ばず、打ち倒される。これを見て安堵した念至は息を引き取り、彼に未来を託された剣心は再び東京を目指す。一方、志々雄による剣心の処刑計画の話を聞いた薫たちは、「処刑計画を出すということは志々雄は剣心の死を確認していない、つまり剣心は生きている」と考え、彼と合流するために東京に向かう。

伝説の最期

東京に着いた剣心は、明治政府の重鎮たちの前に通され、「志々雄の命じるままに処刑されてくれ」と頼み込まれる。それが日本を内乱の危機から救うことになるのであればと剣心はこれを承諾し、一方で「志々雄が自分の処刑を見届けるために前に出てくるなら、その時が彼を討つ好機だ」とも意見する。
少し遅れて東京にやってきた薫たちの前で、剣心は罪人として縄に縛られた状態で刑場へと連れ出され、その罪を並べ立てられた上で首を落とされることとなる。国のために尽くしてきた剣心がなぜこんな目に遭わなければならないのだと薫たちが悲鳴交じりの抗議を上げる中、剣心はいよいよ組み伏せられて斬り落とすために首を差し出す体勢を取らされる。

しかし、実はこの処刑劇は全てが剣心の意見を取り入れた上での策略だった。処刑人に扮していたのは斎藤であり、彼によって首ではなく自らを戒める縄を斬り落とされた剣心は、愛刀である逆刃刀・真打ちを手に処刑の様子を注視していた志々雄一派に襲い掛かる。
明治政府が自分の指示に従うか、もっとも警戒していた剣心を本当に殺すのかどうか注目していた志々雄は、またも騙されたことに激昂。部下たちにこの場を任せて煉獄に向かう。密かに控えていた明治政府の兵士や警官隊が志々雄一派を抑える中、斎藤や左之助も戦いに参戦。さらに蒼紫も駆けつけ、自身の暴走を止めてくれたことの借りを返すために剣心に助太刀する。

煉獄の決戦

志々雄一派の猛者たちを突破した剣心、左之助、斎藤、蒼紫は、煉獄へと乗り込む。そこで剣心は志々雄の懐刀の瀬田宗次郎（せた そうじろう）と戦い、かつて自身と互角に渡り合った彼を打ち破る。明治維新の混乱の中で全てを失い、何も考えずに志々雄に従うことで生きてきた宗次郎は、「志々雄は誰よりも強くて正しい。彼と同じ“強くて正しい”道を歩んできた自分が、なぜ“誰かを守るために傷つき勝利を捨てる間違った道”を選んだ剣心に勝てないのか」という混乱と困惑の中で戦線を離脱する。
左之助は左之助で、志々雄一派屈指の実力者である悠久山安慈（ゆうきゅうざん あんじ）と対決。彼らがただ欲に駆られて志々雄に従っているだけではなく、明治政府の横暴の被害者の集まりでもあることを知る。安慈の猛攻に苦戦する左之助だったが、持ち前のタフネスで攻撃を耐え凌ぎ、からくも勝利を得る。

この頃、船の外では煉獄に向かって砲撃が開始されていた。明治政府は「唯々諾々と志々雄の“剣心処刑計画”を受け入れる一方で、彼を煉獄ごと海に沈める」という硬軟合わせた対応を進めていたのである。それぞれに強敵を下した剣心たちは、ついに志々雄を追い詰めるが、彼の恐るべき剣技の前に4人まとめて圧倒される。
左之助が倒され、斎藤が倒され、蒼紫までもが倒される中、剣心は1人志々雄と対峙。お前を倒し、外にいる明治政府の腰抜けどもを殲滅し、この国を己のものにすると豪語する志々雄に、飛天御剣流の奥義たる神速の抜刀術「天翔龍閃（あまかけるりゅうのひらめき）」を叩き込む。これにより決定的なダメージを負った志々雄は、自身の生み出した熱と炎によって燃え上がり、その野望と共に消滅。剣心たちがそれぞれに脱出する中、煉獄も海の藻屑と消える。

かくして志々雄の野望は阻止され、剣心は仲間たちと共に東京へと帰還。薫や左之助たちと共に穏やかな日常を過ごし、一方で自分が生き残った意味を改めて考えていくのだった。

『るろうに剣心 伝説の最期編』の登場人物・キャラクター

主要人物

緋村剣心（ひむら けんしん）／緋村抜刀斎（ひむら ばっとうさい）

演：佐藤健

“人斬り抜刀斎”の異名で恐れられた伝説の維新志士。この国の未来のためと信じてあなたの人を斬り続けたことを悔い、“不殺の誓い”を胸に贖罪の旅を続けていたが、前作でかつての同志や好敵手、新たな仲間たちと出会ってからは東京に留まっていた。
実戦本位の古流剣術飛天御剣流（ひてんみつるぎりゅう）の使い手で、軽やかな身のこなしから放たれる一撃必殺の剣が持ち味。奥義「天翔龍閃」（あまかけるりゅうのひらめき）を修得したことで剣士としてさらなる高みに立つも、志々雄の策謀により味方である明治政府の手で刑場に送り込まれるという憂き目に遭う。

緋村剣心（るろうに剣心）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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緋村剣心（ひむらけんしん）とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』の登場人物であり、同作の主人公。左頬の十字傷と後ろで一つ結びにした長い赤髪が特徴的な単身痩躯の男。赤い着物に白い袴姿で腰には刃と峰が逆になっている刀「逆刃刀」を差している。一見物腰穏やかな優男だが、その正体はかつて幕末最強と謳われた「人斬り抜刀斎」。
動乱の中で多くの者を殺めた過去を抱えており、その償いと太平の世を生きる人々を守るため「不殺（ころさず）」の信念を掲げて旅をする「流浪人（るろうにん）」を名乗っている。

神谷薫（かみや かおる）

演：武井咲

父が西南戦争で戦死して以降、受け継いだ神谷道場を女手1つで守ってきた少女。実戦の経験はないが、自身も相当な腕前の剣士である。
勇猛で男勝りな一面と、女性らしい繊細な一面を併せ持ち、“剣によって人を活かす”という父から教えられた道場の理念を大事にしている。剣心を剣士として尊敬し、異性として慕い、彼の戦いを見届けるべく東奔西走する。

神谷薫（るろうに剣心）の徹底解説・考察まとめ - RENOTE [リノート]

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神谷薫（かみやかおる）とは『るろうに剣心』シリーズのヒロインであり主人公緋村剣心の妻、亡き父・越路郎が創り上げた神谷活心流の師範代である。あるとき、神谷活心流が人斬り抜刀斎を生み出した剣術である、と容疑がかけられていたときに剣心と出会う。剣心とともに父の生み出した流派の再建をするべく奮闘し、弟子となる明神弥彦を迎える。師範代として教えを説く日々であったが、ある日喧嘩屋の相楽左之助と出会い仲間となる。出会った仲間たちとともに剣心の命を狙ってくる刺客たちを倒すべく成長する。