キロランケ（ゴールデンカムイ）とは【徹底解説・考察まとめ】

北樺太に到着した一行は、樺太島と大陸が流氷で繋がる時を待って脱獄を企てる。
ニヴフの朝の漁の時間にあわせて監獄の複数箇所の外壁を同時に爆破し、囚人250人を一斉に脱獄させバラバラに逃げさせることで、追っ手をソフィアに絞らせないよう画策。亜港の岬にある燈台に保管されていた爆薬（日露戦争で日本軍が進行してきた場合に燈台を利用されないよう爆破させるため支給されていた）を奪う。また、亜港周辺に集落を構えていたニヴフ民族から衣装を譲ってもらい、白石を密かに亜港監獄に侵入させることで、ソフィアに手紙と衣装を届けさせた。
計画の上では、脱獄後は流氷の上を歩いて大陸へ渡り、大陸で待つパルチザンの仲間と合流する手筈であった。

警備が厳しい正面とは反対にあるタタール海峡に面した4箇所の塀に爆薬を詰め同時に爆破を狙ったが、爆薬の保存状態が悪く、爆破に成功したのは一箇所のみであった。その一箇所も、偶然現れたアムールトラに阻まれ、囚人たちは次々と負傷。ソフィアが無理やり背にまたがったことで、アムールトラはソフィアを振り落とし屋根へ逃げる。
キロランケによりもう一箇所の壁が再度爆破され、ソフィアらは新しい穴から監獄を脱出、アシリパと出会う。ニヴフの衣装を身につけたソフィアは、朝の猟に勤しむニヴフ民族に紛れるようにして追っ手の看守を撒き、脱獄を果たした。

頭部を負傷して重傷だった杉元は第七師団の手を借りて驚異的な早さで回復し、鶴見の部下の鯉登音之進（こいと おとのしん）少尉・月島基（つきしま はじめ）軍曹と、インカラマッを傷つけられて怒り心頭の谷垣源次郎（たにがき げんじろう）とともにアシリパを奪還するため樺太へ上陸。杉元達は南樺太の豊原で出会った山田曲馬団の座長から亜港監獄に収容されているパルチザン（ソフィア・ゴールデンハンドのこと）の情報を聞き、亜港監獄を目指していた。そこで、キロランケ達が脱獄のために監獄の塀を爆破した煙を発見し、吹雪の中杉元は烈火のごとく怒りながら彼らの痕跡を追ってきた。

流氷を渡りながら、ソフィアからウイルク（ポーランド語で「狼」の意）の名前の由来が、「狼の生き様に憧れ、狼のようになりたいとその毛皮を被って遊んでいたから」と聞いたアシリパは、ウイルクのアイヌ語の名前「ホロケウオシコニ」（アイヌ語で「狼に追いつく」の意）を思い出す。同時に、刺青人皮に彫られた文字にその音の文字が含まれていたことから、この名前が暗号を解く鍵であることに気づく。
そこへ、吹雪の中キロランケ達を追ってきた杉元らに追いつかれ、キロランケは谷垣によりマキリ（インカラマッに刺さっていたもの）で刺され負傷。逃走しながら谷垣の落とした小銃に仕掛け爆弾を施し、月島軍曹を重傷にするが、月島に庇われ無事だった鯉登少尉の激しい怒りを買い、鯉登少尉と組み合っている隙を月島・谷垣にそれぞれ撃たれ、瀕死となる。
アシリパはキロランケ本人からウイルクを殺した理由を聞きたがり、二人がとどめを差すのを制したが、アシリパに暗号を解く鍵を思い出したことを内密に聞かされると、キロランケは彼女に自分たちの目的とソフィアのその後を託し、流氷の上で絶命した。この流氷は、彼の故郷アムール川の河口付近で凍ったものが流れ込んできたものだった。

キロランケの関連人物・キャラクター

ウイルク

アシリパの父。樺太アイヌの母とポーランド人の父をもつ。北海道アイヌの中でもあまり見ない青い瞳の持ち主。ウイルクの名前はポーランド語で「狼」を意味し、狼のような冷徹で合理的な生き方に憧れ、狼の毛皮をかぶって遊んでいたことに由来する。
きわめて冷静沈着で合理主義であり、普通の人間なら躊躇しつつ辿りつく答えに、最短で決断できる人物。
網走監獄に収監され、脱獄囚らに金塊のありかを示す刺青を施したのっぺら坊の正体。もともとは極東ロシアで活動していたパルチザンの一派「人民の意志」の一人だ。
南樺太で育つも、1875年の樺太・千島交換条約のため、育った村の人々が樺太を離れていく中、父親がポーランド人だったため、北海道に渡ることができず樺太島に残った。その後、海を渡った村の人々は数年ののちに樺太島に戻ったが、元の村へは一人も戻らなかったという。
ロシアと日本の政策に翻弄された少数民族の生活や文化が失われていくことを憂い、極東ロシア・樺太・北海道の少数民族で連合して独立国家・極東連邦を築き上げるため、キロランケとともにロシアの革命家を利用するつもりでパルチザンの一味となった。
帝政ロシアの皇帝アレクサンドル2世を暗殺した爆殺犯であり、顔の大きな傷は、その時に負ったものである。逃亡生活の末、ロシア政府から「北海道に埋蔵金がある」という情報を入手し、極東連邦を築き上げる資金を得るためにアイヌの金塊を求めて北海道へ渡った。
北海道へ渡った後、より北海道アイヌの生活に馴染むためリラッテ（後のアシリパの母）と出会い結婚。アシリパを授かった。
アシリパの回想によるとヒゲや脇がクサイ、とのこと。
アイヌ女性は織り物、刺繍などの針仕事、男性は狩りなど性別でそれぞれの役割があるが、性別にとらわれず、アシリパに狩りなどの生活技術を授けることで、アイヌの先頭に立って戦えるよう育てた。
通常、男児につけるホホチリという額飾りをアシリパにもつけさせ、初めての狩りに成功した暁に切り落とす樺太アイヌの慣例儀式も行っている。

10年以上の逃亡生活の末アイヌの金塊の手がかりを得たものの、ロシア極東・樺太・北海道の少数民族の独立は現実的でないとして、キロランケにも黙って計画を変更していた。キロランケはウイルクが家族を得て考え方が変わってしまったと失望し、ウイルクが憧れた狼のやり方で殺してあげよう、と尾形に射殺を依頼した。

ソフィア・ゴールデンハンド

ウイルク、キロランケとともに極東ロシアで活動していた革命家の親玉。ロシアの近代化を目指し、君主制を倒そうと啓蒙活動をしていた。活動資金のために犯罪を繰り返す義賊でもあり、法廷でつけられた「金の手」という愛称で呼ばれている。
農民のような装いをしているが、ロシアの貴族階級出身。監獄収監以前は、ロシア語よりフランス語を話す習慣が身についていたため、咄嗟にフランス語が出てくることもあった。これは当時のロシアの上流階級の者に多く見られた習慣であった。
ウイルク、キロランケとともにウラジオストク在住日本人の長谷川に日本語を習ったが、本人に意欲がなくウイルクやキロランケの習熟度には遠く及ばなかった。
長谷川の自宅へオフラーナ（＝革命家など反政府分子を取り締まる秘密警察）が来訪してきた際には、自身らを捕らえに来たと早合点し、銃撃戦を繰り広げる。
長谷川の妻フィーナと子オリガが戦闘に巻き込まれ死亡した際に、女としての幸せ（結婚や出産、子育てといった当時の大衆が抱く女性としての人生観）を捨て、北海道へ渡るウイルクやキロランケには同行せず、ロシアで二人の帰還を待つ革命家として生きることを選んだ。
その後、パルチザンとしての活動のため亜港監獄へ収監されたが、どういった経緯であったかは作中では明らかになっていない。証拠が一切ないので処刑ができず密かに幽閉されていた。
亜港監獄を脱獄後、一度はキロランケ・アシリパと合流したが、吹雪の中を追いかけてきた杉元らとの戦闘の最中にはぐれ、キロランケが殺されるのを遠くから見ることしかできなかった。
氷葬された彼のマキリを持って大陸へ渡り、パルチザンの仲間を連れて北海道で再登場する。

キロランケによると、ソフィア本人はウイルクのことを愛していたが、ウイルクは彼女に応えることはなかった。一方キロランケはソフィアのことを愛しており、死の直前には北海道の妻子のことを思い出しつつも、最後はソフィアの横顔を思い浮かべて彼女の名を呼びながら絶命した。

亜港監獄に捕らえられた女囚として作中に初登場した際には、意志の強い細身女性といった風貌の過去編と比べると体型も肥満化し、人相もヤクザの親分のように変わっており、アニメ作品に至っては声優まで変更されている。しかし肥満女性を好むキロランケは、彼女を「めちゃくちゃいい女になった」と真顔で評した。

ソフィア・ゴールデンハンド（ゴールデンカムイ）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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ソフィア・ゴールデンハンドとは、野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の登場人物で、ロシア帝国に対抗するパルチザンのリーダー。若き日のキロランケとウイルクはソフィアとと共に帝政ロシアと戦っていた。皇帝殺害の実行犯として追われた3人は樺太に渡り、日本に潜伏するため、ロシア領で写真館を経営していた長谷川という男性に日本語を教わる。その後、キロランケとウイルクは北海道へ渡り、ソフィアは樺太に残ってパルチザンをまとめ続けた。

長谷川幸一（はせがわ こういち）／鶴見篤四郎（つるみ とくしろう）

作中の1891年のロシア・ウラジオストクに住んでいた写真家。キロランケ、ウイルク、ソフィアの3人に日本語を教えた日本人。作中で3人を、日本に実在した革命を成し遂げる中心的役割を果たした「維新の三傑」になぞらえて表現した。長谷川によれば、ウイルクは目的のために手段を選ばない姿勢で冷酷ととられるが強い意志で決断し行動できる人物とされた「大久保利通」、キロランケは対照的に陽気で合理的で柔軟で巨大な権力に立ち向かう剣の達人であった「木戸孝允」、ソフィアは誠実で義理と情があり軍を指揮する才能に長けて人望のある親分肌だった「西郷隆盛」、とのこと。この「維新の三傑」は日本の近代化を推し進めるのに役立ち、キロランケら3名の所属する「人民の意志」党もまた、ロシアの近代化を進めるために奮闘していた。
10代の頃父親の仕事の都合で日本からロシアに渡り、知人から写真館を譲り受けたことで写真師として暮らすようになった。現地で妻フィーナと結婚し、子オリガをもうけた。
キロランケ達3人の正体には気づいていたようだが、後述する自身の身元による事情もあり、ロシア政府に通報した様子はなかった。

彼の正体は日本軍のスパイであり、本名は鶴見篤四郎（つるみ とくしろう）。
ロシア皇帝暗殺を実行し逃亡生活中のため、周囲を警戒するキロランケ達にすら正体を気づかれることはなかったが、仲間のスパイが捕まったことで情報が漏れ、オフラーナ（秘密警察）による捜査の対象になった。
当時の所属・階級は不明。現在は帝国陸軍第七師団歩兵第27聯隊に所属し、階級は中尉。北海道に和人による軍事政権を樹立するため、アイヌの金塊を求めている。（彼の構想では、あくまでも日本に帰属意識がある和人による国家である必要があり、ここに少数民族であるアイヌは入っていない）
軍でも優秀な情報将校として一目置かれるどころか上官に警戒されるほどのキレ者であり、金塊争奪戦においては杉元組、土方組と肩を並べる三大派閥のひとつ第七師団を率いる。
7人のアイヌが殺害されたとされる事件のきっかけも彼による策略で、ウイルクが極東ロシアから北海道へ移動してきたパルチザンであると情報を流すことで、内部分裂を起こさせた。しかしウイルクはひとり生き延び、自身の過去を知るものの存在に気づき逃亡。網走監獄へ投獄されることとなったのである。
現在は日露戦争の奉天会戦での負傷により前頭部を損傷したため、ホーロー製の額当てを装着、口ひげ・あごひげを生やしており、ロシアで活動していた頃の面影を失っている。
キロランケとは鶴見として直接対峙することはなく、ソフィアもまた鶴見として対峙した時には、本人に明かされるまで彼が「長谷川幸一」と気づくことはなかった。

「長谷川」は彼自身の母方の旧姓である。

アシリパ

小樽周辺のコタンにすむアイヌの少女で、ウイルクの娘。父親譲りの青い瞳をしている。
刺繍などのアイヌの女仕事を嫌い、父に教わった狩りが得意。
名前は「新しい年」や「未来」をさすアイヌ語であり、自身も「新しい時代のアイヌ」と公言する。
幼い頃に母リラッテを病気で失い、5年前に父ウイルクをのっぺら坊に殺害され、フチ（おばあちゃん）と暮らしていた。
刺青を集める杉元と出会い、父の仇のため刺青を集めることでのっぺら坊が処刑されることを望んでいたが、キロランケから「のっぺら坊はウイルクである」という情報をもたらされ、のっぺら坊の正体と目的を知るために網走監獄を目指す。
キロランケとは、父が旧友だったこともあり、気を許している。しかし、ウイルクとキロランケの正体がパルチザンであったことも、二人の間に断絶があったことも知らなかった。
父を失ったことを深く悲しみ、ウイルクから与えられていたはずの暗号解読のヒントを長らく思い出すことができなかったが、キロランケと共に樺太島を旅しソフィアと出会ったことで、徐々にウイルクとの思い出を振り返り、ヒントに気づくことができた。
父がアイヌの金塊を求める残酷な争奪戦の仕掛け人と知り、同時に旅の心の支えだった杉元を一時失ったことで落ち込んでいたが、白石の励ましで立ち直る。
キロランケによってウイルクの軌跡を追いながら樺太の少数民族の生活を知ったことで、アイヌの文化を残すためどうしたらよいか模索するようになり、自身が公言する「新しい時代のアイヌ」として大きく成長を遂げた。

アシリパ（ゴールデンカムイ）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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アシリパとは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する主人公の1人である。北海道の小樽近辺の集落に住むアイヌの少女で、大人顔負けの精神力と狩猟技術と調理技術の持ち主。伝統を尊重しながら時代の変化を柔軟に受け入れ、「新しいアイヌ」たることを信念としている。アイヌが隠した金塊とそれを巡る殺人事件に父が関与していた事を知り、その真実と真意を知るため、元日本兵でもう1人の主人公である杉元と共に、隠し金塊の謎へと挑んでいる。

白石由竹（しらいし よしたけ）

網走監獄を脱獄した刺青を持つ囚人の一人。網走監獄だけでなく日本全国の監獄を脱獄してきた脱獄王。幼年監獄から服役しており、もともとは強盗罪での収容であったが、脱獄を繰り返してどんどん罪が重くなっていった。
作中では軍人など戦闘に特化したキャラクターが多いが、白石本人に戦闘能力はほぼなく、基本的にコメディリリーフ的扱いを受ける。年少であるアシリパにも「役立たず」や「脱糞王」と紹介されるほどである。しかし脱獄・脱走の才能に関しては他の追随を許さず、縄抜けや体の関節を外すことで小さな穴でも潜り込む離れ業を披露したほか、日本で最も厳重とされる網走監獄だけでなく、作中では樺太島のアレクサンドロフスク・サハリンスキーにある通称「亜港監獄」への潜入も果たしている。
博打と女が好きで、金塊争奪戦に参加しているのも自身が刺青をもつ囚人であることと大金を得たいがため。
杉元らと行動を共にしながら土方らとも内通していたが、実際には土方へすべての情報を渡していたわけではなく、結果的には土方らから得た刺青囚人の情報を杉元・アシリパにもたらすことで貢献していた。
キロランケのことは「キロちゃん」と呼ぶなど早くから気を許し、苫小牧につく前にアシリパから借りた資金を札幌の競馬場でスッカラカンにしてしまったことも打ち明けていた。
網走監獄でウイルクが射殺され杉元が重傷となった際には、杉元にアシリパを託されキロランケ・尾形らと共に樺太へ渡る。キロランケがインカラマッを「鶴見中尉と内通していたから連れていけない」と網走監獄内へ置いて行った際、彼のマキリが鞘から抜かれて失くなっていることに気づいたが、余計な火種を生まぬよう口を閉ざした。
キロランケが元テロリストであり指名手配されていることがわかると、アシリパにキロランケと別れて逃亡することを提案したが、父の軌跡を追って暗号解読の謎を解く決意をしたアシリパに一人で日本へ帰ることを促された。一度は単身帰国を考えるが、結局は杉元の切実な思いに突き動かされ、樺太の旅を続行した。
キロランケの最期には、流氷の上で死んだ彼の遺体を「春が来たらそのまま故郷の水にとけて眠れるように」と氷葬し、少数民族の未来を憂いていた彼を「真面目すぎる男だった」と表現し涙した。自身の身の安全と進退だけを追求してきた白石からすれば、キロランケのように民族の未来を憂いた行動は確かに「真面目すぎる」ものである。

白石由竹（ゴールデンカムイ）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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白石吉竹（しらいしよしたけ）とは『週刊ヤングジャンプ』で連載されている野田サトル原作の漫画・アニメ作品『ゴールデンカムイ』の作品に登場する人物。通称「脱獄王」の異名を持つ天才的な牢破りである。脱獄する際は看守を騙す詐術や狭い隙間を通るための関節外しなど、脱獄のための多彩な技術を持つ。体には金塊の隠し場所を描いた刺青が彫られており、同じ刺青が描かれている囚人の皮を集めるとありかが分かるようになっている。金塊の手掛かりとなる刺青を持つ囚人たちを探して、北海道で出会った仲間達と共に旅を続けている。

尾形百之助（おがた ひゃくのすけ）

帝国陸軍第七師団歩兵第27聯隊に所属する軍人であり、階級は上等兵。
狙撃の名手であり、距離300m以内なら確実に相手の頭を撃ち抜く技量の持ち主。また有効射程距離500mの三十年式歩兵銃を用いて2000m先の狙撃も可能との自信を見せた。
第七師団長の花沢幸次郎（はなざわ こうじろう）中将と浅草芸者の妾との間に生まれた非嫡出子。
性格は冷静沈着で淡々としており、周囲から一歩引いた立場にいることが多い。初期には鶴見中尉の部下として登場したが、その後は土方組に鞍替えしたり、キロランケと結託して土方を裏切ったりなど、金塊争奪戦の目的も含め、考えの読めないところが多い。
網走監獄でキロランケと結託しウイルクを狙撃した射殺犯。キロランケとの計画では杉元を狙撃する予定にはなかったが、のっぺら坊が何かを杉元に告げていたことで、後々自身らを危険に晒すと判断した。
キロランケには、「（のっぺら坊が杉元に話そうとしたのは）金塊の在り処か、暗号を解く鍵か、あるいはキロランケの正体か」と、彼に不利となる情報を与えないように配慮したと述べている。しかしこれは、尾形自身がアシリパにとっての杉元の立ち位置に代わることで、アシリパを都合よく操作して暗号を解く鍵を得るためであり、実際あとから杉元が追ってきた際には、彼の登場より早くアシリパに暗号を解く鍵を聞き出そうとして、わざわざキロランケ達から離れた場所へ連れ出していた。