相棒 season21(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ
『相棒 season21』とは、警視庁特命係の刑事コンビが数々の事件を解決していく、テレビ朝日によるテレビドラマである。
「警視庁特命係」は、不祥事を起こした刑事や辞職してもらいたい刑事が上層部の意向で送り込まれる窓際部署。“人材の墓場”とも揶揄されるここには、優秀過ぎて上層部が隠しておきたい秘密まで暴いてしまう刑事・杉下右京が籍を置いていた。ある時東南アジアの小国サルウィンに関する国際テロが発生し、杉下はかつてこの国へと旅立っていった元特命係の亀山薫と共に捜査に乗り出していく。
第20話「13」
特命係とも縁深い故小野田公顕のものを含む、13人分の遺骨が盗まれた。去年の春から冬にかけて起きたこの事件は、「13」を名乗る犯人から被害者たちに犯行声明が届けられたことで、新たな局面を迎える。
かつて特命係で活躍していた神戸尊から、「小野田の遺骨の奪還」を命じられた杉下と亀山は、珍しく正式な調査権を得た上で調査を開始。鉄道マニアの米沢守の知識も借りて、犯人はかなりの鉄道マニアを含むグループではないかとの仮説を立てる。
一番最初に盗まれたのは、真野という人物の遺骨で、杉下は「最初に狙われたなんらかの理由があるはず」とこの1件に注目。一方、亀山は事件が春、夏、冬の一時期に集中して発生していること、特に夏に多く起きていることから、「犯人はこの時期に長期の休みがある学生か、あるいは学校関係者なのではないか」と推測。2人はこの条件を満たす"真野家の墓地"近くの学校関係者を調べていく。
その頃、犯人から新たな犯行声明が届けられる。「3月30日までに、ネットで公開されている女狐ツンツンの動画に、小野田公顕のアカウントで1万円を投げ銭しろ」というその内容を見て、杉下は「いよいよ学生のイタズラじみてきた」と漏らすのだった。
第21話「13~隠された真実」
骨壺を盗み出したのは、果たして中学生の少年少女たちだった。「ながとろ河童塾」という私塾に通う彼らは、そこの講師葛葉宰三が「団塊の世代が日本を滅ぼす」と語っているのを聞いて義憤に駆られ、今回の事件を起こしたのだった。
「自分が“団塊の世代は悪”との思想を植え付けたからこんなことになった」と、葛葉は子供たちを庇って罪を被ろうとするが、杉下と亀山は彼の偽証を見破る。実行犯である子供たちも次々と捕まるも、その中の1人である田中正義だけは逃亡を続ける。
実は正義は、「家庭内で暴君のように振る舞っていた自分の祖父を、自分の両親がヒ素を盛って殺した」と疑っており、一番最初の骨壺盗難が彼の祖父のものだったのもそれが理由だった。両親の反応からこれが真実であることを悟った正義は、目に涙を浮かべて「自分も、両親も、きちんと罪を償ってまた家族になりたい」と駆け付けた特命係の前で訴える。
かくして盗まれた骨壺はそれぞれの墓に戻り、事件は解決。旧知の気安さで小野田に失礼なことを口にして、亀山に「官房長が化けて出ますよ」と釘を刺された杉下は、「化けて出てくれるならもっと言ってみよう」と言葉を返すのだった。
『相棒 season21』の登場人物・キャラクター
警視庁特命係
杉下右京(すぎした うきょう)
演:水谷豊
警視庁特命係に身を置く警部。チェスと紅茶を嗜み、英国風のスタイルを愛する老紳士。常に柔和な笑顔を浮かべ、誰に対しても礼節を持って接するが、許しがたいと感じた犯罪者に対しては声を荒げて一喝することも。聡明かつ論理的な思考の持ち主だが、それが行き過ぎて人の心の機微を軽視する傾向があり、「刑事としては優秀だが人間的には難がある」と称される。本人はこれを「誤った評価」と言い張っているが、この性格が原因で過去に離婚した経験がある。
恐るべき推理力の持ち主で、上層部の意向で揉み消されたものを別にすれば、解決できなかった事件はほぼ皆無。そうやって隠蔽された事件ですらもしつこく掘り起こしては真相に辿り着くことが珍しくなく、警察内部からも疎まれているが、本人はまったく気にしていない。
一方、意外にもオカルトに興味津々な一面があり、幽霊や妖怪などの超常的な存在が事件に関わっていると知ると妙に乗り気になる。
亀山薫(かめやま かおる)
CV:寺脇康文
かつて警視庁特命係に在籍していた元刑事。親友の死をきっかけに、彼が犯罪行為に手を染めてまで守ろうとしたサルウィンの子供たちとその未来に興味を抱き、警視庁を辞して同国でのNGO活動に身を投じた。以後13年間を激動のサルウィンで過ごし、腐敗政権の打倒と民主政権の樹立を見届ける。サルウィンが国際社会への復帰を果たした折り、日本国内で開かれた親善パーテイーで杉下と再会。相変わらずの偏屈ぶりに呆れつつ、そこで起きた事件に巻き込まれていく。
良くいえば純粋、悪くいえば単純な性格の熱血漢。切れ者過ぎて人の心の機微に疎い右京とは裏腹に人情家で、それが原因でトラブルに巻き込まれることもしばしば。あまり自覚していないが非常に優れた味覚の持ち主で、霊感も強いのか幽霊の類に出会うことも少なくないものの本人はこれを苦手としている。
警視庁捜査一課
伊丹憲一(いたみ けんいち)
演:川原和久
捜査一課の刑事。強面で言動も荒っぽく、時に強引な手法で捜査を進めることもあるが、胸の奥には“市民を守る警察の人間”としての誇りを秘めた硬骨漢。長いこと婚活を続けているが、仕事優先で毎日駆け回っているため未だに独身。
勝手に捜査に参加してはあれこれと嗅ぎ回っていく特命係のことを快く思っていない。一方で杉下の推理力は承知しており、時に彼らに情報を流して事件解決の突破口を開かせたり、特命係が突き止めた事実を自分たちの手柄にしたりとうまく利用しながら付き合っている。
かつて刑事だった頃の亀山とはライバルの関係で、事件現場で見かけるとふてぶてしい態度で絡んでいくのが常だった。13年ぶりに顔を合わせた亀山に対してもそれは変わらず、PVでも懐かしのやり取りを披露している。
ファンからは芹沢、出雲と合わせて「トリオ・ザ・捜一」と呼ばれている。
芹沢慶二(せりざわ けいじ)
演:山中崇史
捜査一課の刑事。伊丹の後輩で、彼とコンビで行動することが多い。伊丹と比べると物腰が柔らかく、特命係にも比較的穏当に接する。一方で“捜査のために特命係を利用する”ことに対しても抵抗が薄く、露骨に頼み事をすることも少なくない。
伊丹からは長いこと後輩扱いされており、新たに捜査一課に加わった出雲に対しては自分が先輩風を吹かせている。
ファンからは伊丹、出雲と合わせて「トリオ・ザ・捜一」と呼ばれている。
出雲麗音(いずも れおん)
演:篠原ゆき子
捜査一課の新人刑事。元交通機動課の白バイ隊員だったが、『相棒 season19』の第1話で銃撃され、その犯人を自分の手で捕まえたい一心で捜査一課に転向した。殺されかかったことへの反骨心を自身の原動力としており、事件解決を第一に行動する熱血派。特命係には友好的で、彼らの捜査能力を純粋に評価もすれば頼りにもしている。刑事としては新人な上に女性であることもあって、伊丹からは軽んじられるなど捜査一課では弱い立場。特命係と捜査一課の間に位置するような人物となっている。
亀山が去った後に特命係と関わるようになったため、彼とは初顔合わせとなる。
ファンからは伊丹、芹沢と合わせて「トリオ・ザ・捜一」と呼ばれている。かつて捜査一課には三浦信輔(みうら しんすけ)という刑事が所属しており、当初は彼がトリオ・ザ・捜一の一員となっていたが、『相棒 season12』で犯人との格闘中に負傷して依願退職。『相棒 season19』で出雲が捜査一課に加わったことで、トリオ・ザ・捜一久々の復活となった。
陣川公平(じんかわ こうへい)
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目次 - Contents
- 『相棒 season21』の概要
- 『相棒 season21』のあらすじ・ストーリー
- 第1話「ペルソナ・ノン・グラータ~殺人招待状」
- 第2話「ペルソナ・ノン・グラータ~二重の陰謀」
- 第3話「逃亡者 亀山薫」
- 第4話「最後の晩餐」
- 第5話「眠る爆弾」
- 第6話「笑う死体」
- 第7話「砂の記憶」
- 第8話「コイノイタミ」
- 第9話「丑三つのキョウコ」
- 第10話「黒いコートの女」
- 第11話「大金塊」
- 第12話「他人連れ」
- 第13話「椿二輪」
- 第14話「まばたきの叫び」
- 第15話「薔薇と髭と菫たち」
- 第16話「女神」
- 第17話「定点写真」
- 第18話「悪役」
- 第19話「再会」
- 第20話「13」
- 第21話「13~隠された真実」
- 『相棒 season21』の登場人物・キャラクター
- 警視庁特命係
- 杉下右京(すぎした うきょう)
- 亀山薫(かめやま かおる)
- 警視庁捜査一課
- 伊丹憲一(いたみ けんいち)
- 芹沢慶二(せりざわ けいじ)
- 出雲麗音(いずも れおん)
- 陣川公平(じんかわ こうへい)
- 警視庁組織犯罪対策部
- 角田六郎(かくた ろくろう)
- 警視庁刑事部
- 内村完爾(うちむら かんじ)
- 中園照生(なかぞの てるお)
- 警視庁警務部
- 大河内春樹(おおこうち はるき)
- 警察庁
- 甲斐峯秋(かい みねあき)
- 政府関係者
- 鑓鞍兵衛(やりくら ひょうえ)
- 特命係と関わった人物
- 亀山美和子(かめやま みわこ)
- 小出茉梨(こいで まり)
- 『相棒 season21』の用語
- 特命係(とくめいがかり)
- 『相棒 season21』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 伊丹「“元”特命係の亀山ぁ~!」