TOKYO MER(走る緊急救命室)のネタバレ解説・考察まとめ
『TOKYO MER(走る緊急救命室)』とは、2021年7月から9月まで放送された本格救命医療ドラマ。都知事の号令で東京海浜病院内に設置された、試験運用中の救命救急プロフェッショナルチームTOKYO MER。最新の医療機器とオペ室を搭載したERカーで、危険な重大事故・災害・事件の現場に駆けつけ、負傷者に救命処置を施すチームの活躍を描く。一人も死者を出さないことが、彼らに課されたミッションである。コロナ禍で新型コロナウイルスとの闘いを続ける医療従事者に感謝の意を込めたドラマとして放送された。
パルナ共和国大使館の駐車場で二酸化炭素中毒事故が発生し、MERが出動する。しかし大使館の中には入れない。
一方、心臓の病気で赤塚が倒れ、余命3カ月を告げられるほど病状が悪化。主治医の高輪も手の施しようがない。
その頃MERは入口で立ち往生していたが、ベッドの上から赤塚が入館の許可を出し、MERとレスキュー隊は3名を救出する。千住は奥で倒れている男性を発見。喜多見は音羽にオペを任せ、千住の元に向かう。そのとき火災が発生し、火災報知器が作動して二酸化炭素がさらに放出され、駐車場のシャッターも閉まってしまう。二酸化炭素濃度が上がり続ける空間に閉じ込められた喜多見と千住は、車の中に避難し男性の処置を開始。
MERに指示を出す駒場の元に、白金がやってくる。白金は、大使館に許可なく入るのは言語道断だと言い、指揮権を握った。喜多見と千住は車内の二酸化炭素濃度が上がり、大ピンチに陥る。千住は車を降りてシャッターの電源を切り、シャッターをこじあけている隙に喜多見と患者を逃がす作戦を提案。外の二酸化炭素濃度は20%を越えていて、吸ったら命を失う危険な状況。しかし千住は方法はそれしかないと作戦を決行した。
赤塚は苦しみながら、「今回の件は全て駒場の指示に従うように」と改めて命令を出す。駒場は白金に「本物のレスキューは自分の命を犠牲にしてでも誰かを助ける覚悟を持っています!」と断言する。
駒場はMERとレスキュー隊に突入の指示を出し、出てきた喜多見と患者を救出。しかし千住はシャッターに挟まれ意識を失ってしまう。喜多見は必死に心臓マッサージをして蘇生させる。最後に救出した患者は、実は大使館の大使であった。もし救わなければ国際問題になり、駒場はその男性が大使ではないかと推測していたのであった。
その頃喜多見の逮捕歴がニュースで報道されていた。
涼香の死
喜多見がテロ組織との関与を疑われ、MERは出動禁止を命じられた。そんな時、医科大で爆発事件が発生し、喜多見と音羽が出動。すると椿から連絡が入り、「喜多見たちのいる教室から誰かが出たら再び爆発させる、中には内通者がいる」と言う。
しかし公安の南は、喜多見に送られたメールから喜多見が内通者だと判断。中に閉じ込められた医大生たちも、連日の報道で喜多見をテロ組織の仲間だと怪しんだのであった。しかし喜多見はそんな中でも負傷者を助け続ける。
椿は警察に、天沼に裏金を渡したことを示す文書を内閣府のホームページで公表することを要求。17時までに公表されなければ再び爆発すると脅す。喜多見と音羽は必死に負傷者を助け、17時が近づき脱出しようとする。
学生たちも徐々に喜多見の情熱を感じ、喜多見をテロ組織の仲間とは思えないとSNSに投稿。すると怪我をしていた大杉という学生が、自分が内通者だと白状した。SNSで椿と知り合い内通者となった大杉は涙を流しながら喜多見に真実を話し、喜多見は南に非常口の扉を開けるよう頼んだ。
死者ゼロで終わったと思われたが、涼香が喜多見を心配し医大にやってくる。喜多見は涼香の鞄にある水筒が入っていることに気が付くと、その水筒は爆発して涼香と喜多見は負傷。ERカーで涼香をすぐに処置するが、涼香はそのまま亡くなってしまう。こうして初めて、死者が1名出てしまったのであった。
最後の出動
喜多見は涼香の葬儀の後、倒れて入院してしまう。すっかりやる気をなくした喜多見は、「MERを解散すべき」と言い始めた。その頃椿は東京中で爆破テロを起こしていて、多数の被害が出ていた。
赤塚は生死の境を彷徨い、心筋組織移植の許可を申請していた。音羽や白金は相変わらず天沼に従い、MERの最終審査会で喜多見と椿の関係性を証言することになった。するとまたMER出動要請が入り、比奈が現場に向かった。
審査会で音羽は、喜多見が椿を助けたことで今回のテロが起こったと非難。しかし音羽はMERの必要性を訴えた。結局多数決でMERの解散が決定し、急いでMERの元に向かった。MERの現場では、圧倒的に人手が足りず、天沼の指示で厚労省職員がERカーの使用を禁じ、MERは何もできなくなった。すると白金が急に「命を最優先します」とMERの許可を出し、厚労省職員、レスキューなどが一丸となって命を救い始めた。
白金は天沼の不正を公表し、久我山に赤塚の手術の許可を取れるよう頼む。その頃喜多見は自宅にいて、高輪がイヤホンを届けた。イヤホンからはMERメンバーの頑張る声が聞こえてきて、喜多見の心が揺れる。音羽は爆発現場に取り残された人を助けていたが、充満したガスで気を失いかけてしまう。そんな音羽を助けたのは喜多見だった。
喜多見は本来の自分を取り戻し、MERは一丸となって助ける。その時、椿がMERの部屋で爆弾のタイマーを押した瞬間、月島たちが椿を取り押さえた。そして、撃たれた椿を戻ってきた喜多見は治療し始めた。結局喜多見たちは椿を救うのであった。
2ヶ月後、MER正式発足式典で赤塚は元気に出席。音羽はMER統括官に任命され、最高のチームが誕生した。そして式典中に出動要請が入り、MERは現場に向かうのであった。
『TOKYO MER』の登場人物・キャラクター
TOKYO MER
喜多見幸太(きたみ こうた/演:鈴木亮平)
TOKYO MERのリーダーで、驚異的な救命技術を持つスーパー救命救急医。どんなに危険な現場でも瀕死の患者の元に飛び込んでいく。国際医療機関の医師団に所属し、設備が充分ではない戦地で救命活動に従事していた経験から医師としての技術・判断力は非常に高く、負傷者が何十人といる中でも優先順位を瞬時に判断して迅速な処置を行っている。MERの正式運用開始後は、音羽の後押しもあって再びチーフドクターに任命された。
音羽尚(おとわ なお/演:賀来賢人)
救命救急のプロフェッショナルチームTOKYO MERのチームメンバー。厚生労働省の若手エリート医系技官であり医政局地域医療計画課長。表向きはMERの評価を行うために加入しているが、その裏では白金厚生労働大臣からTOKYO MERに正式認可を与えないよう密命を受けている。危険を冒して患者を助ける喜多見の信念に否定的だったが、次第に彼の理念や行動に感化される。MERの正式運用開始後は、MERの統括官に就任する。
弦巻比奈(つるまき ひな/演:中条あやみ)
東京海浜病院の研修医で、履歴書をみた喜多見がMERに推薦して兼任することとなった。未熟な面が目立ったが、危険な現場に自ら飛び込み患者の命を救う喜多見の姿勢を通じて、目の前の命に向き合う医師としての使命感を強く持ち次第に成長していく。
蔵前夏梅(くらまえ なつめ/演:菜々緒)
救命現場で器械出しや医師たちの補助をする看護師。シングルマザーで娘がいる。自分の意見や意志をはっきり言う性格で、喜多見と同じく他組織や目上の相手にも怯まない。喜多見の頼れる右腕ナースとして、一刻を争う救命現場に必要不可欠な存在。
冬木治朗(ふゆき じろう/演:小手伸也)
腕利きの麻酔科医で、MERの中でも最年長。チームのムードメーカーでもある。妻とは仕事の忙しさですれ違いが続き、家族とは別居状態になっている。息子の壮太に見栄を張り、MERの副チーフだと言っていたことを喜多見が知ると、MERの副チーフということにされる。穏やかな性格でチームのパパ的な存在。
徳丸元一(とくまる もといち/演:佐野勇斗)
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目次 - Contents
- 『TOKYO MER』の概要
- 『TOKYO MER』のあらすじ・ストーリー
- TOKYO MER発足
- 比奈の葛藤
- 人質事件
- トンネル崩落事故
- エレベーター事故
- ハチの襲撃
- テロ事件
- 停電事件
- 大使館事件
- 涼香の死
- 最後の出動
- 『TOKYO MER』の登場人物・キャラクター
- TOKYO MER
- 喜多見幸太(きたみ こうた/演:鈴木亮平)
- 音羽尚(おとわ なお/演:賀来賢人)
- 弦巻比奈(つるまき ひな/演:中条あやみ)
- 蔵前夏梅(くらまえ なつめ/演:菜々緒)
- 冬木治朗(ふゆき じろう/演:小手伸也)
- 徳丸元一(とくまる もといち/演:佐野勇斗)
- ホアン・ラン・ミン(演:フォンチー)
- 東京都
- 赤塚梓(あかつか あずさ/演:石田ゆり子)
- 駒場卓(こまば すぐる/演:橋本さとし)
- 清川標(きよかわ こずえ/演:工藤美桜)
- 目黒大知(めぐろ だいち/演:猪塚健太)
- 入谷洸平(いりや こうへい/演:正木航平)
- 東京消防庁
- 千住幹生(せんじゅ みきお/演:要潤)
- 厚生労働省
- 白金眞理子(しろかね まりこ/演:渡辺真起子)
- 久我山秋晴(くがやま しゅうせい/演:鶴見辰吾)
- 与党・民自党
- 天沼夕源(あまぬま ゆうげん/演:桂文珍)
- 警視庁
- 月島しずか(つきしま しずか/演:稲森いずみ)
- 高松(たかまつ/演:馬場徹)
- 東京海浜病院
- 高輪千晶(たかなわ ちあき/演:仲里依紗)
- 深沢陽斗(ふかさわ はると/演:佐藤寛太)
- 喜多見涼香(きたみ すずか/演 :佐藤栞里)
- Lasting Peace 9
- エリオット椿(エリオット つばき/演:城田優)
- 『TOKYO MER』の用語
- MER
- T01(ティーオーワン)
- T03(ティーオースリー)
- 『TOKYO MER』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 喜多見「待っているだけでは助けられない命もありますから」
- 冬木「オペ室の患者の命を守るのが、麻酔科医の仕事です」
- 喜多見「比奈先生、履歴書に書いてたでしょ。医者になった理由。『人の命を守りたいから』って。だから選びました。当たり前のことなんですけど、意外と少ないと思うんですよね。ただ純粋に人の命を救いたいという医者は」
- 『TOKYO MER』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- キャラクターの苗字には東京都の地名が用いられている
- 大掛かりなスケール
- コロナと戦う医療従事者に捧げられたドラマ
- 『TOKYO MER』の主題歌・挿入歌
- ED(エンディング):GReeeeN「アカリ」